新たなチームへ成長の兆し

射撃
エアーライフル40発部門ファイナルに出場した安達

エアーライフル40発部門ファイナルに出場した安達

 夏合宿での特訓を経た早大射撃部は、その成長を示すべく関東学生選手権秋季大会に出場した。来月に控える全日本学生選手権へ弾みをつけるという意味でも重要な今大会。シーズン初めから好調をキープする女子部は今大会でも3名の入賞者を出した。中でも安達瑛香(文3=徳島・城南)は3Pとエアーライフル40発の2部門でファイナルに進み、ともに5位で入賞。団体でも総合3位という好成績を残した。一方の男子は団体での3部門がいずれも奮わず、総合順位は1部最下位に終わった。

 女子部の快進撃が止まらない。スタートダッシュを飾った関東学生選手権春季大会から早3ヶ月、その勢いは落ちるどころかさらに加速している。3P部門では安達と蛯原綾乃(スポ3=茨城・竜ケ崎)が555点をたたき出し、団体3位につける。この部門でファイナルに出場した2人はそれぞれ5位と8位で入賞。エアーライフル40発部門では塚田恵美(スポ2=埼玉・栄北)らの活躍で団体5位を記録。塚田は個人で出場の伏射60発部門で全体7位を記録し入賞を果たした。この部門塚田と同得点も順位で入賞を逃した安達が女子部をけん引し、総合順位は3位だった。

立射の姿勢で的を狙う山村

立射の姿勢で的を狙う山村

 女子部とは対照的な結果だった。1部昇格の立役者である宮本駿(スポ4=茨城・竜ヶ崎一)ら主力が成果を残せなかった。伏射60発部門と3P部門は団体7位、エアーライフル60発部門では9位で、総合順位は1部最下位の7位となった。しかしそんな中でも、チームを率いる嶋田太郎主将(政経4=長野・松本深志)の表情は明るかった。「シーズン明けからやってきたことが実を結んでいる選手も多い」と話す嶋田主将。それに加え、女子部の活躍も男子部への刺激になっているという。「女子部の活躍が起爆剤となって成績を伸ばしている選手も見受けられるので女子様様という感じ」と語った。

 嶋田主将は男女が刺激し合い双方が高め合える姿をチームの理想像として挙げた。入賞者を多数輩出し波に乗る女子部。その影響が少しずつではあるが男子部にも現れてきている。主将の理想に向かって歩を進めれば、おのずと結果は出てくるはずだ。目前に迫った全日本学生選手権で成長した姿を見せられるか。早大射撃部の真価が問われる。

(記事、写真 山辺剛士)

結果

【男子団体伏射60発部門】600点満点 7位
吉原真人(教4=東京・青山)562点
宮本 561点
木村介度(人4=東京・早実)558点

【男子団体3P部門】1200点満点 7位
木村 1084点
山村英介(基理3=静岡聖光学院)1082点
宮本 1079点

【男子団体エアーライフル60発部門】600点満点 9位
宮本 563点
辛島喬任(法2=東京・青山学院)545点
山村 549点

【男子個人伏射60発部門】600点満点
眞部優人(社3=東京・早大学院)564点
嶋田主将 560点
広川圭汰(法3=新潟・柏崎翔洋中教校)558点
山本浩史(法3=東京・早大学院)557点
前田祟宏(政経2=神奈川・横浜緑ヶ丘)556点
山村 551点
梶山友則(社4=東京・開成)537点

【男子個人3P部門】1200点満点
梶山 1080点
山本 1057点

【男子個人エアーライフル60発部門】600点満点
梶山 555点
前田 546点
松井信衞(基理1=東京・桐朋)546点
揚原由統(創理3=東京・攻玉社)544点
熊田隆信(基理2=宮城・尚絅学院)542点
眞部 542点
木村 540点
皆川芳(法2=神奈川大付)514点

【男子個人デジタルピストル部門】400点満点
熊田 283点
黒原将(国教1=オランダ・The International School of Amsterdam)114点

【女子団体3P部門】600点満点 3位
安達 555点
蛯原 555点
塚田 548点

【女子3P部門ファイナル】
安達 406.7点
蛯原 365.0点

【女子団体エアーライフル40発部門】400点満点 5位
塚田 385点
長島遥(スポ1=埼玉・栄北)383点
蛯原 378点

【女子個人伏射60発部門】600点満点
塚田 574点
安達 574点
庄司圭織(政経4=東京・晃華学園)562点
蛯原 562点
中村若菜(人3=東京・国学院久我山)558点
長島 557点

【女子個人3P部門】600点満点
長島 648点
中村 545点

【女子個人エアーライフル40発部門】400点満点
安達 387点
小川智裕(スポ2=東京・東学大付)371点
中村 360点
庄司 358点
久保田優衣(先理2=東京・共立女)353点
井上美穂(基理2=兵庫・須磨学園)344点

【女子エアーライフル40発部門ファイナル】
安達 137.9点

◆ 団体総合順位
男子
7位 早大 (3P部門 7位、伏射60発部門 7位、エアーライフル60発部門 9位)
女子
3位 早大 (3P部門 3位、エアーライフル40発部門 5位)

コメント

嶋田太郎主将(政経4=長野・松本深志)※14日時点

――今大会ここまでの射撃を振り返って

ことしに入って調子を落としていて、なかなか自分の射撃というものが出来なかったのですが、夏合宿などを経て自分の射撃に近付けてきているんじゃないかなと思います。

――夏合宿ではどのような練習に取り組みましたか

コーチに来て頂いて、一対一で見てもらう時間が長くて、そのおかげで自分では気付かなかったところがよくわかりました。それが今回調子を上げてこられた要因なんじゃないかなと思います。

――チームの雰囲気はいかがですか

やはり全日本が近付いてきてチームの雰囲気も緊張してきていると思いますし、個人の実力的にもシーズン明けからやってきたことが実を結んでいる選手も多いので全日本が楽しみだなと思います。

――女子部が好調ですが、男子部の刺激になっていますか

そうですね。このところ女子部の活躍が目立っていますけど男子も自分たちが恥ずかしいと思ってきていて、それが起爆剤となって成績を伸ばしている選手も見受けられるので女子様様という感じですね。

――嶋田主将の目指す理想のチーム像を教えてください

やはりいま女子のチームという形になっていますが、それに負けないくらい男子の力がつけば良いと思っていますし、男子の力にまた女子が影響されて力を上げていくという双方が高め合えるチームになればいいと思っています。

――全日本への意気込みをお願いします

女子が今回3位ということで勢いをつけているので、女子は全日本でも入賞できるよう頑張って欲しいと思っています。男子は個人でも良いのでとりあえず入賞を目指して頑張って欲しいなと思います。

安達瑛香(文3=徳島・城南)※14日時点

――ファイナル進出おめでとうございます

ありがとうございます。

――今大会ここまでの射撃を振り返って

初日にエアーを撃って、そこまで悪くはなかったですがもう少しできるかなと思いました。でも周りが思ったよりも低くて、きょうファイナルに残ることができてひとまず良かったなと思っています。あとSBはきのう3Pでなかなか苦しみましたがあしたファイナルがあるのでまた気持ちを新たに切り替えて撃ちたいと思います。きょうの伏射60発はあまり語りません(笑)。

――40発部門のファイナルでのご自身の射撃はいかがでしたか

ファイナルは普段と違って時間の制限があるので焦ってしまってあまり良くなかったと思います。

――ファイナルは独特の雰囲気がありますがプレッシャーになりますか

プレッシャーにはならないですが普段とは違いますね。

――いまご自身の調子はいかがですか

最高ではないですが春に比べると良いかなとは思います。でもやっぱり試合にならないとわからないですね。

――女子部が好調の要因は

スポーツ推薦の人数が揃って、大学でもしっかり射撃をやってSBも始めてSBでも上を目指しているところかなと思います。

――チーム全体の雰囲気はいかがですか

男子はこの試合を通じて足りていない部分があることを感じてくれていると思うので、男子には上を目指しつつ自分たちをしっかり見られるようなチームになっていったらいいと思います。

――あしたの3Pのファイナルへの意気込みをお願いします

三姿勢のファイナルは初めてで普段とはかなり違う射撃になるのでまずは楽しんで撃ちたいと思います。