臙脂色の校旗がたなびく福岡での4日間にわたる大会を終え、470級1位、スナイプ級1位と圧巻のレースを展開した早大は、9年前の博多インカレ以来の完全優勝を成し遂げた。そしてこの優勝で早大史上初の全日本学生選手権(インカレ)総合4連覇を達成。3度の3連覇を経験している早大にとって待望の4連覇達成に、溢れ出る歓喜の気持ちそのままに博多港いっぱいに『都の西北』が響き渡った。
4連覇達成直後の歓喜の集合写真
高ぶる気持ちとは裏腹に、今大会は風に恵まれないまま全日程が終了。前年のインカレでは470級で8レース、スナイプ級で7レースが行われたのに対し、今大会は両クラス共に4レースで最終日を終えた。470級は1日目2日目共に関学大に後塵を拝し2位で推移したものの、スナイプ級では同大(同志社大学)に約40得点差を保ち1位で推移するなど、両クラスが堅実なレースを展開したことにより総合成績1位を保ち、完全優勝での総合優勝を手繰り寄せた。
インカレ4連覇への期待が大きくなるにつれ、選手たちにかかるプレッシャーは大きくなっていったが、そのプレッシャーに打ち勝ち勝利に向かって団結することができた背景には、部員全員が個性を尊重し合い、些細なことでも徹底的に考え抜くというヨット部の雰囲気があるだろう。新チーム始動時にゴールアクションと呼ばれる最終目標を部員たちが定め、それを目指して学生中心の組織運営を行った。部員たち自身で徹底的に考え抜いた末に、前例や慣例を疑い大胆に行動することもあった。数えきれない試行錯誤の積み重ねの上に手にしたのが、1年前に定めたゴールアクションである『OB・OGを含め、早大ヨット部関係者全員で輪をつくり校歌を歌う』を見事成し遂げるインカレ4連覇であろう。関口功志監督(平18人卒=愛知・半田)曰く、「今や大学ヨット界をリードする存在」である早大ヨット部の、5連覇という伝説への挑戦から目が離せない。
追記:今回の早大ヨット部インカレ4連覇を受け、これまでの大会を振り返ると共に、インカレ4連覇への道筋を辿る連載企画として記事を発信致します。
結果
▽470級
1位
▽スナイプ級
1位
▽総合
1位
(記事 畠山大輝 写真 ヨット部提供)