いよいよ全日本学生選手権(全日本インカレ)が今週末に近づいている。残り3日という今日、全日本インカレと同じ琵琶湖の地で早稲田同志社定期戦が開催された。風待ちの時間が長く、午後を過ぎてレースが行われることとなったが、そこから各クラス3レースを消化。総合優勝を果たし、全日本インカレに向けて弾みをつける結果となった。
470級は初レースから石川和歩(スポ3=香川・高松商業)・田中丸武(商3=早稲田佐賀)組がトップを奪う。続く2レース目では飯田澪(スポ2=山口・光)・金子俊輔(商4=埼玉・早大本庄)組が1位、倉橋直暉(スポ4=福岡・中村学園三陽)・高田澪(社2=カナダ・エルジンパークセカンダリースクール)組も2位に並び、順調にポイント差を広げていく。最終レースでも飯田・金子組が順位を押し上げ、連続首位に。9ポイント差で無事勝利を収めた。
コースの先を見つめる倉橋・高田組
対するスナイプ級は、第1、第2レースともに1位こそ取れないものの、3艇のポイントでは勝っているという状況が続く。そして迎えた最終レース、鈴木義弘(スポ4=山口・光)・鶴岡由梨奈主将(社4=東京・立教女学院)組が待望のトップホーンを響かせる。服部陸太(スポ2=神奈川・鎌倉学園)・河﨑元紀(スポ3=神奈川・鎌倉学園)組も「相手に惑わされずに自分たちの取りたいコースが取れ」たとして2位につけた。26-37と10ポイント以上の差をつけての勝利となった。
スタート前に風の様子を伺う服部・河﨑組
「西で一番強い」(青柳)同大(同志社大学)相手に両クラスで勝利した早大ヨット部。勢いそのままに全日本インカレへ向かってほしいが、普段の海とは全く異なるコンディションの中で風を読み切り、日本一になることはそう容易いことではない。実際、これまで琵琶湖で行われた全日本インカレで関東勢が優勝した回数はゼロ。『champion』、そして『challenger』として前人未到の勝利へ。悲願の3連覇に挑む――。
(記事、写真 宮島真白)
結果
▽470級
石川・田中丸組 1-5-3
倉橋・高田組 3-2-6
飯田・金子組 5-1-1
早稲田大学 27点 1位
▽スナイプ級
服部・河﨑組 3-3-2
鈴木・鶴岡組 4-2-1
白石・青柳組 2-5-4
早稲田大学 26点 1位
▽総合
早稲田大学 53点 1位
コメント
青柳建佑(法3=早稲田佐賀)
――今の率直な気持ちをお願いします
琵琶湖(で行われる全日本インカレ)は3連覇がかかったレースになりますが、早稲田はもちろん、関東域の大学は誰も勝ったことがないのでチャレンジャー精神でインカレに臨みたいと思っています。
――今日の定期戦の位置付けは
西で一番強いのは同志社で、昨年、一昨年勝っているのが早稲田という。同志社に勝てなくては全日本(インカレ)優勝はないので、一番意識している相手です。昨日(BBマリンカップ)も同志社に総合得点では負けていて、全日本優勝のためにも大きな壁として捉えています。
――今日良かった点と、課題だと感じた点をそれぞれ教えてください
良かったことはチームとして勝ち切れたことです。個人としては、マッチレースというのは大きいレースとは違って、対集団ではなく対個人の戦いになるので、ルールややることも少し変わってきて、その戦い方に慣れていなかったので苦戦してしまいました。
――印象に残っているレースは
1レース目です。最初5位で後ろを走っていたのですが、最終的に2位フィニッシュすることができて、順位を上げることができたので印象に残っています。
――琵琶湖は風がないと言われていますが、コンディションは
風は自分がその場所に行ってみないとそれが良い風なのか悪い風なのか分からないです。岸に囲まれていますし、沖の風が見えないので、どこから風が入ってくるか分からない状況の中で不確実性が高いですけど、その中でも確実性の高いコース取りが必要だなと感じています。
――全日本インカレへの意気込みをお願いします
チャレンジャー精神を忘れずに、早稲田大学の3連覇に貢献したいです。
河﨑元紀(スポ3=神奈川・鎌倉学園)
――今の率直な気持ちを聞かせてください
なかなか早稲田が勝ってこれなかった琵琶湖をホームグラウンドとしている同志社に、マッチレースですけど勝利という結果で終えられたのは、全日本インカレに向けて自信をつけられたかなと思います。
――どのような意識で臨んだか
全日本インカレとは戦い方が全く違ってくると思いますが、一番の敵となるのはこの地なので、しっかり勝って終わりたいなと思っていました。
――良かった点と課題と感じている点をそれぞれ教えてください
基本的に風で勝負できたことが良かったなと思います。雲の動きや奥の風を(スキッパーと)二人で話し合って、風をもとにコースを取ることができました。課題は少し動作でミスが出たことです。どうしてもマッチレースだと動作が多くなってしまう中で詰めの甘さが出たので、そういったところをもっとシビアに全日本インカレではやっていきたいです。
――印象に残っているレースは
最後のレースです。しっかり風と雲をもとにコースを取れて、優位な位置でゲームを展開でき、そこは相手に惑わされずに自分たちの取りたいコースが取れたので、してやったりというか(笑)。良かったなと思います。
――服部さん(服部陸太、スポ2=神奈川・鎌倉学園)とのコンビネーションはいかがでしたか
服部と組んだのはここ1カ月くらいで、新しいペアですが、練習やレースを重ねるたびに動作の息も合ってきています。今日も動作全てが完璧ではなかったですけど反省を見つけて課題を克服していく作業ができているので、全日本インカレでは完璧なコンビネーションをお見せしたいなと思います!
――意気込みをお願いします
全日本ではまず優勝ということを意識して、早稲田が一度も勝てていない地での全日本インカレなので全員不安に思う部分も少なからずあるとは思いますが、自信を持って本戦を迎えたいなと思います。