春と同じく日大に敗れる 全女でのリベンジを誓う!

ヨット

 夏も終わりに差しかかる頃、関東学生女子ヨット秋季選手権大会が開かれた。春と同様に、470級に2艇、スナイプ級に1艇が出場し、早大からは計3艇が出艇した。総合優勝を目標にレースに挑んだ選手たちであったが、結果は両クラスともに首位を日大に譲るという悔しいものとなった。

 470級に出場したのは飯田澪(スポ2=山口・光)・高田澪(社2=エルジンパークセカンダリースクール・カナダ)組と青山知央(スポ1=神奈川・鎌倉)・吉野満衣(政経3=ユナイテッドワールドカレッジ・アメリカ)組の2組。飯田・高田組は1レース目で第1マーク直後に艇を沈めてしまったものの、その後は安定感のある走りを見せ、最終2位を飾った。対する青山・吉野組は、入部してから成長に悩んでいたというルーキー・青山の「初めて成長を感じることができ、実りのある大会にすることができた」という言葉通り、春以上の走りを披露した。来週の全日本学生女子選手権(全女)にも期待がかかる。

ハーバーに戻る青山・吉野組

 スナイプ級には松尾華(スポ4=広島修道大鈴峯女)・鶴岡由梨奈主将(社4=東京・立教女学院)組が出場した。第1レースから2位、1位、2位と好成績を残し初日を首位で折り返すも、2日目に無念のリタイア。最終9位で今大会を終えた。1年時からペアを組んでいる松尾・鶴岡組。「来週が2人で乗れる最後になるのでしっかり悔いのないようにレースをしたい」(松尾)と、すでに見据えているのは全女での勝利だ。

 普段は男女混合で行われるヨット競技であるが、今大会そしてすぐ来週に控える全女は女子だけでのレースとなる。レース後のインタビューで選手たちが口をそろえたように、あくまで目標は全女での優勝。「全女で優勝し、ワセジョの力を発揮します!」(鶴岡)と言葉を残した。

(記事・写真 宮島真白)

結果

▽470級
飯田・高田組 (14)-2-2-2-5-1-2 14pt 2位
青山・吉野組 2-3-3-5-(8)-4-5 22pt 4位
▽スナイプ級
松尾・鶴岡組 2-1-2-2-17-20(RET)-20(RET) 49pt 9位
▽総合
早稲田大学 2位

コメント

鶴岡由梨奈主将(社4=東京・立教女学院)

――今大会を振り返って

不完全燃焼のレースでした。リタイアしたのもそうですが、コースも動作もペアで詰められる点が多くありました。今回のレースでの反省を活かし、全女につなげていきます。

――個人として、チームとして事前に目標としていたところは

個人としては、クラス優勝をして総合優勝に貢献することです。チームとしては、総合優勝を目標にしていました。

――実際はどうだったか

初日は1位で終えられたものの、2日目のリタイア2レースが響き、9位になりました。470、スナイプ双方で日大に優勝を奪われ、大きく点差を開かれてしまいました。完全に力負けです。

――全日本個選からの1週間でどのような準備をしてきたか

練習内容としては、レース期ということもあり、スピードチェックと長めのコース練習を重点的に行い、レースを想定した練習をしました。松尾の腰の容態もあり、ほとんどペアで練習ができない状態でレースに臨みました。自分は鈴木(義弘、スポ4=山口・光)と乗ることが多く、世界レベルの選手から毎練習1つでも多くのことを吸収することを目指して取り組んでいました。

――個人、チームそれぞれで良かったところと改善したいところは

個人としては、前回の春季関東女子インカレより選手として成長を実感できました。チームとしても、選手だけでなくサポートの課題も顕在化し、抜けのないチームを作る上で学びの多い経験となりました。一方、改善したい点としては基本に忠実に戦い抜くことです。相手が女子であれ、男子であれやるべきことは変わらないので、自分たちのレースができるように陸海で最善の準備を尽くし、チャンスの最前線にいたいと思います。

――2日間それぞれ海のコンディションは

北東のサバイバルコンディション(強風)でした。非常に風が強い中で7レースを消化するタフなレガッタとなりました。

――今後への意気込みをお願いします

全女で優勝し、ワセジョの力を発揮します! 応援してくださるOB、OGの皆さまや大会関係者の方々、男子選手、家族、友人に結果で恩返しができるよう、全力を尽くします。また、全女で勝ち切り、関東インカレ、全日本インカレに向けてチームに勢いをつけたいと思います。

松尾華(スポ4=広島修道大鈴峯女)

――今大会を振り返って

来週の女子インカレに向けていい点も見つかったし、改善点も見つかったレガッタになりました。

――事前に目標としていたところは

総合優勝を目標にしていました。

――実際はどうだったか

ケガのこともあってレースをリタイアすることになってチームに迷惑をかけてしまいました。ですが、全日本女子インカレも総合優勝を狙えると思うのでそこでしっかり頑張っていきたいです。

――1年時から組んでいるという鶴岡さんとのコンビネーションは

1年生の頃から一緒にいることもあって、言わないでも考えてることを分かってくれるのでとても乗りやすいです。来週が2人で乗れる最後になるのでしっかり悔いのないようにレースをしたいです。

――今後への意気込みをお願いします

来週の全日本女子インカレで優勝して、全日本インカレに向けてチームにいい勢いがつけられるように頑張ります。

飯田澪(スポ2=山口・光)

――今大会を振り返って

今大会を終えて、自身の力不足を痛感しました。

――事前に目標としていたところは

優勝を目標としていましたが、2位という結果で、内容も良くありませんでした。

――実際はどうだったか

1レース目は、スタートから第一マークまでは想定していた通りの展開でしたが、直後に沈をしてしまいました。技術不足でした。

――全日本個選からの1週間でどのような準備をしてきたか

全日本個選から1週間、ペアが変わって動作とコミュニケーションの面を特に練習してきました。

――今大会で良かったところ、改善したいところは

2日間サバイバルコンディションでレースを行い、レーシングスピードにおいては、良かったのではないかと振り返っています。一方で、動作とスタート、レース展開の面では改善できるところが多々あります。

――今後への意気込みをお願いします

まずは全日本女子インカレでクラス、総合ともに優勝し、秋インカレ、全日本インカレに向けて良い弾みになればと思います。

青山知央(スポ1=神奈川・鎌倉)

――今大会を振り返って

今大会は自分の成長を感じられた大会になりました。入部してからこれまでなかなか成長が目に見えず、自分の期待とは反したレベルにあることに苦悩を感じていました。しかし、冷静に自分を分析し課題と向き合ってきたおかげで、初めて成長を感じることができ、実りのある大会にすることができました。

――事前に目標としていたところは

目標は優勝することでした

――実際はどうだったか

達成することはできませんでしたが、自分の最大の目標は全女での優勝であるため、自分の今の実力を把握することができたので達成感は感じています。また、優勝された日本大学の中山・酒井ペアとはレベルに差があることも今大会で再確認しました。しかし、戦い方や安定したレースをすれば全女では優勝の可能性もあると考えています。

――印象に残っているレースは

最終レースが悔しく印象的です。最後のフィニッシュのレグで前の艇を抜かせる距離感にあり、どのように抜くかイメージできていたけれど、私のハンドリングのミスによってそれが実行できなかったというケースがありました。自分のイメージを実行できなかったのは非常に悔しくやり直したい気持ちです。

――ペアを組む吉野さんとのコミュニケーションについては

吉野さんとは常にコミュニケーションを取っていました。それはレース中はもちろん、大会前後も含めてです。会話の内容はレースの振り返りやイメージの共有、問題が起こった時にどのような心持ちにするかといったことです。雑談も沢山しました。

――今後への意気込みをお願いします

これからも冷静に課題に向き合って着実に成長しようと思います。