チーム全員でつかんだ総合V! 2年連続の日本一に輝く

ヨット

 曇り空の中、海上には歓喜の声が響き渡った――。昨年に続く全日本学生選手権(全日本インカレ)制覇を狙う王者・早大。奇しくも決戦の舞台は、3年前にも同大会で優勝を勝ち取った愛知・蒲郡となった。初日は微風の中、470級、スナイプ級共に大きく順位を崩すことなく、総合首位をキープ。続く2日目には差を17点まで詰められたものの、その座を譲らなかった。すると、3日目は風が吹かず、ノーレースに。最終日も各大学が海上で風を待っていたが、最終レースの開始時刻にAPA旗(※1)が揚がり、大会が終了。その結果、早大は翌年に3連覇を果たした2015年以来、2年連続の総合優勝を飾った。

 

 不安定な風が続き、途中にはノーレースもあった大会初日。軽風域で多くのレースが展開される中、直前に行われた同志社定期戦、全日本個人選手権(全日本個人戦)をこの地で戦い抜いたことも幸いし、早大は順調な滑り出しを見せる。470級では1番艇の倉橋直暉(スポ3=福岡・中村学園三陽)・松本健汰(政経4=東京・早大学院)組が3レース全てでシングル(※2)を獲得。スナイプ級でも蜂須賀晋之介(スポ4=茨城・霞ケ浦)・河﨑元紀(スポ2=神奈川・鎌倉学園)組は1レース目からトップホーンを鳴らすなど、快走を披露した。一方、「固定しないという選択肢を取った」(関口功志監督、平18人卒=愛知・半田)と話すスナイプ級の3番艇では、3レース目から服部陸太(スポ1=神奈川・鎌倉学園)・芝崎鉄平(スポ4=東京・都立三鷹)組に代わり、大久保優輝(創理=東京・早実)・川合大貴(商4=埼玉・早大本庄)組が出場する。すると、大久保・川合組は1上(※3)からトップを維持すると、そのまま1位でフィニッシュ。総合では2位の慶大と45点差をつけ、次の日のレースに進んだ。

 

出艇する倉橋・松本組(左)と西村・新井組

 

 迎えた2日目は、昨日と異なる強風の中でのレースとなった。470級では第6レースに順位を崩す場面もあったものの、それ以外のレースでは着実にスコアを稼ぎ、日大に食らいつく。対するスナイプ級では蜂須賀・河﨑組、尾道佳諭(スポ4=山口・光)・白石誉輝(スポ2=神奈川・深沢)組の2艇が抜群の安定感を発揮。加えて、6レース目に出艇した服部・芝崎組は上位に食い込み、レース間でのメンバー変更が功を奏すかたちとなった。この時点で総合トップ、スナイプ級で首位に立っていた早大だったが、総合2位の日大との差はわずか17点。1レースでの逆転も十分にあり得る状況で、後半の2日間に臨むこととなった。

 

 しかし、その後は継続した風が吹かず、レースの開催が難しい状況が続く。3日目のみならず、最終日においてもそうした風が吹く気配はなかった。「風待ちの時間はドキドキしていた」(西村宗至朗、社4=大阪・清風)と語るほどに、心理状態を揺さぶられる時間は長かったと言えよう。そうした中、午後12時半頃に運営は大会の終了を決定。レース中止を示す旗が揚がると、海上に待機していたレースメンバー、さらにはサポートメンバーが集まり喜びを分かち合った。

 

優勝旗、賞状を手に持つヨット部一同(最前列左から小泉、蜂須賀、新井主将、饒平名マネージャー)

 

 4日間のうち、レースが行われたのは前半の2日間のみと類を見ない決着となった今大会。多少幸運な面があったことは否めないが、それでも、「十分な準備をしたからこそ運を引き寄せられた」(蜂須賀)と振り返るように、万全の準備があったからこそ成し遂げられた総合優勝であった。また、新井健伸主将(商4=東京・筑波大付)のもと、全員が明るいムードでレースに臨めたこともチームの躍進につながったと推測できる。今後は長年、早大を引っ張ってきた4年生が抜けることで、レギュラー争いは群雄割拠の様相を呈する。「誠実に、誰から見ても恥ずかしくない早稲田を築いてほしい」(新井主将)。受け継いできた『団結力』を武器に、これからも早大ヨット部はさらなる高みを目指す。

(記事 足立優大、写真 内海日和、足立優大)

 

部員全員による集合写真

 

※1 レース終了を示す旗

※2 1桁の順位でフィニッシュすること

※3 最初のマークを回った時点

結果

▽470級

早大(倉橋・松本組、小泉凱皇(スポ4=山口・光)・上園田明真海(スポ3=大分・別府翔青)/田中丸武(商2=早稲田佐賀)組、西村・新井組) 215点(2位)

▽スナイプ級

早大(服部・芝崎/大久保・川合組、蜂須賀・河﨑組、尾道・白石組) 214点(1位)

▽総合

早大 429点(1位)

コメント

関口功志監督(平18人卒=愛知・半田)

――まずは優勝おめでとうございます。今の心境を教えてください

 ありがとうございます。今年はコロナもあり、かなり厳しい1年だったのですが、全員で総合優勝を勝ち取れてとてもうれしいです。

―今年は新しく合宿所が創設されましたが、そういった環境の変化はどう影響しましたか

 コロナで宿泊ができず、練習時間もかなり限られていたのですが、大学の関係各所のご協力もあり、新しく合宿所を建てていただきました。そのことによって、練習の質、量が高まり競技力も上がったので、何とか間に合ったという感じですね。

――今大会はどういったレース展開を考えていましたか

 両クラス共に上位の実力があることは分かっていたので、自分たちからスコアを崩さないこと、そして悪い順位を極力減らすことを第一に考えていました。最後こういった展開になるとは想像していなかったのですが、どんなコンディションでも安定して走れる力をみんながつけてきていたので、最後は自信を持って送り出すことができました。基本に忠実に、特別なことは必要ないという話をしていました。

――大会前には、多くの選手の方がスナイプクラスの3番艇がカギになると話していました。監督さんとしてはどういった考えを持っていましたか

 今秋はスナイプの3番艇が不安定ということで、どうしたら安定させられるかをテーマに持って取り組んできました。結論としては固定しないという選択肢を取りました。争っていたのは服部・芝崎組、大久保・川合組という4年生と下級生だったのですが、本当に甲乙つけがたい実力を持っていて、蒲郡に入ってからも成長が著しかったですし、1週間前の全日本個人選手権(全日本個選)でも2位、3位という好成績を残していたので。また、レースを通じてみんなでレベルアップすることがチームとしてもできていたので、その反省を生かすことができていましたね。順番としては2、3レースで交代をし、それぞれに3レース出てもらいました。同じくらいのレベルだったこともあり、大久保(優輝、創理3=東京・早実)・川合大貴(商4=埼玉・早大本庄)がした失敗から服部(陸太、スポ1=神奈川・鎌倉学園)・芝崎(鉄平、スポ4=東京・都立三鷹)組がいい順位を取ることや逆のこともあったので、その都度レクチャーをしながらお互いの反省を生かしてもらうことができました。結果的に第3レースで出た大久保・川合組、第6レースで出た服部・芝崎組がいい順位を取れたというのは、総合優勝に効いたなと思います。

――柔軟な変更が総合優勝につながったということでしょうか

 そうですね。悪い流れを変わった選手がうまく断ち切って、いいスコアを取ることができたのはすごく大きかったですね。

――後半の2日間はノーレースが続きました。どういった思いで見守っていましたか

 風がないことは分かっていたのですが、レースをやるとしても微風であれば2位の日本大学さんに優位性があると考えていたので、それほど心配はせず、いつレースが来てもいいと思っていました。ただ、先程も話に挙がりましたが、大きく崩さない走りをすることで自ずと結果はついてくるということは、そういった状況の中でも話していました。

――今年の4年生に対する思いを聞かせてください

 早稲田大学ヨット部の歴史の中でも経験者が多い代だったので、良くも悪くも個性が強すぎて、時には成熟度が上がらないこともありました。ですが、競技面では一人一人が努力をしてチーム全体を仕上げてくれました。また、主将の新井(健伸、商4=東京・筑波大付)は大学から競技を始め、多くの経験者がいる中でも力強くチームをけん引してくれたと感じています。経験や知識が他の選手よりも少ない中でも、それを埋めるための努力を彼はしていましたし、早稲田として大切にすることを常に明確に示していたので、チームの指針となる旗を立て続けてくれたキャプテンだったと感じています。なので、彼の存在がチームとして最後まで戦い続けられたポイントだったかなと思います。

――来年は全日本学生選手権(全日本インカレ)における総合3連覇がかかります。開催場所は滋賀県の琵琶湖ということですが、こちらに向けては今後、どういったチームづくりをしていきたいですか

 琵琶湖は、今の競技体系になってから地元の大学しか勝ったことがない特殊な場所になります。ただ、早稲田としては経験豊富な4年生が抜け、戦力が落ちることである意味チャンスが大きい大会かなと思っています。というのも、風が強い場所だと今年度以降も戦力が残る日本大学に引けを取ってしまうのですが、風が弱い琵琶湖であれば追いつけるチャンスはあると感じているからです。また、チームづくりに関しては一年一年が勝負なので、3連覇ということは一旦置いておいて、琵琶湖に向けてこの1年どう戦っていくかを来年の幹部と打ち合わせを行い、チームの方針を明確にできればなと思います。

小松一憲氏(現早大ヨット部コーチ)

――今の心境を教えてください

 これだけ優勝を重ねてくると特に昂ぶりというのはないですね。学生たちが自分たちのやるべきことをやって(全日本インカレ連覇)を達成したのを見て、感激するくらいです。

――全日本インカレに向けては、どういった話をされていましたか

 常日頃から、全日本インカレで最後の決着をつけるということを話していて、そのために様々なことを言い続けてきたので、特に(大会前に話した)印象的な言葉はないですね。

――今大会のレースを振り返っていかがですか

 特に合宿所ができて葉山に移動してから、学生たちのスキルが飛躍的に向上しましたね。それにはいくつか理由があって、そもそも八景島という横浜港の中と言ってもいいほどの場所で練習を行っていたのですが、定置網や釣り船があるので、落ち着いて練習が行える海域ではないんですよね。それに比べ相模湾(葉山)はヨットを走る分には最適ですし、現在は庭のように使える状態ですので、そこで実際のレースのようなスピード練習を行えることによって、みんなバージョンアップすることができました。また、八景島は大学生だけの活動場所なので、強風で練習がしたくても安全のために出艇禁止となることが多々あったのですが、葉山に来てからはオリンピックのために来日した海外の選手、さらには日本のトップ選手の練習のために制限がそこまで厳しく設けられず、強風の中での練習も可能となりました。ですので、そういった環境で鍛え上げられた結果が、今回の優勝につながったのではないかと思います。

――今年の4年生に対する思いなどはありますか

 彼らは高校時代のスタープレイヤーばかりだったので、うまく育てなければならないというのは指導者としての重圧でもありました。それだけいい素材の学生たちが入部してきた学年だったので、日本一にさせてあげられなければ自分の指導不足になると自分自身にプレッシャーをかけていましたね。学生たちは私の指導というよりは、自分たちで上手になっていきましたね。

――来年は3連覇がかかります。それに向けては今後、どういったチームづくりをしていきたいですか

 足元をしっかり見てコツコツと指導をしていくだけですね。というのも、今回のように高校時代からのエリートの子たちが抜けてしまう中で、その後の子たちを指導していかなければ来年は厳しいと感じているからです。さらには来年の会場は琵琶湖という、これまでの早稲田大学の歴史の中でも優勝したことがなく、普段から琵琶湖で活動している学校のみが大会を制してきた特異な場所なので、そこで優勝するにはかなりの頑張りが必要であると考えています。なので、まずは連覇ということに浮かれずに、コツコツと選手を育成する努力を自分としてはするだけだと思っています。

470級クルー新井健伸主将(商4=東京・筑波大付)

――優勝おめでとうございます!今の心境を教えてください

 素直にうれしいですね。それ以上はないですし、本当にいいチームになったなと最後、結果として出て良かったと思います。

――優勝したという実感はありますか

 部旗を自分のマストに揚げた瞬間、優勝できたのだなと思いました。着々と実感が湧いてきています。

――大会前には、どういった対策や意気込みをチームの中で共有していましたか

 会場となった蒲郡では3回続けて勝っているということで、たくさんの先輩方から風やレースの話などを聞き、対策を行っていました。チームの動きとしては毎年、決起集会を行っているのですが、とにかく勝ちに向かってやるしかなかったので、部員全員で総合優勝するために何が必要となるのかをイメージして、強い思いを持ちながら最後、みんなが明るいムードで臨めたのが良かったかなと思います。

――ここからはレースについて振り返っていただきます。最初の2日間、470チームとしてはいい状態で入れたと思うのですが、こちらについてはいかがですか

 スナイプチームがいいスコアでまとめて、470チームは優勝チームに食らいつくというのが例年の流れとしてあって、今年は日大との点差も離されずいい戦いができていたので、それは470チームとして良かったかなと思います。

――後半は2日間続けてのノーレースとなりました。レースを待つ際はどういったことを考えていましたか

 やはり(レースを)行うのであれば、風はしっかり吹いてくれと思っていました。というのも、2日連続で試合が開催されないということはなかなか起こらないので、レースをしたいと思う一方、弱い風や不安定な風ではいいレースができない可能性もありました。なので、どうせ吹くのであれば、いい風が吹く中でレースを行いたいと考えながら待っていました。

――前日は緊張したという話もありましたが、きょうはどういった心理状態でレースへの準備をしていましたか

 緊張はしていたのですが、比較的落ち着いていた方かなと思います。もうやるしかないと考えていましたし、点差はないようなものだったので、あとは日大よりもどういいレースをするかだけを考えていました。今振り返ると、いい緊張だったと感じています。

――先日の対談では主将として何かを残したいという話をされていましたが、残せたものは何だと感じていますか

 チームの団結力というものは残せたかなと思います。今年みんなには、チームのために全員で動けということを強く言ってきて、特に誠実に、誰から見ても恥ずかしくない早稲田を築いてほしいと思っていたので、そういったところは簡単にはなくならないと考えていますし、チームのためにみんなが動く、早稲田らしい動きができていくのではないかと思っています。なので、来年度のチームにはそれを期待したいです。

――同期の方に伝えたいことはありますか

 本当に同期には恵まれて、ありがとうという言葉以外ないですね。自分は未経験からヨットを始めたので、競技面ではセレクション(入学)の子に支えられましたし、それ以外のところでは一般入部の子から支えられていて、この主将は自分一人ではできなかったことだと感じています。こんな僕に諦めずついてきてくれて本当にありがとうと言いたいです。

――最後に、大学からヨットを始める、あるいは始めようとしている選手の方々へのメッセージがあればお願いします

 ヨットは最高に面白いスポーツですし、自然を相手にできる数少ないスポーツであると考えています。自分自身は大学からヨットを始めましたが、特に早稲田は日本一を目指せる場所ですし、素晴らしい監督、コーチの方々がいらっしゃるので、自分たちをサポートしてくれる最高の環境が整っていると感じます。ヨットが好きで、日本一を目指したいという思いがある人には、ぜひ早稲田のヨット部に入ってほしいなと思いますね。

スナイプ級スキッパー尾道佳諭(スポ4=山口・光)

――現在の心境を教えてください

 ホッとしています。この1年間、総合優勝を目指して頑張ってきたのですが、初日で奪ったリードを2日目に詰められた状態できょうを迎えたので、内心ドキドキしていました。レースをやって自分たちで勝ちを決めたかった思いもあるのですが、全日本インカレの全日程が終了して総合優勝が取れたことには安心していますし、すごくうれしいです。

――優勝したという実感はありますか

 また(陸に)上がってきたばかりなので、実感はないですね。ただ、この後の表彰式を迎えれば、だんだん実感できるのではないかと思います。

――スナイプチームとして、今大会のレースを振り返っていかがですか

 3番艇は順位を崩すレースもあったのですが、他の大学に比べてスコアをまとめることができており、2位の日大とはスナイプで100点差をつけていたので、難しい海面の中でもみんなが順位を安定させることができて良かったと感じています。

――2日間続けてのノーレースとなりました。レースを待つ際はどういったことを考えていましたか

 大体、風の吹き始めは何かが変わったりするのですが、それが見られない限りはリラックスしていました。

――改めて早稲田の4年間を振り返ってみていかがですか

 長かったのですが、終わってみればあっという間だったと感じています。1年生の頃から全日本インカレでは4番艇として登録はされていたのですが、レギュラーとして出ることはなく、ここまで出場したのは3年時の1レース目のみでした。そういった中で今年、全日本インカレに出るというところで、今まで4年間、ハードなスケジュールの練習にも耐えてきて、これまでの練習の成果が自分たちの代でも報われたのではないかと考えています。

――先日の対談では、自らがレギュラーとして出ることで優勝を勝ち取りたいと話されていましたが、そういった手応えは感じていますか

 スナイプの個人成績で言えば蜂須賀(晋之介、スポ4=茨城・霞ケ浦)が1位、僕が2位でそれ以降とは点差が離れていたので、結果を見ると貢献できたのではないかと思います。

――最後に同期や後輩の方々へのメッセージがあればお願いします

 同期にも後輩にもありがとうという言葉だけですね。加えて、後輩には来年も頑張れと伝えたいですね。

470級クルー上園田明真海(スポ4=大分・別府翔青)

――今のお気持ちを教えてください

 コロナであまり騒げないこともあって、実感はあまりないのですが、本当にうれしいです。

――今大会の前半のレースを振り返っていかがですか

 私は初日に出たのですが、その日は470チームとして安定していたと思います。次の日はかなり風が吹いて、田中丸(武、商2=早稲田佐賀)くんが出てくれました。そのレースで早稲田が10位以内にずっといるような感じだったので、そこですごく稼げたのかなと思います。

――後半はノーレースでしたが、どのような気持ちで待たれていましたか

 今日は2位の日大とあまり点差がなかったので、もちろんレースをやって(差を)広げられたら良いということは考えていました。しかし、レースをやったことで順位が落ちてしまうことも嫌だったので、ドキドキがずっと止まりませんでした。APA旗が上がった時はとてもホッとしました。

――改めて4年間を振り返っていかがですか

 今思い出すと、楽しかったことばかりだったと思います。しかし、辛いこともたくさんやってきて、そのような時こそチームのみんなに支えてもらって、良い思い出に変わったのかなと思います。

――同期の方に伝えたいことはありますか

 (私は)役職にもついていなくて、いつも手伝うことができなくてごめんなさいと伝えたいです(笑)。

――チーム内の他の女子選手にメッセージをお願いします

 私たちはいつも女子部屋で生活していたので、いつも楽しくしてくれてありがとうと伝えたいです。また、女子の選手は男子の選手に比べて、体重であったり、パワーの関係で出場機会が少ないので、そのような時もあきめず、最後まで自分の立場で仕事をして、一生懸命競技を頑張ってほしいと思います。

スナイプ級クルー川合大貴(商4=埼玉・早大本庄)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを教えてください

 1年間ずっと追い求めていた優勝が果たせたということで、シンプルにうれしい気持ちでいっぱいです。

――引退おめでとうございます。今のお気持ちを教えてください

 そちらの方がうれしいですね。優勝よりも追い求めていたのは、引退でした。

――この気持ちを一番誰に伝えたいですか

 ずっと応援してくれていた家族ですかね。今日来ているのですが、伝えたいです。

――引退した気持ちは誰に伝えたいですか

 高校の同期ですね。これから遊べるぞっていう。

――この4年間はどんな4年間でしたか

 嫌な気持ち6、楽しい気持ち2、残り2は緊迫?でしたね。

――この4年間は長かったですか

 長かったですね。長すぎました。

――今大会のレースは思い通りにいったのでしょうか

 そこは全然(思い通りに)いってないですね。僕は6本あったレースのうちの3本しか出ていないですが、良い順位を取れたレースもありましたが、悪い順位をとってしまって、チームに迷惑をかけたこともありました。勝ち切れたので良かったですが、その時は申し訳なかったと思いました。

――このヨット部生活で得られたものは何でしょうか

 仲間とさぼり方ですかね。

――同期の方へのメッセージを教えてください

 (やっとお別れできてうれしい)というのは冗談で、結構(みんな)個性があって楽しい時間を過ごせたということが大きいので、面倒くさかったけど楽しかったよというのを伝えたいですね。

――後輩の方々へのメッセージをお願いします

 後輩も後輩で個性がすごいので、楽しく頑張ってくださいという感じですね!

470級スキッパー小泉凱皇(スポ4=山口・光)

――まずは今の心境を教えてください

 普通にうれしいですね。シンプルにそれだけです。

――優勝したという実感はありますか

 少しずつ湧いているという感じですね。

――今大会を振り返っていかがですか

 予想されたように早稲田の470チームが日大の470チームに点数をどれだけ差を広げられないか、あるいは早稲田のスナイプチームが日大のスナイプチームに対し差を広げられるかの戦いになりました。その中で470チームは風が吹くコンディションの中で6レース目以外は僅差で日大を追うことができていたので、そこは自分たちの実力を全国の舞台で出せて良かったと思っています。

――後半は2日間続けてのノーレースとなりました。レースを待つ際はどういったことを考えていましたか

 先日の全日本個人戦でも感じていたのですが、僕らは日大に対し、軽風域の方が点差を広げられるチャンスがあったので、ポジティブにレースを待つだけでした。

――改めてこの4年間を振り返ってみていかがですか

 楽しかったですね。それは普通の活動で起こる事件もそうですし、こういったレースでの戦いも面白かったです。

――先日の対談では兄の颯作さん(小泉颯作氏、平27スポ卒=現トヨタ自動車東日本)の代の完全優勝を見て、早大ヨット部に入る決意をしたと伺いました。その時の自分へのメッセージなどはありますか

 並んだなという感じです。颯作が3年の時に完全優勝したのと同じように僕も完全優勝を成し遂げましたし、今年も2連覇というところも一緒ですね。颯作は主将だったので立場は違いますが。とくに深い思い入れとかはないです(笑)。

――同期へのメッセージはありますか

 今後もしばらく一緒にいるので、まだ特にはないですね(笑)。またみんなで部活関係なく集まれたらいいなと思っています。

――最後に石川選手(和歩、スポ2=香川・高松商)や飯田選手(スポ1=山口・光)といった今後、早稲田を引っ張ることが予想される470級スキッパーの方へのメッセージはありますか

 ただただ頑張ってほしいです。次のスキッパーになるのはあの2人と直暉(倉橋直暉、スポ3=福岡・中村学園三陽)しかいないので、僕たちのような存在を目指せというわけでもないですし、ただ単純にヨットを楽しみながら実力をつけて、来年のこの日までに全国の敵と戦えるくらい死にもの狂いで頑張ってください、以上!という感じですね。

スナイプ級クルー芝崎鉄平(スポ4=東京・都立三鷹)

――今の心境を教えてください

 素直にうれしいです。4年生になった一番初めの時から言い続けていた、インカレでの総合優勝を達成することできたことは素直にうれしいですね。

――優勝した実感はありますか

 少しずつ、海上でもあったのですが、陸に帰ってから段々湧いてきています。ちゃんと表彰式に出ることで改めて実感することができるのかなと思います。

――今大会のレースを振り返っていかがですか

 僕は3レースしか出ていないのですが、一本かなり叩いてしまったレースがあって、そこで日大との差が縮まってしまったということがありました。そこは責任に感じています。しかし、良いレースもあったので、最後まで成長しながら戦えたレースだったかなと思います。

――後半は2日間続けてのノーレースとなりました。レースを待つ際はどういったことを考えていましたか

 今日はレースがいつやれるか、そして運営の方もレースをやるつもりだったと思うので、いつでもやれるという準備はしていました。しかし、緊張感はずっとあってサポートボートなどで気持ちのオンとオフをしっかり切り替えながら、待つことは意識していました。

――同期の方に伝えたいことはありますか

 感謝ですかね。いろいろなところで支えられてきたことはあったので。特に主将の新井はこの1年本当にチームのために動いてくれていましたし、渉外の川合もOBの方と連絡を取ってくれるなど、一人一人が動いていたので、本当に感謝しかないです。

――後輩たちに言いたいことはありますか

 3連覇してほしいです!

――この1年主務を務められていましたが、今どのようなお気持ちですか

 まだ引き継ぎが終わっていないので、仕事はまだ少し残っているのですが、最初はかなり大変でした。思っていたよりも、みんなから見えないところでの仕事が多くて、歴代の主務の方々はすごかったと感じながらやってきました。その人たちと比べて自分はどうなのかということをちょっとずつ考えてもいました。やはりミスもしてしまったのですが、最後まで責任をもってやることは昨年役職をする時に立てた誓いだったので、それを貫けたかなと思っているところです。だからこそ、引き継ぎまでしっかりやりたいと思っています。

470級スキッパー西村宗至朗(社4=大阪・清風)

――優勝おめでとうございます。現在の心境を教えてください

 とりあえずホッとしています。僕は4年間、ずっとレースメンバーで全日本インカレには毎年出させてもらっているのですが、1年生の頃に優勝した蒲郡の地で、最後優勝できてうれしいです。

――優勝したという実感はありますか

 もちろん優勝したという実感はあるのですが、昨日、今日とレースがなく、最後はレースをして470チームとしても日大に勝ちたいという思いはあったので、少し歯がゆいところはありますね。

――今大会のレースを振り返っていかがですか

 2週間前から蒲郡に入り、同志社戦、全日本個人戦を経験する中でこの海面の特徴や環境自体に慣れることができたことは、470チームとして自分たちの実力を発揮できた要因の一つだと思っています。また、それぞれに良かった部分、悪かった部分はありましたが、チームリーダーを中心に一つにまとまることができたのも良かったかなと思います。

――後半は2日間続けてのノーレースとなりました。レースを待つ際はどういったことを考えていましたか

 僕はヨットにおいて風待ちの時間が一番嫌いなのですが、コーチ陣の方にもとにかく気持ちの変化を少なくすることを言われてきていたので、そこを意識して待機していました。特にきょうは待っていても時計の針が進まなくて…(笑)。もちろんレースが始まれば、攻めの姿勢を保っていたのですが、ずっと風待ちの時間はドキドキしていました。

――この4年間、常に戦ってきた全日本インカレという舞台にはどういった思いを抱いていますか

 僕はずっと小中高とヨットを続けてきて、早大ヨット部でも競技を行ってきたのですが、全日本インカレは大学でしかない独特や雰囲気やシステムがあり、その中でも団体戦というのが一番大きなところです。今まで個人でやってきた総体や国体と比べて、喜びを爆発させることができる舞台ですし、(ヨットを)やっていて良かったと一番思える場所かなと思います。もちろん実際に点数を動かすのはレースメンバーなのですが、サポートメンバーなど、全員の力がないと勝てない大会だと感じます。

――同期の方に伝えたいことはありますか

 この代にいれたことは本当に恵まれていると思いますし、この同期で良かったというのが一番の感想です。セレクションが多い代だったので、技術面は積極的に引っ張ることができましたし、陸上面に関しても大学からヨットを始めてくれた(新井)健伸や川合ちゃん、芝崎などに助けてもらったので、その感謝の気持ちは伝えたいですね。

――最後に後輩の方々へのメッセージをお願いします

 全日本インカレでは去年と今年で2連覇できたので、来年も必ず3連覇につなげてほしいというのが一つです。あとは、どの代もみんな雰囲気がいいので、その明るく元気な雰囲気は来年以降も保ちつつやっていってほしいなという気持ちです。これからも頑張ってください。

スナイプ級スキッパー蜂須賀晋之介(スポ4=茨城・霞ケ浦)

――まずは優勝おめでとうございます

 ありがとうございます。

――現在の心境を教えてください

 きのう、きょうとレースをしていないので、喜び度合いはそこまで高くないです。

――優勝した実感はありますか

 実感はありますね。やはり一番準備してきたので、結果がついてきたのかなと感じています。そもそも2日目に勝った状態で終われたというのは運もあると思っていて、この2日間ノーレースで終わったのも幸運だったと考えています。というのも、序盤で勝っておかなければならない状況でリードしていたというのは、十分な準備をしたからこそ運を引き寄せられた結果だと考えていますし、そういった運は準備をしたものしか拾えないと思っているので、それに一番早稲田がふさわしかったということで総合優勝できたのではないかと考えています。

――スナイプチームのリーダーとしては、今大会の結果をどう捉えていますか

 上出来ですね。僕自身というよりは、みんながお互いに助け合いながら悪い雰囲気をつくることなく、正しい準備をしてくれたおかげで迷わずにレースを行うことができました。頼もしい仲間に恵まれたと感じています。

――後半の2日間はいずれもノーレースとなりました。レースを待つ際はどういったことを考えていましたか

 いつレースをしても勝ちにいく姿勢を貫くことを考えていました。点差がそこまでなかったので、誰かを抑えようというよりは自分ができる一番いいレース、すなわち負けないレースをしようと考えながら過ごしていました。

――同期の方々に伝えたいこと、または後輩の方々へのメッセージがあればお願いします

 同期には競技に専念させてくれてありがとうと言いたいですね。後輩たちには勝つための準備に終わりはないから、自信がつくまで準備した方がいいということは伝えたいです。

――先日の対談では、印象的なエピソードをお聞きした際、これからつくりたいと話されていました。全日本個人戦、全日本インカレを終えて、こちらの変化はありましたか

 正直、自分の中で一番いい思い出は先日の全日本個人戦でチャンピオンとなったことです。なぜうれしいかと言うと、今年の日本一を決める大会でもありましたし、1位から3位を早稲田で独占できたからです。自分がつくった勢いを後輩たちが加速させてくれたことがとてもうれしかったですね。もちろん、団体戦に勝ったのもうれしいのですが、全日本個人戦で自分たちのルーティーンが正しいことを証明できた上で団体戦を迎えられたことが一番勝ちにつながったと思いますし、この蒲郡で連日、大会があったことも早稲田が拾った運だと思います。

――最後にこの4年間の活動を終えて、誰に感謝の言葉を伝えたいでしょうか

 抽象的になってしまうのですが、同期のみんなには競技以外の面で迷惑をかけてきたので、自分の針路を整えてくれてありがとうという言葉を送りたいです。また、歴代の先輩方には自分の目標としていてくれたことに感謝していますし、監督やコーチの方々には常に僕の引き出しを増やしてくれるアドバイスや上手くなる機会を誰よりも与えてくれたので、そういった点では早稲田に入って良かったと感じています。

470級クルー松本健汰(政経4=東京・早大学院)

――今の率直なお気持ちを教えてください

 一番はほっとしているというところですね。本当にこの4年間一緒にいた同期と優勝できたことは心の底からうれしいなと思います。

――今大会前半のレースを振り返ってください

 僕らは意外と順位が安定していて、自分たちのペースで良いレースができたのではないかなと思います。

――後半2日間はノーレースとなりましたが、レースを待つ際はどういったことを考えていましたか

 基本的にいつレースがあっても良いようにということを話していました。風の話をして、次はどっちの方向に行こうということは話していましたね。結果はどうなっていたかわかりませんが、もしレースがあっても、十分戦えるようにということを意識してやっていました。

――優勝が決まった瞬間はどのような気持ちでしたか

 最終日のレースがなく優勝が決まったので、最初はあまり実感が湧きませんでしたが 着艇してみんなが喜んでいる姿を見て、優勝したと感じて、すごくうれしかったです。

――同期の方に伝えたいことはありますか

 4年間一緒にここまでやってきて、僕はヨットについてそこまで詳しくない状態で入ってきてから、手取り足取り教えてもらって、本当に感謝しています。ここまで来れたのも同期が仲良くて良い人たちばかりだったからだと思うので、本当に感謝しています。

――ペアだった倉橋選手にはどんな言葉を伝えたいですか

 直暉とは2年間乗ってきて、彼は昔から優秀で上手な選手だったので、どちらかと言えば僕が先輩なのにも関わらず、足を引っ張ってしまうことがすごく多かったです。そのような中でも最後まで一緒に乗ってくれて、自分も良い景色を見させてもらったので、本当に(一緒に乗れて)良かったと思っています。

――後輩たちにメッセージをお願いします

 早稲田として戦うということに対して、誇りやプライドをもってほしいと思います。これは引退したり卒業したりして思うだろうなと考えていることですが、やはりエンジ色のビブスを着て、早稲田を背負って戦うということはこれ以降ないと思うので、本当に大切にしてやってほしいと思いますね。

?平名千秋マネージャー(人4=東京・青陵)

――今のお気持ちを教えてください

 みんな本当に良くやってくれたなと思います。私はサポートで、走るのはみんななので、裏方で私にできることは陰でみんなが安心して走れるようにすることだけでした。その仕事はまっとうできたかなと思います。本当に良く頑張ってくれて、うれしいです。

――この四日間のレースはどのような気持ちで見守っていましたか

 勝つか負けるかという気持ちは私の中に7と3くらいの割合でありました。個戦が終わった後だったので、ある程度実力もわかっていて、スナイプは大丈夫だと思っていました。しかし、470は心配で、スナイプも3番手はとても不安定だったので、そのような意味での不安が3割ありました。しかし、7割くらいは勝てると思っていましたね。特に個戦が終わったばかりだったので、慣れがあって、あまり緊張せず、普段通りも気持ちでやろうと考えていました。そうしたら絶対に大丈夫だと思っていました。

――優勝の瞬間はどのようなお気持ちでしたか

 私はずっと陸にいて、優勝するかもしれないというところで、その時はまだ最終予告のAPAも上がっていなかったのですが、ほぼ勝ちだなと思っていました。しかし、1レースでもあったらどうしようとは思っていました。そこで、APAが上がって(優勝が)決まって、みんなのところに行った時に、本当に安心して、涙が出てきました。優勝した瞬間はうれしさというよりも、安心して、これで全て報われたという気持ちになりましたね。

――この4年間を改めて振り返っていかがですか

 今思い返すと辛い記憶もたくさんあります。しかし、今この瞬間に報われたと感じます。だからこそ、すごく今はやり切ったという気持ちがありますね。いろいろあったけれど、ここのヨット部で良かったなと思いました。今は4年間頑張って良かったと感じていて、4年間の自分が報われた気がします。

――後輩マネージャーの前田楓香マネージャー(スポ1=山口・徳山)へのメッセージをお願いします

 いきなり1年生で入ってきて、全て引き継ぎをされて、マネージャーチームのリーダーとしてやっていくということはすごく不安に感じると思いますし、負担に感じることもあると思います。そのような時にはどんどん私にも連絡してほしいです。できる限りマネージャーの負担は選手たちにも分散させてきたつもりなので、自信をもって頑張ってほしいです。今までの半年間の頑張りは今後の3年間でもっと強いものになってくるとも思うので、これを踏み台にしてもっと強くなってくれれば本当にうれしいと思います。

――同期の方々に伝えたいことはありますか

 感情が態度に出てしまうので、それでみんなのことを振り回してしまって、私は気難しい人なので、すごくみんなに迷惑もかけたかなと思います。それでも、最後の最後にみんなで優勝して、「千秋、頑張ったね」と声をかけてくれて本当にありがたく思います。本当に私のような少し難しいマネージャーと4年間頑張ってくれたことが本当にうれしいです。私の同期でいてくれてありがとうと思います。本当に感謝したいです。