第5回は470チームの4年生が登場。2年時から全日本学生選手権(全日本インカレ)舞台を経験している新井健伸主将(商4=東京・筑波大付)、昨年初めての全日本インカレに臨んだ上園田明真海(スポ4=大分・別府翔青)といったクルーの2人。そして、1年から共に活躍を続けている小泉凱皇(スポ4=山口・光)、西村宗至朗(社4=大阪・清風)のスキッパー2人に現在のチームの状態、そして最後となる全日本インカレへの思いを伺った。
※この取材は10月17日に行われたものです。
「それぞれが個性を持っている学年」(上園田)
今年の4年生について語る上園田
――今年の4年生のカラーを教えてください
西村 秦(和也氏、基理=東京・早大学院)さんたちの代の時と似ていると言うと少し違うのですが、主将自体がまずセレクション(での入学)ではないというのはありますね。技術的な面は、クラスリーダーやその他のセレクション組がミーティングで話すので、主将はチームの士気自体を上げてくれるというのが特徴なのかなと思います。去年はこたさん(松尾虎太郎氏、令3スポ卒=山口・光)のように技術面で引っ張っていく人がリーダーだったのですが、今年はそうではないというのは一つの特徴としてありますね。
新井 各々が自分の持ち味を生かせる場所でしっかり活躍していて、役割分担が明確にできている学年ではあります。
上園田 それぞれが個性を持っていて、全体的に仲がよくて明るいという印象を持っています。1年生からするととても接しやすい学年だと思います。
小泉 みんなが言っているように明るい感じはあります。
新井 意外と自分たちのことって評価をしたことないから分からないよね(笑)。
西村 ただ、1年生から見ると(上園田)明真海が言ったように、自分たちが1年生の時の4年生みたいな感じではないのかなとは思います。自分たちも明るいので、とっつきやすい雰囲気はあると感じますね。実際に1年生がどう思っているかは分からないですけど。
――今年の4年生を象徴するエピソードなどはありますか
新井 他の代に比べて、平日の自主的な練習に多くの4年生が来るようになったというのは、この代のいいエピソードというか特徴ですね。今までは4年生の中でも来る人と来ない人がくっきり別れていた中で、今年はみんなで(自主練に)行くことのできる日は行くというのができていました。まとまっていると言うと少し違いますが、そういったところでみんなが来る気持ちになれたというのは部にとってもいいことだったと思います。
「最後まで競技に対して成長する姿勢を」(新井)
主将として、チームをまとめてきた新井
――それぞれ今シーズンを振り返ってみていかがでしょうか
西村 去年はコロナ禍があり、イレギュラーな日程のまま全日本インカレが終わって、今年はコロナも収まって例年通りの活動に戻ると思っていたのですが、何なら今年のほうが影響は強かったのではないかと思います。そういった中、4年生同士でスケジュールをどうするかという話し合いが多く、それなりに苦労した1年でしたね。自分自身としては今季、4年間の集大成というところで去年、一昨年とあまり良くなかった調子も戻り、ヨットに集中できた1年だったかなと思っています。
新井 自分は主将としてチームをまとめなければならない立場から、競技に加えて陸上の運営面など、様々な場面でチームの指揮をとることが多かったです。その中で自分がシーズン前に決めていたこととしては、そういったことを行いながらも最後まで競技に対して成長する姿勢を崩さない、ということを意識してやってきました。どうしても4年生になると部の中での成長が止まってしまうというのは、前々から当時の4年生を見て思っていて、自分が成長する姿勢を見せないと後輩たちももっと(技術を)上げていこうという気にならないと思ったので、積極的に社会人の方々との練習などに入り、自分のスキルも上げていこうと意識した1年だったなと思います。ただ、主将となってチームをまとめる分、ペア(西村)にもいろいろ迷惑をかけましたし、片付けを行う時にチームのことを優先して任せてしまうこともあったので、そういったところは申し訳ないと感じています。ただ、その分プレーで返せればいいかなと思いながらやってきて、実際、団体戦ではしっかりと安定したスコアを獲得しチームの勝利に貢献できたと思っているので、比較的満足したシーズンになりました。
上園田 去年と比べると合宿所ができたこともあって、通いがなくなった分、今まで以上にヨットに集中することできました。また、自分が4年生で最後(のシーズン)となるので、できることは全部やろうというのを夏合宿が始まる前に思っていました。ですが、今振り返るともう少し頑張れたとも思いますし、悔しい点が多くあったので、シーズンを通して満足できたかと言われるとそうではないですね。なので、これから少ない期間ですが、どうやって自分をマックス(の状態)に持っていけるかをしっかり考えたいと思っています。
西村 今シーズンを通して、結果だけで言えば早稲田は勝ちを重ねてきているのですが、秋が終わった時点では内容的には負けている時もありますし、(470級の実力は)五分五分のところですね。早大、慶大、日大の3つが横並びになっているので。ただ、シーズンを通して勝ち切ることができているのは、チームとしてはいいところだなと思います。勝負の内容の面では去年に比べて、自分たちでこぼした失点がかさんでいるというのは感じているので、インカレまでの残りの日数でチームの団結力や内容をよくしていきたいですし、自分たちのもったいないミスで負けてしまう展開にならないように、残りの時間を使っていけたらいいなと思っています。
――今年のチームをまとめる上で苦労した点などはありましたか
新井 自分は大学からヨットを始めたのですが、どうしてもセレクション組とそうではない部員がいる中、そこまで(ヨットの)技術や知識がない人が上に立つことは(今までの)ヨット部の歴史の中でも少なかったので、自分以上に知識がある後輩や同期をどうまとめていくかをすごく悩んだ1年ではありました。ですが、それでも最初も言ったようにこの代はみんなの長所と短所が非常にはっきりしている代なので、僕ができないところはセレクション組の4人に、それ以外のところは自分ができる限り行うことで、うまく役割分担ができるように意識してチームをまとめていました。何よりも主将が暗いとチームも暗くなってしまうということは、自分たちの代に替わってすぐに言われたことだったので、夏合宿などで辛いと思ったときでも明るくみんなを引っ張るというところは意識してやっていましたし、それが一番大変だったかなと思います。
――470チームの雰囲気はいかがですか
新井 悪くないんじゃない。
小泉 去年、団体戦に出たメンバーが全員残っている代なのですが、逆に捉えると今年でほとんどのメンバーがいなくなってしまうので、下級生の石川(和歩、スポ2=香川・高松商)や飯田(澪、スポ1=山口)といったセレクション組に加え、他の一般で入ってきたクルーたちにどれだけ僕たちが知識や技術を残していけるかが大事になると思っています。今年の代としては、今年のインカレを勝つことを目標としてやっているのですが、今後も強い早稲田を継続させていくためにも、残っていく部員たちに僕たちが持っている4年間の経験や上の代である美紗樹さん(田中美紗樹氏、令2スポ卒=大阪・関大第一)や奎樹さん(岡田奎樹、平29スポ卒=佐賀・唐津西)から引き継いだ技術を伝えていくことは意識してやっています。雰囲気としては、前半は実力の差が成績に直結するようなかたちだったのですが、だんだんシーズン終了にかけては練習でも(競り合いに)絡むケースも増えていますし、言葉だけで伝わっていたことが少しずつ自分のプレーとして再現することができているのはリーダーとしてうれしいことの一つですね。そういったところでも、チーム力の底上げはできているなと感じています。
――最近伸びていると感じる選手はいますか
上園田 田中丸(武、商2=早稲田佐賀)とか河﨑(元紀、スポ2=神奈川・鎌倉学園)じゃない?
小泉 そうですね。成長が分かりやすいというのもあるのですが、下級生クルーが頑張っていますね。他にもレースメンバーには入っていないですが、藤倉(廉、法2=早稲田佐賀)は一般から入ってまだ2年目にもかかわらず、(レースに)絡めるレベルにはなってきていると思います。一番と言うとよく分からないですが、夏の期間から今までを通しては、下級生の3人に僕は成長を感じています。
新井 俺は大久保(優輝、創理3=東京・早実)かな。目まぐるしく急成長を遂げたというわけではないですが、1年前はそこまですごいセーラーではなかったのがこの1年を通してレギュラーの3番艇として日々の練習も意識を高くやっているのを見てきたので、自分もサポートをしたいなと思い、いろいろと話をしていました。関東学生個人選手権は2位でしたし、関東学生選手権(関東秋インカレ)の結果を見ると成績の安定感には今の4年生と比べて足りないですが、レースによっては前を走れる力がついたというのは非常にいいことだなと思っています。来年以降のスナイプを引っ張るためにも、このまま成長を止めずにやっていってくれたないいなと感じています。
小泉 大久保は競技力の向上もそうですが、競技に対する姿勢みたいなところが去年に比べて目まぐるしく変わりましたね。レギュラーとして、そして上級生としての自覚から来ているかもしれないのですが、一番競技面が変わったのはあいつかなと思っています。
西村 凱皇も言ったように、自分も目に見えて(成長したと)分かるのは田中丸や河﨑ですね。各クラスリーダーのクルーとしていろいろ教えてもらっている分、成長度合いが高いのかなというふうには思っています。期待しているのは470の下級生スキッパー2人です。4年生として今持っている技術を残していくために最大限2人には伝えているつもりですし、実際にこのシーズン中も練習中に競るシーンもあったので、冬の期間からここまではよくなってきていると思います。なので、来年以降期待しています。
――逆に奮起に期待したい選手はいますか
新井 大久保一択だな。多分今のレギュラー艇のスキッパーでは唯一全日本インカレを経験していないので、その分緊張も多いと思いますが、2人の実力がある4年生スキッパーがいるので、積極的な姿勢を出してガンガンいってほしいなと思います。スナイプ艇は4番艇に服部(陸太、スポ1=神奈川・鎌倉学園)もいるので、どちらが出ても前を走ってくれることを期待しています。
小泉 直近で言えば大久保ですけど、長い目で見たら頑張ってほしいのは飯田ですね。やはり直属の後輩ですし…(笑)。
新井 光高校ね。
小泉 センスもありますし、コースを引く目もすごいものを持っていて、目で言えば僕よりいいと思います。ただ、まだ470の経験が浅いので走らせる技術はまだまだだと思うので、もう少しこれかれ長い目で育てていって、最終的には飯田自身がいいかたちで終われるように頑張ってほしいなと思います。
「本当の勝負の楽しさを知れた」(小泉)
早稲田大学ヨット部での4年間を振り返る小泉
――この4年間を振り返ってみていかがですか
西村 俺は早かった!
小泉 まだ終わりじゃないですけど、楽しかったです。
西村 自分は1年生の頃からレースにずっと出させてもらっていて、緊張しいな方なので毎レースで不安を抱える中、大学スポーツのチームで戦う大切さや重要性を身に染みて感じました。また、実際に自分がレースに出ててる身だったので、その思いは4年生になるにつれて強くなっていきました。同時にサポートメンバーという存在のありがたみも実感しています。高校の時は部員が少なく、全員がフルで出なければならない中で、早稲田の門をたたいたので、サポートをしてくれる人には本当に感謝しなければいけないとこの4年間を通じて感じました。
新井 振り返れば楽しかったなという感じですね。本当についこないだ試乗会で葉山に来て…。
小泉 それは盛りすぎだろ(笑)。
新井 尾道(佳諭、スポ4=山口・光)とガソリンを買いに行った時、上園田に「そこの1年生」と言われて、一般の子とセレクションとその他の部員って差があるよねと話していたのがついこないだのようなのですが、そこから1年生のサポートを行い、2年時にはレースも出させてもらう中で、この部の下から上までを経験できたのは楽しかったです。もちろんやっている時は非常に辛いですし、早く終わりたいと思っているのですが、今振り返ってみると充実した4年間だと思いますし、この大学生活はヨットしかなかったなと感じます。逆に言えばそうなるまで打ち込めるぐらいヨットを好きになれたことはよかったなと思いますね。
上園田 最初は入った時からすぐにレースに出られると思っていて、自分のレベルは高い方なのかなと思っていたのですが、実際入ってみると全くそんなことはなくて、自分のことを全然駄目だと思う時期が長かったです。なので、2年生まではサポートでいいやと考えていましたし、やる気がないので早く辞めたいと思っていたのですが、3年生になって小泉と本格的に乗り始めてからは自分の成長を感じられたことで、ヨットが楽しいと思い始めました。今思えば楽しい思い出ばっかりなのですが、後輩に明真海さんがいなくなるのは寂しいなどと言われると、あと20日間で終わってしまうことを実感します。
小泉 2年までは長かったです。3年からは早かったですね。
新井 確かに分かるな。
小泉 この4年間で一番よかったことは本当の勝負の楽しさを知れたです。特に高校の頃と比べて勝ち負けで一喜一憂するレベルが上がったと感じていて、団体戦ということもあって自分の結果がそのままチームの得点として返ってくるので、そこの面白さはもう一段階深く味わえたなと思います。また、2年までは全日本インカレで勝つことが最後の目標であるはずが、レギュラーになることが最後の目標となってしまい、自分の成長を無意識に止めていたことが2年時の西宮における完全敗北の瞬間に気づかされて、何をやっていたのだろうと感じましたし、自分のせいで負けたと思うことで責任感が芽生えました。そこからは、どれだけ自分の力を伸ばせるかが早稲田の総合優勝につながる一番手っ取り早い方法だと考え、ナショナルチームの合宿などに飛び込むことで新しいスキルや技術を習得する楽しさを見出すことができました。また、毎日の練習や他の種目のヨットに乗ることもより楽しくなり、そこから今まではあっという間でしたし、ヨットを行うことが楽しかったというのはありますね。
――ヨット部の中で特に印象に残っている出来事はありますか
新井 山ほどあるな~(笑)。
小泉 さすがに海上面は昨年の全日本インカレでの最終レースが一番印象に残っていますが、陸上面は身内ネタが多すぎて何が印象に残っているかよく考えないと…(笑)。
西村 毎日、印象に残る出来事あるもんな。
上園田 毎日同じことやってない?(笑)。
新井 毎日面白いことが起こりますし、何でそれが起こるといったことが起こります。
新井 海上で言ったら和歌山の完全優勝と西宮で負けて最後、励行していく風景は自分の目に深く焼き付いています。すごく悔しい思いとすごくうれしい思いといった2つの記憶を超えるものはないかなと思います。陸で出てきたのは、1年生の頃にガソリンが買いに行った時、川合(大貴、商4=埼玉・早大本庄)と一緒に仲良く話しながら帰っていて、自分が信号まで先に走って待っていたら川合がその信号を止まらずに走り続けて電柱に激突したことは覚えています(笑)。大丈夫か話しかけると、「大丈夫、俺ラグビー部だから…」と言っていたのを思い出しました(笑)。
小泉 血糖値がおかしかった?(笑)。
新井 血糖値が多分おかしかった(笑)。
小泉 それ言ったらお前(新井)の朝直の事件もそうじゃん(笑)。
上園田 それだわ。私はいなかったけど。
小泉 俺の時計では何分でしたってやつ。
新井 それはいいよ(笑)。
西村 6時半起床なのにってやつ?
小泉 こいつの時計では6時半で他の人の時計では32分だったんでしょ(笑)。
新井 朝直と言って2年生は朝起こさなければいけないルールがあるのですが、僕の時計では6時半に起こしたらみんなの時計では6時32分で怒られたという話です。
小泉 未だに認めてないやつでしょ。
西村 それ言ったら朝ごはんのやつもやん。6時半起床で、6時半には朝ごはん作らないといけないので、1年生はそれよりも早く起きないといけないのに6時半に起きちゃってやばいと(笑)。
新井 これには訳があって。こいつらはしっかりした2人1組でやるのですが、しっかりしたものを作るんですよ。僕のペアは尾道という絶対朝起きないやつなんですよ。だから、僕がずっと(尾道)佳諭のことを起こして行くよと声をかけていたのですが、その時は携帯の充電が切れて、僕の目覚ましが鳴らなかったんですよ。それで2人そろって遅刻しました。佳諭が朝起きないのはハンディキャップじゃん!それを一回ミスしただけでめっちゃ言ってくるんですよ。
小泉 質問何だっけ。
新井 この4年間で一番面白かったエピソード。
西村 一番面白かったエピソードじゃないでしょ(笑)。でもやっぱり印象に残っているのは和歌山の最終レースかな。
小泉 あれは今でもコース覚えとるな。
上園田 自信がなくて、得点の計算を5回くらいやり直しました(笑)。
新井 でも俺必死すぎてよく覚えてないよ。
小泉 3個前のレースもすごかったからね。最終日が本当によかった印象を持っています。なので、よかったこともよくなかったことも全日本インカレがつながっている感じですね。2年生の全日本インカレは完全に実力負けでしたし、4年生も僕たちみたいにフランクでとても仲がよかったので、負けた時の表情は今でも覚えています。そこからの3年時は完全優勝だったので、全日本インカレへの印象はイコールみたいなものかなと思います。
――ご自身にとって、早大ヨット部とはどういった存在でしょうか
上園田 ファミリーみたいな感じです。
西村 佳諭みたいなこと言うじゃん(笑)。
上園田 最悪(笑)。一回取り消しで(笑)。
一同 (笑)。
上園田 私はずっとヨットをやってきて、自分からヨットを抜いた上園田明真海というビジョンが見えないので、上園田の一部として早稲田のヨット部がある感じです。
西村 自分も小さい頃からヨットをやっていて、高校の時に早稲田大学のヨット部に入りたいというのでわざわざ…。わざわざと言うか自分で来たのですが(笑)。別に関西でもヨットができる環境がある中でこっちに来て早稲田大学ヨット部に入りました。やはり憧れや自分のなかでの理想郷でありますし、ヨットに対して一番打ち込める場所だと考えていて、それは今でも変わりません。
新井 自分の大学4年間を捧げた存在かなと思います。正直、セレクション組3人とは違って、入学してから考え始めたので思いというのが古くからある訳でないです。ですが、入ってからこの4年間の人生の中で常に生活の一部にあり続けたものですし、今後も自分の中で早稲田大学ヨット部というのが一番気にしていくものになったというところでは、自分の人生の一部である非常に濃い組織だなと思います。
小泉 基本的には西村と一緒で、僕は中学2年生の颯作(小泉颯作氏、平28スポ卒=山口・光)の小戸インカレの完全優勝を見てから今ここにいるみたいな感じです。そこで見に行っていなければ大学でヨットを続けていたかどうかに戻るので、それくらい早稲田のヨット部のブランド力、その時のメンバーの圧倒的実力、さらには、応援歌を聴くのも初めてだったので、紺碧(の空)がとてもかっこよく、それに憧れて入学しました。なので、早稲田が自分にとってどうかはうまく言えないのですが、自分がそれだけ憧れていたところに入部することができて、4年間を送れているのは本当に幸せな時間だなと思います。
――全日本インカレのキーマンは誰になると考えていますか
西村 スナイプの3番艇。大久保くんですかね。先程もいろいろと話をしていましたが、勝ちに行くために点数をどんどん取っていくところに焦点を当てると、やはりチーム戦では3番艇の安定性というのが全日本インカレでは大事になると考えているので、そういう点ではスナイプチームの大久保が走ってくれれば勝利にはつながるかなと思います。
新井 正直、キーマンというのはいないかなと思います。レースに出るメンバーだけではなく、サポートするメンバーの一人一人がキーマンで、全員が総合優勝に向けて意識を高く持って、その場で与えられた仕事を完全にやり切ることが全日本インカレの総合優勝につながるので、そういった面では特定の1人もそうですが、全員が当事者意識を持ってやるというのがすごく大切だなと思っています。
「やってきたことを全部出し切る」(西村)
2年時から新井主将とペアを組んできた西村(右)
――最後に全日本インカレへの意気込みをお願いします
小泉 新井の話と重なる部分もあるのですが、個人で言えば4年間の集大成となりますし最後のインカレとなるので、結果としていいものを残せたらいいなと思っています。また、昨年の全日本インカレで僕が英語をたたいた時、サポートメンバーや下級生が元気を与えてくれたので、チームとして全員が全日本インカレでの総合優勝に向けて活動を行えるようにクラスリーダーとしてチームの運営をしたいですし、最終日に総合優勝するために1分1秒を無駄にせず、今後の練習に取り組んでいきたいです。
上園田 (小泉の話と)重なるところもあるのですが、私は1,2年生の頃はレースに出ておらず、チームが優勝しても逆に優勝を逃してもあまり深く感情を持てなかったので、そういった思いを下級生にはしてほしくないですし、みんなで勝った時は喜べるようにしたいと思っています。個人的にはこれでヨット競技は最後となるので、自分が今まで積み重ねたものを最大限に出して総合優勝できるように頑張ります。
西村 自分はレースメンバーとして出ると思うのですが、まずは悔いのないようにやることが一つです。これが4年間の集大成となるので、やってきたことを全部出し切る思いで(全日本インカレに)臨みたいです。また、凱皇が言っていたように全日本インカレはチーム戦なので、レースメンバーだけでなく、サポートメンバーも総合優勝というところに向かって活動してもらいたいですし、そういったチームづくりをやってきたつもりなので、その目標が達成できるようにやっていけたらいいなと思います。個人的には下級生が楽しめる環境づくりに努めるというのをこの1年間、自分の目標として行ってきたので、最後下級生の笑顔が見られるように頑張ります。
新井 11月の7日が終わった時にみんなが笑って勝利を分かち合えるように全力を尽くすのみです。自分たちの4年間を懸けて戦うというのは本当にそうだなと思っていて、自分はそれと同じぐらい2連覇をして後輩たちに全日本の王座を引き継ぎたいという思いが強いです。自分が入部した時は4連覇したいと思っていたのですが、自分がレースに出た2年の時にチームが負けてしまって連覇を止めてしまったことは悔しかったですし、負けた時に必死にサポートしてくれた後輩たちにも笑顔をつくってあげられなかったこともあったので、今年、2連覇を達成することで今後も早稲田が連覇を重ねて前人未到の5連覇につなげられるように、後輩たちのためにも全力で戦いたいなと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 足立優大、七澤拓未)
全日本インカレに向けた意気込みを書き表してもらいました!
◆新井健伸(あらい・けんしん)(※写真左から2番目)
2000(平12)年3月2日生まれ。183センチ。東京・筑波大付高出身。商学部4年。470級クルー。チームを指揮することに加え、選手としての成長も同時に追い求めてきた新井選手。主将としての最後の舞台で有終の美を飾ります!
◆小泉凱皇(こいずみ・がいおう)(※写真右端)
2000(平12)年2月21日生まれ。170センチ。山口・光高出身。スポーツ科学部4年。470級スキッパー。石川選手、飯田選手といった今後、チームの中心人物となるような後輩の育成にも力を注いできた小泉選手。仲間思いのチームリーダーがチームに栄冠を手繰り寄せます!
◆上園田明真海(かみそのだ・あまみ)(※写真右から2番目)
大分・別府翔青高出身。スポーツ科学部4年。470級クルー。これまでの活動を振り返り、楽しい思い出が多かったと語ってくれた上園田選手。4年間の集大成となる一戦では優勝を手にし、『Winner』となります!
◆西村宗至朗(にしむら・そうしろう)(※写真左端)
1999(平11)年5月8日生まれ。170センチ。大阪・清風高出身。社会科学部3年。470級スキッパー。1年時から全日本インカレを経験してきた西村選手。4度目となる全日本の舞台でも雄姿を見せてくれることでしょう!