快晴となった秋空の下、２週間の延期を経て関東学生選手権女子レースが開催された。昨年に続き全日本学生女子選手権（全女）の中止が発表され、例年とは異なる状況の中、早大からは４７０級、スナイプ級にそれぞれ１艇が出場。各クラスで４レースを戦い、日大、明大に次ぐ総合３位でレースを終えた。
早大女子チームとしては２年ぶりの出場となった今大会。４７０級では飯田澪（スポ１＝山口・光）・吉野満衣（政経２＝ユナイテッドワールドカレッジ・アメリカ）／上園田明真海（スポ４＝大分・別府翔青）組、スナイプ級では松尾華（スポ３＝広島修道大鈴峯女）・鶴岡由梨奈（社３＝東京・立教女学院）組が各々のレースに臨んだ。
３位に入った飯田・吉野／上園田組
男女混合のレースと比べ少ない艇数で行われるため、序盤の走りが順位に影響を及ぼすことが多い女子レース。そうした環境の中で４７０級の飯田・吉野／上園田組、スナイプ級の松尾・鶴岡組は共にスタートに重点を置き、前を積極的に狙う走りを見せる。だが、なかなかトップホーンを鳴らすことができない。途中から10ノットを超える強い風が吹き荒れ、オーバーパワーにも苦しんだ。最後の４レース目には飯田・吉野／上園田組が２位、松尾・鶴岡組が１位でフィニッシュしたものの、健闘及ばず。総合３位でレースを終え、2019年以来の総合優勝を逃した。
出艇する松尾・鶴岡組
終始、両クラスで安定した走りを見せたものの、２年ぶりの優勝には手が届かなかった。３位という結果に対しては、「もっと上（の順位）を走りたかった」（松尾）と悔しさを滲ませる一方、「４レース出てしっかり成績をまとめられたことはよかった」（飯田）と手応えを感じる声も挙がった。今後は関東ナンバーワンを決める関東学生選手権、日本一の座を争う全日本学生選手権（全日本インカレ）など、主要な大会を控える早大。実績十分のレギュラー勢に食い込むのは容易なことではないが、この先の全日本インカレ、さらには来年度の全女に向けて着実に力を伸ばしたいところだ。
（記事、写真 足立優大）
結果
▽４７０級
飯田・吉野／上園田組 14点 ３位
▽スナイプ級
松尾・鶴岡組 14点 ４位
コメント
スナイプ級スキッパー松尾華（スポ３＝広島修道大鈴峯女）
――きょうのレースを振り返っていかがですか
もっと上（の順位）を走りたかったというのが、正直な感想です。
――試合前にはどういったレース展開を行おうと考えていましたか
艇数が少ない分、序盤から前に出て走ることができればいい順位を取れると考えていたので、スタートをしっかり決めることを心がけていました。
――レースの中で、難しいと感じたことはありましたか
風が強く艇を起こさなければいけない状況の中で、オーバーパワーになってしまったのが少ししんどかったですね。
――クルーの鶴岡由梨奈（社３＝東京・立教女学院）選手とはどういった言葉を交わしていましたか
ハイクアウトを頑張って、艇を起こそうということを話していました。
――４レース目ではトップで走り切りました。感触はいかがでしたか
２レース目も途中までトップだったのですが、抜かれてしまったので、最後は１位を取っていいかたちで終わることができてよかったです。
――現在のご自身の課題は何だと感じていますか
まだまだ男子とのレースの中では走り負けてしまうので、この残りの期間で練習して走れるように頑張っていきたいです。
――最後に今後の意気込みをお願いします
今年は大会が中止になってので、来年は絶対に全女（全日本学生女子選手権）で優勝します
４７０級スキッパー飯田澪（スポ１＝山口・光）
――きょうのレースを振り返っていかがですか
４レース出てしっかり成績をまとめられたことはよかったかなと思います。ただ、最後のレースではトップを取りたかったです。
――クルーの吉野満衣（政経２＝ユナイテッドワールドカレッジ・アメリカ）選手とは試合前にはどういった話をしていましたか
スタートをしっかり決めて、１上からいい順位に入ろうと話していました。
――レースの中で特に意識したことはありましたか
自分のプランを実行するためにはスタートが勝負だと思っていたので、そこを集中して行いました。
――３位という結果についてはどう捉えていますか
いまの自分の力は発揮できたと思うのですが、これからもっと成長していかなければならないと感じました。
――個人としてはどういった目標を持っていますか
全日本インカレ（全日本学生選手権）にレギュラーメンバーとして出場できるような選手になりたいと思っています。
――最後に今後の意気込みをお願いします
今年はサポートに回ることになると思うので、しっかり４年生が気持ちよく引退してもらえるように自分のできることを考えて、あと１カ月の間やっていければいいなと思います。