史上初の快挙!!2度目の全日本3連覇達成

ヨット

 全日本学生選手権(全日本インカレ)での優勝。早大ヨット部がことし一年掲げてきた最大の目標だ。一昨年、昨年と連覇を達成している早大にとって、今大会は2010年以来の3連覇を懸けた戦いとなった。強風の中行われた今大会。お互いの得意・不得意を全員でカバーし合い470級、スナイプ級共に最後まで優勝争いに絡む活躍を見せる。完全優勝とはならなかったが、全員の力で史上初となる2度目の総合3連覇を達成した。

 初日、470級が実力通りの走りを見せる。2レースを終えシングルを逃したのは1度のみ。中でも、岡田奎樹(スポ3=佐賀・唐津西)・岩井俊樹(基理3=東京・早大学院)組は2レース共に2位と安定感のある走りで早大を支える。強風の影響もありスナイプ級にはタイムオーバーによる失格が2つ付いてしまったが、それでも総合1位の日大に離されることなく初日を終える。合計4レースが行われた2日目。この日最初のレースで総合トップに立つ。しかし、平川竜也主将(スポ4=神奈川・逗子開成)が「厳しい戦いが続いて、どうしても慶大との点差が離れない展開だった」と言うようにライバルである慶大・日大との差はわずか。勝負の行方は3日目以降に持ち越された。

470級の市川・深田組。3番艇までもが全国トップクラスであることを示した

 4日間に及ぶレースで大きなターニングポイントとなったのが3日目だ。この日は風が一時的に強くなるなど、特に不安定なコンディションの中でレースが行われた。失格が続出し他大学が順位を落とす中、早大の失格はゼロ。「ギリギリのところでリスクマネジメントができて、粘れた」(関口功志監督、平18人卒=愛知・半田)。総合優勝に向けて2位以下を大きく引き離すことに成功する。そして、ついに迎えた最終日。470級は苦手とする強風が吹く日が多い中でも、チームとしてまとまり最後まで優勝争いに絡んでいた。しかしトップ日大の背中を捉え切ることはできず、惜しくもクラス別で2位に終わる。対してスナイプ級は10レース目を終えた時点で、2位慶大との差はわずかに1点。続く最終11レース。ここでスナイプ級全艇が5位以内という圧巻の走りを見せる。勝負強さを発揮し、スナイプ級優勝、そして総合3連覇を成し遂げた。

キーマンの岩月・服部組は上々の出来でレースを進めた

 ここまで歩んできた道のりは決して平たんなものではない。春、夏と思うような結果を残せず苦しい時期が続いた。それでも、悔しさを味わうたびに一人一人が成長を遂げてきたエンジのセーラーたち。苦手な強風域でも安定した結果を残した470級、課題と言われていたスナイプ級の3番艇もしっかりとした走りを見せ、3日目の悪条件の中でも全員が走り切った。ことし一年の成長が随所に光った大会と言えるだろう。「ヨット部で四年間経験してきたことの99.9パーセントはつらいこと」(中島捷人、スポ4=神奈川・逗子開成)。それだけに、目標を達成した早大ヨット部は全員がとびきりの笑顔で輝いていた。これでチームとしては初となる4連覇へと夢がつながった。伝説のその先へ――。早大ヨット部の挑戦は続いていく。

(記事 杉山睦美、写真 平松史帆、郡司幸耀、松澤勇人)


★平川・三宅組がスナイプ級MVPを獲得

 総合優勝、スナイプ級クラス優勝の2冠に輝いた早大ヨット部にあって、その中心で活躍した平川・三宅功輔(商2=東京・早大学院)組は、スナイプ級で個人成績1位に輝いた。正式なタイトルではないが、選手たちからはMVPとして認識される勲章だ。第2レースではあまりにも早い平川・三宅組のトップフィニッシュのために、チームメイトを失格にしてしまうアクシデントもあったが、嫌な雰囲気を引きずることはなかった。平川は得意とする強風域で、つぶさに風の流れを観察。いまやかけがえのない相棒へと成長した三宅と、2位に50点差をつけてのMVP獲得を果たした。「総合優勝して、クラス優勝して、MVPも取れて、本当に何も言うことはない」(平川)。平川にとっては、まさに集大成を見せた大会となった。

喜びを爆発させた平川(左)・三宅組

(記事 喜田村廉人、写真 菖蒲貴司)


結果

▽470級

早大 380点(2位)

▽スナイプ級

早大 486点(優勝)

▽総合

早大 866点(優勝)

コメント

関口功志監督(平18卒=愛知・半田)

――いまの心境は

本当にうれしいですし、4年生の成長がこの一年間で見て取れて、彼らがチームを強くしてくれました。彼らの成長そのものを本当に誇らしく思います。

――3日目のレースがターニングポイントになりました

4日間の中でも非常に不安定なコンディションの中でレースが行われました。その中でワセダ自体は気持ちのいいレースはできなかったんですが、他の大学が順位を落とす中で、ギリギリのところでリスクマネジメントができて、粘れた、他の大学が順位を落とす中で、大きく総合で点差を開くことができ、我慢したということが今回の勝因かと思います。

――荒れたレースで失点を抑えることができた理由は

風が短時間で一時的に強く吹くという傾向があったので、その海面に応じて、シンプルなヨットレースをしました。タックという方向転換の数を減らして、より風のいいところで長く走るということを全員で心掛けて、それを事前の練習から本番にかけて徹底できたことは非常に良かったと思います。

――大きな点差を開けて臨んだ最終日は選手たちにどのような意識を持たせて送り出しましたか

リードの有無は正直あまり気にしていませんでした。大会前からいつも通りのパフォーマンスができるように、粛々と取り組むだけだと言っていましたので、リードができたから特別なことをするというのではなく、これまで通りの戦いを点差に関わらずしようという風に言って送り出しました。

――課題と言われていたスナイプ級の3番艇が健闘しました

そうですね、(スキッパーの)岩月(大空、スポ2=愛知・碧南工)は、この一年間最も苦しんだ選手の一人で、総合2連覇していたチームのレギュラーということで様々のプレッシャーを受けて、心苦しい中で練習を重ねてきました。この(全日本)インカレ中も苦しいレースはいくつかあったんですが、その中でも成長して、最後は特に良いレースを見せてスナイプ級のクラス優勝に貢献してくれたので、非常に頼もしくなって、今後が楽しみです。

――平川竜也主将(スポ4=神奈川・逗子開成)がクラス別で個人成績1位に輝きました

期待通りです。今回のようなコンディションで、あのような成績を出せる力量があることは分かっていたので、あとは笑顔で送り出して、彼のパフォーマンスが出しやすい環境をつくることを意識していました。

――あしたからまた4連覇への戦いが始まります

全体のミーティングでも言ったんですけども、4連覇に挑むとなると、全員が全日本インカレでの負けを知らない代になります。負けを知らないということは、ワセダにとってすごく大きなマイナスだなと思います。陸上でも海上でも、活動の基準を自ら引き上げようとしなければなりません。「これまで通りやろう」という考えでは基準が下がり、足元をすくわれるかたちになるので、より厳しく、高い基準を設定して、全員で活動していきたいと思います。

小松一憲コーチ(ロンドン五輪470級代表監督)

――3連覇達成、おめでとうございます

ありがとうございます。ことしはね、勝った瞬間はうれしいというよりもホッとしたというかね、そういう感覚でしたね。

――ホッとしたというのはどのようなプレッシャーがあったのでしょうか

実はですね、去年の2連覇のあとに祝賀会というものがあったのですが、そのときに大学関係者の方が「3連覇、4連覇と言わずに、5連覇、6連覇を目指してください」とおっしゃられたのですよ。それで、その時に聞いていたヨット部のみんなは(マイクパフォーマンスだと捉え)ワーッと笑ったのですが、そのあとその関係者から「10連覇、20連覇している部活もある」と言われて、それでその時に自分の中に闘志の火がつきましてね、その時に選手ではなく指導者である自分の目標として、3連覇というものが大きく掲げられたというかね。その時から思っていたことでしたのでね。その目標がきょう達成できたのでホッとしたというかね。去年から懸念されたのは470級のスキッパーに女子が2人いるということで、それさえどうにかかたちになれば連覇も目指せるのではないかと自分では思っていたので、そこがそれなりに成長してくれたのがこの4日間で見て分かったのでその意味でもホッと。

――470級は前主将の小泉颯作選手(平28スポ卒=現トヨタ自動車東日本)の穴を埋めるために田中美紗樹選手(スポ1=大阪・関大第一)がレギュラーとして抜てきされました。1年生でいきなりインカレのレギュラー艇として走ることについて、どのような指導をされていましたか

ええ。田中以外にも元津(志緒、スポ2=長崎工)だったり他にもいますし、田中と元津ではほとんど実力が同じだったんですね。ただ、どちらにしても女子だということで女子がこの蒲郡の強風に負けないような選手にするということで、そして誰がレギュラーになってもしっかりと走れるように、そのように仕立て上げないといけないと思っていました。元々レギュラーだった市川(夏未、社4=埼玉・早大本庄)も1年時に一年間ケガをして競技をしていなかったんですね。だから市川も含めて女子スキッパーの育成にことしは努めましたね。

――苦手の強風の中でもこれだけのレースを展開しました

よく走りましたよね。女子だからやっぱり強風には弱くて、その中でもよく走ったと思います。ヨットというのは他のスポーツと違って、男子女子の性別がなく争えるもので、こういうスポーツってあんまりないんじゃないですかね。それだけに女性だからと言って甘えてならないんですよ。やはり女子スキッパーが2艇でというのは厳しかったですよね。その中でよくやってくれました。インカレ前の秋の六大学戦でやっと追いつきましたからね。そこまでよく我慢して成長してくれたと思います。

――「来年また優勝を目指すことは決して絵空事ではないんだ」というコメントを残されてから一年、本当に連覇を達成しました

ことしは慶大という大きな壁が立ちはだかっていましたね。今までの慶大でこんなに強いチームはなかったんじゃないかってくらいのね。ですから、慶大にとってもことしが最大の優勝のチャンスだったはずですよ。そこに勝ちさえすれば優勝はできると思っていたものですから、それが負け続けた中で六大学戦(秋季六大学定期戦)でやっと勝てたときには、これで逆転したと、インカレも勝てると思いましたね。

――スナイプ級は慶大が強いと言われていた中でクラス優勝を果たしました

非常に淡々と戦っていましたよね。岩月(大空、スポ2=愛知・碧南工)がなかなか出てこない中で、みんなで励まし合いながらよく引き上げたなと思います。私は去年の1.3倍は学生と過ごしましたから、普段の練習も470級だけでなくてスナイプ級も見ていましたが、スナイプ級も確実に力をつけてきました。それで3番艇が岩月・服部(勇大、基理4=東京・早実)のところをものにしていこうと、私なりにやってきたつもりなんですね。インカレでは最後に5番だったりとよくやってくれましたよ。

――少し気が早いかもしれませんが、次は4連覇です。最後にその意気込みをお願いします

そうですね。自分にも闘志に火がついたので、そう言われたらと思って。(連覇を目指すのは)楽しみになってきましたよ。楽しいです。この年になって闘志に火がつくような思いができているのでね。あとは、この1年で自分なりに反省するのは決して自分のために選手を勝たせるのではなく、学生が勝つためにやっていくんだと思ってやらないといけないと思いますね。これからの戒めにして、連覇を目指して頑張るべきだと思っていますね。そうやって5連覇、6連覇とつないでいこうと思っています。

スナイプ級スキッパー平川竜也主将(スポ4=神奈川・逗子開成)

――いまの心境は

最高過ぎます。最高です本当に。

――大会の振り返りをお願いします

初日、2日目は厳しい戦いが続いていて、どうしてもケイオーとの点差が離れない展開でした。そこから、チームが難しい風の中で、チーム全員が点数をまとめてくれたということに、ありがとうとしか言いようがない4日間でした。

――2レース目に平川さんのゴールが早すぎたためにチームの2艇をタイムオーバーで失格にしてしまいましたが、そのときの心境は

それはもう「しょうがない!」と思いました。スナイプが走っちゃいけないような風で、非常に危険だったんですけど、自分の強みはサバイバルコンディションでも走れることなので、強風域でのパフォーマンスなら誰にも負けないと思っていて、フィニッシュしてしまいました。確かにあとから考えるとどうだったんだろうとは思いましたが、気にしていてもしょうがないと思ってやりました。

――最後のレースを1位で終えました

本当に綺麗に四年間を締めくくることができて良かったなと思います。

――どんなコンディションにも対応し、スナイプ級の個人成績で1位に輝きました

おまけなんですけど、MVP(スナイプ級個人成績1位)が取れたということで、総合優勝して、クラス優勝して、MVPも取れて、本当に何も言うことはないです。

――主将としての一年間はいかがでしたか

本当に山あり谷ありで、前半は本当にきついことばかりだったんですけど、だんだんチームがまとまってきました。秋インカレ(関東学生選手権)で負けてしまったけど、全日本インカレで優勝できる、という環境をつくることができたのは、僕の主将力というよりも、ただの雇われ主将みたいなもので、チーム全員が、チームを勝たせるということについて当事者意識を持って取り組んでくれた結果だと思います。僕は本当に何もしていないので(笑)。

――今後競技を続ける予定は

趣味程度になってしまいますね。仕事が仕事なので。ただ一応海の上なので、その合間に後輩の面倒を見ます。自分がいろいろな人に面倒を見てもらったようにできればいいなと思います。

――最後に喜びの声を

最高!

スナイプ級クルー服部勇大(基理4=東京・早実)

――今のお気持ちを聞かせてください

めちゃめちゃうれしいです。

――四年間を振り返っていかがでしたか

つらいことが多くて、ことし一年間は運営も競技面もずっと不安で仕方なかったんですけど、最後に目標としてきた3連覇を達成することができて良かったと思います。

――つらいことや不安というのは具体的に

つらいことは、単純に夏合宿では練習時間が週6の一日9時間で、体力的にキツかったですし、不安は4年生になって自分がチームを運営しなければならないことです。自分の代で絶対に3連覇しなければいけないと感じていましたし、そのために部をどうしなければいけないというのを考えたときに、その正解はないので。探りながらというか、常に不安でした。

――岩月選手(大空、スポ2=愛知・碧南工)と一年間組んでみていかがでしたか

春から大きく成長してくれました。礼(永松礼、スポ3=大分・別府青山)と平川(竜也主将、スポ4=神奈川・逗子開成)が前を走ることは予想できていたんですけど、岩月がここまで成長してくれたことがスナイプ優勝と総合優勝にとって一番大きかったと感じています。

――全体的にすごくいいレースができたのではないですか

大きく悪い順位を取らないということについては徹底できたので良かったと思いますが、要所で順位を上げたり、落としてはいけない部分で落としてしまったので、来年以降も岩月を始め他の部員にはそこも含めて頑張ってほしいです。

――全国でもシングルを何度も取れることが証明できたのではないですか

個人の結果よりチームの結果がうれしいと感じているのですが、個人の結果がなければチームの結果もないと思うので、インカレで前を走れるレベルではなかった春からの成長は感じています。

――今後競技はどうされますか

まだ全く考えていないんですけど、僕は海が好きですし、ヨットも楽しいので、少しでも関わっていけたらなと考えています。

――改めて最後に喜びの声を聞かせてください

本当にうれしかったです。自分が四年間やって来られたのも、監督(関口功志、平18人卒=愛知・半田)やスタッフなど多くの人の支えがあったからこそです。他にも大学の人にもいろいろな支援をしていただいたおかげでこのような結果を取れたので、その感謝の気持ちは忘れてはいけないと感じています。

470級スキッパー市川夏未(社4=埼玉・早大本庄)

――おめでとうございます。今の心境は

正直にうれしいです。

――あらためて4日間を振り返ってみていかがですか

どのレースがつらかった、良かったというのはなく、一レース一レースでそのときのベストが出せるように意識してやっていました。それぞれのレースごとに良かった点、悪かった点はありましたが、どれがというのは選べなくて、毎回同じ準備ができるようにそのときそのときが必死でした。

――「初日と最終日に良い成績を取りたい」というお話が以前ありましたが、今大会はそれが実現したと思います

今までは初日と最終日に悪いことが多かったので、自分でもそのことは意識しています。全日本インカレはレース数も多くて、あらためてヨットレースにおいて高順位を取り続けることが難しいと感じました。つらいときや苦しいときにどれだけ順位をまとめられるかというのがまた難しくて、今回は最初と最後では良い順位でまとめることができたと思うのですが、全日を通してだと満足のいく結果ではないですね。

――状況によってクルーを替えてのレースは今季は多かったと思います。それぞれのクルーにメッセージをお願いします

深田(龍介、政経3=東京・早大学院)は一番乗ったクルーだと思います。去年も全日本個人選手権で一緒にこの蒲郡で乗っていました。深田はことし主に一緒に乗ることが多くて、今は自分と一年間乗ってくれてありがとうという気持ちと、自分がしっかりした人間ではないのでミスしたり気持ちの焦りがあったりというときに言葉を選んでくれて、異一緒に良い方向に行くように声をかけてくれたことが自分の艇の成績を安定させることにつながったのでかなと。少しでも良い順位で終わることにつながったのかなと思います。須賀くん(偉大、教3=大阪・高槻)は、意見がぶつかることが多くて、最初はそのズバズバ言ってくることで私がイライラしてしまうこともあったのですが、今は良い意味で自分の思ったことを素直に言ってくれるクルーなんだなと思います。ここが須賀と乗る際に良かったことかなと思っていて、それで真っ直ぐに向き合えたのかなと思いますし、変に言葉を選んで率直に思いを伝えられないこともあったのだろうと思います。須賀はこれからも今のように素直に思ったことをそのまま言ってほしいなと思います。

――最後に喜びの声を!

四年間のきついヨット部生活だったのですが、私は中学生の時にあのヨット部で総合優勝したいと思って早大の付属校に入りました。過去に3連覇をしたときの先輩たちに憧れて、自分たちもそうなれるようにということを目標にずっとやってきて、それが先輩、後輩、同期、監督、コーチ、様々なスタッフのおかげでそれを成し遂げることができて、そして自分がその場にいることができてすごくうれしいです。

470級クルー中島捷人(スポ4=神奈川・逗子開成)

――今の心境は

めちゃくちゃうれしいです。最高です。つらい1年だったんですけど、最後に3連覇というかたちで終えることができて本当にうれしいです。

――470級は不安視されていた強風のコンディションで最後まで優勝争いをしました

4日間のうち3日間はかなりの強風で、その中で日大やケイオーがかなり走ってきて、不安要素ではあったんですけど、春インカレ(春季関東学生選手権)では全然走れなかったことに比べれば、かなり良いレースができたと僕は思っていて、470級とスナイプ級の両方が優勝に貢献できて、うれしく思います。

――サポートとして、選手を送り出すときに注意したことはありますか

戦うのはもちろん選手ですけど、サポートもそれと同じくらい重要だと僕は思っていて、サポートから声を掛けたり、良い雰囲気をつくることを、この4日間すごく実践できたかなと思っています。もうちょい選手としても出たかったという思いはあるんですけど、戦っている皆が全力でやっている姿を見られてよかったです。

――3日目がターニングポイントになりましたが、気をつけたことは

特別なことをしようとはチームでも考えていなくて、粛々とやろうというふうに言っていたので、自分のやるべきことをやれば結果はついてくると話し合ってやった結果、ワセダは1日目のDNFを除いて英語が付かずにトラブルなしで3日目を終えて、大きなリードを取ることができました。

――以前おっしゃっていた「恩返し」が達成できました

本当によかったと思います。僕ら4年生の代が始まったときは、本当に頼りなくて、大会の運営も下手くそで、下級生に迷惑をかけて、かつ結果もついてこないという難しい部分もありました。でも、夏を越えて、結果で「恩返し」ができたというのは、下級生、特に3年生が協力してくれたということと、監督、コーチ陣の方々のおかげで、結果でそれを返すことができたことをうれしく思います。

――今後競技を続ける予定は

自分は競技としてヨットを続ける予定はないんですけど、後輩の指導をすることと、一応自分の内定先の会社にもヨット部があるので、そういったところでも関わっていければと思います。自分はすごくヨットが好きなので。

――最後にもう一度喜びの声を聞かせてください

めっちゃめちゃうれしいです。ヨット部で四年間経験してきて、毎年先輩方も言っているんですけど、99.9パーセントはつらいことです。合宿に集合するのも、ヨットをするのも嫌だなあと思うこともあったんですけども、その中でも勝ちたいという気持ちがあって、それを持って四年間続けてきたので、目標にしてきた3連覇を達成できて、めっちゃくちゃうれしいです。

470級クルー永松瀬羅(スポ4=大分・別府青山)

――優勝おめでとうございます。今の心境を

ありがとうございます。とりあえずこのインカレを3連覇で終えることができてすごく安心しているとともに、ものすごくうれしい気持ちでいっぱいです。

――田中美紗樹選手(スポ1=大阪・関大第一)と組んで素晴らしいレースをしましたが、振り返っていかがですか

田中は1年生ながら私のこともよく考えながら乗ってくれて、半年間だけでしたが一緒に乗ってきて、常に笑顔が絶えなくてとても楽しかったです。彼女にはすごく感謝しています。

――1年生スキッパーと組むことのプレッシャーは感じていましたか

正直プレッシャーはありました。でもすごく頼りにできる1年生だったので、お互いに頼りあって、支えあいながら乗って行けました。プレッシャーに打ち勝つことはできたかなと思います。

――大会を通して全国屈指の1、2番艇を組むことができましたが

今大会は風シリーズで、女子クルー、ましてや女子ペアで出場している艇はほぼなかったと思うんですけれども、田中も私も強風に耐えられるように必死に頑張ってきたので、その力がここで発揮できてよかったです。

――3連覇を達成し4連覇へ繋ぐことができました。来年4連覇を目指す後輩たちに向けて何かありますか

3年生をはじめ、1、2年生を含めたチーム全員が一年間4年生を支えてくれました。この後輩たちなら4連覇を絶対に成し遂げてくれると信じています。確信できるほどの後輩たちなので、これからも練習を頑張ってもらいたいと思います。

――今後競技を続ける予定はありますか

はい。続けていくつもりです。

――最後に喜びの声を

3連覇できて本当によかったです。最高の仲間と最高の瞬間を味わうことを本当にうれしく思います。本当に幸せです!後輩たちちには感謝してますし、私もこの経験を種にしてこれからのヨット人生も頑張っていきます!

スナイプ級スキッパー永松礼(スポ3=大分・別府青山)

――今の心境は

3連覇できたことは素直にうれしいですし、貢献できたことは光栄です。また、秋まで苦戦し続けていたケイオーのスナイプに勝てた達成感をすごく感じます。

――4日間の振り返りをお願いします

初日から強風で、サバイバルのレースもありましたが、4日間の11レース全て強風だったので体力勝負になっていたと思います。そこでヨット以外のことを考えなくてもいいようにサポートしていただいた監督、コーチや、部員には感謝の気持ちでいっぱいです。

――2レース目の失格を除き安定したレース運びでした

初日で横文字(失格)を取り、昨年と同様足を引っ張ってしまうという不安と絶望を感じていました。しかし、翌日の得意の風域での最初のレースでトップフィニッシュできたので、気持ちの切り替えはすぐにできていました。自分のできること、得意なところを冷静に考え、粛々とレースに臨めていました。

――個人としてのレースの出来は

順位を決める上で一番ウェイトの大きいスタートで、確実に有利なサイドを選択し、スタートすることには自信がありましたし、実行もできたので始めのレグでの順位はすごく安定していました。この点は春から長期的な課題として取り組んでいたことです。しかし、レースの後半で順位を守りきれないことが何度かありました。体力勝負だったのでつい視界が狭くなってしまい、風が見えなくなってしまったんだと思います。そこは残り一年で確実に潰すべき課題だと痛感しました。

――これからはスナイプ級を引っ張っていく立場になります。どんな思いを持っていますか

まずはシンプルに自分自身が学生の中で一番速くなります。そうしないと引っ張れないと思います。その上で、対抗心をお互いが持ち続けられるような環境づくりを厳しく追及していこうと思います。そして日本一のスナイプチームを作ってみせます。

――最後に喜びの声を

素晴らしい練習環境とチームの体制を作っていただいたすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。その恩返しのためにも、絶対4連覇します!

470級スキッパー田中美紗樹(スポ1=大阪・関大第一)

――今の心境は

総合優勝できて最高です。

――4日間の振り返りをお願いします

めっちゃ緊張すると思っていたのですが、蒲郡に入ってからリラックスして過ごすことができたのが成績につながったのかなと思います。審問の時も、落ち着いて行けたのは、周りの人が焦らせないよう気遣ってくれたからです。たくさんの場面でいろんな人に支えられてることがよく分かってとても感謝してます。その他にも初めての体験がいっぱいあって、「これがインカレかー」と思いました。

――チーム全員で勝ち取った優勝だと思いますが、団結を感じることはできましたか

初めての団体戦ではありますし、レースメンバーではあるものの1年生なので、しないといけないこととしなくていいことが分からなかったんですけど、サポートの人から声をかけてもらってレースに集中できる環境を作ってもらえたことはありがたかったです。あと、1レース目が終わった時のスナイプの点数が良すぎて、「余裕やん!」って思ってから、レースで順位が悪いところを走っていても、頼れる先輩方を信じて冷静に判断する事ができました。「団体戦っていいなー」って感じました。

――4連覇に向けての意気込みをお願いします

4連覇という感じより、1年生的にはまだ1勝なので、どちらかと言うとクラス優勝に向けてリベンジと言う方が大きいですね。その次につなげるための総合優勝に向かって精一杯頑張っていきます!