ワセダから4艇が全国の舞台へ

ヨット

 関東学生個人選手権470級が6月20、21日に行われた。江ノ島で行われた今大会では、上位14組が全日本学生個人選手権(全日本個選)へと駒を進めることができる。2日にわたって行われた今大会だが、2日目のレースは天候不順により中止となった。その結果、前日までの成績により順位が確定。早大からは5艇がエントリーし、うち4艇が14位以内に入り全国への切符を手にするという好成績を収めた。

 1日目に好成績を残した早大の各組だったが、第1レース序盤はスタート失敗や、コース外しなどにより苦戦を強いられた。それでも、「気持ち的に落ちたわけではなく、ちゃんとやればいけると思った」と岡田奎樹(スポ2=佐賀・唐津西)が語るように、そこから巻き返し岡田奎・岩井俊樹(基理2=東京・早大学院)組は順位も9位まで上がったことで余裕も生まれた。「(全日本個選に出場できる)14番以内は余裕だと思っていた」という言葉のとおり、そこから安定した走りをみせる。そして、最終的には2位という好成績を残した。「もちろん優勝を狙っていきたい」(岡田奎)と、全日本個選への熱い思いも聞かせてくれた。

見事に全日本学生個人選手権への出場を決めた元津・中島組

ゴールデンルーキーの元津志緒(スポ1=長崎工)も中島捷人(スポ3=神奈川・逗子開成)とペアを組み、12位に食い込む活躍をみせた。元津もまた、全日本個選への切符を手にしたのだ。「課題も見えてきた」と語るように、好成績にもかかわらず強い向上心ものぞかせた。また、今大会は個人戦で、同じ早大の選手とも競い合うことになったが、そのことについては、「特別に意識するようなことはなかった」と、あくまで自分の走りに集中した。そのことが今回の好成績につながったのだろう。全日本に向けて「一つ一つの課題を練習の中でつぶしていきたい」と意気込みを聞かせてくれた。

悪天候の2日目。ハーバーは静かだった

「例年よりは(全日本個選に)多くいけた」(小泉主将)。4艇が本戦への出場を決めたが、5艇すべてが全国に進むことを目標としてきた早大ヨット部にとって、今大会の結果は決して満足のいくものではなかった。予選を突破した艇数こそ慶大を上回ったが、総得点では慶大に次ぐ2位。決して喜べるものではないだろう。それでも、ルーキーの活躍がみられた早大には風が吹いているようにも思える。これからの鍛錬でそれぞれが己と向き合い、全国の舞台ではさらなる飛躍を期待したい。

(記事 谷口駿太、写真 菖蒲貴司、土谷奈々)

結果

岡田奎樹(スポ2=佐賀・唐津西)・岩井俊樹(基理2=東京・早大学院)組 2位 18点

小泉颯作(スポ4=山口・光)・深田龍介(政経2=東京・早大学院)組 7位 55点

元津志緒(スポ1=長崎工)・中島捷人(スポ3=神奈川・逗子開成)組 12位 62点

市川夏未(社3=埼玉・早大本庄)・永松瀬羅(スポ3=大分・別府青山)組 13位 69点

岩月大空(スポ1=愛知・碧南工)・須賀偉大(教2=大阪・高槻)組 34位 136点




コメント

470級スキッパー小泉颯作主将(スポ4=山口・光)

――今大会の振り返り

2レース目に風の変化に対してスタートする位置を間違えてしまって(レースを)大きく崩してしまって、そしてきょうカットレース(予定より1つ多くレースを行い、各艇の最も悪い順位のレースを消すことができる)がなくて、結果的に7位に終わってしまって、とても残念というか、失敗したなという感じです。

――5艇のうち4艇は全日本(全日本学生個人選手権)への出場を決めましたが

4艇はいけたのですが、5艇いくのが目標だったので、その目標には届いていなくて、この結果を受け止めて、これからまたみんなで4艇だけでなくみんなで頑張らなければいけないなと思います。他大学は、たとえば(春季の各種大会で優勝した)慶大は2艇しかいけなかったりと、早大の4艇というのは良い結果ではあると思うのですが、早大の得点が特別良いというわけではなく、ギリギリ滑り込んだという感じなので、まだまだです。目標は全日本インカレ(全日本学生選手権)なのですが、関東でいままだこのような(ふがいない)感じなので、きょうは個人戦ですがチーム全体でレベルアップをしていかないとという思いがあります。これから夏、あと半年ないですけど一生懸命やっていきたいですね。

――全日本学生個人選手権への意気込み

4艇いけたので、例年よりは多くいけたと思っています。蒲郡(愛知県蒲郡市、全日本学生個人選手権の開催地)で、多くのことをそれぞれが学んで、全日本インカレにつなげたいと思います。

――2年連続での最優秀選手賞は

それはもちろん狙っています。それよりも各大学で3艇ずつ良い成績の組を出して争う、自分たちで出している指標があるのですが、それがきょねんは全日本学生個人選手権の時点で1位だったので、ことしもそれを目指してやっていきたいです。この大会だと慶大に負けているので、慶大が強くなったということもあるのですが、ウチも負けずにやっていきたいです。


470級スキッパー岡田奎樹(スポ2=佐賀・唐津西)

――きのうときょうのレースを振り返っていかがですか

楽しくレースが出来たと思います。

――きのうの最終レースで好成績だったので楽しくという意味はあったと思いますが、それまでなかなか上手くいかなくて最後に2位になれたということで、その点において気持ちの切り替えはどのようにしたのですか

コースを外したという感じなので、気持ちが落ちたというわけではないですね。単純にコースを外してしまっただけで、もう少しコースを読めるようになる必要があると思います。気持ちは落ちたわけではなく、ちゃんとやればいけると思っていました。14番以内に入ればよくて、1レース目をけっこう外して第1ポイントが20、30ぐらいだったのだが、それでも(最終的に)9番まで上がれたので14番以内は余裕だと思っていました。そのような軽さでいたので気持ちの切り替えをしたわけではないですね。

――今回は個人戦でしたが、他の選手ががんばっているのを見て、何か刺激を受けることはありましたか

特にないですね。

――はい。他の早稲田の選手を見て、刺激はなかったのですか

練習で刺激し合っているので、レースになったからといってそこまで刺激になることはないです。どちらかというと他の選手が走っているのを見て、よく走っているか走っていないかで刺激をもらうことはありますね。

――全日本への意気込みをお願いします

2月くらいから全日本個選は優勝すると宣言しているので、もちろん優勝を狙っていきたいです。


470級スキッパー元津志緒(スポ1=長崎工)

――きのうのレースを振り返っていかがでしたか

前半は思っていた以上に良い順位でいくことができました。内容は全日本のレベルにはまだまだ及ばず、自分でも満足できていない部分があります。課題も見えてきたので、きのうは良い経験ができたと思います。

――良い順位も悪い順位もありましたが、これから良い順位を続けていくためにどのようなことに取り組みたいですか

強風域が苦手なので、強風域が得意な早稲田のメンバーとの練習で置いていかれないよう、平日はウエイトトレーニングを行うなど体力面での強化をがんばりたいです。

――大学に入ってはじめての大きな大会でしたが、いかがでしたか

これまでと何か大きく変わったということは感じていません。レベルの高いワセダの中で課題を一つ一つつぶせていることは、自分にとってプラスになっていると思います。

――これまでとは違い個人戦でした。同じ早稲田のメンバーと競い合い刺激になったのではないでしょうか

早稲田のメンバーを特別に意識したことはありませんでしたが、予選を突破し全日本に行き、レギュラーの3艇に追いつけるようにと、強い気持ちを持っていました。これからの練習でもその気持ちを忘れずにいきたいです。

――最後に全日本への意気込みをお聞かせください

全日本までもう少し時間があるので、練習の回数は少ないかもしれませんが、いま以上の力を発揮できるように一つ一つの課題を練習の中でつぶしていく努力をしていきたいと思います。


470級スキッパー岩月大空(スポ1=愛知・碧南工)

――この大会を振り返って

以前よりは断然良くなってはいるのですが、それでも関東の上位レベルには全然及ばないという実感です。もっとレベルを上げていかないといけないと強く感じました。

――大学に入ってからはじめての大きな大会だと思います。いかがでしたか

先輩たちがすごいなとただただ思いました。それに追いつけるように頑張りたいと思いました。

――全日本学生個人選手権への出場は叶いませんでしたが

もうすべての面で実力不足だと感じました。もうもにかく練習あるのみだと。

――次戦に向けて、どのように備えるか

どこがというわけではないですけど、スキルアップしなければいけないと感じました。ペアとの信頼関係も深めていけるように頑張りたいです。

――同学年の元津選手が全日本への切符をつかみました。メッセージをお願いします

(全日本学生個人選手権に)1年生で出られるのはすごいと思うので、力いっぱい頑張ってほしいと思います。