【ラグビー】フィジカルバトルで劣勢に立たされた早大D 帝京大Dに12ー35で敗れた

ラグビー男子

秋季オープン戦 11月9日 対帝京大D 帝京大・百草グラウンド

 関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)の全勝をかけた一戦を前に、帝京大・百草グラウンドにて早大D対帝京大Dの試合が行われた。「先週、Aチームが負けた仇をとるのはもちろん、今日の帝京大との3連戦に向け、チームに勢いをつけようと挑んだ」とNO・8山下広一朗(創理4=東京・早大学院)が語った今試合。開始早々から早大Dが陣取り合戦で優位に立つも、帝京大Dの脅威的なフィジカルに押され、連続で4トライを奪われてしまう。終了間際に反撃のトライをあげ、7ー28で試合を折り返す。続く後半、お互いに1トライを追加したものの、両者ミスが多く、なかなかスコアが動かない。そのままチャンスを生かすことはできず、12ー35で敗戦となった。

アタックラインをコントロールするSO寺田

 早大Dのキックオフで幕が開けた今試合。立ち上がりから終始敵陣に入り込み、SO寺田結(スポ2=広島・尾道)のキックを折り混ぜたエリアゲームは早大Dに軍配が上がった。しかし、帝京大Dにディフェンスで圧力をかけられるとたまらずペナルティーを犯してしまう。一度は押し返す展開も見られたが、帝京大Dに一気にゴール前まで攻め込まれ、11分に痛恨の先制点を許してしまった。16分、ハイボールの競り合いで帝京大Dにボールが収まると、ブレイクダウンでの反則からゴール前まで陣地を進められてしまう。ラインアウトモールを組まれ、インゴールを叩き割られた。コンバージョンキックも決まり、スコアは0ー14に。19分、帝京大Dの反則から敵陣ゴール前まで攻め込むも、チャンスを生かしきれず得点に結びつけることができない。27分にはハイパントからパスを帝京大Dにつながれ、早大Dの背後に蹴られたキックに追いつくことができず、再び失点。33分、スクラムで反則を誘われ、大きく陣地を進められる。立て続けに反則を取られてゴール前まで攻め込まれた。BKが展開し、数的優位を作られゴール左隅へ。点差を28点に広げられてしまう。38分、敵陣22メートルのラインアウトからCTB鈴木彪馬(スポ2=東京・国学院久我山)がゴール前でゲイン。SH宮下羚(文構2=東京・早実)が自ら持ち出し、ディフェンスのギャップをついてグラウンディングに成功した。寺田のキックも決まり、7ー28でハーフタイムへ。

力強くキャリーするHO野口

 迎えた後半、最初に得点を挙げたい早大Dだったが、8分に帝京大Dに右隅へトライされ点差を広げられてしまう。反撃に転じたい早大Dは14分、敵陣ラインアウトからFWがフェーズを重ねてゴール前まで前進。CTB藤井雄士(社2=北海道・札幌山の手)のオフロードパスを受けたWTB早乙女遼(人3=東京・国学院久我山)がゴール右へ飛び込んだ。スコアを12ー35とする。このトライを起点に早大らしいアタックが続くようになり、流れをつかんだかと思われた。しかし、帝京大Dにプレッシャーをかけられ、自陣深くまで攻め込まれる時間が続く。早大Dはゴール前で反則を多発すると、ラインアウトモールを組まれ窮地に追い込まれる。しかし、早大Dフィフティーンの身体を張ったディフェンスにより相手のノックフォワードを誘発。ピンチを脱出した。しかし、その後はお互いにミスを連発しゲームは停滞した。そのままノーサイドの笛を迎え、12ー35。ジュニア選手権に向けていい滑り出しを切ることはできなかった。

スペースを駆け抜けるWTB早乙女

 コンタクトバトルで劣勢になり、点差以上の力を痛感させられた今試合。特に前半は、スクラムやモールで押し込まれ、連続失点を許した。しかし「後半出たメンバーのアグレッシブなプレーもあり、粘り強く強度の高いディフェンスができた」とHO野口大雅(文構3=東京・早実)が振り返るように、早大らしさを体現するようなディフェンスも見られた。今シーズンも残りあと少し。「少しでも早く赤黒を着て、チームの優勝に貢献する」(藤井)ため、今試合の課題を修正し、『荒ぶる』まで走り抜ける。

(記事:安藤香穂 写真:清水浬央)

コメント

◆HO野口大雅(文構3=東京・早実)

ーー今日の試合のコンセプトを教えてください
 チームとしては早稲田のスタンダードで帝京を上回るということをテーマに臨みました。これまで積み上げてきたスキルや戦術を、常に帝京を上回るレベルで発揮することを意識していました。個人としては、コリジョンの部分で、タックルやボールキャリーの際に相手より先に前に出ること、タックルを受けてももう一歩足を掻くことなどを心掛けてプレーしました。

ーースクラムの手応えはいかがでしたか
 夏合宿以降、毎週テーマを設けて取り組んできたスクラムの集大成として臨みました。試合序盤はペナルティーを取られる場面もありましたが、後半にかけて修正できた部分は良かったと思います。次の試合からは、前半の中で修正が出来るよう、知識やスキルを身につけていきたいと思います。やってきたことに自信を持って組めた点は、チーム全体としても大きな収穫でした。

ーー後半の失点は1トライに抑えましたが、ハーフタイムでどのような修正がありましたか
 スクラムでは、コーチやチームメイトの声を聞きながら、ハーフタイムで意識するポイントを統一して後半に入りました。フィールドプレーでは単調なアタックが多かったので、オプションを使って変化をつけることを意識しました。ディフェンスに関しては、後半出たメンバーのアグレッシブなプレーもあり、粘り強く強度の高いディフェンスができたと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします
 私自身HOとして、ラインアウトの精度やスクラムでの修正の速さにさらに更にこだわっていきたいです。今回の試合で見えた課題を上井草に持ち帰り、残りのシーズンでしっかり成長していきます。応援ありがとうございました。

◆FL山下広一朗(創理4=東京・早大学院)

ーー今日のコンセプトをお願いします
 一対一の『コリジョン』の部分をフォーカスしました。

ーーAチームが敗れた帝京大が相手でしたが、何か特別な思いを持って試合に臨まれましたか
 先週Aチームが負けた仇を取るのは勿論、今日の帝京3連戦の初戦になるので、チームに勢いをつけるつもりで挑みました。

ーーチームのディフェンスを振り返っていかがですか
 コンセントで『コリジョン』に拘っていましたが、特に1人目・2人目のバトルではまだ足りず、またゴール前ディフェンスに関しても粘りきれませんでした。

ーーセットプレーの手応えはいかがでしたか
 練習で拘ってきたスクラムやモールで課題が残り、そこから相手に試合の流れを作られたと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします
 今回の試合で出た課題を上井草に戻ってしっかりと修正し、シーズン残りの試合でやってきたことを発揮して全勝します。

◆CTB藤井雄士(社2=北海道・札幌山の手)

ーー今日のコンセプトを教えてください
 今日はリザーブだったのでアタック、ディフェンスともにインパクトのあるプレイを心がけていました。

ーー身体を張るプレーが目立っていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
 インパクトのあるプレイが出来たことは良かった点ですが、もっとトライに繋がるプレイが出来たと感じているので悔しさが残ります。

ーーコンタクトバトルの手応えはいかがしたか
 当たり方やボールのもらい方次第で、強みのコンタクトを活かしながら今まで以上に前に出れると感じているので、そこを突き詰めたいと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします
 強みをさらに伸ばして、少しでも早く赤黒を着て、チームの優勝に貢献します。

写真ギャラリー

ヒットするLO惟村

ライン際を駆け上がるWTB小貫

細かなステップを踏むCTB菊川

ハンドオフをするFL谷

ディフェンスに仕掛けるPR谷本

メンバー表