関東大学ジュニア選手権 11月9日 対帝京大B 帝京大・百草グラウンド

関東大学対抗戦で早大が5点差で帝京大に敗れてから一週間。早くも帝京大へのリベンジのチャンスが巡ってきた。関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)屈指の好カード、早大B対帝京大Bの一戦は百草グラウンドにて行われた。アグレッシブなアタックで帝京大Bのペナルティーを誘発し、モールを起点に先制に成功した早大B。しかし帝京大Bのフィジカルを活かしたアタックを断ち切ることができず、前半に3トライを許してしまう。後半も立ち上がりに2トライを奪われ、スコアは7ー29。32分にようやく待望の後半初得点を挙げた早大Bだったが、反撃むなしく12ー36でノーサイド。ジュニア選手権リーグフェーズ最終戦にて初黒星を喫した。

力強くゲインするFL野島
早大Bのキックオフから始まった今試合はFB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)、CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)のゲインを皮切りに帝京大Bのペナルティーを誘う。5分、早大Bはゴール前でのラインアウトモールを形成するとじりじりと前進。SH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)が持ち出してゴールライン目前まで迫ると、最後は黒川がラックから持ち出してグラウンディング。先制に成功した。しかし、ここから早大Bは攻め込まれる展開が続く。自陣ゴール前でのピンチを何度も迎えたが、耐え忍ぶディフェンスで帝京大Bのノックフォワードを誘い、失点を防ぐ。しかし14分、早大Bボールのスクラムでコラプシングの反則を奪われると、その後のモールでインゴールを明け渡した。さらに21分、狭いサイドで数的優位を作られた早大Bは少ない手数で得点を奪われ、早い段階で逆転を許した。早大Bはボールを継続する意思を見せ、キックを蹴らずに前進を図る。帝京大Bのオフサイドを誘発するなど確実に陣地を広げつつあったが、ブレイクダウンで苦戦を強いられると徐々に自陣へと追いやられる。31分、長いフェーズを耐えた早大Bだったがついにインゴールを破られ、7ー17と10点のリードを奪われた。反撃に転じたい早大BはHO杉村利朗(社2=東福岡)のスティールなどできっかけをつかみかけるが得点には繋がらず、前半の40分を終えた。

ディフェンスに仕掛けるCTB黒川
続く後半は帝京大Bにノーホイッスルトライを奪われ、立ち上がりに課題を残す。さらに3分、ハイパントキックの競り合いで帝京大Bにボールが収まると、オフロードパスを織り交ぜた勢いのあるアタックを止めきることができず、連続で失点。7ー29と後半の初めに痛手を負った。しかし6分、SO田中大斗(教2=東京・早実)がディフェンスの裏に蹴ったボールを自ら再獲得すると、ライン際に待ち構えていたNO・8米倉翔(スポ3=福岡・修猷館)がゴール前まで接近。ここは惜しくも帝京大Bのスティールを許すが、依然敵陣でのプレーが続く。FL久我真之介(文構2=東京・早実)のスティールやCTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)の鋭いボールキャリーによるノットロールアウェイなど、帝京大Bから反則を奪いながらゴールに迫った早大B。しかし14分、ゴール前で組んだラインアウトモールで痛恨のオブストラクション。チャンスを得点に結びつけることができず、陣地を後退した。苦しい展開の中でもLO萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)のスティールでチームを鼓舞するなど、諦めない姿勢を貫き通した早大B選手の姿勢は印象的であった。しかしスクラムで圧倒的な優位に立たれた早大Bは21分に失点を許す。後半最初の得点が遠かった早大Bだが、26分のFL野島信太郎(教3=東海大大阪仰星)のスティールをきっかけに敵陣へと進入。31分には途中交代で入ったばかりのLO駒井良(スポ1=東海大大阪仰星)がラックのボールに絡むと、そこから得たラインアウトのアタックでボールを大きく動かした。最後はインゴール右隅に鈴木がトライし、スコアは12ー36。勝利のために積極的なアタックを仕掛けたが、時間が足らずノーサイド。ここまで全勝で突き進んできたジュニア選手権で敗戦した。

鋭いランでタックラーを外すCTB金子
先週の敗戦を受け、選手たちは改めて『早稲田プライド』をテーマに臨んだ一戦であった。積極的なアタックで先制に成功し、ディフェンスでも長く耐え忍ぶ姿を見せつけた。しかし、結果は24点差での敗戦。「早稲田が優勝するためにはAチームだけではいけない」。高いワークレートで守備を牽引し、声でチームを鼓舞し続けた野島が試合後に振り返った。シーズンもいよいよ終盤戦。熾烈な『赤黒』争いがチームを『荒ぶる』に近づけるに違いない。
(記事:村上結太 写真:安藤香穂、清水浬央)
コメント
◆LO萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)

ーー今日の試合のコンセプトを教えてください
早稲田プライドというのを掲げていました。先週Aチームが負けてしまって、Aチームで出た課題というか、その球際のところをもう1度Bチームから示そうという意味で早稲田プライドをテーマにしました。
ーーそのコンセプトを踏まえてプレーで具体的に意識したことはありますか
こぼれ球への反応、執着心であったりとか、セービングといったところであったりとか、接点の部分であったりとか、そういった1個1個の地味なプレーじゃないですけど、そういったものをしっかり意識高くやろうっていうところをやってました。
ーーコンタクトの場面での手応えを教えてください
今日は帝京大学さんの強いプレッシャーっていうのがあって、自分たちの思い通りにいかない展開もあったんですけど、そんな中でも我慢しながらいい部分も何個かあったので、しっかりそういったとこを継続しながら、次またやる機会もあると思うんで、そこではしっかりもう少しコンタクトの部分でドミネートできるように練習できたらなっていうふうに思います。
ーー帝京大のフィジカルや接点でのプレッシャーはいかがでしたか
帝京大学さん日本一の大学ですし、やっぱりとても強くて。時々受けてしまう場面もあったんですけど、いい場面は全然あったので、そのいい場面を次戦うときは増やせるように。強かったですけど、次はやり返せたらと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
B戦で今日は負けてしまいましたけど、まだジュニア選手権も続きますし、チームとしてはBからしっかり勝っていきたいです。個人としてはやっぱりここで終わりたくないので、Aに上がって自分が『赤黒』を着るっていうのを目標に、しっかり最後まで戦い続けたいと思います。
◆HO杉村利朗(社2=東福岡)

ーー今日のコンセプトお願いします
コンセプトは『早稲田プライド』で、早稲田が前に出て帝京大を圧倒することを意識していました。
ーースクラムの手応えはいかがでしたか
相手がセンターラインを取ってきたところを自分たちが受けてしまって、後手後手に回ってしまったと思うので、あまり良い手応えはなかったです。
ーー帝京大のフィジカルはいかがでしたか
フィジカルバトルはイーブンイーブンで、ディフェンスでは早稲田が前に出られた印象があって良いイメージができていたのですが、要所要所で引いてしまってオフロードをつながれたので、全員が前に出るという意識が足りなかったなと思います。
ーー高いワークレートと接点の強さで活躍されていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
やっぱりスクラムはHOがリードしていかなくてはいけない中で、全部相手の波にのまれてしまったり、後半のファーストプレーも自分のミスクから始まって相手の流れになってしまったりしたので、まだ隙があると思います。
ーーチームとしても気持ちがこもったプレーが随所に見られましたが、どのような声掛けがありましたか
全員で盛り上がっていかないとチームも波に乗れないですが、一人一人が自分に意識が向きすぎてしまってまだまだ盛り上がりが足りなかったかなと思います。
ーー最後に今後の意気込みをお願いします
まだまだ試合は続いていくので、今日出た課題を修正して早稲田プライドを体現したいと思います。
◆FL野島信太郎(教3=東海大大阪仰星)

ーー今日の試合の個人としてのコンセプトを教えてください
僕自身としては、対抗戦初戦以外はメンバーに絡むことがあまりなかったので、この試合で上に上がれるように、個人としてもチームとしてもプレーで目立つというか、その存在感を出したいなと思っていました。
ーーディフェンスの手応えはいかがですか
序盤のタックル、ファーストタックル、セカンドタックルは良かったんですけど、そこでレフリーのアジャストが僕たちがあんまりできなくて、前半は修正しきれなかったです。体は当れているんですけど、そういうアジャストの部分であんまりうまくできなかったと思います。
ーー終始野島選手の声が響いていましたが、特別な思いはありましたか
Aが負けてしまって、早稲田が今年優勝するにはやっぱりAチームだけではないので、C、Dも含めてジュニアから絶対巻き返していこうっていう思いでやってました。
ーー今後の意気込みをお願いします
今回負けてしまったんですけど、まだトーナメントが残ってるので、そこで絶対勝ち切って、ジュニアも残り全勝して『荒ぶる』とれるように全員で頑張りたいと思います。
◆CTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)

ーー今日の試合のコンセプトを教えてください
リーダーとしてとにかく前に出続けることを意識していました。
ーー先週のAチームの負けを受け、どんなプレーを意識していましたか
先週負けて、Bとしても練習から勝ちにいこうと声をかけていました。自信はあったのですが、上手くいかなくなったときに立て直すことができず、試合を持っていかれてしまった印象です。2週連続での帝京戦ということで、自分としてもアピールの場であるとは思っていたので、身体を張り続けてゲインラインを切ることを意識していました。
ーーコンタクトの場面での手応えを教えてください
自分がボールを持ったら前に出れるという自信はありましたし、手応えもありました。しかし、チームとしてはスクラムが上手くいかない中でどう修正していくか、ペナルティーを得た時にどう攻撃するかなど、試合中に修正すべきことが多くあったかなと思います。
ーー敵陣ゴール前まで攻め込んでも得点を取れなかった課題はなんだと思いますか
あれだけスクラムが押されていたり、モールでトライを取り切れない時に、その攻撃に固執せず、アタックのテンポを変えたりクイックでしかけてみるなどの工夫を自分が主導してできていたら、もう少しスコアできていたのかなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
試合数も少なくなってきた中で、ひとつひとつの試合に全力で向き合って、一日でも早く目標のAチームに上がりたいですし、いつでも上がれるように準備しています。Aチームには練習からプレッシャーをかけてはい上がれるように頑張ります。Bチームとしてはジュニア選手権の1位通過が決まったので、優勝できるように細部にこだわっていきたいです。
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