【ラグビー】筑波大との点の取り合いに 早大BCは1点差で敗北

ラグビー男子

秋季オープン戦 10月12日 対筑波大 早大・上井草グラウンド

 関東大学対抗戦(対抗戦)で最も勢いに乗るチームの1つである筑波大を破った早大。その翌日、早大BCは筑波大を早大・上井草グラウンドで迎え撃った。試合が始まると先制に成功したものの、前半終盤に連続失点を喫し、14ー15とリードを許して折り返す。後半に入っても筑波大の攻勢は止まらず、点差は広がる展開に。終盤、早大BCが反撃の狼煙を上げるも、33ー34でノーサイド。あと一歩が届かなかった。

攻撃の起点となるCTB金子

 筑波大のキックオフで幕を開けた一戦。序盤は互いにターンオーバーが続き、落ち着かない展開が続いた。そんな中、WTB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)のゲインをきっかけにSO田中大斗(教2=東京・早実)のフラットなパスを受けたLO紀伊龍二(商4=東京・早実)が起点を作る。早大BCの素早いアタックに筑波大はたまらず反則。13分、筑波大ゴール前のラインアウトという絶好のチャンスを手にする。ラインアウトからNO・8平野仁(スポ2=神奈川・法政二)がスペースに走り込み突破口を開くと、SH大賀雅仁(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がすぐさま展開。最後はCTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)がインゴールへ飛び込み、田中大のゴールも決まって7ー0。幸先の良いスタートを切った。勢いに乗る早大BCは、金子を起点に攻撃を重ねる。しかし15分、筑波大にトライを許して7ー5に。リードを保ちたい早大はリスタート直後、金子とWTB西浦岳優(社2=東福岡)のプレッシャーで筑波大のノックオンを誘発し、敵陣ゴール前スクラムを獲得。田中大からのボールを受けた西浦が相手を引きつけロングパス。大外で待っていた鈴木がトライラインを駆け抜けた。難しい左隅からのコンバージョンも田中が沈め、スコアは14ー5に。しかし前半終盤、主導権は筑波大へ。27分、巧みなパスワークから数的有利を作られ失点。さらに32分には、裏のスペースへ転がしたボールに反応されトライを献上。14ー15と逆転を許し、前半を終えた。

ゲームメイクをするSO田中大

 田中大のキックで後半が始まる。早大BCはメンバーを入れ替えながら主導権を取り戻そうと試みた。SH渡邊晃樹(スポ2=神奈川・桐蔭学園)や平塚英一朗(法3=東京・早実)の素早い球捌きからリズムを作るも、筑波大の厚いディフェンスに阻まれ、なかなかゲインラインを突破できない。それを踏まえてか、田中は中盤からハイパントを多用し、アタックに変化を加えた。しかし9分、14分と立て続けにトライを許し、スコアは14ー27に。苦しい展開となった。反撃の狼煙を上げたい早大BC。CTB森田倫太朗(スポ3=兵庫・報徳)のパスを受けたWTB小澤ジョージィ(スポ4=千葉・流経大柏)がライン際で突破口を開く。田中大の鋭いパスを受けたFL多田陽道(商2=東京・早実)がさらにゲインし、PR谷本幹太(スポ1=神奈川・桐蔭学園)も接点で強さを発揮。最後はFL龍康之助(文構2=東京・早大学院)がゴールラインをこじ開けた。勢いを取り戻した早大は37分、WTB山下一吹(教4=東京・早実)のクイックスタートから再び攻勢に出る。SO池山昂佑(商3=東京・早実)からFB小野晏瑚(スポ1=徳島・城東)へ。さらにロングパスを受けたCTB松本桂太(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がゲイン。続くSH宮下羚(文構2=東京・早実)のフラットなパスをLO宮川侑大(スポ1=富山・砺波)が前へ運び、宮下のテンポある展開でボールが大外へ。最後はLO原田恒耀(スポ3=福岡・修猷館)が相手ディフェンスを引きずりながらグラウンディング。池山のゴールも決まり、26ー34と点差を詰めた。途中出場の宮下がテンポを生み出して以降、早大らしいアタックが復活。勢いそのままに40分、宮下が逆サイドへ仕掛けると、最後はCTB若林海翔(社1=東海大大阪仰星)がトライラインに滑り込む。右隅からの難しいキックも池山が沈めたが、直後にノーサイドの笛。33ー34。わずか1点届かず、あと一歩で勝利を逃した。

スペースに走り込むFB小野

 先制点を奪った早大BCだったが、前半終盤から後半にかけて筑波大に主導権を握られ、無念の黒星を喫した。敗因は立て続けに失点を重ね、相手に流れを渡してしまった点にあるだろう。それでも、悲観する必要はない。今試合では1年生たちが確かな存在感を放った。PR石原遼(スポ1=神奈川・桐蔭学園)、谷本や宮川は接点で激しく身体をぶつけ、松本や若林は攻撃でギャップの嗅覚を見せた。小野も巧みにスペースへボールを運び、アタックラインを巧みに操った。彼らのフレッシュな力は、チーム野中全体に新たな活力をもたらすはずだ。来週には関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)・慶大戦が控える。そしてその先に待つのは、対抗戦、そして『赤黒』の舞台。「自分はまだまだ。上を目指して頑張りたい」と語る石原の言葉からは確かな決意が伝わってくる。早大BCの歩みは止まらない。

(記事:大林祐太 写真:西川龍佑)

コメント

◆PR石原遼(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

ーー今試合に向けて、個人としてはどんな意識で臨みましたか

 筑波大学さんは昨日の対抗戦に登録されていたメンバーもいて強いことはわかっていたので、スクラムなどの部分でしっかり戦えればいいなと思っていました。

ーーボールに関与する回数が多かったですが、今日のプレーをふりかえっていかがですか

 まだまだ自分らしいプレーはできていないと思っています。もっとスクラムやフィールドプレーのところにこだわってやっていきたいと思います。

ーースクラムの手応えはいかがでしたか

 最初は組みづらいと思うところもあったのですが、後半になるつれて修正することができたので、いいスクラムが組めたのではないかと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします

 昨日の先輩たちの試合を見ると自分はまだまだなので、しっかり上を目指して頑張りたいと思います。

SH宮下羚(文構2=東京・早実)

ーー後半負けている状態からの投入でしたが、どんなプレーを意識しましたか
 とにかくチームが勝てるように自分の仕事を全うしようと意識しました。

ーーアグレッシブなアタックで2トライを演出しましたが、今日の自身のプレーを振り返っていかがですか
 落ち着くところは落ち着いて、攻めるところでテンポを上げてプレーできたのは良かったです。

ーー敗戦となってしまいましたが、どんなところにチームの課題があると思いますか
 一度相手に流れが行った時になかなか自分たちの流れにもう一度持ってくることができないのが課題だと感じました。

ーー今後の意気込みをお願いします
 今シーズンも残り少ないので、自分の仕事を全うして、少しでも上のチームでプレーできるように努力します。

SO田中大斗(教2=東京・早実)

ーー今試合に向けて、個人としてはどんな意識で臨みましたか
 普段とメンバーが違う中での試合だったので、意思統一というところを意識していました。

ーーアタックでゲインラインを切れないシーンが続きましたが、どんな課題が挙げられますか
 一人一人がアタックでオプションを使おうと思いすぎてしまったことにより、前にプレッシャーをかけることができなかったことが課題です。キャリアーを前に出すオプションをもっと有効的に使っていきたいです。

ーーハイパントキックを多様していましたが、どんな狙いがありましたか
 前半はあまり使わなかったのですが、後半蹴ってみた時に再獲得出来そうないい雰囲気があったので、使っていこうと思いました。

ーー今後の意気込みをお願いします
 対抗戦が中盤に近づいてきて、上のカテゴリーに上がるチャンスも少なくなってくると思うので日々の練習からしっかりアピールしていきたいです。

写真ギャラリー

ディフェンスラインに仕掛けるLO紀伊

インゴールを駆け抜けるWTB鈴木

前進を図るCTB菊川

鋭いヒットをみせるLO小林

キャリーをするFB池山

メンバー表