【ラグビー】圧倒的な攻撃力で新潟食農大を圧倒 14トライの猛攻を見せた早大DE

ラグビー男子

夏季オープン戦 8月20日 対新潟食農大 早大・菅平グラウンド

 菅平合宿もいよいよ大詰め。週末に控えた天理大との戦いに向けて調子を上げていきたい早大DEは新潟食農大との練習試合に臨んだ。試合の立ち上がりはお互いにミスが重なり、スコアボードは動かない。しかし前半17分にゲームキャプテンを務めたWTB小澤ジョージィ(スポ4=千葉・流経大柏)のキックカウンターからチャンスを生み出した早大DEはSO寺田結(スポ2=広島・尾道)のトライで先制点を生み出した。その後は終始早大DEペースとなり、前半を42ー7という大差で折り返した。後半は交代した選手たちの躍動もあり、さらに攻撃に拍車をかけると計8トライで新潟食農大を圧倒。96ー14と大差をつけて白星を飾った。

ラインブレイクするCTB松本

 試合開始早々3分にスクラムでペナルティーを犯した早大DEはいきなり自陣に押し込まれる展開となるが、CTB松本桂太(スポ1=神奈川・桐蔭学園)やNO・8荒木鷲摩(法1=北海道・函館ラサール)のナイスタックルでピンチを脱する。13分には小澤ジのゲインから波状攻撃を仕掛け、CTB足立慎太郎(人3=大分舞鶴)、FB細田悠介(スポ2=福岡・修猷館)が続けてゲイン。しかしブレイクダウンでボールが乱れ、先制点を生み出すことは叶わなかった。続く17分にも松本のラインブレイクからFL小林商太郎(教1=東京・早大学院)がゴール目前に迫るものの、後ろから追いかけていた相手にパスカットを許してしまう。チャンスをこぼした早大DEだったが、18分に待望のトライを挙げた。小澤ジのキックカウンターから好機を作り出し、早いテンポでアタックを継続すると最後は寺田がラック際でディフェンスを引き裂くとそのままグラウンディング。早大DEはこのプレーをきっかけに思い切ったアタックで次々とトライを量産していく。24分、モールから展開したボールをキャッチした足立がトライ。27分にインターセプトによる失点を許したものの、30分には細田のナイスキックから新潟食農大を押し込み、カウンターアタックから寺田がインゴールに飛び込んだ。35分には小澤ジが自らラックサイドに仕掛けて得点を挙げると、37分に松本、39分に細田がさらに追加点を見せ、42ー7と圧倒して40分を終えた。

インゴールへ走るNO・8荒木

 続く後半は選手を大きく変えた早大DEだったが、前半の勢いはそのまま。3分、SH中川空河(人1=福岡・修猷館)のキックをWTB小貫壮太(教3=東京・早大学院)が右ライン際で再獲得に成功すると左に大きく展開。CTB能町光(スポ2=神奈川・日大藤沢)がインゴールを駆け抜けた。10分にはセットプレーで優位に立たれ、ピンチを迎えたがここも中川のナイスキックで一気に攻撃に転じた早大DE。ブレイクダウンで一気に越えきると、細田がグラウンディング。14分、17分には荒木が立て続けにトライを奪う。高校時代はSOをしていた荒木だが、大学に入ってからはNO・8にコンバート。「自分の強みを生かせるポジションなのかなと思う」と自身でも評価するように、今試合はFWの中核として存在感を発揮し続けた。25分にはセットプレーでの苦戦から1トライを献上したが、30分にまたも荒木がゲインを奪う。HO野村怜央(商1=兵庫・報徳学園)、PR谷本幹太(スポ1=神奈川・桐蔭学園)へと1年生がボールを繋いでトライ。スコアは75ー14となった。再開のキックオフからキックを蹴らずにSO古瀬莊(スポ1=静岡聖光学院)が自陣でのラインブレイクに成功すると、LO小松輝也(スポ3=大阪・常翔啓光学園)が長いストライドを生かしたランでインゴールまで走り切り、さらに点差を広げる。35分にも小松がトライを挙げると、ノータイムにCTB佐々木篤真(法3=福島)が軽快なステップでダメ押しの追加点。96ー14と圧倒的なスコアで新潟食農大を下し、週末に控える天理大との一戦に向けて勢いをつけた。

コンバージョンキックをするSO古瀬

 合宿も終盤を迎え、疲労が蓄積しているはずの選手たち。しかし試合中は攻撃の手を緩めず、結果にこだわる『早稲田ラグビー』を体現してみせた。セットプレーで苦戦した場面はあったものの、自分たちの強みを最大限に生かしたラグビーで見事に勝利した。「自分の強みを発揮してアピールをし、1つでも上のチームに上がって『荒ぶる』に貢献する」(松本)。早大ラグビー部の全員が持つこの熱い思いがチームのスタンダードをどんどんと引き上げていくに違いない。

(記事:村上結太 写真:早大ラグビー蹴球部提供)

コメント

◆WTB小澤ジョージィゲームキャプテン(スポ4=千葉・流経大柏)

ーーチームとしてどんなコンセプトで試合に臨みましたか
 役割の遂行です。個人として、そしてチームとしてやるべき事を80分間徹底してやり続けることをチームとして意識しました。

ーーゲームキャプテンとして意識していたプレーなどはありますか
 アタックの局面では常に前に出続けること、ディフェンスでは外から声を出し続けて組織としてのディフェンスを体現することを意識しました。

ーー大量得点となりましたが、アタックの完成度はいかがですか 
 全体的には良かったのですが、特に前半では課題が残ったと思っています。外側と内側の意思の疎通が最初は上手くいかなかったので、80分間通して早稲田のペースに持ち込むことを意識したいと思います。

ーー合宿も終盤となりましたが、これからどんな成長をしていきたいですか
 4年生として、残りの試合も少なくなってきました。自身の強みである身体の強さを生かし、個人では『赤黒』を、チームでは日本一を絶対に掴みたいと思います。

◆NO・8荒木鷲摩(法1=北海道・函館ラサール)

ーー個人としてどんなプレーを意識した試合でしたか
 個人としてはとにかく強くボールキャリーをすることを意識していました。

ーーセットプレーからのラインブレイクが印象的な試合でしたが、今日の自身のプレーを振り返っていかがですか
 自分自身のプレーを振り返ると意識していたボールキャリーやタックルなどコンタクト面にこだわれたかなと思います。

ーー大学に入ってからNO・8に挑戦していますが、手応えはいかがですか
 まだわからないことばかりで毎日練習についていくことに必死ですが、自分の強みを生かせるポジションなのかなとは思います。

ーー初めての合宿での自身の成長はいかがですか
 3週間ラグビーだけに集中できる環境に身を置くことで少しずつですが成長できていると感じます。

◆CTB松本桂太(スポ1=神奈川・桐蔭学園) 

ーー個人としてどんなプレーを意識した試合でしたか
 試合前にチームとして1体1にこだわろう話していたので、強いボールキャリーで前に出ようと意識しました。

ーー何度もラインブレイクする場面もありましたが、今試合の自身のプレーを振り返っていかがですか
 今日の試合では自分の強みを十分に発揮できたのでよかったです。ですが、今回の試合でスキル面の部分で課題が見つかったので修正していきたいです。

ーー初めての夏合宿ですが、これまでの自身の成長はいかがですか
 夏合宿に入って、ラグビーに触れる時間が多くなって体力、技術の部分が成長してきたと思います。まだ1週間あるので1つでも上のチームに上がれるように頑張りたいです。

ーー今後の意気込みをお願いします
 これからの試合でも自分の強みを発揮してアピールをし1つでも上のチームに上がり、荒ぶるに貢献できるように頑張ります。

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