夏季オープン戦 8月20日 対近大 早大・菅平グラウンド
多くの観客が詰めかけた帝京大との熱戦から3日。早大・菅平グラウンドでは、早大CDと近大の一戦が行われた。試合は開始4分、左右へ大きく展開したアタックから早大CDが先制トライ。その後もスクラムで圧倒し、14ー5で前半を終えた。しかし後半に入ると、近大が連続トライで逆転し、14ー17と苦しい展開に。このまま近大のペースに呑まれるかと思われたが、早大CDが持ち前のスクラムで流れを取り返し、一気に反撃。立て続けに4トライを重ね、最終スコア40ー24で近大を下した。

タックラーを引きずりながらゲインするCTB山口
早大CDのキックオフで幕を開けた今試合。序盤からグラウンドを大きく使った攻撃で主導権を握った早大CDは、早々に先制点を奪う。前半4分、FL谷司馬人(教4=東京・早実)が鋭いステップで相手を交わし、ディフェンスのギャップを突くと、WTB小澤アンディ(法4=千葉・流経大柏)がビックゲイン。ゴール前ではFWがフェーズを重ね、最後は右サイドでパスを受けたCTB若林海翔(社1=東海大大阪仰星)がグラウンディングした。その後もスクラムで近大を圧倒し、敵陣奥深くまで攻め込むも、アタックでのミスからなかなか得点に結びつけることができない。それでも20分、スクラムでのペナルティーから敵陣5メートルのラインアウトを獲得した早大CD。モールで力強くドライブし、HO真田稜大(教4=東京・早実)がインゴールをこじ開けた。SO池山昂佑(商3=東京・早実)のコンバージョンキックも決まり、スコアは14ー0に。勢いに乗りたい早大CDだったが、30分、ディフェンスラインの乱れを突かれ失点。前半終了間際も、ペナルティーが重なり、自陣でのプレーを強いられる時間が続く。しかし、谷を始めとするFW陣の体を張ったディフェンスで耐え凌ぎ、14ー5とリードして前半を折り返す。

ボールを追うFL谷
迎えた後半は、一転して近大ペースで試合が進む。開始わずか1分、ノットロールアウェイの反則から自陣深くでのラインアウトを許した早大CDは、そのままモールで押し込まれ、後半の先制点を奪われる。さらに11分には、ラインアウトを起点とした攻撃からディフェンスの隙を突かれ、トライを献上。スコアは14ー17となり、逆転を許した。それでもここから早大CDが反撃に転じる。14分、敵陣ゴール前で近大のオフサイドを誘発すると、クイックスタートからSH宮下羚(文構2=東京・早実)が素早くボールをさばく。CTB山口滉太郎(教1=東京・早実)が左サイドへ飛び込み、トライをあげた。23分には、ラインアウトモールから真田が追加点。そして27分には、近大のハイタックルの反則で得たラインアウトから左へテンポ良く展開。FL山田凜太(法3=茨城・茗渓学園)、PR蜂谷謙介(基理4=東京・早大学院)、山口へとつなぎ、最後はFB小野晏瑚(スポ1=徳島・城東)が左ライン際を駆け上がってトライ。35ー17と、リードを大きく広げた。勢い止まらぬ早大CDは、34分にも攻撃を継続。左右に展開しながらFWが体を当て続け、確実に陣地を進めると、FL狭間大介(スポ3=福岡)が相手に絡まれながら力強くゲインし、そのままインゴールを叩き割った。試合終了間際に1トライを返されるも、リードを守り切った早大CD。最終スコア40ー24で勝利を収めた。

ディフェンスに仕掛けるPR成戸
ゲームキャプテンの谷が「ペナルティーが多かった」と課題を口にしたように、ミスから得点に繋がらない時間が長く続いた早大CD。それでも、注力してきたスクラムで流れを手繰り寄せ、勝利をつかんだことは大きな収穫だ。「毎試合で成長し、上のカテゴリーでプレーできるように頑張りたい」(山口)。この現状に満足することなく、『赤黒』を目指す選手たちの活躍はチームのスタンダードを押し上げてくれることだろう。「言葉ではなく行動、つまり背中で」(PR成戸風太、スポ4=埼玉・川越東)結果を示す姿にも期待したい。
(記事:安藤香穂 写真:早大ラグビー蹴球部提供)
コメント
◆FL谷司馬人ゲームキャプテン(教4=東京・早実)
ーー今日のチームのコンセプトを教えてください
役割の遂行でした。帝京大戦で自分達のやるべき事をやれていた、やれていなかった結果、Cは負けてしまいDは勝利したので自分達にフォーカスすべくこのコンセプトにしました。
ーーゲームキャプテンとして意識していたことはありますか
どんな状況でもチームが落ちないようなコミュニケーション、そしてチームのコンセプトを常に意識するような声かけを行なっていました。
ーー攻守で体を張る場面が印象的でしたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
体を常に張り続けるポジションなので普段通りやろうと決めていました。ただ、納得のいく結果ではなかったなと感じています。
ーー今試合の課題としてはどのようなことが挙げられますか
ペナルティーが多かったので常に声をかけ続けて規律を徹底する必要があると感じています。
ーー最後に今後の意気込みをお願いします
夏合宿は天理大戦で終わりますが、すぐに対抗戦が始まるので、チーム・自分の強みを最大限発揮して『荒ぶる』を目指します。今後とも応援のほどよろしくお願いします。
◆PR成戸風太(スポ4=埼玉・川越東)
ーー帝京大戦を経て、個人としてどんなテーマを掲げて試合に臨みましたか
闘うこととスクラムで勝つことです。
ーーその達成度はいかがですか
概ね達成できたと思います。
ーー前半からスクラムで優位に立つ場面が多かったですが、手応えはいかがでしたか
先週末の帝京戦は春の帝京戦と比べて、戦えている場面が多いと感じていました。しかし、ペナルティー獲得数で見ると、早稲田が4、帝京が3という数字でした。そこにはまだまだ伸び代もあるも感じたことから、今試合はいいスクラムが組めたと思います。
ーー最後の夏合宿となりましたが、どのような成長をしていきたいですか
闘う人間になれるように成長していきます。
ーー今後の意気込みをお願いします
言葉というよりは行動、つまり背中で漢の姿を見せていきたいと思います!
◆CTB山口滉太郎(教1=東京・早実)
ーー帝京大戦を経て、個人としてどんなテーマを掲げて試合に臨みましたか
一対一の局面で相手に勝ち続けることを意識しました。また、アタックでグラウンドを広く使い、スペースにボールを運び、展開ラグビーをすることを意識しました。
ーーその達成度はいかがですか
まだまだ一対一の場面で勝ちきれず、12番として自分がディフェンスラインを打開する力がないので、次戦の課題としてこれからの練習に取り組んでいきます。
ーーBK全体のアタックを振り返って、収穫と課題はなにが挙げられますか
ボールを後ろに下げずに、常に前に縦の圧力を出すアタックをすることの重要性を今回の試合で感じました。
ーー初めての夏合宿ですが、どのような成長をしていきたいですか
一つ一つのセッションでフォーカスポイントを意識すること、そして、自分の課題に対して常に向き合い、少しでも早く赤黒ジャージを着て戦える能力を身につけていきたいです。
ーー最後に今後の意気込みをお願いします
春から積み重ねてきた練習での成果を出すとともに、毎試合で成長をし、上のカテゴリーでプレーできるように頑張ります。