夏季オープン戦 8月17日 対帝京大B アンダーアーマー菅平サニアパーク
菅平高原のさわやかな風が時折吹く菅平・サニアパークにて早大Bと帝京大Bが相まみえた。試合開始直後から主導権を握ったのは帝京大B。早大Bはマイボールをキープするも強力な守備の前に押し戻される。これに対し早大Bは苦し紛れにハイパントキックを上げ、少しでも前進を図る。しかし、このアンストラクチャーを帝京大Bがものにし、大外に展開。先制点を許してしまった。その後4つのトライを奪われるも、早大Bは前半のラストに1トライを返し、反撃ののろしを上げる。迎えた後半、流れを自分たちのものにしたい早大Bは、先に得点を奪われるもその6分後には巧みなパスさばきでトライラインを割り、喰らいつく。しかし試合の主導権は奪えず、もう1トライを返すもリードを守られ、最終スコア21-46で敗戦を喫した。

ディフェンスに仕掛けるPR平山
早大Bボールのキックオフから幕を開けた今試合は、帝京大Bが陣地回復を狙ってボールを蹴りだし、いきなり早大Bのラインアウトとなる。これを確実にキープした早大Bであったが、堅いディフェンスに押し込まれ、攻めながらも後退してしまう。この苦しい状況から脱するために少しでも前進し、ボールを再獲得しようとハイパントキックを上げるも帝京大Bのもとにボールが渡ってしまう。このアンストラクチャーを見逃さなかった帝京大Bが大外にボールを展開するとそのまま走り切られ、先制点を許される。その後、8分、12分と立て続けにトライをとられ、点差を広げられる。流れを変えたい早大Bは17分にはダブルタックルで相手のノックオンを誘い、ボールを奪う。そこからPR平山風希(スポ1=大分東明)へボールがわたり、フィジカルを生かして二人を突き飛ばして前進する。ここでペナルティーをもらい、さらなるチャンスが巡ってくるも帝京大Bはこの攻撃をスティールで阻止。攻撃の芽を摘まれてしまう。その後も2トライを連続で許し31分に0-27となる。しかし、早大Bも39分にラインアウトからモールを形成し、最後はHO杉村利朗(社2=東福岡)がトライラインをたたき割り、反撃ののろしを上げた。

ヒットするHO杉村
かわって後半、早大Bは反撃に徹したいところであったが帝京大Bの強靭なフィジカルでゲインを許す。グラバーキックでゴールライン深くまで押し込まれ、 一度はボールを確保するもスティールされる。そのままインゴールへ侵入され、さらに突き放される。しかし早大Bも必死に喰らいつく。10分に帝京大Bのオフサイドのペナルティーからマイボールラインアウトを得ると、細かくパスをつなげ、ボールはWTB西浦岳優(社2=東福岡)のもとへ。スピードを生かし相手を引き付け、最後は同じくWTBの山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)がトライラインへ飛び込んだ。この日、A戦でもトライを決めた山下が決定力を見せつけた。このまま試合の主導権を握りたいところだったが、スクラムでは何度もペナルティーやフリーキックを与えてしまい、逆に攻め込まれる状況が続く。早大BはLO米倉翔(スポ3=福岡・修猷館)などの献身的な守備で危機を脱するシーンも見られたが勢いを止められず、17分、31分に追加点を与えてしまい14-46とリードされる。一方早大Bは交代で入ったSH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)が粘り強いディフェンスやテンポの速いボールさばきなどで徐々に息を吹き返し、攻撃が通用し始める。そして38分に交代で入っていたSO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)が抜け出し、外にいた西浦をおとりに使いつつ内からフォローに駆けつけていた川端にパスし、インゴールへ。さらにラストワンプレーでも相手自陣深くでのラインアウトを獲得し、絶好の得点チャンスを演出する。しかし最後はパスが乱れボールがタッチラインを割り、ノーサイド。最終スコア21-46で悔しい敗戦を喫した。

ステップを踏むWTB山下恵
春の練習試合では終始リードを守り切り、31-24で競り勝った早大B。しかし約2ヵ月の期間を経て帝京大Bに差をつけられるかたちとなってしまった。インタビューでは全ての選手が自身の課題を指摘したように、秋に開催される関東大学ジュニア選手権でのリベンジに向け、闘志が燃えているのが伝わってきた。夏合宿も折り返し地点となった早大は残りの期間で飛躍的な進歩を遂げることができるのか。
(記事:髙木颯人 写真:村上結太、安藤香穂)
コメント
◆FL松沼寛治(スポ3=東海大大阪仰星)
ーー今日のゲームコンセプトはいかがですか
全員がチームマンになってプレーするということを意識して臨みました。
ーー接点の場面で輝いていましたがいかがですか
まだまだです。
ーー復帰戦以降1個ずつカテゴリーを上げていますが、ご自身のパフォーマンスはいかがですか
まだ納得いっていないです。
ーーAチームの一戦にも出場されましたが、AチームとBチームの違いは何だと思いますか
相手というよりは一つ一つのプレーの精度や自分たちから仕掛けるという点がBチームは劣っていると感じました。
ーーご自身の課題は何だと思いますか
フィジカルバトルの部分です。
ーー菅平合宿にどんなテーマを持って入山し、これまでの手応えはいかがですか
試合感を戻して、赤黒に相応しい選手に成長することをテーマに挑みました。まだまだ足りていないという実感です。
ーー最後に秋シーズンに向けての今後の意気込みと天理大戦への意気込みをお願いします
天理大戦では帝京大戦での反省を修正して、勝ちで終われるようにチームに貢献したいです。秋シーズンに向けては負けられない試合が続くので結果にこだわっていきたいです。
◆SH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)
ーー今日のゲームコンセプトを教えてください
今日の試合は、試合の流れが悪かったので、とりあえず自分が入ったら流れを変えようと意識していました。
ーーかなりこの一戦にかける思いがプレーに現れていましたが、いかがでしたか
ここで焦らず、「逆転するぞ」という気持ちと、「流れを変えるぞ」という気持ちで試合に臨みました。
ーー菅平に入山してから着実にカテゴリーを上げていますが、合宿に入ってからのご自身のパフォーマンスはいかがですか
調子と共にカテゴリーも上がってきているのですが、自分自身はここで満足していないので、もっと上を目指して、謙虚に日々努力して、日々成長していきたいです。
ーーディフェンスで体を張る場面が多く見られましたが、いかがですか
体が小さくても、タックルできる事を見せれた試合だと思います。
ーー初めての菅平合宿の手応えはいかがですか
本当にこの夏合宿が自分自身の山場でもあり、カテゴリーと調子は順調に上がってきているので、この夏合宿で仕上げて、秋冬には赤黒のジャージを着れるように頑張っていきたいです。
ーー赤黒を着る上で自分に足りないところはどこだと思いますか
フィットネスの部分が足りていないと思います。下のチームでは疲れて走れない時があるので、上のチームでもたくさん走れるように体力つけていきたいです。
◆PR平山風希(スポ1=大分東明)
ーー今日の個人のゲームコンセプトを教えてください
今日のゲームコンセプトは、セットプレーの安定です
ーーボールキャリーの手応えはいかがですか
ボールキャリーの手応えは、自分の思うようなキャリーができなかったです。反省点はもっと固めてスピードつけて相手を壊しに行くキャリーをすることです。
ーー合宿全体を通しての感想と、成長した部分、改善したい部分
合宿全体の感想は充実して練習ができることです。少し成長した部分はメンタル部分で、改善していきたいのはスクラムです。
ーーAチームの試合にも出場されましたが、AチームとBチームの違いは何だと思いますか
AチームとBチームの違いは、トライとられた後の気持ちの切り替えだと思いました。
ーー3番を着る上で自分に足りないことは何だと思いますか
3番を着る上で自分に足りないものはセットプレーの安定とフィットネスです。
ーー天理大戦に向けての意気込みをお願いします
天理大戦に向けては、もっとチームのために働いてチームの勝利に貢献できるように頑張ります。