夏季オープン戦 8月16日 対帝京大C 早大・菅平グラウンド
高原の照りつける太陽の中、早大・菅平グラウンドにて早大Cと帝京大Cの一戦が行われた。試合の立ち上がりは両者が攻めあう展開に。早大Cは自陣ゴール前での帝京大Cのモールを凌ぎ切るもテンポのいいアタックに先制トライを許してしまう。その後もディフェンスで優位に立たれ、追加点を許した。ラインアウトでのミスが続き、前半を0-33で折り返す。迎えた後半、このままではいられない早大Cは敵陣ゴール前でペナルティーを獲得し、1トライを取り返す。その後も強力な帝京大Cのフィジカルに苦しめられた早大Cはもう7点を取り返すにとどまり、14-40で試合を締めくくった。

タックラーをかわすSO仲山
早大Cボールのキックオフで幕を開けた一戦。SO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)が裏へ蹴り込み、チャンスを演出する。試合開始早々からお互いの持ち味を生かしたアタックが見られた。9分、早大Cはハイタックルのペナルティーをとられ、ゴール前まで攻め込まれてしまう。帝京大Cのモールを防ぎきるも、テンポのいいアタックに押され、先制トライを許す。19分、FL平野仁(スポ2=神奈川・法政二)のナイスタックルで流れを取り返したかと思われた早大Cだったが、続く22分にはノットリリースザボールの反則を取られてしまう。またもやゴール前まで攻められ、モールでインゴールを叩き割られる。26分、早大Cはラインアウトで反則を犯し、ボールを渡してしまうと、帝京大Cの強力なフィジカルに圧倒されてリードを広げられてしまう。さらに31分、39分にも帝京大Cのサインプレーに翻弄され、追加得点を許し、前半を0-33で折り返した。

スクラムを押すFL平野
迎えた後半。このままで終われない早大Cはディフェンスから流れを取り戻した。帝京大Cの激しいアタックに対して正面からぶつかるとペナルティーを奪い、守り切った。連続で反則を犯してしまい、帝京大Cにゴール前まで侵入を許したものの、LO龍康之助(文構2=東京・早大学院)が「とにかくヒットスピードで負けてはいけないという意識を全員が持っていた」と振り返ったように接点にこだわったモールディフェンスでピンチを脱出する。17分、敵陣深くでのラインアウトを獲得した早大Cは力強いプレーでゲインし、オフサイドを獲得。PR石原遼(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がトライラインにボールをねじ込み、早大Cはこの試合最初のトライを決めた。24分、オフサイドからゴール前に攻められてしまうもここで早大Cが意地を見せる。帝京大Cのモールアンプレアブルを誘発すると、スクラムでペナルティーを獲得。37分に追加点を許してしまうものの、40分にはWTB山下一吹(教4=東京・早実)のゲインから外へ展開。SH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)が敵をかわし、SO池山昂佑(商3=東京・早実)がトライラインへと持ち込んだものの、試合は14-40でノーサイドとなった。
ヒットするPR石原
ゲームキャプテンを務めた山下は「一対一で負けてしまったことから、人数をかけなければならない状況になってしまい、数的不利で崩された」と振り返ったように、帝京大Cのフィジカルに終始苦しめられた今試合。春に引き続き苦汁を飲んだ早大Cの選手たち。しかし、帝京大Cの強力なモールを何度も止めたディフェンスなど成長の鱗片は随所に見られた。秋に向けての勝負はもう始まっている。菅平での残りの日々でさらに進化する彼らのプレーから目が離せない。
(記事:髙野凌世 写真:伊藤文音、澤田啓太、飯塚咲)
コメント
◆WTB山下一吹(教4=東京・早実)
ーー今試合でチームとして意識したことはなんですか
ゲームでは『ウィン・ザ・バトル』というテーマで臨んでいました。Cチームは去年の夏から負けていて、チームの試合の初戦ということもあり、チームに勢いをなんとしても勝ってつけようという思いで試合に臨みました。
ーーBKのアタックの完成度はいかがでしたか
ゲームの中で、自分たちは勝手に帝京大のプレッシャーを感じて深さを調整できなかったり、うまくコミュニケーションやラインコントロールができず、ボールを生かすことができなかったりしたと感じています。
ーーコンタクトの場面を振り返ってどのように感じましたか
帝京大はコリジョンが強いというのは分かっていたのですが、やはり相手のファーストタックラーが強く、自分たちもそこで絶対引かないようにしようと意識しても負けてしまいました。
ーー今後の意気込みをお願いします
C戦は負けてしまったのですが、明日はA、Bと2連勝してくれると思います。 まだ天理大と練習試合があって合宿は終わらないので、秋に向けて特に4年生が成長できるように頑張っていきたいと思います。
◆PR石原遼(スポ1=神奈川・桐蔭学園)
ーー今試合にはどんな意識で挑みましたか
2か月前の帝京大戦でやられていたので、必ずリベンジしたいという気持ちで臨んだ試合でした。
ーー帝京大のコンタクトに関してはどのように感じましたか
一人一人のレッグドライブがしつこいなという印象でした。あれを一発で止め切らないと早大としてきつい展開になると感じました。
ーースクラムの手応えはいかがでしたか
2か月前は歯が立たないくらいやられたのですが、今回3つペナルティとれたことが嬉しいです。コーチ陣の指導のおかげだと思っています。
ーー今後の意気込みをお願いします
まだ合宿は続いていくので、しっかり自分をアピールして秋、それから来年メンバーに絡めるように頑張りたいと思います。
◆LO龍康之助(文構2=東京・早大学院)
ーー今試合はどんな意識で挑みましたか
春シーズンに負けた分をやり返す、とにかく勝つことだけをテーマにしていました。
ーー昨年の夏合宿での試合からどんな成長がありますか
(昨年は)Dチームで少ししか出られず、試合を見ることしかできませんでしたが、今年は自身の強みであるアタックやディフェンスの強化を行い、カテゴリーを上げて試合に出られたことは成長したかなと思います。
ーーモールディフェンスでは後半、優位に立つ場面が多かったですが、試合中に意識したことはありますか
とにかくヒットスピードで負けてはいけないという意識を全員が持ってやりました。春からやってきたことを早稲田のプライドとして見せれたのかなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
ラインアウトで課題が残ったので、LOとして、ラインアウトリーダーとしてゲームを作れるセットプレーを作っていきたいです。