2025関東大学春季大会 帝京大戦展望記

ラグビー男子

関東大学春季大会 6月22日 対帝京大 早大・上井草グラウンド

 春が終わる。来たる6月22日、早大・上井草グラウンドにて関東大学春季大会(春季大会)を締めくくる早大対帝京大の一戦が行われる。昨季の全国大学選手権(大学選手権)決勝でもぶつかりあったこの戦いは言わずと知れた好カード。全勝を維持する帝京大に土をつけ、春シーズンの成長を見せつける早大の姿が見たいところだ。

 早大は前節の明大戦で12ー45で敗戦。奈良で行われた天理大との招待試合に引き続き、2連敗を喫する形となった。FWで押し込まれ、明大に先制点を奪われた早大だったがCTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)のトライで5点を返すと5ー19と射程圏内に捉えた状態で前半を折り返した。しかし後半開始直後にトライを奪われると、SO服部亮太(スポ2=佐賀工)、FB植木太一(人2=神奈川・関東学院六浦)を中心に交代選手が試合の流れを変えようと獅子奮迅の活躍を見せたものの、重戦車の勢いを止めることはできず、12ー45で春季大会第4戦を落とした。

春季大会・明大戦にてディフェンスのギャップに仕掛けるSO服部

 対する帝京大は4連勝と勢いに乗り、王者としての格の違いを見せつけている。初戦の大東大を95ー0と圧倒的な力を見せつけて勝利すると、続く東海大戦は111ー0。衝撃的なスコアで関東大学リーグ戦勢を打破していく。東洋大も66ー13で危なげなく勝利すると、先週の明大戦では驚異の完封。重戦車の強力なアタックに自由を与えず、終始ペースを握ったまま31ー0で白星をあげた。今季は爆発力のあるアタックと崩れないディフェンスの攻守で高い完成度をみせる。強力なセットプレーも健在で、ひとたび帝京大の形となったモール、スクラムを止めることは容易ではないだろう。

 今試合、まずはラインアウトを注目の局面として挙げたい。今季の帝京大はラインアウトの成功率が低調気味。早大はLO栗田文介(スポ4=愛知・千種)、FL粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)、NO・8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)と高身長FWで圧力をかけ、帝京大の流れを奪い取りたいところだ。アンストラクチャーを制し、帝京大を後手に回すテンポの良いアタックで試合をかき乱すことができれば必ずや勝利は見えてくる。

春季大会・明大戦にてボールキャリーするLO栗田

 PR森山飛翔、NO・8カイサ・ダウナカマカマ、CTB上田倭士、WTB生田弦己、リザーブのCTB大町佳生は昨季の決勝でグラウンドに立っていた帝京大の面々。一方の早大はPR杉本安伊朗(スポ3=東京・国学院久我山)、栗田、FL田中勇成(教4=東京・早実)、城、服部、両WTBの池本晴人(社3=東京・早実)と田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)、黒川、CTB福島秀法(スポ4=福岡・修猷館)、リザーブではPR山口湧太郎(スポ4=神奈川・桐蔭学園)、LO新井瑛大(教3=大阪桐蔭)、CTB野中健吾主将(スポ4=東海大大阪仰星)と、非常に多くのメンバーをがあの舞台を経験している。昨年のリベンジを果たすことができるか、熱意のこもったプレーに期待だ。

春季大会・明大戦にて低い姿勢でヒットするFL田中勇

 帝京大と1年のうちに戦えるのは多くて4回。昨年の最後では敗戦してしまったものの2度勝利し、帝京大を精神的に追い込んだことは間違いない。自信あふれる夏にするために。春の努力を結果で肯定するために。熱い春の最終戦、『One Shot』で真紅のジャージーを撃ち抜け。

(記事 村上結太、写真 安藤香穂、髙木颯人)

早大メンバー