招待試合 6月1日 対天理大 奈良・天理親里ラグビー場
三週連続の遠征試合の第二戦目。迎えるは長年の好敵手天理大。先週の早慶戦では初赤黒の顔ぶれも多い中、33ー14と確実なゲーム運びで勝利を収めた。奈良・親里で連勝記録を更新し、次週に待ちうける宿敵明大戦に向け勢いをもたらせるか。
北の大地・北海道で行われた早慶戦は、開始から早大のペースを作った。立て続けに3本のトライを挙げ、そのまま勢いに乗ると、BK、FWが一体となったアタックで慶大に圧力をかけ続けた。しかし、「ディフェンスでの反則が多かった」とゲームキャプテン萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)が振り返ったように、積み重なった反則から慶大に1トライを献上。一時は慶大に攻撃の流れを作らせるも、その後は1トライを返し、26ー7とリードして試合を折り返した。続く後半は40分間を通してお互い一歩も譲らぬ展開となった。タイガージャージーの猛攻に失点を許すも、試合終盤に途中出場の池本晴人(社3=東京・早実)がゴール左隅にグラウディング。その後は拮抗した展開でスコアは動かず、33ー14で春の早慶戦で勝利を納めた。

招待試合・慶大戦にてコンバージョンキックを蹴るSO島田
天理大は前節・関西大戦で敗戦を喫している。悪い流れを断ち切るためにも、早大撃破に向けて闘志を燃やしているに違いない。白熱するゲームが期待される中、今試合は10番の対決に注目したい。天理大は昨年度に引き続き、SO上ノ坊駿介がアタックを率いる。上ノ坊はロングキッカーであると同時に、FBとしても活躍してきた力強いランでトライを取り切る力も持っているため、一瞬の隙が命取りとなってくるだろう。
対する早大の司令塔は田中大斗(教2=東京・早実)だ。京産大戦以降、服部亮太(スポ2=佐賀工)に代わって10番を背負い、早大のアグレッシブなアタックの立役者となっている。早慶戦では、状況に応じた多彩なキックと安定したゲーム運びで常に攻撃の手を緩めなかった。今試合には両翼に田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)と池本、昨季で躍動した2人がついにスタメンで揃い、左右に大きく振るゲーム展開も期待される。大外に点取り屋が待ち構える中、天理大のディフェンスラインをいかに翻弄(ほんろう)するのか。試合を重ねるごとに大きく成長する田中大を起点とするBKラインの高速アタックから目が離せない。

招待試合・慶大戦にてディフェンスに仕掛けるSO田中大
最近の試合ではさまざまなメンバーで試合に挑んできた早大。しかし、今試合は清水健伸(スポ3=東京・国学院久我山)を始め、栗田文介(スポ4=愛知・千種)、杉本安伊朗(スポ3=東京・国学院久我山)など以前から早大を主力として支えている選手が漆黒のジャージーを迎え撃つ。天理大とのコリジョンバトルに真っ向から勝負するにふさわしい布陣だ。

招待試合・慶大戦にてタックラーにぶつかりにいくFL粟飯原
早慶戦で挙げられたディフェンスラインの修正はもちろんのこと、セットプレー、ラックでの攻防、そのほか全てのプレーを一試合通して集中力高くやり抜くことが重要となる。何より天理大との激しい攻防に勝ち切ることは早大の自信となり、今後の追い風となることだろう。キックオフの笛は6月1日、奈良・親里で鳴る。
(記事 堀内遥寿、写真 堀内遥寿、大林祐太)