2025招待試合 慶大戦展望記

ラグビー男子

招待試合 5月23日 対慶大 北海道・札幌月寒ラグビー場

 3週連続の遠征に突入した早大。初戦は北の大地・北海道で行われる早慶戦だ。関東大学春季大会(春季大会)では大東大、東洋大、東海大を下し、さらに先週の京産大とのトレーニングマッチでは50ー14と完成度の高さを見せつけて連勝を重ねている。春の早慶戦でも安定感のある試合運びを見せ、自信をつける春シーズンとすることができるだろうか。

 先週は上井草グラウンドで京産大と対戦した早大。前半はスクラムを何度も組み合い、拮抗した試合展開に。モールによる先制点を京産大に献上してしまったものの、CTB福島秀法(スポ4=福岡・修猷館)を中心にBKで前に出た早大は14ー7とリードした状態で最初の40分を終えた。続く後半は前半から一転、早大が次々とアタックを仕掛ける。途中出場のFB植木太一(人2=神奈川・関東学院六浦)のチャンスメイクも光り、後半だけで6トライを追加。50ー14と京産大を圧倒して見せた。

春季オープン戦・京産大戦にて円陣を組む早大メンバー

 慶大は流通経大とのクロスゲームを制し、勢いに乗る。今試合で注目したいのはバックローの対決。慶大はFL申驥世と、NO・8中野誠章がスタメン出場。申は高校日本代表のキャプテンも務めた超大型ルーキー。春季大会・法政大戦でAチームデビューを果たし、その試合で初トライ。持ち前のフィジカルと1年生らしいフレッシュなプレーで慶大に勢いをもたらすプレーヤーだ。中野はU20日本代表にも選出され、着実に成長を重ねる。驚異的なワークレートで慶大の穴をふさぐ仕事人の働きぶりは勝敗を左右する要因となるだろう。一方の早大はここまで赤黒の7番を着続けてきた田中勇成副将(教4=東京・早実)はベンチからのスタートとなり、FLは野島信太郎(教3=東海大大阪仰星)、牧錬太郎(スポ2=神奈川・桐蔭学園)、NO・8は粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)の布陣。特に粟飯原はこの春シーズンで一気にカテゴリーを上げ、ついにAチームスタメン出場。勢いと自信に満ちたプレーで早大アタックの起爆剤になることは間違いない。

春季オープン戦・京産大戦にてパスを放るNO・8粟飯原

 先週の試合からかなりスターティングメンバーを変更した早大。フロントローにはPR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)、HO田中健心(スポ2=神奈川・桐蔭学園)、そして赤黒デビューの平山風希(スポ1=大分東明)が並ぶ。さらに最後尾にはFB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)が出場。リザーブではHO杉村利朗(社2=東福岡)、PR成戸風太(スポ4=埼玉・川越東) 、FL狭間大介(スポ3=福岡)が「初赤黒」。新鮮な並びから、部内の過激なメンバー争いが垣間見える。少ないチャンスでアピールし、Aチーム定着へ、選手たちのアグレッシブなプレーに期待だ。

春季オープン戦・京産大戦にてタックルするPR平山

 メンバーの入れ替わりが激しい中でも、早大として同じクオリティーを試合開始から終了まで一貫して出すことが何よりも重要。春の早慶戦で勝利し、来週の関西王者・天理大戦へ。タフなスケジュールの中でもパフォーマンスを維持し、勝ちを重ねていくことで早大ラグビー部のさらなる成長が待っていることだろう。

(記事 村上結太、写真 安藤香穂)

早大メンバー