東海大Bを圧倒して大量得点を奪取 熾烈なメンバー争いを繰り広げる

ラグビー男子

春季オープン戦 5月11日 対東海大B 早大・上井草グラウンド

 鋭い日差しが照りつけ、夏の訪れを感じさせる早大・上井草グラウンド。B戦を前にC戦、A戦で東海大に勝利していた早大は今日最後となるこの一戦でも白星をもぎ取り、勢いを保って今日を締めくくりたいところだ。試合が始まると先制点を許した早大Bだったが、持ち前の強固なディフェンスとスクラムを武器に流れをつかみ、逆転に成功。さらにSO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)を中心に、グラウンド全体を使った多彩なアタックで得点を重ね、29ー21で前半を終えた。後半に入っても早大Bは攻撃の手を緩めることなく主導権を握り続ける。終始攻め続けた早大Bは大きなリードを保ち、76ー28で東海大Bを圧倒して白星を手にした。

 

タックラーを外し、インゴールに向かって走るSO仲山

 仲山のキックで幕を開けた今試合。巧みなロングキックでエリアを掌握しながらも、自らのミスで得点に結びつけられない時間が続く。前半10分、東海大Bの連続攻撃から最後はライン際までつながれ、先制点を許してしまう。さらに前半14分、再び東海大Bが大外への展開でチャンスを作るが、「早稲田のFLとしてのプライド」を胸に掲げたFL狭間大介(スポ3=福岡)が鋭い出足のタックルで流れを断ち切り、LO龍康之助(文構2=東京・早大学院)がボールをもぎ取る。WTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)がライン際を駆け抜けて攻撃の起点を作ると、SH平塚英一朗(法3=東京・早実)の素早い玉捌きからCTB福島秀法(スポ4=福岡・修猷館)がゴールラインをこじ開けた。続く前半18分、早大Bのセンタースクラムから仲山のパスを受け取ったCTB佐々木豪正(文3=東京・早実)がディフェンスラインを切り裂き、インゴールへ滑り込む。仲山がゴールキックを冷静に決め、12ー7と逆転に成功した。前半30分、福島がディフェンスラインをこじ開け起点を作ると、平塚から仲山にボールがつながり、最後はロングパスを受け取った田中がグラウンディング。前半33分、東海大Bにリードを許すが、その直後の34分、FB高栁壮史(創理4=東京・早大学院)が果敢なラインブレイクを見せ、NO・8玉川皇一(創理4=東京・青山学院)が突破口を作る。「FWとBKが前に出てくれて、しっかり前のスペースを見れた」と語る仲山が目の前のギャップを見逃さず、インゴールへ飛び込んだ。さらに前半終了間際、早大Bがスティールで相手の反則を誘発すると、平塚が素早く反応して速攻を仕掛け、最後は福島がゴールラインを叩き割った。両者譲らない一進一退の攻防の中、早大Bがわずかにリードを奪い、29ー21で前半を終えた。

 

タックラーをジャンプでかわすWTB高栁

 後半に入ってからも早大Bは攻撃の手を緩めることなく、試合の主導権を握り続ける。後半5分、仲山のキックで敵陣深くに攻め込むと、スクラムでペナルティーを獲得。SH大賀雅仁(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が素早く展開し、ボールはPR平山風希(スポ1=大分東明)へ。平山は力強い突進で次々とディフェンスを弾き飛ばし、ゴールラインにボールを叩き込んだ。仲山が左隅からの難しいゴールを沈め、36ー21とリードを広げる。続く後半15分、東海大Bにゴールラインまで攻め込まれるが、15人が連動した粘り強い守備で得点を許さない。直後のスクラムで東海大Bを圧倒して反則を奪うと、一気に敵陣へ流れを引き寄せる。高栁のリターンパスを受けたCTB山口滉太郎(教1=東京・早実)が鋭く突破し、最後はWTB山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)がライン際を駆け抜けた。勢いに乗る早大Bは後半18分に仲山、25分に佐々木、28分には再び仲山がこの日3本目のトライを決める。さらに後半30分、HO野口大雅(文構3=東京・早実)がモールから力強く飛び込み得点を追加。試合終盤、東海大Bに1本返されるが、後半35分には相手のミスボールに田中が素早く反応し、最後のトライを奪取。仲山が確実にゴールを決め、76ー28と大量得点で試合を締めくくった。

オフロードパスを放るFL狭間

 仲山、福島、田中が安定感のあるプレーを見せる中、LO宮川侑大(スポ1=富山・砺波)、平山、山口といった若手も存在感を発揮した。中でも圧巻のパフォーマンスを見せたのは狭間だ。ピンチの場面では相手の攻撃の芽を摘む鋭いタックルを連発し、80分間にわたってグラウンドには狭間の味方を鼓舞する声が響き渡った。試合のテーマである「早稲田プライド」、そして自身が掲げる「早稲田のFL」を見事に体現してみせた。才能ある選手が揃う早大Bは激しいメンバー争いを繰り広げ、早大の選手層の厚さを印象づける。全ては『赤黒』のために。憧れのジャージを掴み取るため、彼らは足掻き続ける。

(記事 大林祐太、写真 安藤香穂、吉田さとみ、山口直泰)

コメント

◆萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)

ーーチームとしてのゲームコンセプトを教えてください
 「早稲田プライド」という先週と同じものをテーマに掲げていました。

ーー個人のゲームコンセプトを教えてください
 アクションというところで、アタックでもディフェンスでもしっかり自分から仕掛けていくことをテーマに掲げていました。

ーーセットプレーの完成度はいかがでしたか
 もう少し上手くできたの思うので、これから改善していきたいと思います。

ーープレーの手応えはいかがでしたか
 正直そこまでチームに貢献できたプレーがなかったので、反省点が多い試合になったかなと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします
 これから京産大、明大、帝京大など強いチームが増えてくるので、自分が成長してチームに貢献していきたいです。

◆SO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)

一一今日の個人のゲームコンセプトを教えてください
 今日はSOとしてしっかりゲームをオーガナイズするということと、アタックプレッシャーを出してゲインラインを取りにいくようなプレーをするということをテーマにしていました。

ーーチームとしてアタックを振り返っていかがですか
 特に僕に責任があるのですが、前半は個人個人でプレーしてしまって、あまりチームとしてつながったプレーができなかったという反省があります。後半になってそれが切り替えられて、チームでやろうとしてきたシェイプアタックができるようになったので、そこは良かった点だと思います。

一一個人の課題としてはどのようなことがあげられますか
 個人の課題としては、やはりチームにコミットするというところがまだまだ足りていないのかなと思います。自分でやりたいプレーがあってそれに対してはやろうとしているのですが、周りとつながれていない部分があるので、そこは監督からも個人的に話があったように、協調性をもって周りをしっかり使っていけるような選手になっていきたいです。

ーーご自身のトライシーンもいくつかあったと思うのですが、振り返っていかがですか
 しっかり前を見られた結果だと思いますし、FWやBKがしっかり前で強いコンタクトをしてゲインラインをとってくれたからこそああいうプレーが出てくると思うので、もっとそういった場面が増やせるように意識してプレーしていきたいです。

ーー最後に今後の意気込みをお願いします
 やっぱり今年は最高学年として自分のために戦うのではなくて、本当に周りの人のために戦わなくてはいけないと思います。早稲田がミッションとして掲げている、ラグビーを通して世の中の人に感動と幸せを与えるというところを本当に真剣に取り組んでいかないといけないなと思うので、その大義をもって『荒ぶる』を目指していけたらなと思います。

◆狭間大介(スポ3=福岡)

 

ーー個人のゲームコンセプトを教えてください
 今日はとにかく激しくプレーすることを意識しました。早稲田のFLとして今よりももっと強く、そして激しくならないといけないと日々実感していて。能力が低い自分ができることは激しく愚直にプレーすることだと思ったので、激しさをテーマにして試合に臨みました。

ーー自身のディフェンスはいかがでしたか
 自分としてはいいタックルをできた場面もあったのですが、タックルを外される場面もありました。チームが大事にする一貫性という中で、すべての相手を仰向けにするぐらいの精度を用意していかないと上のカテゴリーに行くのは厳しいかなと思うので、よかった面もありつつ、しっかり反省していかないとと思います。

ーー今試合は声がよく出ていたと思いますが、何か意識していたことはありましたか
 自分は下のカテゴリーから上がってきて、その中で自分にできることは80分間声を出し続けることでした。能力がなくても声を出し続けることはできるので、どんなにきつくてしんどい場面でも声を出し続けることは自分がラグビーをする上で大事にしていることのひとつです。

ーー今後の意気込みをお願いします
 とにかく自分らしく、激しく、そしてうるさく早稲田のFLを体現できる選手になれるように頑張りたいと思います。

写真ギャラリー

ディフェンスに仕掛けるCTB福島

ヒットするNO・8玉川

ステップを踏むWTB山下一

ボールキャリーするWTB田中

パスを放るCTB山口

メンバー表