早大らしいアタックで東海大を粉砕 次戦・京産大戦に向けて弾みをつける一戦となった

ラグビー男子

関東大学春季大会 5月11日 対東海大 早大・上井草グラウンド

 青空が広がり、心地よい春風が吹く早大・上井草グラウンドにて、関東大学春季大会(春季大会)・東海大戦が行われた。春季大会第3節となった今試合、開始早々、モールで先制点を許してしまう。東海大の勢いに苦しめられながらも、ディフェンスの隙を正確に突くアタックで得点を次々と追加した早大は35ー17とリードを保って前半を折り返した。迎えた後半、開始直後に先制トライをあげた早大は、その後も勢いを衰えることなく連続トライに成功。途中出場した選手たちの活躍もあり、さらにリードを広げ73ー29で勝利となった。

ディフェンスに仕掛けるFL田中勇

 東海大のキックオフで始まった今試合。開始早々、東海大にモールトライを許してしまう。ここで主導権を渡さなかった早大だが、なかなか反撃のトライを挙げることができない。そんな中、早大にようやくチャンスが訪れる。13分、FWがボールをつなぎ、着実に前進するとSO田中大斗(教2=東京・早実)が50:22に成功。流れを引き寄せた早大はプレッシャーをかけ、東海大のノックフォワードの反則を誘発。スクラムからSH糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)が持ち出し、素早く展開すると、相手に絡まれながらもLO栗田文介(スポ4=愛知・千種)がゲイン。細かくパスをつなぎ、最後はCTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)がゴール中央へ飛び込んだ。20分には東海大に早大のディフェンスのギャップを突かれてしまったものの、FB池本晴人(社3=東京・早実)がインターセプト。相手を交わしながら約30メートルを走り、パスを受け取ったWTB西浦岳優(社2=東福岡)がそのままインゴールへ。続く22分にはNO・8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が自らラックから持ち出してブレイク。糸瀬が鋭いステップで相手ディフェンスを交わしながらトライライン目前まで迫ると、HO清水健伸(スポ3=東京・国学院久我山)が押し込み、21ー5とリードを広げる。直後の25分にも城が追加点をあげたが、28分、33分と連続でトライを献上してしまう。悪い流れを断ち切りたい早大は35分、池本のキックを再獲得すると黒川が細かいステップで相手をかわし、敵陣22メートルまで侵入。糸瀬がボールを素早くさばき、​​FL田中勇成(教4=東京・早実)がゴール前までボールを持ち込むと、最後は清水がグラウンディング。前半終了間際には早大のノックオンの反則から自陣深くまで攻め込まれるも、西浦のスティールでピンチを凌ぎ、35ー17で前半を折り返した。

ライン際を走るFB池本

 迎えた後半は1分、敵陣22メートル手前でのマイボールラインアウトから素早く右に展開した早大。CTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)がラインブレイクに成功すると、パスを受けた糸瀬がそのまま先制トライをあげた。続く4分、10分にそれぞれ清水、西浦がトライを追加したが、その後は互いに粘り強いディフェンスを見せ、なかなかスコアが動かない時間が続く。そんな中、再び試合を動かしたのは早大。20分、敵陣15メートルでのマイボールラインアウトから素早くBKが展開すると、角度をつけて走り込んできたWTB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)がブレイク。FWが順に体を当ててフェーズを重ねると、ボールを受けた金子がゴール目前まで前進する。最後は相手ディフェンスを交わしながら再び黒川がトライを決め、スコアは61ー17に。その後は少ないフェーズで互いにトライを奪い合う展開を見せた両者。迎えたノータイム、早大はゴール前のマイボールスクラムで東海大のコラプシングの反則を誘発した。再びスクラムを選択するとアドバンテージの状態でそのままスクラムを押し込み、トライ。池本のコンバージョンキックも決まり、最終スコア73ー29でノーサイドとなった。

ラインブレイクするSH糸瀬

 メンバーが変わりながらも層の厚さを見せつけ、開幕3連勝を遂げた早大。「自分たちがやりたいラグビーの形を体現しつつある」と田中勇が振り返るように、難敵・東海大に大差をつけて勝利を収められたことは、チームにとって大きな収穫となっただろう。名だたる強豪との連戦に向け、黒川は「チャレンジャーという気持ちを持って、地に足つけて戦いたい」と意気込む。まずは次戦、京産大戦へ。関西の伝統校との大一番で勝利を奪い取ってみせる。

(記事 安藤香穂、写真 村上結太、大林祐太)

コメント

◆FL田中勇成副将(教4=東京・早実)

 

ーー今試合のチームとしてのコンセプトを教えてください
先週に引き続き、ワセダプライドということを意識していました。相手が違くても早稲田としてのスタンダードを下げないということを意識して今週は練習してきました。

ーー今試合のディフェンスはいかがでしたか
自分たちのディフェンスをやりきる事はできたかなと思います。後半になるにつれて自分たちの形が上手くハマってきて、良い試合運びができたのではないかと思います。

ーーアタックは良い形が多かったかと思いますが、振り返っていかがですか
良いトライも何個かあり、自分たちがやりたいラグビーの形を体現しつつあるのかなと思います。また、メンバーが変わっている中でも良い形を作れるということから自分たちの成長も感じています。

ーー次戦の京産大に向け、意気込みをお願いします
フィジカルで強い相手だとは思いますが、変わらずに自分たちにフォーカスして準備していきたいと思います。

◆NO・8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)

 

ーー今試合の個人としてのコンセプトを教えてください
今年はNO・8として試合に出させてもらっているので、アタックのところは去年よりフォーカスしています。今日の試合ではブレイクできたところもあったので、良かったかなと思います。

ーーFWのアタックを振り返って、完成度などいかがですか
相手のディフェンスが崩れていない時でも自分たちの形を守って粘り強くアタックできたことが良かったところだと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします
80分間切らすことなく動けるように、もっと体力をつけていきたいと思います。

◆SO田中大斗(教2=東京・早実)

 

ーー今試合の個人としてのコンセプトを教えてください
アタックの仕掛けというところです。練習の時から大田尾監督(平 16 人卒=佐賀工)に「自分から勝負を仕掛けるマインドを持て」と言われていたので、意識して取り組みました。

ーー初めてのAチームスタメン出場ということでしたが、緊張などはありましたか
今週の始めの時点では僕の予定ではなかったのですが、急遽選ばれたときは嬉しかったです。しかし家に帰って落ち着いてみると、早稲田の10番を背負うことのプレッシャー、これまでの先輩たちの事を考えたらとても緊張しました。

ーー今試合の自身のプレーを振り返っていかがですか
亮太(服部、スポ2=佐賀工)とのプレーの差はまだまだではあるとは思うのですが、キックは自分の武器だと思っているので、そこはプライド持って戦うことができました。しかし、アタックのところでは仕掛けが足りなくてパスマシーンになってしまっていたところがあったので、改善していきたいです。

ーー今後の意気込みをお願いします
初めてスタメンというのを経験したことで、表と裏でのプレッシャーの違いなどを肌で感じて成長することができたので、今後も表で出続けられるように練習していきたいと思います。

◆CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)

 

ーー今日の個人としてのコンセプトを教えてください
ゲインラインバトルです。接点のところでアタックでもディフェンスでも前に出続けることを意識していました。

ーーBKのアタックを振り返って良かったところはありますか
ボールを下げずに前でプレーできたこと、そして中盤でもミスなくアタックを継続できたことで良いトライに繋がったのかなと思っています。

ーーディフェンスに関して何かチームで話したことはありますか
キックチェイスの広がりなどFWとの繋がりが薄くなってしまった点があったので、練習でやってきたことを徹底するようにしようという話をしました。

ーー次戦の京産大戦に向け、意気込みをお願いします
チャレンジャーという気持ちを持って、春に鍛えてきたことを出し切るために地に足つけて戦いたいと思います。

写真ギャラリー

ディフェンスに仕掛けるPR山口

インゴールに飛び込むWTB西浦

ディフェンスに仕掛けるLO小松

ゲインするFL野島

内側に切れ込むCTB金子

メンバー表