修正力見せた早大CD 白鷗大に78ー24で勝利

ラグビー男子

春季オープン戦 5月3日 早大・上井草グラウンド

 40分のゲームを3本行うという変則的な方式で行われた早大CDと白鷗大の一戦。白鷗大のFWに苦戦し、モールでの先制点を許してしまう。しかし機動力を生かした早大らしいアタックでFW、BKともにトライを量産していくと、1本目は21ー10で終えた。続く2本目はさらに5トライを挙げる猛攻を見せ、52ー17と大きく白鷗大を突き放して3本目へ。ラスト40分で26点を追加した早大CDは白鷗大相手に3本合計、78ー24と50点以上リードして勝利した。

力強くドライブするFL髙橋

 1本目、先にチャンスを作ったのは早大CD。白鷗大のペナルティーからゴール前に侵入。しかし、ノックフォワードでこの好機を得点に結びつけることができない。対する白鷗大はラインアウトからモールでの攻めにこだわる姿勢を見せる。早大CDはモールディフェンスで苦戦を強いられ、ついに前半11分に先制のトライを許してしまう。早大CDはこの失点をきっかけに修正し、機動力を生かしたラグビーで自分たちの得意の形を作っていく。16分には早大CDのキックカウンターからLO原田恒耀(スポ3=福岡・修猷館)がゲインすると、狭いサイドに回ったFL髙橋松大郎(スポ3=愛媛・松山東)がトライ。続く24分には相手ボールラインアウトをターンオーバーすると、SH宮下羚(文構2=東京・早実)が長いパスで一気にボールを外に回していく。WTB小澤アンディ(法4=千葉・流経大柏)が細かいステップで前進しながらラックを形成。HO丸橋怜央(商3=埼玉・早大本庄)が鋭く走り込みながらボールをもらうと、トライラインは目前に。最後はNO・8粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がインゴールに飛び込んだ。31分にはまたもモールを起点に失点を許すが、1本目終了間際にSO池山昂佑(商3=東京・早実)のブレイクから宮下がゴール中央にグラウンディングし、21ー10と11点リードで最初の40分を終えた。

インゴールに飛び込むLO惟村

 立ち上がりで苦戦した1本目とは打って変わり、2本目は開始早々から早大CDペース。早大CDボールのキックオフをCTB菊川迪(スポ2=兵庫・報徳学園)が再獲得に成功すると、そのままディフェンスと入れ替わり、最後は小澤がトライ。続く3分にも粟飯原がトライを決め、一気にリードを広げた。14分にはモールで、19分にはオフロードパスを受け取ったLO惟村詠甫(基理3=神奈川・桐蔭学園)が得点。そして33分には今試合3本目となるトライを粟飯原が挙げ、スコアは52ー10に。終盤にインターセプトから白鷗大に独走トライを許したものの、大きく点差をつけて2本目を終えた。

インゴールに走り込むNO・8粟飯原

 3本目も6分にSH安岡叶夢(社2=大阪桐蔭)がトライを挙げ、先に流れを掴んだ早大CD。続く12分、FL小林商太郎(教1=東京・早大学院)の出足の良いタックルからターンオーバーを誘発すると、CTB若林海翔(社1=東海大大阪仰星)が一気にゴール前まで持ち込む。最後は安岡からオフロードパスを受け取ったSO寺田結(スポ2=広島・尾道)がインゴールを叩き割った。その後は早大CDのペナルティーが続き、思うように陣地を回復することができない。しかし31分、白鷗大ボールのラインアウトをノットストレートでマイボールにすると、久々のチャンス到来。ゴール前でのスクラムでWTB佐々木篤真(法3=福島)がトライを取り切ると、続く35分にも佐々木が得点。ノータイムで白鷗大にモールトライを許してしまったが、最終スコアは78ー24とし、危なげない勝利を見せた。

ラインブレイクするCTB若林

 1本目は開始早々からチャンスを取りこぼし、モールでの失点を許してしまった早大CD。それでも、その後は苦戦していたモールでもトライを取り返すなど高い修正力が随所に見られた一戦となった。「相手のプレッシャーに対してミスが続いた時間帯もあった」と菊川も語ったが、実力伯仲の接戦のゲームでは一回のチャンスをいかに取り切れるかが重要になってくるだろう。今試合での収穫、そして反省と『赤黒』への野心を持ち続ける彼らの成長が早大ラグビー蹴球部のスタンダードを引き上げていくに違いない。

(記事 村上結太、写真 髙木颯人)

コメント

◆FL山本竜大(教4=東京・早実)


ーー今試合の個人としてのゲームコンセプトを教えてください
 激しいコリジョンで相手にプレッシャーかけ、早稲田の流れを作ることを意識しました。プレーでチームを引っ張るため、コンタクトの局面では一歩も引かず、常に前に出る姿勢を貫きました。

ーー1本目はモールディフェンスで苦戦が見られましたが、どんな課題点が挙げられますか 
 モールディフェンスにおけるディテールを全員で統一できておらず、ヒット以前の準備の段階で綻びが生じていました。次戦以降は意識や役割のすり合わせを徹底し、全員が同じタイミング・姿勢・間合いで入ることにこだわるようにしました。

ーー良かった点はありますか
 一対一のバトルで負けていなかった点だと思います。FWもBKも、15人全員が体を張ってプライドを持って戦えており、その姿勢が得点につながる場面が多かったです。

ーーラストイヤーとなった春シーズンでどんな成長をしていきたいですか
 まだまだ改善しなければいけない点が山ほどあるので、弱みを潰し、強みをさらに磨いて、赤黒にふさわしい選手になるため、次戦以降も努力し続けたいと思います。

 

◆CTB菊川迪(スポ2=兵庫・報徳学園)

ーーBKのアタックでは何かコンセプトはありましたか
 アタックラインを下げずに全員が前でプレーすることを全員で共有して臨みました。

ーー今試合の自身のプレーを振り返っていかがですか
 相手の外国人選手に外されたりしたので、しっかりディフェンスを修正して次の試合に臨みたいと思います。

ーーチームとしての課題点を挙げるとしたらどんなことがありますか
 相手のプレッシャーに対してミスが続いた時間帯もあったので、準備やメンタルの部分がまだまだ足りないと感じました。

ーーこの春シーズンでどんな成長をしていきたいですか
 個人としては色々な面で成長して、ひとつでも上のカテゴリーに出場していきたいです。チームとしてはゲームが続くので良かったところと悪かったところを毎週繋げて全員で成長していきたいです。

◆WTB佐々木篤真(法3=福島)

ーー今試合の個人としてのゲームコンセプトを教えてください
 久しぶりにWTBでの試合だったので、欲張らずに自分のできることに集中し、強い姿勢でのボールキャリーを意識しました。

ーー3本目ではペナルティーが多くなってしまう場面も見られました。どんな課題点が挙げられますか
 オフサイドなどコミュニケーションで防げるミスが多く、きつい場面での妥協をお互いに指摘することができなかったので、来週以降の練習で意識していこうと思います。

ーー個人としては連続2トライの活躍でしたが、今日のパフォーマンスを振り返っていかがですか
 SOやCTBがいいパスをくれたので後は走るだけでした。最低限の仕事はできたかなという所感です。ディフェンスでの判断ミスが目立ったのが改善点です。

ーーこの春シーズンでどんな成長をしていきたいですか
 勝負のシーズンになると思いますが、欲張らずスピードを自分の武器とできるよう磨いていきたいと思います。

写真ギャラリー

ディフェンスをかわすSO池山

ライン際を走るFB細田悠介(スポ2=福岡・修猷館)

タックラーにヒットするHO丸橋

ボールキャリーするWTB小貫壮太(教3=東京・早大学院)

内側に切れ込むHO石原遼(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

メンバー表