『初赤黒』多数の早大 春季大会の初陣を白星で飾る

ラグビー男子

関東大学春季大会 4月20日 早大・上井草グラウンド

心地よい風が吹く上井草グラウンドで、新体制となった早大ラグビー部の15人制公式戦初戦が行われた。試合開始直後、早大はスクラムからFB池本晴人(社3=東京・早実)とWTB西浦岳優(社2=東福岡)が連動してショートサイドを攻めると、そのまま西浦が左隅にトライ。幸先の良いスタートを切った。大東大に2トライを許すものの有利に試合を進め、33-12で前半を折り返す。後半始まってすぐにトライを奪った早大だったが、その後は得点につながらない時間が続く。それでもHO田中健心(スポ2=神奈川・桐蔭学園)のモールからのトライをきっかけに多彩な攻撃で得点を重ね、最後まで手を緩めず、関東大学春季大会(春季大会)初戦を白星で飾った。

力強くゲインするFL田中勇

試合開始早々、早大は大東大のノットリリースザボールの反則を誘い、敵陣深くに侵入。得たスクラムからSH糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)と池本が連携し、ショートサイドを突破。最後は西浦が自慢のスピードで相手を振り切り、左隅にトライを決める。さらに10分、敵陣深くでのラインアウトからフェーズを重ねた後、糸瀬が逆サイドへ展開。ディフェンスラインに走り込んだNO・8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が力強くボールを持ち込み、追加点を挙げた。このまま点差を広げるかに思われたが、14分には大東大の反撃を許し、FBタヴァケ・オトの個人技でインゴールを破られ、10-7と点差を縮められてしまう。しかし、18分には早大が再び突き放す。マイボールスクラムのこぼれ球を城が足でコントロールし、ボールはCTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)を経て、角度をつけて走り込んできたCTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)へ。大東大ディフェンスのギャップを突き、トライを奪う。続く28分にはSO服部亮太(スポ2=佐賀工)からのフラットなパスを受けた城がこの日2本目のトライを挙げた。その後も敵陣に攻め込む展開が続いたが、35分には大きく展開したパスを大東大にインターセプトされ、独走トライを許す。それでも早大はすぐに切り替え、ラインアウトでオーバーしたボールを服部が拾って西浦に繋ぎ、大きくゲイン。FWの力を生かした連続攻撃の末、最後はPR前田麟太朗(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がトライラインをたたき割った。前半は33-12で折り返した。

トライラインに手を伸ばすCTB金子

 後半も早大が先に得点を重ねる。前半からチャンスを演出していた糸瀬がラックサイドのスペースを突き、自らトライを挙げる。しかしその直後、自陣でのパスミスを大東大に拾われ、インゴールを明け渡してしまう。このミスを取り返したい早大だったが、トライラインまで行くもグラウディングが認められず、敵陣まで攻め込むもノットリリースザボールの反則を犯すなど、チャンスを活かせない時間帯が続く。戦況が動いたのは60分。マイボールラインアウトからモールで押し込み、田中健がそのままグラウンディング。45-19とリードを広げる。72分には、相手ボールのラインアウトをスティールし、途中出場のWTB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)がライン際の狭いスペースを突いて独走トライ。終盤に失点を許すが、試合終了間際にSO島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)がとどめのトライ。ゴールも決まり、最終スコアは57-26で早大が勝利した。

ディフェンスを抜き去るWTB鈴木

 春季大会初戦を白星で終えた早大。ところどころ課題も見えたが、まずは幸先の良いスタートとなった。さらに多くの選手が『赤黒』デビューを飾ることとなった今試合。各々が自身の強みを生かしたプレーでインパクトを残した。昨年度から大きくメンバーを変えたFWも終始有利なスクラムを組み、試合の流れを引き寄せた。まだ春季大会は始まったばかり。今後のチーム内競争からも目が離せない。

(記事 髙木颯人、写真 村上結太、大林祐太)

コメント

◆FL田中勇成(教4=東京・早実)

ーー今試合のゲームコンセプトを教えてください
一人一人の役割を遂行する、どんなにきつい場面でも徹底するというテーマで戦いました。

ーー大東大のフィジカルに苦戦する場面も見られましたが、実際に身体を当ててみて感じたことはありますか
ブレイクダウンで圧力を受けてしまい、自分たちのアタックらしいテンポを出すことができなかったので、そこが課題かなと思います

ーースクラムの手応えはいかがでしたか
スクラムは春から、去年からプラスアルファで鍛えてきたところがあるので、いい部分を継続していきたいです

ーー春季大会初戦としての出来はどうですか
早稲田が26点取られてはダメだと思います。どんな相手であれディフェンスはこだわらなければならないと思うので、4トライ取られてしまったことに対する反省をしたいです。

ーー次戦への意気込みをお願いします
春はこれからなので、出てきた課題を一つ一つ解消していって、選手たちと指導陣が同じビジョンを持って成長していけるようにしたいです。

◆PR前田麟太朗(スポ2=神奈川・桐蔭学園)

ーー春季大会初戦を振り返っていかがでしたか
 『初赤黒』だったので緊張していたところもあったのですが、自分の強みであるスクラムは押せたので良かったと思います。しかし、ディフェンスの課題が残るので、3番を着続けられるように頑張っていきたいです。

ーーセットプレーの手応えはいかがでしたか
 自分としては前に出れてる部分も多かったのですが、まだチームとしてペナルティーを取れるところとそうでないところがあるので、一人ではなくチームでまとまってやっていきたいです。

ーー今後の意気込みをお願いします
 次戦も3番を着続けて、チームに貢献できるように頑張ります。

◆WTB西浦岳優(社2=東福岡)

ーー春季大会初戦を振り返っていかがでしたか
 まだまだAチームで戦っていくには自分の実力不足を痛感しました。この2年の春という時期にこのような経験ができたことは自分にとって大きなことで、これからはこの課題をどう克服するのかが大事になってくると思うので、春シーズンまた『赤黒』着られるように頑張りたいと思います。

ーーBKのアタック、ディフェンスの課題を教えてください
 外で余っている場面でボールをもらえなかったことです。チームとしての連携がまだまだ甘かったかなと思います。ディフェンス面では自分がタックルミスしてしまったことで、自分の中でもディフェンスは課題なのでこれを一つ一つクリアしていきたいと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします
 しっかり気持ち切り替えてもう一度課題を見つめなおして、次もっといいプレーができるように頑張っていきたいです。

◆WTB山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)

ーー春季大会初戦を振り返っていかがでしたか
 前回の中央戦で自分としてはいいパフォーマンスができたんですけど、今日の試合ではそこまで良いパフォーマンスができなかったのでそこは後悔が残ります。

ーーBKのアタック、ディフェンスの課題を教えてください
 最初に立てたテーマが『縦に強くプレーする』というものだったのですが、大東大のディフェンスが思ったより外が余るディフェンスだったので、その状況であまり外までボールをつなげられなかったのが後悔です。ディフェンスに関してはBKで外に流して人数が合ったときに上げるというディフェンスを練習してきたのですが、そのコールをもっとみんなで出せたら良かったかなと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします
 今日、自分の強みを見せることができなかったのでこれからもっと自分の強みを磨いて、出せるところで出していきたいです。

写真ギャラリー

モールの最後尾で隙をうかがうHO田中健

ラインブレイクするLO久我

ディフェンスの間を狙うFL多田

インゴールへ走るNO・8城

ボールキャリーするCTB黒川

メンバー表