晴天に見舞われたサニアパーク菅平、早大Bは春に大差で敗れた帝京大Bとの一戦に臨んだ。前半は相手の強烈なフィジカルに苦戦するものの、セットプレーで優位に立った早大Bは互角の試合を繰り広げ、21ー21で試合を折り返す。しかし、後半はボールロストが目立ち、攻撃の時間を確保できない。帝京大Bに立て続けに得点を許して21ー83で試合終了。後半に課題の残る一戦となった。
前半開始早々速いテンポの攻撃で相手のペナルティーを誘い、敵陣ゴール前15メートルへ侵入する。ラインアウトからボールを受けたFL粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がゲインを切り、その後パスを受けたFB久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館)がトライラインを駆け抜けた。11分には再び敵陣でのラインアウトを獲得し、フェイズを重ねゴール前まで前進。最後はHO清水健伸(スポ1=東京・国学院久我山)からオフロードを受けた粟飯原がトライを挙げた。しかし、17分に帝京大Bの力強い当たりを止めきることができず、オフロードをつながれトライを献上。続く19分にもノーホイッスルを奪われ、試合を振り出しに戻された。それでも早大はスクラムで相手を圧倒し、前半で3回ペナルティーを獲得。28分にはラインアウトモールでトライを生み、セットプレーの強さを見せる。拮抗した試合展開となり、21―21で前半を終えた。
インゴールへ走るFL粟飯原
勢いに乗りたい後半戦、ハンドリングミスやセットプレーの乱れが目立ち、攻撃のチャンスをつかめない。6分に自陣ゴール前でのモールを起点にピックゴーでトライを奪われると、相手に主導権を握られ防戦一方となる。「後半何度も同じ形で失点してしまった」とゲームキャプテン岡本大輝(スポ4=東京・本郷)が語るように、スピードの速い帝京大Bの攻撃を止めきることができず多くのトライを献上することとなった。前半のように流れをつかむことができないまま時間は経過し、試合終了。21ー83で敗れ、修正力に課題を残した。
巧なパスで相手を翻弄する久富
前半に帝京大Bの強みであるセットプレーで優位に立った早大。しかし、後半は前半の勢いを維持できず、大量失点となった。ゲームキャプテンを務めた岡本は、同じ形での失点が多かった今試合の反省として「試合中の修正能力を高める必要があると思います」と挙げている。早大の強みを発揮するために、試合時間内でミスを修正することが求められる。試合で出た課題を克服し、次の同志社戦では白星を収めたい。
(記事 原旺太、写真 戸祭華子、権藤彩乃)
コメント
CTB岡本大輝ゲームキャプテン(スポ4=東京・本郷)
――まず、今日の試合のテーマを教えてください
自分たちが今シーズン積み上げてきた形を相手に関わらず出し切ることがテーマでした。
――前半、後半それぞれチームとしての試合の振り返りをお願いします
前半はアタックを継続することで前に出ることができていましたが、最後の仕留めの部分のミスがまだあったと思います。後半は、点差からも分かるようにボールを持てる時間が少なく、相手の思うようにアタックされてしまったことが敗因だと思います。
――夏合宿折り返しとなりますが、チームとして成長できたと感じる点は
ボールを継続する中で、ゲインラインを突破した際のサポートする意識は合宿中に最も成長している部分だと思います。
――今後のチームとしての修正点、改善していきたいところはどこですか
試合中の修正能力を高める必要があると思います。Bチームの試合では後半何度も同じ形で失点してしまったので、自分達の強みを出すためにどうすればいいのか、全員が試合中に考え、修正できるチームになる必要があると思います。
――最後に、今後の意気込みをお願いします
日々の練習でチームや個人が持っているものを全て出し切ることが、今後の結果に繋がってくると思うので、まずは残りの合宿で全てを出し切りたいと思います。
FL粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
――今日の個人のテーマと、達成度合いは
『ゲインラインバトル』です。要所でゲインできましたが、取り切ることに対して拘りきれませんでした。
――ご自身として、ビッグゲインが目立ちました。プレーについての振り返りをお願いします
いいパスが自分のプレーを生んでくれたと思います。健伸(清水健伸、スポ1=東京・国学院久我山)のアタックプレッシャーから自分の持ち味のランを出せて、秋以降の自分の武器になるのではと思っています。しかし、ゲイン後の自分の視野の狭さは課題だと思います。次戦以降はさらに広い視野をもって効率的なアタックをしたいです。
――前半、セットプレーが優勢でしたが、感覚はいかがでしたか
自分たちBチームは普段の練習から一つ一つの動作への丁寧さを心がけています。その成果が出たと感じています。他にもスクラムを組む前や組んだ後に優勢な状況になったとき、全員で気を抜かず次のプレーへと切り替えが十分だったと思います。
――後半、点差が開いた要因はどのように考えていますか
自分たちのミスが相手のトライを生んだと思います。一つ一つのプレーに責任を持つことは勿論、帝京に見栄えで劣る分、泥臭さを徹底した努力を積み重ねるべきだと痛感しました。
――今後の意気込みをお願いします
まだまだ頑張ります。応援よろしくお願いします。
SH細矢聖樹(スポ3=国学院栃木)
――今日の個人のテーマと達成度合いを教えてください
テンポの早い捌きと、パスの精度を意識しました。一方、パスのミスが目立ったので、改善していきたいです。
――個人として、コンタクトでも魅せていました。それについて振り返りをお願いします
前半はコンタクトで、前に出れる場面が多かったので良かったと思います。
――前半は互角の試合展開でした。個人的に何を意識していましたか
チームとして前半焦って1人で行ってしまうことがありました。しっかりユニットを組んでグループで動くこと、そしてコミュニケーションをとって細かいところを意識していこうと話しました。
――後半、点差が開いた要因はどのように考えていますか
一人一人のコンタクト局面で負けてしまったのが原因だと思います。
――最後に、今後の意気込みをお願いします
今合宿はあと同志社戦が残されています。それに向けてしっかり準備していきたいと思います。
夏季オープン戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大B | スコア | 帝京大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
3 | 0 | T | 3 | 10 |
3 | 0 | G | 3 | 6 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
21 | 0 | 計 | 21 | 62 |
21 | 合計 | 83 | ||
【得点】▽トライ 久富(1T)、粟飯原(1T)、清水(1T) ▽ゴール 久富(3G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 門脇 浩志 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
2 | 清水 健伸 | スポ1 | 東京・国学院久我山 |
3 | 亀山 昇太郎 | スポ3 | 茨城・茗溪学園 |
4 | 萩原 武大 | スポ2 | 茨城・茗溪学園 | 5 | 若松 泰佑 | 文構3 | 東京・早実 |
6 | 粟飯原 謙 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
7 | 田中 勇成 | 教2 | 東京・早実 |
8 | 鈴木 風詩 | 社3 | 国学院栃木 |
9 | 細矢 聖樹 | スポ3 | 国学院栃木 |
10 | 京山 秀勇 | 人4 | 福岡・東筑 |
11 | 鈴木 陽結 | 政経4 | 東京・早大学院 |
12 | 岡本 大輝 | スポ4 | 東京・本郷 |
13 | 金子 礼人 | 法2 | 福岡・西南学院 |
14 | 福島 秀法 | スポ2 | 福岡・修猷館 | 15 | 久富 連太郎 | 政経4 | 島根・石見智翠館 |
リザーブ | |||
16 | 真田 稜大 | 教2 | 東京・早実 |
17 | 勝矢 紘史 | スポ2 | 長崎北陽台 |
19 | 池田 裕哉 | スポ3 | 東京・明大中野 |
19 | 岡村 圭悟 | スポ3 | 東京・本郷 |
19´ | 西浦 剛臣 | 社3 | ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール |
20´ | 中島 潤一郎 | 教2 | 神奈川・桐蔭学園 |
20´ | 小池 航太郎 | 商4 | 東京・早実 |
21 | 井上 泰志 | スポ3 | 福岡・東筑 |
20´ | 吉岡 麟太朗 | スポ3 | 東京・本郷 |
22 | 黒川 和音 | 人2 | 茨城・茗渓学園 |
22´ | 三浦 哲 | 文構3 | 東京・早実 |
23 | 山下 一吹 | 教2 | 東京・早実 |
15´ | 池本 晴人 | 社1 | 東京・早実 |
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工) |