強い日差しが照りつけるサニアパーク菅平メイングラウンドにて、早大は帝京大との試合に臨んだ。関東大学春季交流大会での敗戦から約1カ月半ぶりの再戦となった本試合、早大がリベンジを果たせるか注目が集まった。前半は、早大が帝京大をポゼッションで上回り、敵陣でプレーする時間が続く。しかし、トライを取り切ることができず7ー17で折り返した。後半も勢いにのった帝京大の攻撃を止めきることができず、7ー62で春から2連敗となった。
リベンジに燃える早大は、気合十分で序盤からプレッシャーをかけていく。帝京大のインパクトあるキャリーに対しても、FWを筆頭にタックルで仕留め、攻撃を抑える。前半1分、キックオフからの帝京大のアタックに対してHO安恒直人(スポ3=福岡) の低く鋭いタックルが刺さる。しかし、その直後に重なるペナルティーで約60メートルの前進を許し、自陣左ゴール前でモールを起点にトライを奪われてしまう。6分以降は、早大が敵陣へ果敢に攻め入り、エリアで優勢を保つものの、「あれだけのチャンスで一本も取れなかった」と安恒がインタビューで語るように、帝京大のディフェンスを前にトライを取り切れない。両者無得点の時間が続いたのち、34分、36分と連続で相手に得点を重ねられる。そして39分、ようやく早大待望のトライが生まれる。CTB岡崎のラインブレイクを起点に安恒からボールを受け取ったLO池本大喜(文構4=東京・早実)。身体をうまく反転させ、インゴールまで走り切った。点差を縮めて、7ー17で前半を折り返した。
粘り強くタックルに入るHO安恒
追う展開となった後半。BK、FW一体となってアタックでゲインする場面がみられたが、インゴールまで届くことができない。セットプレーでのペナルティーも目立ち、帝京大に連続失点。U20日本代表合宿から戻り、本試合が今季初の帝京大戦となったSO野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星)の的確なパスやCTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)のラインブレイクも見られ、奮闘した早大。しかし、帝京大の猛攻を防ぐことはできず7-62で大敗を喫した。
安定のパスワークを見せたSO野中
今回の試合ではポゼッションで優勢となり、何度もラインブレイクしていたが、トライに結びつけることができなかった。スクラムでのペナルティーやラインアウトのオーバーが帝京大の勢いを加速させてしまった。今後の練習で、トライを取り切る力やセットプレーの精度を向上させることが、『荒ぶる』には必要不可欠であろう。次戦、同志社戦までに成長させることができるか注目したい。
(記事 長野恵治、写真 川上璃々、西川龍佑)
コメント
CTB伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――今日の試合のテーマを教えてください
自分達の力を全て出すことです。
――チームとしての試合の振り返りをお願いします
局面があと少しで変わりそうだとは感じています。ですが、(帝京大との)差はまだまだ大きいです。
――春季大会の帝京大戦と比べて感覚はいかがでしたか
感覚的には全く違った展開でした。合宿の試合という事もありましたが、自分達のやりたいことができた時間もあったと感じています。これから、その時間を増やすために何が必要かしっかり考えてみんなでやり切ります。
――伊藤選手ご自身としては、今日は春シーズンとポジションが変わっての試合でした。ご自身のプレーで意識したことと、振り返りをお願いします
アウトサイドでのチャンスメイクをどんどんやろうとしていました。良い部分もあれば良くない部分もあったと感じています。
――夏合宿折り返しとなりますが、主将として感じるここまでチームとして成長できたことはどのような点ですか
チームとして、一人一人としてタフな選手は増えてきている点だと思います。
――今後のチームとしての修正点や、改善していきたいところを教えてください
まだ、考えられないのですが、自分達に何ができるのかをしっかりと整理して、課題やテーマを絞って次の試合に臨みたいと思っています。
CTB岡﨑颯馬副将(スポ4=長崎北陽台)
――まず、今日の試合のBK全体のテーマを教えてください
『ゲインラインを意識したアタック』です。
――BKでのアタックの収穫は
スペースにボールを運ぶ意識は良かったと思いますが、ラインの圧力と精度に課題が残ったと思うので、その課題が得られたことが収穫です。
――ご自身では、力強いゲインが目立ちましたが、プレーで意識したことはどのような点ですか
まず、ボールを前に進めることと、アタックに勢いを出すことを意識しました。良かったところもあったと思いますが、もっとできたと思います。
――次の同志社戦に向けて修正したい点は
バックスでブレイクすること、全体のアタックセットを早くすることを変えたいです。
――最後に、今後の意気込みをお願いします
菅平であと一戦残っているので、まずはその試合でいいゲームができるようにしっかり準備したいと思います。
HO安恒直人(スポ3=福岡)
――FW陣ではどんなテーマを持って今試合に挑みましたか
春シーズンが終わってから、今日まで積み上げてきた自分たちの形を出し切ることをテーマにしました。
――HOとして意識したことは
セットプレーを安定させること、大きい相手に対して常に低い姿勢でプレーすることです。
――スクラム、モールのセットプレーの振り返りをそれぞれお願いします
スクラムは、帝京に対して自分たちの形で組める回数が増えたと思います。しかし、反則を何度も取られ、まだまだ修正する必要があると感じました。モールはインパクトの部分やまとまりが良かった時もあり、色々といい所があったと思います。しかし、あれだけのチャンスで1本も取れなかったのは反省として練習したいと思います。
――個人としての夏合宿での収穫は
フィールドプレーでは常に低い姿勢を意識していて、今日もそこの部分は出せたのでよかったと思います。ただ、スローイングの部分で何度もミスをしてしまったり、スクラムで押されたり、セットプレーの部分をもっと成長しなければいけないと感じました。
――最後に今後の意気込みをお願いします
次の一戦に向けて今日出た課題を修正し、少しでも成長して上井草に戻りたいと思います。
夏季オープン | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | スコア | 帝京大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
1 | 0 | T | 3 | 7 |
1 | 0 | G | 1 | 5 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
7 | 0 | 計 | 17 | 45 |
7 | 合計 | 62 | ||
【得点】▽トライ 池本 ▽ゴール 野中(1G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 山口 湧太郎 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
2 | 安恒 直人 | スポ3 | 福岡 |
3 | 川﨑 太雅 | スポ4 | 東福岡 |
4 | 栗田 文介 | スポ2 | 愛知・千種 |
5 | 細川 大斗 | 社4 | 東京・早実 |
6 | 池本 大喜 | 文構4 | 東京・早実 |
7 | 永嶋 仁 | 社4 | 東福岡 |
8 | 松沼 寛治 | スポ1 | 東海大大阪仰星 |
9 | 島本 陽太 | スポ4 | 神奈川・桐蔭学園 |
10 | 野中 健吾 | スポ2 | 東海大大阪仰星 |
11 | 磯崎 錬太郎 | 商4 | 徳島・城東 |
12 | 岡﨑 颯馬 | スポ4 | 長崎北陽台 |
13 | ◎伊藤 大祐 | スポ4 | 神奈川・桐蔭学園 |
14 | 守屋 大誠 | 政経3 | 東京・早実 |
15 | 矢崎 由高 | スポ1 | 神奈川・桐蔭学園 |
リザーブ | |||
1’ | 門脇 浩志 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
2’ | 清水 健伸 | スポ1 | 東京・国学院久我山 |
3’ | 亀山 昇太郎 | スポ3 | 茨城・茗溪学園 |
16 | 萩原 武大 | スポ2 | 茨城・茗溪学園 |
17 | 若松 泰佑 | 文構3 | 東京・早実 |
18 | 粟飯原 謙 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
19 | 田中 勇成 | 教2 | 東京・早実 |
20 | 鈴木 風詩 | 社3 | 国学院栃木 |
21 | 細矢 聖樹 | スポ3 | 国学院栃木 |
10’ | 京山 秀勇 | 人4 | 福岡・東筑 |
12’ | 岡本 大輝 | スポ4 | 東京・本郷 |
22 | 金子 礼人 | 法3 | 東京・早大学院 |
11’ | 鈴木 陽結 | 政経3 | 東京・早大学院 |
23 | 福島 秀法 | スポ2 | 福岡・修猷館 |
15’ | 久富 連太郎 | 政経4 | 島根・石見智翠館 |
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒) |