『修正力』が光るも早大Cの追い上げは叶わず、帝京大Cに惜敗

ラグビー男子

 菅平68番、早大Aグラウンドにて早大C対帝京大Cの一戦が行われた。遠い菅平の地にもかかわらず、多くのファンが駆けつけた。序盤、ミスからの失点を繰り返した早大Cは帝京大Cに主導権を渡してしまい、前半に大量失点を許す。しかし後半、ディフェンスに修正を見せた早大Cは帝京大Cを無得点で抑える。終盤まで粘り強く戦い抜いた早大Cだったが、前半の失点を取り返すことができず敗戦となった。

 前半開始早々、キックオフボールの処理ミスからペナルティーを献上した早大Cは帝京大Cの力強いモールによってトライを許す。続く7分、9分と立て続けに失点し、差を広げられる。しかし11分、FL中島潤一郎(教2=神奈川・桐蔭学園)がブレイクダウンにプレッシャーをかけ、オフサイドを誘うと、ゴール前で得たラインアウトモールからHO真田稜大(教2=東京・早実)が持ち出し、ゴールラインに迫る。最後はラックサイドに走りこんだSO吉岡麟太朗(スポ3=東京・本郷)がインゴールをこじ開けた。その後はトライを取り合う展開が続く。帝京大Cに追加点を許し、迎えた20分、敵陣10メートルラインで得たマイポールスクラムからフェーズを重ねて前進すると、CTB池本晴人(社1=東京・早実)のオフロードパスを受け取ったWTB三浦哲(文構3=東京・早実)がゲイン。最後は大外のFL西浦剛臣(社3=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)がインゴールを駆け抜け、スコアを10ー28とした。その後、帝京大Cに連続トライを献上するが、前半終了間際にはPR勝矢紘史(スポ2=長崎北陽台)のトライが生まれ、前半を17ー42で終えた。

相手と対峙する三浦

 後半、早大Cは序盤から敵陣に入り込み、猛攻を仕掛ける。9分には相手ゴール前5メートルラインアウトモールからFWでアタックを継続し、最後は真田がインゴールに押し込んだ。スコアを24ー42とし、逆転の兆しを見せた。29分、帝京大Cに自陣ゴール前まで侵入されるが、前半から修正した粘り強く、集中力のあるディフェンスで帝京大Cを無得点に抑える。34分、36分には中島とFL岡村圭悟(スポ3=東京・本郷)がそれぞれロングゲインを見せ、帝京大Cディフェンスを脅かした。ついに39分、敵陣22メートルライン右スクラムを獲得した早大Cはフェーズを重ねたのち、NO・8小池航太郎(商4=東京・早実)からPR後藤良太(文4=埼玉・早大本庄)にパスが渡り、今試合最後のトライを獲得。しかし後半の奮闘は叶わず、31ー42で敗戦となった。

力強いランを見せる岡村

 「前半はチームとしての横のつながりが少なく、個人でプレーしていた感覚があった」と三浦が話すように、アタックのミスが目立ち、主導権を握ることができなかった早大C。しかし、西浦が「後半からは全員がやるべきことを明確にして臨んだ」と語るように、ハーフタイムで劇的な修正を見せ、帝京大Cを無得点で抑えた。今試合で見せた『修正力』は早大Cの収穫であろう。赤黒を目指す選手たちの奮闘に目が離せない。

(記事 村上結太、写真 中村凛々子、瀧田彩音)

コメント

NO・8小池航太郎(商4=東京・早実)ゲームキャプテン

――まず、今日の試合のテーマを教えてください

 ワークし続けることと、先を読んだプレーです。また、アタックではレッグドライブ、ディフェンスでは『1人目と2人目のファイト』ということをテーマに試合に挑みました。

――今試合のチームとしての振り返りをお願いします

 タテヨコつながればトライまで取り切れる一方、個人個人では戦っていても横のつながりがなかった前半20分の失点が大きな反省です。ただ、ハードな練習を通して得たものは通用することを80分を通して感じることができました。

――個人としてはいかがですか

 後半残り20分のきつい時間に足が止まってしまったので、キャプテンとしても個人としても及第点はもらえないかと思います。バックローで出場している限り、一歩踏み出して周りを引っ張る存在であるべきですし、キャプテンとして皆がきつい時間帯にチームを鼓舞する存在であり続けるべきでした。

――これまでの夏合宿での手応えや、成長を感じる点は何ですか

 (手応えとして)チームの状態はとても良いと思います。ハードな練習やスケジュールのなか、弱音を吐かずに互いに追い込み高め合うことができているので、一体感という面では一回り大きくなったと個人的には感じています。また、個人としてはフィットネスが以前よりもついたため、やりたいプレーを余裕を持ってできる状態に近づいた点で成長を感じています。

――最後に、今後の意気込みをお願いします

 コーチの方々や同期・後輩はいつも自分を気にかけてくれています。その期待に応えたと胸を張って言える結果は言わずともわかっているので、うまくやろうとせず泥臭く目の前の練習や試合にコミットしていきます。

FL西浦剛臣(社3=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)

――今日の試合で意識したことは

 今日の試合は7、8月の練習で取り組んできた部分を発揮することを心がけました。試合を通して発揮できた所はありますが、自分たちのミスが多く、満足のいく結果とはなりませんでした。

――前半で細かいミスから失点が生まれましたが、後半にどう修正しましたか

 ミスは多かったですが、自分たちのやろうとしていることを遂行できれば通用すると前半で感じたので、後半からは全員がやるべきことを明確にして臨みました。また、ハーフタイムにミスを極力減らせるようにどのように修正するか話し合いました。

――モールディフェンスの修正点は

 最初のモールでは自分のいた外側が負けてしまいました。そのため、次からは早めに自分がモールに入り、外側から前に出られないように修正しました。また、ラインアウトで競り合うことも忘れないようにしました。

――現時点の夏合宿の収穫を教えてください

 自分としてはFWのセットプレーで成長できたと思います。チームとしてはボールを継続する意識が変わってきたと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 まだまだ多くの課題があるので練習を通して克服していき、いち早くAチームに絡めるように頑張っていきたいと思います。本日は応援ありがとうございました。これからも応援よろしくお願いします。

WTB三浦哲(文構3=東京・早実)

――今日の試合で心がけたことを教えてください

 今日の試合で心がけたことは、ボールを呼び込むということです。スコアにつながる貰い方をできた部分もあったので、次の試合も意識していきたいです。

――前半に細かいミスが多かったことについていかがですか

 前半はチームとしての横のつながりが少なく、個人でプレーしている感覚があったところが良くなかったと思います。

――後半にどう修正しましたか

  横とのつながりやコミュニケーションを増やし、自分たちのアタックを継続させることを意識しました。

――現時点の夏合宿 の収穫を教えてください

  この合宿中ハードな練習を行ってきているので試合の最後までしっかりと走って勝負できるということを実感しました。

――今後に向けて意気込みをお願いします

  今日の試合ではアタックの継続の部分で良いプレーがあったのでそこを伸ばしつつ、チームとしての完成度を上げていけるように頑張ります。

 

夏季オープン戦
早大C スコア 帝京大C
前半 後半 得点 前半 後半
17 14 42
31 合計 42
【得点】▽トライ 吉岡(1T)、西浦(1T)、勝矢(1T)、真田(1T)、後藤(1T)▽ゴール 仲山(2G)、池本

※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
勝矢 紘史 スポ2 長崎北陽台
真田 稜大 教2 東京・早実
下村 勇貴 文3 東京・早実
原田 恒耀 スポ1 福岡・修猷館
小野 史裕 スポ3 東京・本郷
西浦 剛臣 社3 ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール
中島 潤一郎 教2 神奈川・桐蔭学園
◎小池 航太郎 商4 東京・早実
井上 泰志 スポ3 福岡・東筑
10 吉岡 麟太朗 スポ3 東京・本郷
11 三浦 哲 文構3 東京・早実
12 森田 倫太朗 スポ1 兵庫・報徳学園
13 池本 晴人 社1 東京・早実
14 山下 一吹 教2 東京・早実
15 仲山 倫平 法2 ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ
リザーブ
16 山野 裕都 教4 東京・早実
17 後藤 良太 文4 埼玉・早大本庄
18 池田 裕哉 スポ3 東京・明大中野
19 折戸 健介 法3 東京・早実
19’ 折戸 健介 法3 東京・早実
6’ 岡村 圭悟 スポ3 東京・本郷
7’ 宮本 大生 文構4 埼玉・早大本庄
7’ 野島 信太郎 教1 東海大大阪仰星
20 山本 竜大 教2 東京・早実
21 桝谷 連太郎 スポ3 東京・本郷
10’ 鳥海 雄図 教4 東京・早実
22 黒川 和音 人2 茨城・茗渓学園
22’ 足立 慎太郎 人1 大分舞鶴
23 溝井 颯太朗 スポ3 北海道・函館ラサール
23’ 木村 晴 スポ4 北海道・函館ラサール
15’ 池山 昂佑 商1 東京・早実
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)