攻撃の手を緩めずゲームを支配 大差で東大に勝利

ラグビー男子

 体温を超える猛暑の中、早大Cは東大との定期戦に臨んだ。試合開始からコンタクトで確実にゲインし、FL岡村圭悟(スポ3=東京・本郷)が先制トライを挙げ主導権を握る。相手にモールやショートサイドで被点する場面はあったものの、計8トライを奪い50ー12で試合を折り返す。後半も攻めの手を緩めない早大C。終始ボールキャリーで魅せたFB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)や途中出場のフレッシュなメンバーの活躍で得点し、97ー26での快勝となった。

 東大のキックオフから始まった前半。開始早々、コンタクトで相手を圧倒して前進し、ペナルティーを獲得。敵陣ゴール前でのラインアウトモールからショートサイドでディフェンスを押し込み、最後は岡村がインゴールをこじ開けた。勢いに乗った早大Cはグラウンドを横に大きく使い、10分までに3トライを挙げた。しかし、その後の15分、ペナルティーから自陣に侵入されるとモールでゲインラインを押し上げられ、反則を重ねてしまいトライを奪われる。東大の体の大きいFWに苦戦するが、それでも早大は多彩な攻撃で主導権を握り続けた。WTB田尻遥也(文3=埼玉・早大本庄)の70メートル独走やWTB高栁壮史(創理2=東京・早大学院)のディフェンスの穴をつくステップ、福島の大きなスライドを活かしたスワーブでトライを生み出し、50ー12で前半を終えた。

トライを決めるWTB高栁

 後半も早大Cの先制トライからスタート。ペナルティーからクイックで攻撃を再開し、敵陣ゴール前に侵入する。速いテンポで継続し相手ディフェンスを乱すと、再びペナルティーを獲得。NO・8山本竜大(教2=東京・早実)がクイックで持ち出しトライラインを割った。続く5分には岡村、8分には田尻が福島のアシストを生かし、さらに追加点。その後、東大にスクラムからのキックをチェイスされトライを決められるが、早大Cは集中力を切らさず直後にノーホイッスルトライを奪い返す。その後もボールを保持して攻撃を継続し、2トライを追加。34分には途中出場のメンバーが主体となって前に進み、最後はフォローについていたSH平塚英一朗(法1=東京・早実)がボールを受けトライを挙げる。試合終了間際に1トライを返されたが、97ー26と大差で東大に勝利した。

終始、猛烈な攻撃でチームを勢いづけたFB福島

 「アタックのポジショニングとオプションの選択のコミュニケーション」(FL宮本大生ゲームキャプテン、文構4=埼玉・早大本庄)をテーマに掲げ臨んだ本試合。多様な攻撃を仕掛け、大量得点を演出したことは収穫である。しかし、奪われた4トライは全てモール、ショートサイドのディフェンスに起因している。「ゴール前のディフェンスをもう一回気を引き締めて取り組んで行きたい」と岡村が語るように、試合で出た課題を修正しさらなる成長を遂げることができるか。上のチームで活躍すべく、勝負の夏に挑む。

(記事 原旺太、写真 川上璃々、河邨未羽)

コメント

FL宮本大生ゲームキャプテン(文構4=埼玉・早大本庄)

――本日のチームのテーマとそれがどれだけできたかを教えてください

 「アタックのポジショニングとオプションの選択のコミュニケーション」がテーマでした。自分が立つポジションについてコミュニケーションを取ること、それによってアタックのオプションを選択することを意識していました。試合の入りでは体力もあったのでできていましたが、終盤になると疲れてきて声出しが減っていました。

――今日の試合ではゲームキャプテンを務められましたが何を心掛けて試合に臨みましたか

 自分が一番プレーに参加するということを意識しました。タックル、キャリーを一番して体を張って、チームを引っ張ることを心掛けて試合に臨みました。

――東大はどんなチームでしたか

 FWの体が大きくてスクラムもモールも強かったですし、ショートサイドなども強かったので、そこで受け身にならないでむしろ自分たちが喰ってやろうという気持ちでした。フィールドでは相手を超えるプレーをしようと意識していました。

――大量得点で大差をつけて勝ちましたがいかがですか

 今日のテーマであったアタックのコミュニケーションができたからこそ、このスコアになったと思っています。逆に点を取られた場面はFWのモールやショートサイドで、明らかにFWの場面で取られているので、そこは課題として認識して夏に向けて改善していきたいと思います。

――夏合宿に向けて意気込みをお願いします

 今Cチームなので、まず夏でBチーム以上に定着するのが目標です。

FL岡村圭悟(スポ3=東京・本郷)

――今日のご自身のテーマを教えてください

 早くセットすることと、強いコンタクトをテーマにしていました。

――できばえはいかがでしたか

 ディフェンスする機会は少なかったですが、アタックは結構積極的に自分から動けたので良かったと思います。

――トライシーンを振り返っていかがですか

 味方から最後つないでもらってのトライだったので、仲間のおかげが大きかったです。でも、ピックゴーとか自分で見極めることができたので良かったです。

――チーム全体のテーマと、その体現度を教えてください

 チームとしては、早くセットすること、コミュニケーションの部分をテーマにしていました。しかし、FWだとモールのところを取られてしまうなど、こだわったところで取られてしまったので、そこは改善点かなと思います。

――モールサイドのディフェンス、ショートサイドのディフェンスはいかがでしたか

 今日得点されたところはその点なので、FWのこれからの課題になるかなと思います。モールで出されたところやゴール前のディフェンスをもう一回気を引き締めて取り組んで行きたいです。

――夏合宿に向けて意気込みをお願いします

 夏合宿は帝京大など強いチームと試合することが多くなると思うので、そういうところでしっかり自分の力を発揮して、一つずつ上のカテゴリーに上がっていけたらと思います。

FB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)

――本日の自身のテーマを教えてください

 今日のテーマはボールタッチを増やして、ボールを貰う時にマックススピードで貰うことでした。

――ラインブレイクする場面が多かったですが、ボールキャリーについて振り返っていかががでしたか

 体重を減らして、体が軽く、走れるようになりました。しかし、最後に雑になってしまう部分があったので修正していきたいと思います。

――キックオフのファーストレシーバーが多かったのはどのような意図だったのでしょうか

 元々もらう予定はなかったのですが、よくボールのくる場所に自分から立ってキャリーをするように意識しました。

――BK全体としての動きを振り返っていかがでしたか

 外にボールを触れてBKでゲインして、FWを前に出させてあげられたかなと思います。

――夏合宿に向けて意気込みをお願いします

 早くAチームに上がって早稲田の優勝に貢献できるように頑張っていきたいと思います。

 

定期戦
早大C スコア 東大
前半 後半 得点 前半 後半
50 47 12 14
97 合計 26
【得点】▽トライ 岡村(4T)、福島(1T)、田尻(3T)、高栁(2T)、真田(1T)、山本(2T)、桝谷(1T)、平塚(1T)▽ゴール 鳥海(10G)、池山
※得点者は早大のみ記載

田尻遥也(文3=埼玉・早大本庄)

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
後藤 良太 文4 埼玉・早大本庄
真田 稜大 教2 東京・早実
百枝 樹生 スポ3 東京・国学院久我山
小野 史裕 スポ3 東京・本郷
原田 恒耀 スポ1 福岡・修猷館
岡村 圭悟 スポ3 東京・本郷
宮本 大生 文構4 埼玉・早大本庄
山本 竜大 教2 東京・早実
桝谷 連太郎 スポ3 東京・本郷
10 鳥海 雄図 教4 東京・早実
11 田尻 遥也 文3 埼玉・早大本庄
12 森田 倫太朗 スポ1 兵庫・報徳学園
13 池本 晴人 社1 東京・早実
14 高栁 壮史 創理2 東京・早大学院
15 福島 秀法 スポ2 福岡・修猷館
リザーブ
16 山野 裕都 教4 東京・早実
17 杉本 安伊朗 スポ1 東京・国学院久我山
18 新井 瑛大 教1 大阪桐蔭
19 鈴木 大和 国教1 東京・早実
19’ 折戸 健介 法3 東京・早実
20 松下 慶伍 教4 東京・早実
20’ 小池 航太郎 商4 東京・早実
7’ 野島 信太郎 教1 東海大大阪仰星
21 平塚 英一朗 法1 東京・早実
22 池山 昂佑 商1 東京・早実
22’ 谷司 馬人 教2 東京・早実
23 足立 慎太郎 人1 大分舞鶴
23’ 小貫 壮太 教1 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)