早大CDが夏への第一歩! 序盤劣勢も、修正力を見せた

ラグビー男子

 朝から降り続いていた雨が止み、蒸し暑さの残る早大上井草グラウンド。早大CDは日体大CDとの練習試合に臨んだ。序盤、早大CDはミスが続き、自陣に攻め込まれる苦しい展開に。しかし、WTB溝井颯太朗(スポ3=北海道・函館ラサール)のトライをきっかけに流れをつかむと、前半3つのトライを奪う。後半もリザーブ陣の活躍があり、着実に得点を重ねる。日体大CDに大差をつけ48-19でノーサイドとなった。

 早大CDのキックオフで試合は開始。序盤から自陣でのプレーが続き、なかなかマイボールの時間を続けられない。試合が動いたのは前半23分、相手のパスミスに反応した溝井が、続く相手ディフェンスを素早くかわし、インゴール右へ飛び込んだ。このトライを皮切りに流れは早大CDに大きく傾く。30分、左サイドのラックからボールをつなぎ、CTB森田倫太朗(スポ1=兵庫・報徳学園)が中央付近に大きくゲイン。これをアシストしたSO黒川和音(人2=茨城・茗渓学園)がゴールポスト下へ走り、逆転した。さらに前半終了間際にも、自陣からのFB仲山倫平(法2=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)のナイスキックで敵陣右奥でのマイボールラインアウトを獲得。ラックが崩れたところからCTB池本晴人(社1=東京・早実)、WTB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)と大外に回し、最後はNO・8山本竜大(教2=東京・早実)が押し込んだ。3連続トライで日体大CDを突き放し、21-7で前半を終えた。

力強くゲインするNO・8山本

 後半開始早々、日体大CDに先制トライを許してしまうが、その直後の6分、スクラムとラインアウトからペナルティーを奪う。一気に敵陣深くまで攻め込むと、最後はFL岡村圭悟(スポ3=東京・本郷)、山本、福島、FL野島信太郎(教1=東海大大阪仰星)でつなぎ、取り返した。その後も敵陣で相手の反則を誘った早大CDは、ゴール前でのラインアウトを獲得。14分、こぼれたボールを確実につないでCTB田尻遥也(文3=埼玉・早大本庄)がトライ。終始敵陣でプレーし続け、粘り強く得点を重ねた。30分には敵陣ゴール前での相手ボールスクラムからの攻撃をターンオーバーし、SO大賀雅仁(スポ1=神奈川・桐蔭学園)のパスからBK陣の連携でWTB佐々木豪正(文1=東京・早実)へと左大外まで展開。そのまま佐々木が走り切り、日体大CDに大きく差をつけた。この後さらに野島が1トライ加え、最終スコア48ー19と快勝を収めた。

インゴールへ走るWTB佐々木

 最初のトライをきっかけに勢いづき、着実に得点を重ね快勝した早大CD。一方でゲームキャプテンのLO松下慶伍(教4=東京・早実)が、「全てのスクラム、モールのクオリティにまだまだばらつきがある」と振り返るように、夏に向けての課題も見つかった。それを収穫に、選手たちはどのように夏を過ごすか。自身の課題と向き合い、一人一人が精進していく。

(記事 濵嶋彩加、写真 谷口花)

コメント

LO松下慶伍ゲームキャプテン(教4=東京・早実)

――今日のゲームテーマは

 今回は具体的なテーマは掲げていませんでしたが、一人一人が今まで春シーズンを通して出た課題というのを目的として持ち、そこに対してこだわりきって乗り越えようという風に伝えました。

――ゲームキャプテンとしてどのようなことを意識しましたか

 『WASEDA FIRST』というスローガンの通りに自分が率先していくということと、チームが落ちてしまわないように常に声をかけ続けるということを意識していました。

――チーム全体としての出来具合はいかがでしたか

 今週前半にオフがあり調整が難しかった中で、今回勝ち切れたことは大きかったです。

――FW、BK共にフォーカスするといかがですか

 FWは、スクラムでターンオーバーすることができたと思うのですが、全てのスクラム、モールのクオリティにまだまだばらつきがあるので、そこを修正しなければならないと思っています。BKは良いキックとかもあり、FWを助けてくれる場面がありましたね。

――ラストイヤーとなりましたが、4年生の夏をどのように過ごしていきたいですか

 リーダーシップはもちろんのことですが、個人的に赤黒を着ることができるように毎日ハードワークして頑張っていきたいと思います。

HO真田稜大(教2=東京・早実)

――試合を振り返っていかがですか

 今年は、『WASEDA FIRST』を掲げている中で、前半後半、最初受け手に回ってしまいましたが、その後はしっかり自分たちのゲームテーマを遂行できたかなと思います。

――前半自陣に攻め込まれるシーンが多かったと思いますが、その点についていかがですか

 相手がどうこうというより、ほぼ自滅でした。自分たちのミスから攻め込まれていたと思います。今までの試合もそうですが、そこが改善点かなと思います。

――セットプレーについて振り返っていかがですか

 スクラムに関しては、規律の部分であったり、相手との距離間のところで自分たちの組みたいスクラムを体現できない時間がありましたが、レフリーとしっかりコミュニケーションを取りながら修正できた点は良かったのかなと思います。ラインアウトに関しては、テンポの緩急を変えようという部分でサインの出し方は良かったと思います。

――春シーズンを振り返っていかがでしたか

 春シーズンはこれまでで一番成長を感じることができた期間になりました。強度の高い練習も増えたので、プレーだけでなく、精神的な面も鍛えられました。

――夏の期間、個人的に強化したいことは

 ワークレートなど、ボールに絡むプレーを多くして、「こいつがいたら負けない」というように、自分がチームに勢いをもたせられるような存在になりたいです。

WTB溝井颯太朗(スポ3=北海道・函館ラサール)

――今日の試合を全体的に振り返ってみていかがですか

 チームとして勝ち切ることが出来たのは良かったですが、前半と後半の入りでトライを許してしまったところが課題としてあります。

――ご自身のゲインでそのままトライに結んだ場面がありましたね

 ボールを持った瞬間に取り切ってやるという気持ちを持っていたので、外で勝負できたことは良かったと思っています。

――チームとして、個人としてそれぞれ得られた部分はどんなところですか

 個人としての収穫は、自分の持ち味を試合で出すことができたことです。チームとしては、課題でもありますが、最初の入りでやられてしまった部分は次に繋げるための収穫になりましたね。

――ご自身のプレーに点数をつけてみるといかがですか

 70点です。内訳としてはチャレンジできた部分と、外で勝負することが、今回はうまく行ったかなと思います。

――今日から7月ですが、春シーズンは自身にとってどんな春でしたか

 最初はEチームでのトレーニングなどから始まったのですが、そこから試合を重ねる度に、練習をしてることを発揮することの大切さであったり、自分がやってることのコンセプトというものを、練習を積み重ねる上で成果が出てきているなという実感はあります。

――ここからは夏シーズンが始まります。どのように夏を過ごしていきたいですか

 夏合宿とかもこれからありますが、自分自身のプレーの質を落とさないように、さらに上を目指していく、一つ一つ上のカテゴリーに食い込んでいくということを大切にしていきたいと思います。

 

練習試合
早大CD スコア 日体大CD
前半 後半 得点 前半 後半
21 27 12
48 合計 19
【得点】▽トライ 溝井、黒川、山本、野島(2T)、田尻、髙栁、佐々木▽ゴール 黒川(3G)、池山(1G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
後藤 良太 文4 埼玉・早大本庄
16 真田 稜大 教2 東京・早実
百枝 樹生 スポ3 東京・国学院久我山
小野 史裕 スポ3 東京・本郷
松下 慶伍 教4 東京・早実
岡村 圭悟 スポ3 東京・本郷
宮本 大生 文構4 埼玉・早大本庄
山本 竜大 教2 東京・早実
糸瀬 真周 スポ2 福岡・修猷館
10 黒川 和音 人2 茨城・茗溪学園
11 福島 秀法 スポ2 福岡・修猷館
12 森田 倫太朗 スポ1 兵庫・報徳学園
13 池本 晴人 社1 東京・早実
14 溝井 颯太朗 スポ3 北海道・函館ラサール
15 仲山 倫平 法2 ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ
リザーブ
16 山野 裕都 教4 東京・早実
17 杉本 安伊朗 スポ1 東京・国学院久我山
18 竹内 晴 文構1 東京・早実
19 成戸 風太 スポ2 埼玉・川越東
20 原田 恒耀 スポ1 福岡・修猷館
21 鈴木 大和 国境1 東京・早実
22 山下 広一朗 創理2 東京・早大学院
23 野島 信太郎 教1 東海大大阪仰星
24 小池 航太郎 商4 東京・早実
25 桝谷 連太郎 スポ3 東京・本郷
26 大賀 雅仁 スポ1 神奈川・桐蔭学園
27 鳥海 雄図 教4 東京・早実
28 田尻 遥也 文3 埼玉・早大本庄
29 足立 慎太郎 人1 大分舞鶴
30 佐々木 豪正 文1 東京・早実
31 小貫 壮太 教1 東京・早大学院
32 高栁 壮史 創理2 東京・早大学院
33 池山 昂佑 商1 調教・早実
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)