【特別企画】早明対談『Infinity』 第1回 CTB岡﨑颯馬×ロック亀井茜風(明大)

ラグビー男子

 第1回に登場するのは、長崎北陽台高でプレーを共にし、主将、副将としてチームを率いてきたお二人。岡﨑颯馬(スポ3=長崎北陽台)と亀井茜風(明大)の仲良し対談をお送りする。部活動で過ごすだけでなく、U17日本代表にも選出され、苦楽を共にしてきた高校3年間。両校にとって欠かせない、チームの盛り上げ役がこれまでの思い出や早明戦について語り合う。

 

※この取材は12月17日に行われたものです。

 

お互いのこと

――他己紹介をお願いします! 最初にラグビーについてどんな選手かお互いに紹介してください

亀井 岡﨑颯馬の得意なプレーはディフェンスのラインコントロールと、アタックのラインスピードを上げるプレーです。パスやキックも上手くて、CTBに必要なスキルは全て高いレベルでこなすことができます!

岡﨑 亀井選手は見ての通り身長が高くて、ラインアウトを武器にしています。身長が高い中でも低いプレー、低く刺さるタックルが上手いです。あとは試合中よく声を出してチームを盛り上げてくれるイメージがあります!

――お互いにラグビーの面でうらやましい部分はありますか

亀井 僕は颯馬(岡﨑)の横に広く動けるところと、パスを投げられるところ、キックを蹴れるところが本当にうらやましいですね。ほとんど全部ですね(笑)。

岡﨑 恥ずかしいなこれ(笑)。

岡﨑 茜風(亀井)は身長が高いこともありますが、フィットネスがすごくある選手だなと思うので、常に80分間ムラがないプレーをするところがすごいなと思います。

亀井 確かに恥ずかしいなこれ(笑)。

――それでは、性格面についても紹介していただけますか

亀井 颯馬は、男女問わず、人と喋るのが上手いですね。いつも「上手いなあ!」とか「こんな上手く喋れたなら~」と思いますね(笑)。

岡﨑 茜風は人見知りせずに誰とでもコミュニケーションを取れますし、集団の中にいると身長でも目立ちますが、会話の中でも盛り上げることができるムードメーカー的な存在ですね。

亀井 ありがとうございます(笑)。

 

共に過ごした高校時代

――長崎北陽台高時代、お二人の一番思い出に残っているエピソードを教えてください

岡﨑 僕は2年生の夏休みです。高校時代、代表合宿とかに呼ばれた中で、長崎だけじゃなくて菅平とか韓国だとか、常に茜風が同じところにいて、家族よりも一緒に過ごしていた時間が長かったので、思い出かなと思います(笑)。やっぱり日本代表としてもそうですし、九州代表としても一緒に戦えたことが、二人の一番の思い出です。

亀井 一番の思い出というよりかは、北陽台(長崎北陽台)は朝練があったのですが、(岡﨑と)一緒に朝6時半くらいの電車に乗って、朝早い時間から練習やウエイトを一緒にしたことはずっと思い出ですね。

――ちなみに強豪校ですが、練習はやはり厳しかったのですか

岡﨑・亀井 いやあ(笑)。

岡﨑 大学を経験するとそんなにかなって(笑)。

亀井 今思えば全然きつくないですね(笑)。

――長崎北陽台高だけの名物練習などはありますか

亀井 粘り腰とか?

岡﨑 それFWだけやろ(笑)。

亀井 FWだけ2対1で、トライするまでひたすらタックルを受け続けるという練習がありました。それが伝統ですね。

岡﨑 BKもその練習に何人かだけ呼ばれるのですが、僕はいつも呼ばれなかったので、外からいつも「きつそうだな~」って見ていましたね。

亀井 颯馬はこういうの呼ばれないんですよ(笑)。

一同 (笑)。

――主将と副将を務められていましたが、岡﨑選手はどういう主将でしたか

亀井 ずっと高いレベルでパフォーマンスし続けてくれて、プレーで引っ張ってくれます。プレーだけじゃなくて言葉でも引っ張ってくれて、すごく頼りにしていました。あとは一人一人のことをすごく見ていて、「よく見てるな」と当時は思っていましたね。

――逆に岡﨑選手は亀井選手と主将、副将をやってみていかがでしたか

岡﨑 とてもやりやすかったですね。今の明治でもそうだと思うのですが、声を出してすごくチームを盛り上げてくれるので、仲間を鼓舞したり、チームを一つにして良い雰囲気を作るのが本当に上手でした。プレーの面でもラインアウトの時にスティールをよくしてくれましたし、フイールド内外でとても頼りになりました。

亀井 そんなに(岡﨑が)思ってくれているとは、思っていませんでしたね(笑)。あんまり「お前あれ良かったよ」とか言わないので(笑)。

岡﨑 言うわけないやん(笑)。

一同 (笑)。

亀井 照れうれしいですね(笑)。

――仲がとても良いのですね

岡﨑 そうですね、仲は良いですね!

亀井 ハハハ(笑)。

岡﨑 (高校時代は)結構ラグビー部で一緒にいることが多かったですね。理系と文系に分かれていたのですが、文系は男子が少なくて。その中でもラグビー部は文系ばかりだったので、クラスでもずっと一緒で仲良かったのかなと思います。

亀井 仲良かったです!(笑)

岡﨑 (笑)。

――遊びに行ったりはしていたのですか

岡﨑 はい、何人かというよりかは、ほんとにラグビー部全員で遊びに行っていました。海とか行っていましたね。

――長崎のおすすめの場所はありますか

亀井 (笑)。これは隠れスポットなのですが、僕らの高校がある町に中尾城公園というのがあって、そこは眺めが良くて人が少ないので落ち着くことができておすすめです!

岡﨑 僕も同じです!

亀井 (笑)。名所ですね(笑)。

――長崎北陽台高は進学校ということで、勉強と部活動の両立は大変ではなかったのですか

岡﨑 まあ… 大変でした(笑)。

亀井 そうね。

岡﨑 課題とかが毎日出ていて、そういうのをしっかりとやって、定期テスト前に先生に質問してって感じでうまく頑張っていました。

――ちなみに成績は良かったのですか

亀井 颯馬はめちゃくちゃ良かったです! これだけはほんとに(笑)。

岡﨑 いや(笑)。成績が良かったというよりかは、先生とのコミュニケーションが上手かっただけです(笑)。

亀井 とは言っていますが、ラグビー部内での成績順だと、上が颯馬で、あとはみんな低いみたいな感じでした。みんな下に固まっていた中、颯馬は成績が良かったですね(笑)。

――亀井選手はいかがでしたか

亀井 いやあ、あほでしたね(笑)。

岡﨑 でもすごいのが、北陽台に(入学するための)推薦枠があるのですが、それが少ない枠しかないんですよ。一般で入るとなると結構難しいのですが、茜風は自力で一般入試をして入ってきたので、中学の時にすごく勉強したのだなと思うとすごいなと思っています。

――中学からお知り合いなのですね

亀井 そうですね。

岡﨑 県選抜とかで一緒でしたね。小学生のころも対戦相手としてラグビーをしていたので、そのころからずっと知っていますね。

 

長崎北陽台高から唯一選出されたお二人の当時(本人提供)

――U17日本代表に長崎北陽台高からお2人が選出されました。当時の経験について心境をお聞かせください

亀井 まず、僕は選ばれると思っていなかったので選ばれたことへの嬉しさがありました。レベルの高い選手とプレーできたのは今でも思い出です。日の丸を背負って戦うことはあまりないので、今後の自分の自信になりましたし、誇りになるような経験でしたね。

岡﨑 僕は高校に入ってからの一つの目標でもあって、それを達成できたっていう嬉しさがありました。その反面、国を代表して戦うっていう経験は初めてだったので緊張感もあり不安もありました。でも、すごくいい経験ができたなと今になって思います。こうやって茜風だけじゃなくて他の大学とのつながりも増えたので良かったです。

――U17の代表選手で現在も活躍している人が多いと思うのですが、その時に出来た友達と今でも交流はあるのでしょうか

亀井 基本U17のチーム全員仲が良かったので、帝京大の奥井(奥井章仁、帝京大)とか江良(江良颯、帝京大)もよく話しましたし、東海大の谷口(谷口宜顕、東海大)とか今明治大学で一緒の松下(松下潤一郎、明大)だったり、廣瀬(廣瀬雄也、明大)だったりとかいろんな選手がいたので仲良くなれたかなと思います。

岡﨑 僕もそんな感じです(笑)。

 

思い出の地で

――2人の仲で今だから言える話はありますか

亀井 高校の時、颯馬って女子からモテていたんですよ。本当にうらやましいな~と思っていましたね。

一同 (笑)。

岡﨑 僕はないかな。当時から全部話していたので、そんな隠すようなキャラではなかったし(笑)。ないと思います。

――先ほどお二人でもご飯に行くというような話がありましたが、オフの時間があったらお二人でしたいことは

岡﨑 やっぱり地元、長崎で同期と集まりたいなと思います。こっちで集まるのもいいのですが、やっぱり自分たちが育って慣れ親しんだところで…。それでこそ中尾城公園とか(笑)。

亀井 (笑)。

岡﨑 アミューズプラザとかにみんなで行きたいと思いますね。当時やっていたことをもう一度できたらなと思います。

亀井 (笑)。

――亀井選手はいかがですか

亀井 僕は飲み会とかみんなで開けたらいいなと思っています。当時は高校生だったのでお酒を飲めなかったのですが、お酒を飲んだら皆がどうなるのか見てみたい気持ちはあります。

 

「茜風と一緒に出るのが一つの目標だった」(岡﨑)

――意識している選手としてお二人はお互いを挙げていますが、対戦できる時の嬉しさはありますか

亀井 あります。早明戦っていう大きい舞台で、同じ高校の同期と出ることができるっていうのは、なかなかないと思うのでそこは楽しみでした。

岡﨑 こないだの早明戦も国立競技場であるっていうのと、お互いにケガをしているという状況もあってぎりぎりだったと思うのですが、ここで茜風と一緒に出るのが一つの目標でしたし、そこを達成できてうれしく思います。また年内でもう一回対戦できるのはうれしいです。

――お互いに敵として脅威になっている部分はどんなところですか

亀井 僕は颯馬のディフェンスラインのプレッシャーのかけ方だったり、アタックのラインコントロールだったりを意識しています。明治でも「岡﨑うまいな」って言っているのをよく耳にしますし、いきなり攻めてくるディフェンスとかは結構脅威かなと思います。

岡﨑 僕はまずラインアウトで飛ばないでほしいなっていうのが一つあって(笑)。

一同 (笑)。

岡﨑 やっぱりセットプレーはラグビーにとって大事なプレーなので、明治で195センチメートルを超える選手が多くいる中、プレッシャーになっているので飛ばないでほしいなと思います(笑)。あと、茜風はムードメーカーでもあるので茜風が良いプレーをするとチームも盛り上がりますし、極力良いプレーはしないでほしいなと思います。

亀井 (笑)。

 

筑波大戦で相手ディフェンスの突破を図る亀井

――亀井選手にお聞きしたいのですが、下の名前が珍しいなと思っていて… 名前の由来をお聞きしたいです

亀井 両親のどっちがつけたかは覚えていないのですが、僕が6月の夕方に生まれて、茜色の空に風が吹く中で生まれたから『茜の風』で茜風になったというのは聞いたことがあります。

岡﨑  へー。かっこいい!

――下の名前の読み方をよく聞かれたりしませんか

亀井 よく聞かれますね(笑)。

――次にお二人にオフの日の過ごし方についてはいかがですか

岡﨑 僕はとりあえず学校に行って、帰ってきてから映画を見たり見に行ったり、ドライブしに行ったり。誘われるときは外出しますが、一人でリラックスしたいときは家で映画を見ていますね。

――インドア派なのでしょうか

岡﨑 日曜日に出かけたりすると1限にすごく眠くなってしまって。本当は遊びに行きたいのですが、あまり寝ることができないので部屋で過ごすようになってしまっています。

亀井 オフの日は、朝8時半に起きて同期の森山(森山雄太、明大)と松屋に朝ごはんを食べに行って、その後コーヒーを飲むっていう(笑)。コーヒーを飲む自分に酔う時間を最近楽しんでいます。

岡﨑 コーヒー飲めるようになったんだ。

亀井 飲めるようになったよ。コーヒー飲んでる自分が好きやけん。

岡﨑 なるほどね。

――趣味はいかがですか

岡﨑 僕はスポーツ観戦がすごく好きで、バスケとかバレーを見るのが好きです。大学の友達が最近インカレとかに出ていたので、そういう試合を応援していて、面白いなと思います。

亀井 僕は最近趣味がないことが悩みなので趣味を作りたいなと思います。強いて言うなら部屋っことゲームするくらいですかね。

岡﨑 コーヒーじゃないの? コーヒー(笑)。

亀井 コーヒーは趣味って言わないんよ。

岡﨑 あー、まだね。

亀井 いや、コーヒーいうとかっこよくないけん。

一同 (笑)。

 

いざ、早明戦の舞台へ

帝京大戦でボールキャリーするCTB岡﨑

――先日の国立競技場(国立)での早明戦はいかがでしたか

亀井 国立でプレーできるというのが人生で数えるくらいしかない中で緊張しましたし、そこに立てる喜びはとても嬉しかったですね。

岡﨑 国立に立ったのが初めてだったのですごく緊張しましたし、国立での早明戦というのは小さい頃からずっと見ていた中で憧れもありましたし、そこに自分が立っていると思うと、嬉しさもあり、変な感じもしました。

――早稲田も明治もファンの方が多く駆けつけていましたが、その光景を目にしていかがでしたか

亀井 本当にこれだけ多くの方に応援されているのだと実感する部分もありましたし、たくさんメッセージもいただきましたし、とても嬉しかったですよ。

岡﨑  そんなこと言えるようになったんやね(笑)。

亀井  そうだよ。明治に来てからね(笑)。

岡﨑  やっぱり観客が多いとモチベーションも上がりますし、ああいう中でプレーできたのはすごく幸せでした。

――改めて早明戦はどんな舞台ですか

亀井 やっぱり小さい頃から見てきた憧れの舞台というのもありますし、特別な舞台というか、不思議な舞台ですね!

岡﨑  憧れとか、目標とかいろいろあると思うのですが、やっぱりお互いに意地を見せ合う舞台ですね。この間の試合でも帝京大の優勝が決まっていた中でも、あそこまで盛り上がりを見せられるのは、早明戦の良さだという風にも感じています。

――お互いにキャッチコピーをつけてみてください!

岡﨑 うわ~むずい(笑)。

亀井 めっちゃ難しいな(笑)。じゃあ僕から。

岡﨑 はやいな!

亀井 颯馬の強みにラインコントロールばかり言ってきたので、『ラインも女性の心もコントロール』でお願いします!

岡﨑 恥ずかしい(笑)。じゃあ僕は、『明治のエナジー隊長』でお願いします!

亀井 フフ(笑)。

――それでは互いにメッセージをお願いします

亀井 負けたらお互いにシーズンが終わってしまう試合なので、しっかり全力を尽くして、またオフに長崎で会いましょう!

岡﨑 こういう全国の舞台で敵として戦えるというのはめったにないことです。なので、どっちが勝っても負けてもお互いに称賛し合い、健闘をたたえ合えるようにお互いに全力を出して頑張りましょう!

亀井 はい! 頑張りましょう!

――最後に、早明戦への意気込みをお願いします!

亀井 2回目の早明戦ということで、お互いに1回目の対策とかをしてきて、すごい試合になると思うのですが、最後までしっかり走り切って、全力を出し切って、健闘をたたえ合えるような試合にしたいですね!

岡﨑 早稲田としては、去年ここで明治に負けて、今シーズンも今2回明治に負けているので絶対に勝ちたいですし、勝ちにこだわるためのひとつひとつのプレーの熱さであったり、激しさというのにも注目してもらえたらと思います!

 

――ありがとうございました!

 

(取材・編集 川上璃々、谷口花、山田彩愛)

 

早明戦への意気込みを書いていただきました!

◆岡﨑颯馬(おかざき・そうま)(※写真右)

2001(平13)年11月20日生まれ。177センチ。88キロ。長崎北陽台高出身。スポーツ科学部3年。亀井選手から「誰とでもコミュニケーションが取れる」と評されるように、笑顔でフレンドリーな岡﨑選手。強みのラインブレイクで早大のアタックに勢いをもたらし、80分間チームにエナジーを与え続ける姿は必見です!

◆亀井茜風(かめい・せんふう)

2001(平13)年6月12日生まれ。193センチ。110キロ。長崎北陽台高出身。明治大学。政治経済学部3年。セットプレーで勝った時の喜びを爆発させる雄叫びが名物な亀井選手。持ち前の明るさで対談を盛り上げてくださいました。低いタックルと強みのブレイクダウンで、旋風を巻き起こせるか。力強いプレーに注目です!