前半の点差を縮めることができず、慶大Dに敗北

ラグビー男子

 この日の3連戦の最後を飾るのは早大D。直前に行われた関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)と練習試合の慶大C戦に敗北し、3連敗は避けたい早大Dだったが、立ち上がりに奪ったWTB和田遼(社4=埼玉・早大本庄)のトライ以降、なかなか得点できない。相手の前に出るディフェンスに苦戦し、守備ではなかなか自陣から脱出できず、終わってみれば19ー33での敗戦。これで、慶大に同日で3連敗となった。

 何としてでも勝利が欲しい早大Dは、開始30秒からスコアを動かす。相手のキックオフから2度フェーズを重ね、自陣22メートル付近からSO黒川和音(人1=茨城・茗溪学園)が敵陣に向けてキック。そこから相手のカウンターをプロップ川村駿太(法4=北海道・函館ラサール)がタックルで仕留め、ラックからこぼれたボールに素早く反応したSH清水一志(社4=東京・早実)が和田にパス。和田が左端をおよそ50メートル走り抜き、早大Dが幸先よく先制する。しかしその後は反則を重ね自陣深くに押し込まれると、ラインアウトモールを起点に2トライ、アタックランで数的有利を作られ1トライを許した。攻勢に転じたい早大Dは、40分にラインアウトモールからインゴールに迫るもののグラウンディングできず。5ー19で試合を折り返した。

 

左際を走り抜きインゴールに向かうWTB和田

 後半開始早々、早大Dは再びチャンスを迎える。1分、ハーフウェー付近のスクラムを起点に、NO・8勝矢紘史(スポ1=長崎北陽台)、フランカー西浦剛臣(社2=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)、NO・8折戸健介(法2=東京・早実)のゲインで大きなチャンスを作るが、ノットリリースでフィニッシュまで到達できない。だが6分、敵陣左22メートル付近のラックから右に展開。CTB金井奨(人4=群馬・太田)が守備網のギャップを突き、最後は黒川がグラウンディングする。7点差に追い上げた。その後も早大Dのペースで展開するが、ゴールラインの攻防に競り負け得点ならず。すると、流れは相手に渡り、テンポよく得点を奪われ、点差は21に。35分に敵陣5メートル付近から西浦が気迫を見せたトライを挙げるが、追い上げもここまで。19ー33で試合終了となり、勝利を飾ることはできなかった。

 

ゲインするフランカー西浦

 本試合は反則の多さやラックの寄りの速さで相手に上回られ、自分たちのペースで試合を展開できなかったことが結果につながってしまった。だが、勝矢や西浦のラインブレイクなどを起点に、チャンスを演出する場面は多く見られた。『セカンドマン』の速さなど、チームとしてどのように連携を強めていくかが今後への鍵となりそうだ。

 (記事 森田健介、写真 谷口花、戸祭華子)

コメント

CTB金井奨ゲームキャプテン(人4=群馬・太田)

――今日の試合を振り返って

 今日はテーマとして全体では『コミュニケーション』、アタックは『セカンドマンレース』、ディフェンスでは『コアスリー』ということを掲げていました。自分たちの流れでいいアタックやディフェンスができたのですが、セカンドマンで慶應さんより遅くなってしまった部分ではテンポが出なかったり、ターンオーバーされてしまったので、自分たちがやろうとしたことができなかった時に流れが渡ってしまったと思います。

――ゲームキャプテンとして意識した部分はどこでしょうか

 相手が慶應というところで、全員の士気を落とさないように自分が声がけをするというところと、縦の推進力という部分を意識しました。13番というところで、ボールも回ってくるポジションで、そこで自分が前に出てアタックのテンポやスピードを自分が一番体現しようと意識しました。

――最後に今後への意気込みをお願いします

 あと何試合できるか分かりませんが、まだまだチャンスはあると思いますし、特に4年生は残り試合が数少ないので、一個一個の試合や練習を大事にして成長していき、赤黒を最後まで諦めずに頑張っていきたいと思います。

フランカー西浦剛臣(社2=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)

――まず、今日の試合を振り返ってください

 勝たなければいけない相手に、こうして相手のペースにもちこまれて負けてしまい、すごく悔しいです。

――アタックではいいゲインが見られましたが、いかがでしたか

 自分の強みがスピードを持って当たることなので、そこができたのは良かったのですが、返されてしまうところもあったので、そこは修正して全部ゲインできるように頑張ります。

――今日はBKではなく、フランカーでの出場でした

 コーチ陣からFWにチャレンジしてみようという話がきて、やるからにはしっかりこのロック、フランカー、NO・8でアカクロを着れるように頑張ります。

――最後に、今後の意気込みをお願いします。

 一戦一戦勝つということにこだわるのと、自分自身はいち早くFWというポジションに慣れて、赤黒を着れるようにひたすら頑張りたいと思います。

 

ジュニア秋季オープン戦
早大D スコア 慶大D
前半 後半 得点 前半 後半
14 19 14
19 合計 33
【得点】▽トライ 和田、黒川、西浦 ▽ゴール 黒川(2G)、仲山(1G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
川村 駿太 法4 北海道・函館ラサール
武内 陸 法4 埼玉・早大本庄
下村 勇貴 文2 東京・早実
小野 史裕 スポ2 東京・本郷
松下 慶伍 教3 東京・早実
西浦 剛臣 社2 ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール
岡村 圭悟 スポ2 東京・本郷
勝矢 紘史 スポ1 長崎北陽台
清水 一志 社4 東京・早実
10 黒川 和音 人1 茨城・茗渓学園
11 和田 遼 社4 埼玉・早大本庄
12 鳥海 雄図 教3 東京・早実
13 ◎金井 奨 人4 群馬・太田
14 高栁 壮史 創理1 東京・早大学院
15 米重 颯己 スポ4 北海道・函館ラサール
リザーブ
16 渡辺 駿斗 商3 東京・早実
17 大木 裕太 法4 東京・早大学院
18 池田 裕哉 スポ2 東京・明大中野
20 折戸 健介 法2 東京・早実
20′ 山下 広一朗 創理1 東京・早大学院
8′ 玉川 皇一 創理1 東京・青山学院
21 桝谷 連太郎 スポ2 東京・本郷
22 仲山 倫平 法1 ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ
22′ 茂木 陸生 社3 埼玉・早大本庄
23 石田 大貴 社4 埼玉・早大本庄
23′ 溝井 颯太朗 スポ2 北海道・函館ラサール
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)