守勢が続き攻め込めず 慶大Cに大敗

ラグビー男子

 すがすがしく晴れ渡った秋空の下、早大Cは慶大Cとの一戦に臨んだ。前半、自陣から抜け出せず守る時間が続く。攻撃の機会を伺うが、終始慶大ペースで試合は進み2トライを許すと、早大は無得点のまま後半へ。序盤に1トライを返すが、その後は再び攻め込むことができず、7-40で慶大Cに敗北した。

 前半は両校とも思うように攻められない時間が続いた。前半12分、早大がハイタックルを犯し、22メートル陣内に侵入される。ゴール前でFW陣が粘り強く守り、なんとかゴールラインから遠ざけたものの、ノットロールアウェイを取られ早大Cのピンチは続く。そしてこれを起点として慶大FWが決め切り、先制トライを献上した。この後も慶大Cに主導権を握られたまま、自陣に閉じ込められる時間が約15分も続く。早大のミスやブレイクダウンで圧倒されると、何度も危ない場面を迎えた。それでも何とかしのぎ切り、CTB中谷波一土(人2=東京・本郷)のキックでエリアを獲得する場面も見られた。だが前半終盤には、ブレイクダウンの攻防戦でターンオーバーを許すと、慶大Cが再び優勢に。そして自身の反則から慶大に速攻され、インゴールを明け渡した。その直後は久しぶりに敵陣深くまで攻め込んだ早大であったが、チャンスの場面でノックオン。ミスが目立ち、無得点のまま0-14で試合を折り返した。

 

ブレイクするCTB中谷波

 防戦一方だった前半から一転、後半戦ではどうにか攻勢に回りたいところ。だが開始早々キックオフをミスし、このチャンスから慶大にトライを許す。後半7分には、相手のペナルティーから敵陣ゴールライン手前でのラインアウトを獲得。そこから一度は慶大にボールを奪われたものの、相手のミスでボールはインゴールへ。この好機を見逃さなかったSO仲山倫平(法1=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)がボールを抑えつけトライ。仲山はコンバージョンキックも決め、待望の得点が生まれた。だがその後も流れを引き寄せられず、慶大が優位なまま試合は進んだ。中盤以降には自身のミスから苦しい展開を生み、さらに3トライを追加されると7ー40。大差をつけられ敗北し、課題が露呈した一戦となった。

 

相手をかわそうとするSO仲山

 試合を通して守勢が続き、早大らしい攻撃を展開することができなかった。満足のいくような試合内容とはならなかったが、この敗戦から多くの課題が明確化したことは確かだ。一人一人が感じた「自分に足りない部分とは何なのか」という反省点。これを突き詰めていった先に、さらなる強さが待ち受けているはずだろう。「練習を頑張りたい」(中谷波)。ここからはリベンジに向け、ひたすら己を磨くのみだ。

(記事 山田彩愛、写真 千北佳英、森田健介)

コメント

ロック江島航ゲームキャプテン(法4=早稲田渋谷シンガポール)

――今日の試合を振り返って

 慶應さんはディフェンスが良くて、ブレイクダウンも強いということはわかっていたのですが、それに圧倒されてしまって自分たちのアタックができませんでした。それで最終的に点差が結構開いてしまったのかなと思っています。

――ブレイクダウンの話が出ましたが、ターンオーバーされる場面も多かったブレイクダウンについて詳しく振り返っていただけますか

 慶應さんがブレイクダウンが強いということがわかっていたので、チームとしてもブレイクダウンに入るスピードや、1人ワンキルすることを意識するようにはしていました。そこにフォーカスすると決めていたのですが、それがなかなか思うようにいかなくて結局ブレイクダウンでプレッシャーを受けてしまって、良いボールがでなくて良いアタックができませんでした。ブレイクダウンについては総合的に負けてしまったのかなと思っています。

――ディフェンスの時間が長かったですが、ディフェンスについて評価していただけますか

 前半は自陣でディフェンスをしていて、そこを2トライを抑えられたのは良かったのかなと思います。ですが、自分たちのペナルティーで相手にボールを渡してしまったので、その反則が攻撃の機会がなかったことと、ディフェンスすることにつながってしまったのかなと思います。

――ミスが多かった中で、ゲーム中にチームでどんな話をされていましたか

 チーム全体で反則しないようにっていうことで、「ディシプリン」というコールをかけていました。それでもミスがなかなか減らなかったのと、僕たちがタックルに入ったあとに、ノットロールアウェイを取らせるような動きを慶応さんがしてきて、そのブレイクダウンでの上手さに対応できなかったです。まずは1対1で負けないようにしようという話はしていましたね。

――課題がたくさん上がった中で、今一番早急に改善に取り組まなければいけない課題点は何ですか

 まず1対1でのコンタクトです。もし体の大きさで負けていて1対1で勝てないのであれば、2対1のシチュエーションを頑張って作ることです。そのために良いセットをすることや低いタックルをすること、要するに体を張る部分を改善していきたいです。その部分が今日はゲームの中でも慶応さんに劣っていたので、負けてしまったのかなと思います。

――次への意気込みをお願いします!

 このような防戦一方の試合というのはプレーする僕たちも辛いですし、こういうラグビーをするために(早大ラグビー部に)入ったわけではないので。そうならないために、しっかり体を張ってボールを取り返して、さらに反則をせずに僕たちらしいアタックができるようにそういうラグビーをしていきたいです。

プロップ後藤良太(文3=東京・早大本庄)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 前半自陣での攻防がきつかったですが、それでも2トライに抑えることができたのは良かったです。しかし、ペナルティーが多かった印象と相手陣地に行けなかったという点は改善しないといけないところです。

――セットプレーについて振り返っていかがでしたか

 スクラムは、ヒットで受けてしまった印象があり、そこはヒットで前に出て8人で固まって押せるようにしないといけないと思います。ラインアウトはサインの共有ができていないのが反省点ですが、制度はまあまあよかったと思います。モールは押せそうな場面でノックオンしてしまったり、後ろに出してしまったりして最後取りきれないのがもったいないなと思いました。

――ディフェンスの時間が続きましたが、ゴール前のFWのディフェンスについてはいかがでしたか

 前に出て止めることはできていましたが、もっと足を使ってドライブして相手の方に倒してターンオーバーしたいと思います。

――ご自身で手応えを感じた部分はありましたか

 タックルは上手く行った時と上手くいかなかった時がありましたが、前よりはコンタクトの強度が出せたかなと思います。

――次の試合に向けて意気込みをお願いします

 今日の試合は負けてしまってディフェンスばかりで、自分達のアタックができませんでした。なので、自分達のアタックやディフェンスでのターンオーバーができるように練習でやっていきたいと思います。

CTB中谷波一土(人2=東京・本郷)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 今日の試合は自陣で脱出すること、ゲームをしっかり切ることができなかったこと、中盤での慶應さんの激しいブレイクダウンに圧をかけられ、自分たちが試合前にターゲットとしていた「継続」ができず、厳しいゲームになりました。

――BKとして苦しい時間帯にどのような声がけを行っていましたか

 ディフェンスで我慢という声がけはしていましたが、BKでボールを下げてタックルを受ける場面が見られたので、後半からは強いポジションを意識しようと話しました。

――収穫をあげるとすればどの部分でしょうか

 敵陣に入ったら自分たちの継続で取り切れることが分かったので、どのように敵陣に入っていくかを話し合い、修正していきたいと思います。

――最後に今後への意気込みをお願いします

 僕自身は今週ケガから復帰したので、がむしゃらに体を張るということを意識しましたが、ここからさらにシニアに上がり、大学選手権(全国大学選手権)も始まるのでそこでメンバーに入れるように、また来週から練習を頑張りたいです。

 

ジュニア秋季オープン戦
早大C スコア 慶大C
前半 後半 得点 前半 後半
14 26
合計 40
【得点】▽トライ 仲山 ▽ゴール 仲山(1G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
後藤 良太 文3 埼玉・早大本庄
佐々木 柊 スポ2 東京・本郷
門脇 浩志 スポ2 神奈川・桐蔭学園
◎江島 航 法4 北海道・函館ラサール
若松 泰佑 文構3 東京・早実
中島 潤一郎 教1 神奈川・桐蔭学園
深堀 雅聡 スポ2 福岡・東筑
永井 新之助 スポ2 東京・早実
清水 翔大 文2 東京・早実
10 金子 礼人 法1 福岡・西南学院
11 三浦 哲 文構2 東京・早実
12 中谷 波一土 人2 東京・本郷
13 吉岡 麟太朗 スポ2 東京・本郷
14 鈴木 陽結 政経3 東京・早大学院
15 五十嵐 心之介 社3 埼玉・早大本庄
リザーブ
16 真田 稜大 教1 東京・早実
17 大木 裕太 法4 東京・早大学院
18 下村 勇貴 文2 東京・早実
4´ 小野 史裕 スポ2 東京・本郷
19 萩原 武大 スポ1 茨城・茗渓学園
20 山本 竜大 教1 東京・早実
7′ 岡村 圭悟 スポ2 東京・本郷
21 糸瀬 真周 スポ1 福岡・修猷館
22 仲山 倫平 法1 ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ
22′ 鳥海 雄図 教3 東京・早実
23 高栁 壮史 創理1 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)