【特集】学生スタッフ特集『Be the best』【第2回】鈴木大世副務×SO茂木陸生副務×MG石橋華子×MG釜澤梨乃

ラグビー男子

 早大入学前に見た全国大学選手権(大学選手権)優勝の瞬間、あの日の『荒ぶる』が彼らの心を揺さぶった。第2回は、副務の鈴木大世(基理3=東京・玉川学園)、茂木陸生(社3=埼玉・早大本庄)と3年マネジャーの石橋華子(政経3=東京女学館)、釜澤梨乃(政経3=青森・八戸)の対談だ。裏でチームをサポートする4人は、部の運営に必要不可欠な存在。そんな4人に幅広くお話を伺った。

※この取材は7月29日に行われたものです。

尊敬し合う関係

終始和やかに対談をする4人

――他己紹介をそれぞれ一言でお願いします。まずは鈴木さんについていかがですか

茂木 大世(鈴木)はとてもしっかりしています。仕事のミスもほとんどないので信頼しています。

石橋 細かいところまで気づくことができる人だなと思います。詳細までこだわってやってくれています。

釜澤 頼れる存在で、ザ・副務という感じがします。

――茂木さんについてはいかがですか

鈴木 とても真面目で、常に何事にも一生懸命です。

石橋 すべてに関して一生懸命で、優しくて、包容力のある方です。

釜澤 優しくて気配りができる人だなと思います。

――石橋さんについてはいかがですか

鈴木 茂木と同じで何事にも一生懸命で、責任感があって明るい方だなと思います。

茂木 明るいですね。仕事熱心で、後輩の面倒見も良いです。

釜澤  引きずらないというか、メリハリがあるところがとてもいいなと思っています。あとは明るくて、すごく優しいです。

――釜澤さんについてはいかがですか

鈴木 とても気さくで、広報に関しても一生懸命やってくれています。

茂木 話しやすくて、選手とかからも親しみやすいというか、そういう印象があります。広報活動も頑張ってくれていて、早稲田の魅力を広げてくれているという面ではとても助かっています。

石橋 ラグビー部の仕事に関して一生懸命で頼れる同期です。明るくてすごく親しみやすいです。

釜澤 ありがとうございます(笑)。

――ラグビー蹴球部に入部を決めた理由を聞かせてください

鈴木 僕は高校でラグビーを引退しようと思っていたのですが、テレビで直人さん(齋藤直人、令元スポ卒=現サントリーサンゴリアス)の代を見ていて、対抗戦(関東大学対抗戦)は準優勝で、大学選手権で優勝するというたった1ヶ月しかない中で、こんなに人として変われるんだなというのが僕にとってすごく魅力で、早稲田の部活に入って理由を知りたかったというのもありますし、自分もそういう短期間で変われる人になりたいと思ったので入部しました。

茂木 僕は附属の出身で、元々ラグビーは続けたいなと思っていたのですが、その中でサークルとかで楽しくやるよりも、本気で日本一を目指す集団に入って真面目に成長していくというところと、日本一をとりたいと思ったので、入部を決めました。

石橋  私は、直人さんの代の『荒ぶる』を国立(国立競技場)で直接みていました。日本一に輝いて、部員全員が一つの輪になって『荒ぶる』を歌っているのを見て、すごく感動しましたし、私もその一員になりたいと思ったのと、大学4年間を通して日本一という目標に向かっていける環境というのはなかなかないと思うので、その環境に自分も入りたいという思いで入部しました。

釜澤 私もその時の日本一になる瞬間を、テレビで見ていて、かっこいいなという純粋な憧れがありました。日本一を目指す環境に自分が身を置くことができるかもしれないと思った時に、やっぱり大学4年間日本一に向けて全うしたいなという気持ちがあったので、入部を決めました。

――実際に入部してみて抱いた印象はありましたか

釜澤 アシックスのサプライをもらったときにびっくりしました。本当にいろいろなところから支えてもらっているのだなと実感しました。

石橋 チケットなどの会計を担当しているのですが、いろいろな人から寄付を頂いていたりだとか、チケットの受付に立っていると、「今日は北海道から見に来たんだよ」というように遠くからいらしてくれるファンの方もいますし、保護者だけでなくOBを含め幅広い年齢層の方が応援に来てくれていて、そういう方々がいるからこそ、皆が全力で日本一に輝こうと思えているのだなというのを入部してからすごく感じました。

茂木 選手の立場からすると、やはりレベルが高いなというのはありました。高校までは感じられなかったような志を高く持つ選手がたくさんいて、あとは、浪人生であったりいろいろなバックグラウンドを持つ選手もいて、そういう人たちと触れることができるのはなかなかない機会だなと思いました。

鈴木 僕も選手目線だと、もちろんレベルが高いというのもありますが、練習ごとにもコミュニケーションの量というのはすごく多くて、これだから常に成長できて、日本一を獲れたんだなというのは感じましたね。

「部とファンの方をつなげる役目」(石橋)

マネジャーのやりがいを話す石橋

――副務とマネジャー、それぞれの仕事内容を教えてください

釜澤 マネジャー業務は一人一職というか、みんなで幅広く仕事するのではなく、専門業務があります。その中で私は広報活動をメインでやっていて、あとは北風祭や夏合宿などのイベント業務を担当しています。フィールド上で戦う選手たちとは違って、広報活動はSNSというツールを通じてファンの方々とつながるので、どう発信していくべきかを考えたり、企画を立てて進めていくというのがざっくりとした広報活動の話です。北風祭などのイベントも限られた時間の中でいろいろな企画をしてというように、単発ですがしっかりとした準備が必要で、きちんと段取りをしないと最後終わっちゃうみたいな仕事をこなしながら、広報活動をやっています。

石橋 私の仕事は主に2つあって、会計業務という部の運営をするにあたってかかる費用を担当しています。その際に目にするのが、先ほど言ったような寄付であったりするので、多くの人に支えられているなというのを実感できる業務であると思います。また、お金の面なので総務や監督の方たちと話し合いながら進めることが多い業務となっています。加えて、チケット関連の仕事もしています。部員関係者やOBの方は対校戦や大学選手権とかのチケットを、部を通して購入していただくことができるのですが、その手配をしたりなど、これから秋シーズンに入る前に始まる業務となっています。

茂木 僕は選手のメンバー表管理であったり、グラウンドでより良い環境で練習ができるようにコーチ陣とコミュニケーションを取ったり、いろいろなことを調整しています。あとは選手と兼任してプレーもしています。

鈴木 グラウンド内のことを茂木がやってくれて、グラウンド外のことを僕がやるというように(役割が)分けられています。僕は試合運営をしていますし、アシックスとのコミュニケーションも基本的に僕が担当しています。

――それぞれ担当業務のどんなところにやりがいを感じられていますか

釜澤 私は、純粋にフォロワーが増えたり、いいねの数が増えたりするとやった~と思うかな(笑)。マネジャー業務は、部のためにはなっていますが、可視化されにくいというか、選手のようにやればやった分だけ強くなって赤黒を着るという明確なものがないので、(自分たちの)やったことが誰かのためになっているけど目には見えないものだと思います。その中で広報活動は唯一と言っていいほど目に見えるので、そこが私はモチベーションになってるかな。

石橋 本当にマネジャーは裏で支えるというか、基本マネ部屋(マネジャー部屋)で作業しているので選手からも作業しているのを見られないことが多いです。やりがいを感じるのは、裏で支えてくれている総務の方たちが私たちの頑張りを認めてくれて「マネジャーがいるからここまでスムーズに試合が行われている」とかそういう励ましの言葉が、「私が頑張っていることは本当に部のためになってるんだな」と感じられる場面でもあります。あと、ファンの方々との関わりがここ最近になって北風祭とかで増えたのですが、昨年まではコロナ禍もありマネジャーがブースに立った時にしか関われないという環境だったので、ファンの方々から「本当に応援しているよ」とか色々な言葉をかけてもらえることで、私が業務を頑張ってきてここに立てているからこそ、部とファンの方をつなげられる役目としてなっていたのかなとは感じられます。

茂木 僕はこれといったやりがいは感じられていないのですが、『荒ぶる』をとるための副務だと思っているので、日本一になった瞬間にやりがいを感じられるように今の仕事をしっかりやるべきだという感覚ではあります。

鈴木 僕は試合運営をして、その時に勝ったりするとちょっとでも選手のコンディションを作るために仕事ができたのかなとか、考えたりして、やって良かったなというやりがいは感じます。

――業務の中で一番大変だった仕事は何ですか

鈴木 僕は選手のアシックスのサプライを決めるのはすごく大変でした。1個のやつで2、300枚頼んでそれを振り分けるのは本当に大変でした。あとは、やっぱり遠征に行くときの新幹線やバスを決めるのも大変ですね。

茂木 僕はコーチ陣から頼まれる仕事が基本的には大変です。

――茂木さんはやはり選手と副務という立場で難しさを感じますか

茂木 そうですね、選手をやっている以上は。自分がメンバー表を管理しているのですが、変動とかも先に見なきゃいけないですし、でも逆に、コーチ陣の一番近くにいることによって、今チームが何をしたいのか、何をつくっていきたいのかというところが、他の選手よりも先に分かるというのは一つのメリットかなと思うので、それを自分がグラウンドで他の選手に還元できるようにプレーすることを心がけるようにしています。

石橋 一つの業務で大変だなと思うよりも、最近は春シーズンを通して「やり切った。ほんと大変だったね。」ってマネジャー内で話すことの方が多いかなと思います。会計はマネジャー部署で完結することではなくて、もちろん監督やコーチ陣から頼まれたり、他の部署や選手から頼まれたりする業務なのでそこのコミュニケーションとかで、急遽対応することが多くあるので、予測していた通りにいかないことがあります。その対応に追われることが一番大変かなと思います。

鈴木  間違いない(笑)。

釜澤 以下同文です。3年生の春シーズンは上級生になったので、持ち仕事が増えながら頼まれる仕事に対応しなければいけないという責任がありました。広報活動やイヤーブック、試合運営など、ずっといろいろなところに気を張らないといけない春シーズンでしたし、とりあえず一つ一つこなしていくしかないというのが本当に大変でした。

石橋 試合シーズンだとね。試合運営だと自分の持っている仕事以上のものが降ってきちゃうからね。

鈴木 (笑)。

釜澤 (石橋は)会計だけど北海道に行くとか。いろいろ予測できないことが起きるよね(笑)。でもそれをちゃんとこなせているから今ここにいるので大丈夫です。安心してください。

一同 (笑)。

――その大変な業務をこなす中で、皆さんのリフレッシュ方法はいかがですか

鈴木 リフレッシュ方法…。

――特に鈴木さんは基幹理工学部で勉強との両立が大変だと思うのですがいかがですか

鈴木 勉強との両立…。そうですね、僕は基本時にオフの日は寮にいないようにしてすぐ外に出て、21時くらいまで勉強して帰ってくるみたいな感じで完全にオンとオフをなるべく切り替えるようにはしています。リフレッシュ方法は寝ますね。

――主務さんと一緒でした

一同 (笑)。

鈴木 多分あの人ほどは寝てないです(笑)。

茂木 リフレッシュ… 僕はマネ部屋に行くことですかね(笑)。

石橋・釜澤 おおー! 嬉しい。

鈴木 好感度がすごいな(笑)。

茂木 まあ冗談ぽく言いましたが、ここ2人(石橋と釜澤)は同期ですし、いろいろな話を聞いてくれるのでそういうリフレッシュもありつつ、体を休めたいときはサウナに行きます。

石橋 私はオフの時でも結構メールやラインのやり取りがあるので(笑)。オフの日にリフレッシュというよりは、その日にやることを全部終えてちょっとマネ部屋で話したりとかする時間でリフレッシュを無意識のうちにしているのかなと思います。

釜澤 私は部外の友達と遊んだり、喋ったり。部の人といるのももちろん楽しいですが、それ以外の人たちと全然関係のない話をしたり、ばーっと話したりしてスッキリするみたいなのがリフレッシュ方法かもしれない。

――逆に最近、楽しかった仕事や達成感を感じた仕事はありますか

釜澤 インスタの投稿にいいねがたくさん来た時です。やっぱりやった分だけいいね来ますし、この春には1000人くらいフォロワーが増えました。あと、今年から監督が試合で一番活躍した選手を選ぶというピックアッププレーヤー(PUP)の企画をしています。試合の時に「今日PUP選ばれるために頑張った」みたいな声を聞くと、微力ながら自分が企画したものが選手たちのモチベーションになっているのかなと思うと、やっていて良かったな、楽しいなと思います。

茂木 あれ、めっちゃいいです。

釜澤 イエーイ。

茂木 絶対試合あると選手の中で話にあがるので。

釜澤 でもあれだよね。今回俺選ばれるって言って選ばれないこともあるよね。

一同  (笑)。

石橋 それはしょうがない。 

茂木 それはうぬぼれなんで(笑)。

鈴木 僕は試合運営が結構達成感ありますね。外部のコミュニケーションを全部取って試合が勝って終わるという流れはとても達成感があります。なので、結構最近試合運営は好きですね、楽しいです。

釜澤 (鈴木は)やり取りとかも早くやってくれるから本当に助かっています。

茂木 僕は北風祭で企画を一つ持っていたのですが、企画したものを楽しんでもらえたのもそうですし、北風祭自体楽しかったので達成感はありました。

石橋 試合でファンの方に会えるのもうれしいことではあるのですが、最近、身近で感じた達成感は、部を運営している以上財政が圧迫される時があるんですよ。そうした場合、いろいろ申請とかをしてどうにかする必要があるのですが、なかなかうまくいかない時期があって。それがやっと今月、潤いました。

一同  (笑)。

石橋 潤ったことが頑張ったってなりました(笑)。

釜澤 潤いました。石橋のおかげで(笑)。

「緊張感を持ち続けることが大切」(釜澤)

試合時に選手の写真撮影をする釜澤

――入学前と比較して自分の成長した点を教えてください

石橋 部で完結するものではなくて、ファンの方や大人の方々が多く関わって成り立っているので、特にマネジャーはそういう方たちと話す機会が多くて。私は元々帰国子女なので、敬語とかメール文面の作成が本当に不得意だったのですが、この部に入ってそういう方々と関わっていく中で、大人の人たちと話す力は身についたかなと思います。

茂木 確かに僕もスタッフとしてはまだ1年生なのですが、大人の方々とやり取りをすることで社会性というか、今後活きるんだろうなという能力がいろいろ身についているとは思います。

鈴木 僕もスタッフの1年生として5カ月くらいやってきて、大人の方々との会話というのがとても多い中で社会性も身についたと思うのですが、視野を広く持つというのはすごく成長できたかなと思います。選手の食事や移動手段を決める上で、こっちはこういう事を求めているけど、あっちはこういう事を求めているという、いろいろな情報を処理する能力は僕の中でちょっと成長したかなと思います。

釜澤 入部前の自分と入部してからの自分で性格が変わりました。昔は心配性でいろいろ細かいことを気にしがちだったのですが、入部して多忙の中でいろいろな業務を乗り越えてきたので、いろいろな事をなせるようになったなというふうに思います。そこが成長した部分なのかな。一つのことに固執するのではなくて、多方面から来た仕事を淡々と処理するときもあれば、力を入れて処理するときもあります。そういう処理能力は(ラグビー部への)入部をきっかけについたかなと思います。

――業務をする上で各自大切にしていることは

茂木 大世がさっき言っていたのですが、視野を広くというところで、基本的には選手目線に立ってこういう時はこうした方がいいなとか、自分も選手なのでこういうところ不安だなと思ったら、同じこと思っている人いないかなとかそういう部分で選手になるべく負担がかからないように普段過ごすようには意識しています。

石橋 私はどんな時でも、どんな仕事でもこれでいいやってあきらめないで全力で行うことを意識しています。例えばブースでファンの方にチケットを渡すときに100人いて99人に笑顔で渡しても、一人に不愛想に渡したらその人の早稲田のイメージが悪くなってしまうので絶対どんな時でも笑顔で渡すっていうのを心がけています。会計は1円ずらしたらそれだけで信頼を失うことになるので、どんな時でも会計やチケットに限らず、試合運営に関しても手を抜かずに100パーセントの力で仕事を行うようにしています。

釜澤 入部した時の4年生のマネジャーの先輩から「(私たちの業務は)勝てる要因にはならなくても負ける要因にはなってしまう」というふうに言われて、プレーするわけではないのでトライを決めて5点、キックを決めて2点と目に見える貢献ができないんです。例えば、試合準備で何かを忘れるとそれが試合の結果に影響を及ぼすかもしれない、何かやらかしてしまうとチームにとっては負けにつながってしまうというような責任感が伴うなと思っているので、緊張感を持ち続けることが大切ですし、常に気を抜けないなと思います。

鈴木 僕も梨乃(釜澤)と一緒で、僕が副務になって1カ月たったぐらいで総務の方とお話する機会があった時に、「マネジャーと主副務は環境づくりのためにこの部に存在してるんだよ」と言われて、なるほどなってすごく納得して、今でもその言葉を覚えています。それを常に念頭に置きながら日本一の環境づくりというのを意識して仕事するようにしています。

「より組織として戦うチーム」(茂木)

選手と兼任しながら副務を務めるSO茂木

――チーム相良の印象はいかがですか

鈴木 コートの端から端までよくボールが回っていると感じています。昨年と展開ラグビーというのは変わらないのですが、よくボールが動いていて、相手を散らすことができているのではないかと感じています。

茂木 昨年、大学選手権(全国大学選手権)の初戦で負けてしまった悔しさをみんながベースに持っている中で、タレントに頼ったチームではなくて、より組織として戦うチームであると思っています。

石橋 組織として戦うという意味で、スタッフ目線になってしまうのですが、昨年より部署間の壁がなくなったのではないかと感じています。学年関係なく、部署を超えたコミュニケーションを取りながら、スタッフというチームとして、早稲田ラグビーを日本一にしようという気持ちがちゃんと一人一人にあるという感じがします。

釜澤 茂木も言った通りで、昨年は年も越せずに負けてしまったという悔しさを選手だけではなくスタッフも全員が持っていて、その悔しさを今年も繰り返さないという強い信念があると感じています。試合運営などをしている中で、様々な部署がきっちり(それぞれの業務を)やっているのを見て、昨年とはまた違った緊張感が毎試合走っているというふうに感じています。

――3年生間の雰囲気はいかがですか

釜澤 誕生日プレゼント交換してますよ。自分達の学年がスタッフで唯一やってます。特段仲良くしようというわけでもないのですが、結構仲良いというか、自然と。

石橋 誕生日プレゼントもやるし、(スタッフ間だと)同期でご飯行ったりもするよね。コロナ禍というのもあって(プレイヤーも含め)学年全体で遊んだりとかはないのですが、会ったら普通に話するよね。

鈴木 うん、仲はすごく良いよね。

石橋 スタッフはすごく良いです。みんながちゃんと仲良いよね。

――選手間はいかがですか

茂木 1年生の時はちょうどコロナで、寮生と外勤生がすごく接する機会がなくて、仲良くなる場面がなかったのですが、2年以上一緒に時を過ごしてきて、普通に喋りますし仲良いと思います。

鈴木 仲良いと思います。

一同 (笑)。

石橋 言わざるを得ないみたいになってるやん(笑)。

――今シーズン期待している選手、注目してほしい選手は

鈴木 僕は、粟飯原(謙、スポ1=神奈川・桐蔭学園)と金子(礼人、法1=福岡・西南学院)です。

釜澤 結構ガチだね(笑)。

茂木 個人名出てくると思わなかった。

石橋 私も個人名だよ。

鈴木 粟飯原はAチームでも(試合に)出ていて、すごくハードタックラーだし、ブレイクダウンもめちゃくちゃ激しいし、ザ・仕事人という感じですね。金子は、普通にすごく上手で、将来めちゃくちゃ強くなるんだろうなという楽しみもありますし、今も試合で活躍している場面も多くあって、見ていて楽しい選手です。

茂木 僕は3年生ですね。上のチームで活躍している3年生はもちろん、ジュニアでも、(3年生は)人数が多いというのもあって、3年生がチームに与える影響はすごく大きいと思うので、赤黒を着て戦う選手を下のチームとして応援するのももちろん、自分はそれに負けないように日々精進していきたいなと思います。

釜澤 私も3年生です。マネジャーはグラウンドに出ないので、誰がどのカテゴリーで出るというのはメンバー表でしか追えなくて、(その時に)この選手はこのカテゴリーで出てるんだという気づきがあるという感じなんです。1、2年生の頃はなかなか上のカテゴリーに上がってこれなかった選手が最近A、Bに食い込んできたりするのを見たときに、すごい頑張っているなと、同期なので頑張ってほしいなとそのメンバー表を見て密かに応援しています。カテゴリー問わず3年生ですね。

石橋 私も同期です。さっき梨乃も言っていたように、私たちは毎日練習風景を見ているわけではなくて、ちょっと外に出たときに練習を頑張っている姿や試合に出ている姿を見るという感じなのですが、毎日上井草で誰かしらにすれ違って練習終わりの選手とかを見ていると、誰もが妥協していなくて、全力で目標に向かって頑張っているなと感じています。さっき梨乃が1、2年生の時はそこまで試合に出ていなかった選手も今は試合で大活躍していたりするので、密かに応援して、心の中で頑張れ!って毎日言っています。

鈴木 さっき個人名にするって言ってたじゃん。

石橋 個人名にするかめっちゃ迷って3年生にした。

茂木 個人名にしなくて大丈夫?

鈴木 ちなみに個人名だと誰なの。

石橋 個人だったら副将の紘さん(吉村紘、スポ4=東福岡)。休日もトレーニングを頑張っていて、食事などにもこだわりを持ってやっていて、チームのためにという思いが強い選手だなと思うので、個人だったら紘さん。でも、3年生です。

一同 (笑)。

共に『日本一』へ

副務としてチームを支える鈴木

――皆さんが思うラグビーの魅力はどんなところにありますか

鈴木 団体競技ということもあって、その中で人数も一番多い15人でスポーツをするというところも魅力的ですし、15人全員が頑張らないと勝てないという、つながりの部分はすごく魅力的だなと思います。

茂木 僕は、ラグビーは誰にでも出来るポジションがあるとよく言われるのですが、そこが魅力だと思っています。僕は結構小さい方なのですが、それでも務められるポジションがあるし、大きい人は大きい人で体を張るというポジションがあります。あと、誰でも始められるというところもひとつ魅力的だなと思いますし、あとは人を感動させられるスポーツだと思うので、もっと日本中にラグビーが広まってくれれば嬉しいなと思います。

石橋 私は見る側からになってしまうのですが、練習とかを間近で見ていて思うのは、一つのスキルだけでなく、いろいろな技術が必要で、最後まで何が起こるかわからないというのがラグビーの魅力だと思います。また、15人でいろいろな才能であったり、技術とかを結集した部分が一つになってチームとして対戦できるのが魅力だと思います。

釜澤 ラグビーは防具もなく、自分の身体ひとつであんなに力強く果敢に戦う選手たちの姿が魅力ですし、そこに心揺さぶられますね。

――今年度のチームのアピールポイントはいかがですか

釜澤 広報です。フォロワー数をただ増やすのではなくて、ファンの人を増やすという意味で広報を頑張っています。ラグビーのファン層は大人が多くて、私のイメージだと早慶野球とかは学生が盛り上がっているイメージがあるのですが、ラグビーはあまり学生がきているイメージが無くて。学生ファン獲得のためにも頑張っているので、広報に注目してほしいと思っています。

茂木 僕は、組織で勝つというところで、組織力が必要となるディフェンスは伝統としてもあるし、こだわりを持って今年も練習していくと思うので、ディフェンスに注目してほしいです。

鈴木 もちろんディフェンスもそうなのですが、今年はアタックにも注目してほしいです。(今年は)ボールがダイナミックに動くというか、どんどん展開されていって相手の攻撃を止める、そういうラグビーをやっているので、それはすごく魅力的だし、見ていてすごく面白いラグビーだと思います。

石橋 チーム全員がこだわりを持って今年取り組んでいるなと思います。もちろん選手だったらプレーのこだわり、スタッフだったら業務へのこだわりを持ってやっていて、日本一に向けて頑張っているので、その日本一に輝く姿に向かって頑張っているところを、早稲田のファンのみならず全員に、一人一人が目標に向かって頑張っている姿を見てほしいと思います。

――最後に今シーズンの意気込みをお願いします!

鈴木 毎年早稲田が目標にしている『荒ぶる』といったところを全員が意識してやっているので、去年は大学選手権の初戦で負けてしまった悔しさがあるので、やはり『荒ぶる』を取りに行くというのが今年の目標です。

茂木 昨シーズンは、春シーズンも合宿もすごく勝ちが多くて調子が良かったのですが、大学選手権は上に進めなかったということで、とにかく最後の結果が全てなので、日本一を目指す中で、結果にこだわってやっていきたいと思います。

石橋 私としても、大学選手権の初戦で負けると思っていなくて。それまでの成績が良かったというのもあるのですが、次の試合ではこうしようという話をその前日もマネジャー内でしていました。でも今年はそれだけではダメだなという思いがあって、絶対にどの試合も100%の力でサポートするという心構えでやらなくてはいけないと去年を踏まえてすごく感じたので、今年は常に全力でやっていくというところを意識してやっています。今年は私が入部してから初めて観客数の入場制限がなくなるので、今まで会場で応援できなかったファンの方も是非この機会に来ていただいて、皆で『荒ぶる』を取りたいと思います。

釜澤 広報活動を通して、「早稲田ラグビーっていいな」と感じてくださる方が一人でも増えるといいなという思いで、今後の発信を続けていこうと思っています。今の4年生は私たちが入部してから3年間と最も長い付き合いになるので、選手もそうですし、私が1年生の時からずっと一緒にやってきてくれた4年生のマネジャーの先輩を、最後日本一という形で笑って送り出せるように頑張っていきたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 川上璃々、戸祭華子、谷口花)

今シーズンの目標を書いていただきました!

◆鈴木大世(すずき・たいせい)(※写真左)

2001(平13)年12月18日生まれ。東京・玉川学園高出身。基幹理工学部3年。頼りがいがあると評判の高い鈴木副務。『荒ぶる』のために、業務に関する細部へのこだわりを大切にする強い信念が印象的です。グラウンド内外でチームに寄り添い、より良い『環境』づくりに徹底します!

◆茂木陸生(もてぎ・りくお)(※写真左中央)

2001(平13)年10月28日生まれ。161センチ。73キロ。埼玉・早大本庄高出身。社会科学部3年。グラウンド内においてもチームを第一に考える行動が印象的な茂木副務。丁寧な字で『感謝』と書いてくださいました。選手と副務の両方の立場でリーダーシップを発揮し、成長し続ける姿に目が離せません!

◆石橋華子(いしばし・かこ)(※写真右中央)

2002(平14)年2月1日生まれ。東京女学館高出身。政治経済学部3年。持ち前の優しさでファンとの関わりを大切にする様子が印象的な石橋マネジャー。どんな仕事にも『拘り』を持って、慎重に全力で取り組みます。常に笑顔を心がけながら選手を支え、ファンを出迎える姿に注目です!

◆釜澤梨乃(かまざわ・りの)

2001(平13)年8月16日生まれ。青森・八戸高出身。政治経済学部3年。明るい性格と責任ある行動でチームに安定感をもたらす釜澤マネジャー。『貢献』のため、あらゆる面にアンテナを張り続け、常に一生懸命な姿が印象的です。選手思いな彼女が力を入れている広報活動にも注目です!