猛暑の中でFW奮闘! 接戦を制す

ラグビー男子

 真夏の炎天下、35度の暑さの中で岐阜・朝日大学グラウンドにて早大Cは朝日大との一戦に臨んだ。前半序盤は、フッカー佐々木柊(スポ2=東京・本郷)が先制トライを挙げ、早大Cリードの試合運びに。24-12で試合を折り返し迎えた後半は、両校で得点を取り合う展開となる。自陣に攻め入られる場面も見られたが、一体となってディフェンスで我慢強く抑え切り、勝ち越した。最終スコアを38-31とし、早大Cは勝利を飾った。

 開始早々の先制トライで、流れを引き寄せた早大C。前半1分、マイボールラインアウトでチャンスをつかむ。ラックから出たボールを、空いたスペースに走り込んだフッカー佐々木柊(スポ2=東京・本郷)が潔く先制トライを挙げた。続く6分にはモールトライで得点、14分にはマイボールスクラムからWTB和田遼(社4=埼玉・早大本庄)がビッグゲイン、CTB金子礼人(法1=福岡・西南学院)がパスダミーで相手を翻弄(ほんろう)し、そのまま弧を描いてインゴール左中間へグラウンディング。26分、敵陣深くでの早大Cの落球に素早く反応した朝日大に独走トライを献上するが、33分には右サイドのラインアウトから再びモールで一直線に押し込み、プロップ米澤結人(スポ3=東京・国学院久我山)がねじ込んだ。その後のコンバージョンキックも成功。終盤には1トライを許すが、24-12で試合を折り返した。

 

空いたスペースを突くフッカー佐々木。今試合2トライの活躍を挙げた

 後半も攻勢をかけようとするが、先に追加点を挙げたのは朝日大だった。細かいミスから連続して2トライを奪われてしまう。しかし12分、敵陣右深くでラインアウトからフェーズを重ね、最後は佐々木が相手をうまく交わして、勢いよくインゴールへ飛び込んだ。交互に得点を取り合い同点で迎えた26分、金子とロック江島航(法4=北海道・函館ラサール)のラインブレイクで早大Cは敵陣深くに攻め入る。ゴール前での連続攻撃を重ねたのちに、タテを突いたフランカー永嶋仁(社3=東福岡)が外国人選手のタックルを受けながら、右腕を伸ばしてトライを奪い返す。SO吉岡麟太朗(スポ2=東京・本郷)のゴールも決まり、スコアを38-31とした。その後は朝日大のボール保持数が多くなったものの、何度もターンオーバーで攻撃を中断させ追加点を許さず。ノーサイドの笛が鳴り、38-31で早大Cの勝利となった。

 

勝ち越しトライを挙げるフランカー永嶋。積極的なアタックが目立った

 前半はチャンスに結びつかない場面が見られたものの、攻撃の起点となった永嶋やNO・8鈴木風詩(社2=国学院栃木)の前に出る積極的なプレーは、チームに流れを引き寄せた。また、6トライのうち5つはFWがマークしたというように、FWの奮闘が光った。一方、「イージーミスでトライを取られて競ったゲームになったのでミスを減らしていきたい」と金子が振り返るように、パスの精度やルーズボールなどの細かいプレーには修正が求められるだろう。カテゴリー昇格をかけた自分との戦い、早大Cの挑戦となる熱い夏が今始まった。

(記事 谷口花、写真 濵嶋彩加)

コメント

ロック江島航(法4=早稲田渋谷シンガポール)

――今日の試合のテーマは

 試合テーマは全体として、『速いセット』をテーマにして試合に臨みました。

――改めて今試合を振り返って

 『速いセット』というところはできたと思うのですが、試合の入りであったり、BKのボールをつなぐ部分であったり、そういった細かいところにミスがでてしまったので、最初はいい流れで持ってこれたのですが、途中で相手に主導権を渡してしまって厳しい戦いになりました。

――後半は苦しい時間が続きましたが、その点はいかがですか

  相手に流れを持って行かれた時に、自分たちのペースに持ってくることが出来なくて、相手にスコアを許してしまったので、そこはチームとして改善点かなと思います。

――反対に良かった点はありましたか

 FWのディフェンスだったり、モール部分、非常に前進出来たところがあったので、それは今まで練習でやってきたところ、それは成果かなと思います。BKもしっかり取り切るところは取り切ることができたので、そこは強みにできたのかなと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

 入りの部分で自分としてはなかなかいいプレーができなかったのですが、後半になるうちにどんどん精度が上がってきて、前半の修正を後半でできた部分としては自分自身の成長かなと思います。

―― ゲームキャプテンから見て本日のMVPは

 みんな頑張っていたのですが、永嶋(仁、社3=東福岡)ですかね。誰よりも前へ出てくれましたし、頼りにしてます。

――夏に向けての意気込みをお願いします

 いよいよ合宿の試合になって、その中でも暑い試合、厳しい戦いになると思うのですが、その中で自分たちがやってきたことを発揮できるようにしっかりと練習していきたいと思います。

フッカー佐々木柊(スポ2=東京・本郷)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 暑い中での厳しい戦いでしたが、FWで耐えて、チーム一体となって厳しい時間帯を我慢することができたのが良かったかなと思います。

――2トライを決められましたが、トライシーンを振り返っていかがですか

 自分自身結構前に出ることができたので、そこは次につなげていきたいです。

――セットプレーに関しては

 ラインアウトは取ることができたのですが、スクラムで結構煽られてしまったので課題です。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

 ディフェンスでまだまだだなと思っているので、そこは厳しくなってくるかなと思います。

――夏に向けての意気込みをお願いします

 またここから部内競争があると思うので、自分の気合をもっと入れて取り組んでいきたいと思います。

――どういうところを強化していきたいですか

 僕はまだ体が小さいのでまずはそこを大きくして、帝京や明治など体が大きいチームに負けないような体づくりやトレーニングの精度を上げていきたいです。

CTB金子礼人(法1=福岡・西南学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 僕たちはテーマとして『速いセット』というのを心がけていて、前半はそれができていい形で終えられたと思うのですが、後半になって特にBKでミスが出てきてしまったと思います。でも勝ち切れたことは素直に嬉しいです。

――トライも決められましたが、今日のご自身のプレーの評価をしてください

 僕自身は状況判断を心がけてゲームに臨んでいて、前半は強気でプレーしてトライもとることができたのですが、僕のところで何回かミスも出てしまっていたので、もっと周りの声を聞いて状況判断をもっと正確にしないといけないと思います。

――1トライ差での勝利でしたが、課題と収穫はいかがでしたか

 収穫はディフェンスのところで、競ったゲームの中でディフェンスでしっかり粘り切ってターンオーバーして勝ち切ることができたので、そこは収穫だと思います。課題に関してはやっぱりBKのアタックで、FWをもっと前に上げてあげないときついという状況でイージーミスでトライを取られて競ったゲームになったので、ミスを減らしていきたいです。

――最後に夏に向けての意気込みをお願いします

 まず合宿までいい準備をして、今日出た課題を練習することと、合宿では試合が続くのでしっかり自分をアピールして、少しでも上のチームに上がれるように1日1日を大切に頑張りたいと思います。

 

招待試合
早大C スコア 朝日大
前半 後半 得点 前半 後半
24 14 12 19
38 合計 31
【得点】▽トライ 佐々木(2T)、深堀、金子、米澤、永嶋 ▽ゴール 吉岡(4G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
大木 裕太 法4 東京・早大学院
佐々木 柊 スポ2 東京・本郷
米澤 結人 スポ3 東京・国学院久我山
若松 泰佑 文構2 東京・早実
◎江島 航 法4 早稲田渋谷シンガポール
深堀 雅聡 スポ2 福岡・東筑
永嶋 仁 社3 東福岡
鈴木 風詩 社2 国学院栃木
清水 翔大 文2 東京・早実
10 吉岡 麟太朗 スポ2 東京・本郷
11 木村 晴 スポ3 北海道・函館ラサール
12 金井 奨 人4 群馬・太田
13 金子 礼人 法1 福岡・西南学院
14 和田 遼 社4 埼玉・早大本庄
15 仲山 倫平 法1 ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ
リザーブ
16 真田 稜大 教1 東京・早実
17 川村 駿太 法4 東京・函館ラサール
18 下村 勇貴 文2 東京・早実
19 松下 慶伍 教3 東京・早実
20 岡村 圭悟 スポ2 東京・本郷
21 糸瀬 真周 スポ1 福岡・修猷館
22 三浦 称児 人3 大分舞鶴
15 五十嵐 心之介 社3 埼玉・早大本庄
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)