日大Bに60点差で快勝 夏に向けて課題も残す一戦に

ラグビー男子

 爽やかな初夏の風が吹く中、日大Bとの一戦が行われた。前半はFB平田楓太(スポ4=福岡・東筑)が幸先よく先制し、BK陣がトライを量産。後半も見事な連携を見せ、着実に得点を重ねていく。フランカー小池航太郎(商3=東京・早実)が「トライをとるべきところでトライできた」と話すように、振り返ってみれば合計11トライの猛攻をみせ相手を圧倒。早大Bが試合序盤から主導権を握り、67―7と快勝した。

 試合は早大Bのキックオフで幕開けた。5分、敵陣深くでのスクラムを起点にFB平田楓太(スポ4=福岡・東筑)がトライを決め、幸先よく先制に成功する。14分には素早いパス交換で左から右へと一気に展開すると、最後はWTB磯崎錬太郎(商3=徳島・城東)がインゴールを駆け抜けた。17分にも再び磯崎がトライを決め、直後のSO京山秀勇(スポ3=福岡・東筑)のキック成功で早大Bが19点リード。その後も攻撃の手を緩めない早大は38分、敵陣右でのモールから平田のパスを受けたCTB岡﨑颯馬(スポ3=長崎北陽台)がギャップを突き、そのままトライ。40分には相手ボールスクラムから日大にモールトライを献上したものの、この失点シーン以外ではチャンスを作らせなかった。26-7で前半を折り返した。

強みのボールキャリーで勝利に貢献したFB平田

 後半に入っても早大Bの勢いは止まらない。序盤からFWを中心に敵陣へ踏み込み、6分、10分と巧みなパス回しを見せた早大Bの攻撃をSH細谷聖樹(スポ2=国学院栃木)が立て続けにフィニッシュさせ、スコアは36-7に。16分には敵陣左の混戦を抜け出した京山が「大学に入って初めて」と振り返るトライを挙げ、早大Bは着実に得点を重ねていく。24分、SH島本陽太(スポ3=神奈川・桐蔭学園)とCTB中谷波一土(人2=東京・本郷)の見事な連携で中央突破を図ると、早大Bは再び敵陣深くに攻め入る。その流れでボールを受けたプロップ平山貴喜(スポ4・北海道=函館ラ・サール)がインゴールを叩きこみ追加点を挙げた。続く29分には、マイボールラインアウトからWTB三浦哲(文構2=東京・早実)が敵陣右を突破。その後左右にボールを展開し、ラストパスを受けた京山がこの試合2本目となるトライを挙げた。終盤には、敵陣22メートルラインでフェーズを重ねる。その流れのままにオフロードパスもつながり、最後はロック藤井将吾(スポ3=大阪・早稲田摂陵)がトライ。後半は日大Bを無失点に抑える堅守を見せ、67―7で勝利を収めた。

インゴールへ向かうSH細矢

 試合全体を通して主導権を握り続け、終始相手を圧倒した早大B。60点差での大勝で「ターンオーバーを何回も重ねることができた」(平田)と収穫を得る一方で「まだまだ自分のプレーに満足はいっていない」(京山)と選手に慢心はない。また、今試合唯一の失点でも見られたように、「相手に合わせてしまうところがある」(小池)とセットプレーに課題を残した。今回の試合を含め、春シーズンを通して出た一つ一つの課題をクリアにし、進化していく選手の姿に目が離せない。

(記事 栗田優大、写真 坂田真彩、山田彩愛)

コメント

FB平田楓太ゲームキャプテン(スポ4=福岡・東筑)

――今日の試合テーマは

 前回の帝京大学戦で自分達がすべきことをできなかったので、一人一人がしっかり戦うというマインドを持つということを試合前に全員の共通認識として確認しました。

――戦術面でフォーカスした点は

 ディフェンスで前に出るということをチームとして意識していました。それが試合でもできていたというふうに思いますし、そこからターンオーバーを何回も重ねることができたのでチームとしての成長は見られたかなと思います。

――ゲームキャプテンとしては何を意識されましたか

 ゲームキャプテンとして意識したことは毎回プレーが切れた時に全員で一つのハードルを組んで理解を共有するというところを意識していました。でも全員が同じビジョンを持ってラグビーすることが大切だというふうに思ったので、ことあるたびに全員を集めてしっかりビジョンの共有というのを意識しました。

――ビジョンの共有の中で本日のチームの仕上がりはいかがでしたか

 細かいミスはあったのですが一人一人が自分の仕事を全うしてくれて結果的にスコア的にも試合内容的にもいいゲームができたと思います。

――個人、チームとしても春シーズン全体を振り返っていかがですか

 個人としては最初の明治大学戦で出させてもらってから怪我で離脱して、そこから帝京大戦で良いパフォーマンスができずにというところで少し苦しんだのですが、その反省を生かして今日の試合は自分の持ち味を少しずつ出せたかなと思っています。チームとしても同じで帝京大戦で、自分たちのすべきことが全くできなかったので、今後夏合宿を通してしっかり自分たちのすべきことを明確にした上で、対抗戦に臨めたらいいなと思います。

――夏合宿や秋に向けてどのようなことを強みにしていきたいですか

 僕はボールキャリーというところが強みだと思っているので、そこの部分のスキルやフィジカルの部分だったりを鍛えていくということと、今は委員としても活動させてもらっているのでそういったところでリーダーシップも発揮できたらいいなと思います。

――ラストシーズンとなります。今後の意気込みを聞かせてください

 最長でも一月という残り少ない時間なので、一日一日を大切にして自分の課題とチームの課題に向き合って成長し続けたいと思います。

フランカー小池航太郎(商3=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 今日はBK、FWともに横の動きと縦の動きのバランスがとれていて、ゲインするべきところでゲインできて、トライをとるべきところでトライできたので、大差で勝利できたのかなと思います。ひとつ課題としては、出るところは出る、出ないところは出ないといった一貫性がチームで統率できていなくて、ちょっと相手に攻め込まれるところも見られたのかなと思います。

――セットプレーを振り返って

 ラインアウトは取れるところで取るということで、試合全体を通してラインアウトの獲得率は良かったと思います。AチームからDチームまでチーム全体でモール取り切ることやスクラムで押し勝つことを練習してきました。そこの部分がまだ相手に合わせてしまうところがあって、夏以降にかけての課題かなと思います。

――ボールキャリーが印象的でしたね

 空いてるスペースにはいけるようになってきたのですが、今後レベルが上がってくるなかで、力強いプレーで前に出られるようになっていかないとAチームのレベルでは通じないなと感じています。

――Aチームでスタメンを獲得していくためにこれから鍛えていきたい部分は

 自分より上に出てるのが植野智也さん(法4=東京・早実)でタックルが強い方です。僕は植野さんと比較するとひとつに秀でているというよりかは、全体的にバランスが良いタイプなので、全てにおいて平均をあげていき試合でそのプレーを出すことで最終的にはAのスタメンを獲得できればいいかなと思います。

――これから夏、秋に向けての目標と意気込みをお願いします

 夏はBで出ることが多いと思うので、夏は帝京大学さんだとか高いレベルの相手と夏合宿では当たると思うので、そこでまずは勝ち切ることとAチームの試合に後半以降出ているなかで自分の強みをだしていければなと思います。

SO京山秀勇(スポ3=福岡・東筑)

――今日の試合を振り返って

 まずは勝てたということが一番良かったです。今週はディフェンスにフォーカスしていたので、ディフェンスで前に出られる場面が見られたのは良かったと思います。アタックは個人としてはスタンドオフを始めたので、早めに外にボールを持っていくことを意識していたのですが、パスの精度がまだまだで課題かなと感じました。

――今日のご自身のトライを振り返って

 順目にアタックするのが今の早稲田の強みです。しっかり順目に移動して、スペースを見つけて走りこむことができたので良かったかなと思います。個人的にも大学に入って初めてトライを挙げたので良かったなと思います(笑)。

――キックについては

 キックに関しては左のロングキックが僕の強みでもあります。そこの部分はある程度出せたかなと思うのですが、キック自体の精度や脱出のときのキックにまだまだ課題があるので、キックでチームを前に出せるように、キックを磨いていきたいです。コンバージョンに関してもまだまだ精度は低いので、これから練習していきたいと思います。

――春シーズンを振り返って

 チームとしては勝ち負けもあって、課題も見いだせて良いシーズンだったかなと思います。個人としては、昨シーズン全く出ていなかったAチームに出させてもらったり、良い経験を積ませてもらいました。まだまだ自分のプレーに満足はいっていないですし、これから夏、秋とプレーの精度をあげてチームに貢献できる選手になりたいなと思います。

――夏、秋で特に力をいれて鍛えていきたいところは

 そうですね。強みはキックですが、マインドの部分で強気にプレーするというところにこだわって自分のプレーの精度を上げていけたらと思います。

 

ジュニア春季オープン戦
早大B スコア 日大B
前半 後半 得点 前半 後半
26 41
67 合計
【得点】▽トライ 平田、磯崎(2T)、岡﨑、細矢(2T)、京山、平山、藤井、岡本 ▽ゴール 京山(6G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
井元 正大 文4 東京・早実
渡辺 駿斗 商3 東京・早実
米澤 結人 スポ3 東京・国学院久我山
栗田 文介 スポ1 愛知・千種
藤井 将吾 スポ3 大阪・早稲田摂陵
小池 航太郎 商3 東京・早実
田中 勇成 教3 東京・早実
粟飯原 謙 スポ1 神奈川・桐蔭学園
細矢 聖樹 スポ2 国学院栃木
10 京山 秀勇 人3 福岡・東筑
11 三浦 哲 文構2 東京・早実
12 野中 健吾 スポ1 東海大大阪仰星
13 岡﨑 颯馬 スポ3 長崎北陽台
14 磯崎 錬太郎 商3 徳島・城東
15 ◎平田 楓太 スポ4 福岡・東筑
リザーブ
16 安恒 直人 スポ2 福岡
17 山口 湧太郎 スポ1 神奈川・桐蔭学園
18 平山 貴喜 スポ4 保津街道・函館ラサール
19 細川 大斗 東京・早実
20 永井 新之助 スポ2 東京・早実
20′ 中島 潤一郎 教1 神奈川・桐蔭学園
21 島本 陽太 スポ3 神奈川・桐蔭学園
22 中谷 波一土 人2 東京・本郷/td>
22′ 岡本 大輝 スポ3 東京・本郷
23 鈴木 陽結 政経3 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)