後半で追い上げを見せ、上智大に勝利!

ラグビー男子

 晴天が広がり、汗ばむ暑さの中で早大DEチームは上智大との一戦に臨んだ。前半開始早々、モールで押し切り先制トライを挙げるが、相次ぐミスにより守りの時間帯が続く。中盤には追い上げを見せるものの、22ー24の2点ビハインドで試合を折り返した。後半戦は、前半で出た課題を修正し、攻勢に転じる。WTB清透馬(商2=茨城・茗渓学園)のトライを皮切りに連続して得点を重ね、徐々に相手を突き放した。最終スコアは46ー29、価値ある一勝を挙げた。

 先制点を奪ったのは早大。前半3分、敵陣左深くで獲得したラインアウトから、モールを形成する。ロック折戸健介(法2=東京・早実)の力強い声と共に押し出し、最後はフランカー成戸風太(スポ1=埼玉・川越東)がトライにつなげた。しかしその後は、「自分たちのミスで自滅してしまい、ディフェンスの時間が多かった」とCTB中谷波一土(人2=東京・本郷)が話すように、連携パスやディフェンスラインの乱れが際立ってしまう。上智大に連続で3トライを奪われ、相手優位の展開が続いた。しかし26分、早大ボールのスクラムを起点にBK陣が素早いパス回しを見せる。ラストパスを受けたCTB田尻遥也(文2=埼玉・早大本庄)がハーフウェー付近からタッチライン際の狭いスペースを鮮やかに駆け抜け、ゴールラインへ。34分にもパスの乱れが見られたものの、ルーズボールを素早く拾った清が、迫り来る上智大のディフェンスを三連続で振り払いインゴールを駆け抜けた。37分には、インターセプトしたWTB和田遼(社4=埼玉・早大本庄)の独走トライで逆転し、徐々に点差を縮める。しかし前半終盤は上智大の攻撃を止めきれずに1トライを献上。22-24で前半を折り返した。

ゲインするロック折戸

 後半は見事前半の課題を修正してみせた。後半5分、マイボールラインアウトからサイドを大きく使ったパスで相手を翻弄(ほんろう)し、最後は左隅に清がトライ。その後は折戸、中谷がビッグゲインする活躍を見せ、じっくり相手陣地へ踏み込む。15分、上智大にトライを許したものの、22分、ラインアウトを確実に成功させ、ドライビングモールでインゴールへ一直線。FWのフィジカルが光った。32分にも、連携プレーで得点を重ね、スコア41-29の12点リードと上智大を突き放していく。試合終了間際には、またもや敵陣深くのラインアウトでチャンス到来。FWを中心にフェーズを重ね、早大は大きく前進する。その後、BK陣を中心にパスの連携で徐々に切り込み、ラストパスを受けた清が中央右寄りへフィニッシュ。ハットトリックを達成した清のトライを最後に、試合はノーサイドとなった。後半は早大優位の試合運びで相手を1トライに収め、最終スコア46-29で早大DEの勝利となった。

ハットトリックを達成したWTB清

 「早稲田らしさを遂行して相手に走り勝つ」(和田)。どのカテゴリーにいても、早稲田らしさを遂行する。本試合後半戦では、それらがうかがえる試合展開となった。前半こそはディフェンスラインに課題が露呈されたものの、後半はすぐさま修正し、まとまりのある攻撃を仕掛けた。セットプレーではスクラムのまま一気に押し込み、敵陣深くでチャンスメイク。得点にうまくつながらず再び自陣に戻される展開も見られたが、重点的に取り組んできたセットプレーが功を奏し、勝利へとつなげた。一方で、折戸が課題として挙げたディテールにチーム全員がこだわりを持ち、今後のカテゴリーアップに生かしたい。少しでも上のチームへ、目指すは赤黒。目の前のチャンスをつかみ取り、成長し続ける早大DEチームに期待だ。

(記事 谷口花、写真 山田彩愛)

コメント

WTB和田遼ゲームキャプテン(社4=埼玉・早大本庄)

――今日の試合のテーマを教えてください

 相手に合わせずに、早稲田らしさを見せるということで、どのカテゴリーであっても早稲田らしさを遂行してやり切って相手に走り勝つということをテーマにしていました。

――そのテーマは実践できましたでしょうか

 前半は自分達のやるべきことをやり切れていなくて、2人目の寄りであったり、ボールキャリーの責任であったりが甘く、あまり良い展開とはならず苦しみました。

――ゲームキャプテンとして個人で意識したことはありますか

 チームが苦しい状況の時に自分が一番声を出すというのを意識したのと、ボールを持ったら前に出る、そこを自分が見せることで他の部員がついてきてくれる、そこは意識してやっていました。

――インターセプトしてトライを決めたシーンがありました。振り返っていかがですか

 あそこの場面は、点数の枚数的には不利な状況で、相手の裏のプレイヤーがボールを持つ時間があったので、外側を思い切り被せて、もしも飛ばされたら自分がダッシュして外側に出そうと思っていたので、たまたまですね(笑)。

――収穫はいかがですか

 セットプレーが安定していたところが今日の勝因につながったので、後半、自分達のやるべき事に立ちかえって、セカンドマンレースであったり、ボールキャリーの責任、その無駄なパスをしないというような責任あるプレーをチームで意識したので、後半はいい展開で持っていくことができたと思います。

――今後の意気込みを聞かせてください!

 早稲田の強みというのは、どのカテゴリーであっても相手をマークして相手より走り勝つということだと思っています。自分がどのカテゴリーにあっても、そこを体現して、少しでも上のチームに貢献できるように頑張っていきます。

フランカー折戸健介(法2=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 前半は結構FWで前に出ることができて、セットプレーも優位に立つことができたのですが、監督にも言われたように一人一人の丁寧なプレーが出来ていなかったのでそこは課題でした。

――FWとして意識したことはありますか

 FWとしてはセットプレーを意識していて、スクラムとラインアウトの両方ともに練習してきたので、練習してきたものをしっかりやろうと話していました。前半はモールでトライを取ることができましたし、前半はモールが結構よくてスクラムもペナルティをもらえたというのでいい点はあったのですが、ディテールの部分で足りないところがあったのでそこは修正が必要だと感じています。

――個人の良かったところはどうですか

 個人的にはケガをして試合に出れていなかったのですが、ラインアウトに自信があるのでラインアウトで一発目に相手ボールを競れたのが良かったと思います。その後のディテールのところが悪かったというところと、コーチから言われていた泥臭いプレーが全然できていなかったので、上のチームに上がるためには泥臭いプレーをしていきたいと思います。

――今後の意気込みを聞かせてください!

 今は体重が足りていなくてコンタクトゾーンで前に出られていないので、まずは体重を増やしてから、赤黒を着るために、上のチームに上がるために努力したいと思います。

CTB中谷波一土(人2=東京・本郷)

――今日の試合を振り返って

 前半、自分たちのミスで自滅してしまってディフェンスの時間が多かったです。だから後半は強いプレーを意識して、修正することができました。その部分は良かったかなと思います。

――ボールキャリーが印象的でしたが、意識したところは

 前半はボールを下げてしまってのミスが目立っていました。後半は強いプレーで前に出て、ゲインをして順目で展開することと、正確なプレーを意識しました。

――今日の自分のプレーで評価できる点は

 前半はあまり良いプレーができなかったのですが、後半に入ってCTBでゲインして外にボールを運ぶために、自分がゲインできた、前に出られたところは良かったと思います。

――相手チームの印象は

 前半すごく走るチームだなという印象でした。そこで自分たちが受けてしまって、後手に回ってしまったのでまだまだ走り足りないなと思いました。

――今日ミスが出てしまったのは、相手が向かってきたことを受けてしまったことが関係していたりするのですか

 そうですね。相手のディフェンスが早くてプレッシャーをかけてきたので、BKのラインでのパスミスが出てしまいました。そこが課題かなと思います。

――上のチームに上がっていくために、強化していきたい部分はありますか

 フィジカルはまだまだ足りていないですし、ハンドの部分や自分でキャリーして前に出るという部分もまだまだ貪欲にやっていきたいと思います。

――これからの目標と今後の意気込みを

 今日は復帰戦だったのでまずはラグビーの勘を取り戻すことと、またシニアに上がれるようにあと1試合、細かい部分も練習からアピールしてさらに上のチームでプレーできるように頑張りたいです。

 

ジュニア春季オープン戦
早大DE スコア 上智大
前半 後半 得点 前半 後半
22 24 24
46 合計 29
【得点】▽トライ 成戸、田尻、清(3T)、和田、真田(2T) ▽ゴール 中谷(1G)、茂木(1G)、北田(1G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
大木 裕太 法4 東京・早大学院
真田 稜大 教1 東京・早実
下村 勇貴 文2 東京・早実
萩原 武大 スポ1 茨城・茗渓学園
小野 史裕 スポ2 東京・本郷
折戸 健介 法2 東京・早実
成戸 風太 スポ1 埼玉・川越東
宮本 大生 文構3 埼玉・早大本庄
井上 泰志 スポ2 福岡・東筑
10 茂木 陸生 社3 埼玉・早大本庄
11 清 透馬 商2 茨城・茗渓学園
12 中谷 波一土 人2 東京・本郷
13 田尻 遥也 文2 埼玉・早大本庄
14 ◎和田 遼 社4 埼玉・早大本庄
15 米重 皓己 商2 北海道・函館ラサール
リザーブ
16 百枝 樹生 スポ2 東京・国学院久我山
17 後藤 良太 文3 埼玉・早大本庄
18 飯田 開登 教3 愛知・千種
19 山本 竜大 教1 東京・早実
20 石田 大貴 社4 埼玉・早大本庄
21 北田 琢麿 スポ1 埼玉・川越東
22 荒田 明彦 商1 北海道・函館ラサール
23 吉松 立志 スポ4 宮崎・高鍋
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)