攻守に躍動し東大に快勝!

ラグビー男子

 前日の雨も降り止み、曇り空の東大駒場グラウンド。多くの観衆が見守るなか、3年ぶりに伝統ある東大との定期戦が行われた。前半は、NO・8岡村圭悟(スポ2=東京・本郷)の先制トライをはじめとし、計6トライを奪い圧倒。後半は相手に攻め込まれるシーンが多く見られ苦戦したものの、FWを中心に守備に奮闘した。結果、53ー7での快勝となった。

 試合は開始早々から動く。2分、敵陣22メートル内でのラインオフサイドを起点に、インゴールから5メートル付近でラインアウトを獲得。そのラインアウトからモールを組んだ早大は、岡村がインゴールに飛び込みトライ。幸先よく先制に成功する。9分にもラインアウトモールから岡村がグラウンディングし、得点を重ねた。しかし11分、ノックオンから自陣22メートル内でスクラムを与えた早大は、相手FWにゴールラインまで押し込まれ、ピンチを迎える。だが、トライ寸前で相手のノックオンを誘い、自陣を脱出。大きなピンチはこのシーンのみで、その後もトライを量産していく。30分には敵陣5メートルでのラインアウトを起点に、最後は大外で待っていたロック江島航(法4=早稲田渋谷シンガポール)がインゴールに飛び込むなど、前半を34ー0で折り返した。

先制トライを挙げたNO・8岡村

 後半も先制したのは早大だった。2分、敵陣ゴールライン付近のラックからフランカー若松泰佑(文構2=東京・早実)が、シェイプから切り返して内側でもらいトライ。前半の勢いそのままに得点を奪っていくかと思われたが、その後は主導権を東大に握られる。早大のシンビンによる退場などもあり、徐々に自陣でプレーする時間が増えてしまう。東大に攻め込まれ、何度もゴールライン上の攻防を繰り広げたが、最後の部分でFWが体を張り得点を許さない。26分に得点し流れを戻しかけたものの、30分にゴールライン手前5メートル付近のラインアウトからモールで前進を許す。東大のモールが崩れたラックから相手のオーバーの選手の足に当たりボールが出ると、サイドをつかれて失点。試合は早大が終了間際にトライを取り返し、ノーサイドとなった。完封勝利とはならなかったが、53ー7での快勝で東大戦を終えた。

マイボールラインアウト

 前半は「試合の流れを持ってこれた」と江島が話すように、早大が主導権を握りゲームを支配した。しかし、後半はペナルティといった規律やスキルミスなど、自分たちのミスから流れを渡し、苦戦を強いられる時間帯が続いてしまった。前節の課題であったスクラムを改善できただけに、一つ一つのプレーにこだわってミスを減らすことが求められるだろう。今後も試合が続く春シーズン。念願の赤黒に向けた、選手たちのアピールにこれからも期待したい。

(記事 森田健介、写真 川上璃々、山田彩愛)

コメント

ロック江島航ゲームキャプテン(法4=早稲田渋谷シンガポール)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 今日の試合は先週に引き続き、『試合の入り』ということを意識して試合に臨みました。前回は少し抽象的だったので、前半後半ともに3本トライを取って、流れを持ってくるということを意識しました。

――今日の試合のテーマをお願いします

『試合の入り』と『継続する』という部分をテーマにしました。

――テーマについての評価をお願いします

 前半は3本最初に取り切ることができ、流れを持ってこれました。しかし、後半は自分たちのミスからなかなか点を取ることができず、攻撃の時間が少なくなり、継続という部分が達成できませんでした。

――東海大戦から修正した部分はどこでしょうか

 本当はスクラムを修正したかったのですが、それも相手のプレッシャーを受けてしまい、最初はうまくいきませんでした。しかし、試合の途中から修正できたので、改善できたと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 次戦はもっと体の強い選手が相手なので、そういった選手に小さい体でも勝てるように低いタックルを意識し、継続してアタックしてスコアできるように頑張ります。

NO・8岡村圭悟(スポ2=東京・本郷)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 チームの目標として入りの3トライを決めて早稲田に流れをもってくるっていうのがありました。前半それがうまくいったのですが、後半やりきれなかったので、そこを課題として来週の試合に生かせていけたらと思います。

――トライについてはいかがですか

 FWの目標として継続と入りを大事にしていました。なので、FWやBKのチームの継続という流れで最後に自分が決めたというかたちだったので、チームとして良かったところだと思います。

――今後の試合について意気込みをお願いします

 春シーズンは試合数も多いので、少しでも上のチームでプレーできるように個人としてもチームとしても課題を一つずつ潰し、上のチームで戦えていければと思います。

SO吉岡麟太朗(スポ2=東京・本郷)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 前半の入りが良く、継続してアタックすることができました。後半に入ってからは自分たちのミスから相手に攻め込まれて、ディフェンスをする時間が長かったです。後半の入りの部分が悪かったので、入りの部分を大切に修正したいと思います。

――収穫はありましたか

 継続してアタックをすれば、トライを取ることが前半はできたので、継続的なアタックに手応えを感じました。

――どんなゲームプランを意識されましたか

 今日は試合前が雨だったので、最初は強いプレーで行こうという話をしていました。結局雨が止んで、パスが滑らない状態になったのでそこからは(アタックを)継続してトライを取りにいきました。

――コンバージョンキックを振り返っていただけますか

 当たりは良かったのですが、(決定率の)パーセンテージを見るとまだまだ足りないと感じます。もっと練習して(決定率)80パーセント以上を出せるように頑張りたいと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

 春シーズンは試合がまだまだ続くので、自分たちのアタックの精度を高めること、そして試合の入りがこれからも大事になってくると思うので、そこを意識して練習していきたいと思います。

SO鳥海雄図(教3=東京・早実)

――今日は途中出場というかたちでしたが、いかがでしたか

 後半から入りましたが、自分からタッチに出てしまうような防げるミスなどもあったので、そこは反省する点かなと思います。

――ポジションをいくつか変えていたと思いますが、その点についていかがですか

 自分の良さを色々なポジションで出していけたらなと思っているので、自分の芯の部分をぶらさずにポジションに適応していきたいと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 今日はチームとしてペナルティといった自滅した部分が多かったと思いますので、そこを修正し、入りの部分から相手を圧倒して頑張っていきたいと思います。

p> 

定期戦
早大 スコア 東大
前半 後半 得点 前半 後半
34 19
53 合計
【得点】▽トライ 岡村(3T)、金井、西野、江島、杉野、若松、米澤 ▽ゴール 吉岡(3G)、鳥海(1G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
後藤 良太 文3 埼玉・早大本庄
西野 直樹 法4 東京・早大学院
山野 裕都 教3 東京・早実
◎江島 航 法4 早稲田渋谷シンガポール
佐土原 脩 基理3 埼玉・早大本庄
梅澤 未遊 法4 東京・早大学院
深堀 雅聡 スポ2 福岡・東筑
岡村 圭悟 スポ2 東京・本郷
桝谷 連太郎 スポ2 東京・本郷
10 吉岡 麟太朗 スポ2 東京・本郷
11 杉野 駿太 政経2 東京・早大学院
12 岡本 大輝 スポ3 東京・本郷
13 金井 奨 人4 群馬・太田
14 鈴木 陽結 政経3 東京・早大学院
15 五十嵐 心之介 社3 埼玉・早大本庄
リザーブ
16 安恒 直人 スポ2 福岡
17 大木 裕太 法4 東京・早大学院
18 米澤 結人 スポ3 東京・国学院久我山
19 若松 泰佑 文構2 東京・早実
21 清水 一志 社4 東京・早実
9′ 石田 大貴 社4 埼玉・早大本庄
22 茂木 陸生 社3 埼玉・早大本庄
22′ 下原 一輝 文構4 東京・早大学院
13′ 和田 遼 社4 埼玉・早大本庄
11′ 木村 晴 スポ3 北海道・函館ラサール
23 米重 颯己 スポ4 北海道・函館ラサール
23′ 鳥海 雄図 教3 東京・早実