新人のプレーが光るも、東海大Bのパワーに圧倒され敗北

ラグビー男子

 午前中の暖かい天候から一変して冷たい風が吹く曇り空の下、早大Bは東海大Bとの一戦に臨んだ。前半開始3分で先制点を許し、東海大Bに主導権を握られた早大B。その後フランカー粟飯原謙(スポ1=神奈川・桐蔭学園)の独走トライで流れを変えるものの、東海大Bの力強い攻撃とディフェンスに苦戦し、最終スコア19―45で試合を終えた。

 前半攻めの流れを作ったのは、東海大Bだった。前半3分、左サイドの自陣5メートル付近まで攻め込んだ東海大Bは、ラインアウトモールでそのまま押し込みトライ。先制トライを献上した早大Bも11分、敵陣22メートル付近のラインアウトから中央にゲイン。フェーズを重ね、モールで押し込んだのちにプロップ平山貴喜(スポ4=北海道・函館ラ・サール)がインゴールをこじ開けた。しかし、その後は相手の攻撃が続く展開に。14分、再び東海大Bのラインアウトからモールで押し負けトライを許す。さらに24分にも、自陣深くに侵攻する東海大Bのアタックを止めることができず、被トライ。このリードを広げられた状況の中、相手の勢いを止めたのが粟飯原のトライだった。前半終了間際、自陣深い位置で攻めこまれていたが、粟飯原が相手のボールを奪うことに成功。そのまま自陣から次々と相手をかわし、一気に敵陣のインゴールへ駆け抜けた。このトライを最後に12―19の7点ビハインドで前半を折り返した。

独走トライを決めたフランカー粟飯原

 後半、早大Bは攻めのプレーを展開。4分、敵陣右側にフェーズを重ねた早大Bは最後にパスをうけたFB山下一吹(教1=東京・早実)がギャップを抜きインゴールへ。その後もSO吉村紘(スポ4=東福岡)を中心に巧なパスワークで攻め込み追加点を狙うが、相手の強固な守備を破ることができない。あと一歩のところでチャンスをものにできない状態が続いた。そんな中、パスワークのミスをうまくとられ、ラックサイドを突破される。最後は、東海大Bのスペースを生かした攻撃を防御しきれずトライを献上。その後も立て続けに2トライを奪われ、反撃もむなしく19―45で敗戦した。

インゴールへ向かうFB山下一

 今回の試合ではセットプレーやディフェンスの面で、敵FWの力強いプレーに押し込まれる光景が目立った。関東大学春季大会東海大戦に続き東海大B戦にも出場した吉村は、「守備の圧力の弱さ」を課題に挙げている。コンタクトの面で浮き彫りになった課題を修正し、守備の体制をうまく作り直していけるかが今後の勝敗のカギとなるだろう。また、本試合で初トライを決めたルーキー粟飯原は試合後、「少しでも上のチームに食い込めるように頑張っていきたい」と一言放った。Aチーム昇格を目指して奮闘する日々。今後の新人選手の活躍にも期待したいところだ。

(記事 川上璃々、写真 谷口花、中村凜々子)

コメント

SO吉村紘(スポ4=東福岡)

――今日の試合のテーマを教えてください

 二試合も負けていたので、しっかり勝とうということをターゲットにして臨んだのですが、結果として得られませんでした。プレー的には、コンタクトの面で相手に対するボールキャリーとかを意識したのですが、段階的にはできなくて食い込まれたところがあったので、そこが課題として挙げられます。

――個人のプレーを振り返っていかがですか

 ボールを動かすところは動かせていたので良かったと思うのですが、コンバージョンキックを1つ外してしまったのでまだ自分の詰めが甘いなと感じました。これが公式戦になると大きい勝敗にかかってくるのでちょっとしたパスやキックの精度はもっと突き詰められるかなと思いました。

――今日の課題と収穫を教えてください

 B戦に限ってはセットプレーのところが課題かなと思っていて、チーム全体としてはディフェンスでの圧力が大きい相手に対してしっかりとタックルにいけない気持ちがあります。一試合、ワンプレーの精度を上げて、守備体制の状況をつくっていけたらなと思います。

――今後の意気込みを聞かせてください

 これまで2試合も負けているので、しっかりと勝って自分たちの自信につなげていきたいと思います。

プロップ平山貴喜(スポ4=北海道・函館ラサール)

――今日の試合全体を振り返っていかがですか

 今日は東海大学さんを相手にセットプレーを向こうは武器にしているということで、早稲田大学としても春はセットプレーに力を入れてきたので、そこを勝負していきたかったのですが、押し込まれてしまい反省が残る試合になってしまいました。

――前半のトライについてはいかがですか

 そこに関しては、その前の池本(池本大喜、文構3=東京・早実)のゲインだったり、チームみんながゲインしたところで、自分がたまたまボールを持って前に行けたという感じでした。そのトライの後に、チーム全体として勢いに乗り切れなかったというのが後悔が残るところだったと思います。

――今日の課点と収穫点を教えてください

 やはりセットプレーです。スクラムとラインアウトモール、ディフェンスのところが課題かなと思っています。再来週また試合があるので、それまでに修正していきたいと思います。あとは、チームとして今までよりもフィジカルで勝負することができるようになってきたと思うので、タックルなどをチーム全体で強めていきたいと思います。

――前回の試合からの改善として、手応えを感じるところはありましたか

 スクラムを組んでいる時のコミュニケーションは取れていたかなと思うのですが、修正しきれなかったというところは課題になると思います。

――最後に次戦への意気込みをお願いします

 とにかくセットプレーでFWとして勝って、チームを勢いづけられるように頑張っていきたいです。

フランカー粟飯原謙(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

――トライを決めましたいかがですか

 あのトライは、紘さん(吉村紘)がタイミングやスペースを見て仕掛けてくれたからこそ生まれたプレーです。そのチャンスを僕が取ったという感じです。

――本日意識したことはありますか

 東海大学さんは素早くボールを持ち出してきたり、パスが動いたりするのでそこでのプレッシャーを意識したりしながらプレーしていました。ブレイクダウンやジャッカルを狙っていました。

――個人のプレーを振り返ってみてください

 浪人していたこともあって、まだまだ80分走り切れる体になっていないので、まずは体を大学生のレベルに持っていきたいなと感じています。

――本日のチームの課題点はどこにありますか

 セットプレーとディフェンスは、東海大さんの方が体も大きくて技術もありました。今回このような試合をさせていただいて、セットプレーの課題が浮き彫りになったかなと思います。

――今後の意気込みを聞かせてください

 今はBチームなので、しっかりとAチームでリザーブでも良いので、少しでも上のチームに食い込めるように頑張っていきたいと思います。

 

ジュニア春季オープン戦
早大B スコア 東海大B
前半 後半 得点 前半 後半
12 19 26
19 合計 45
【得点】▽トライ 平山、粟飯原、山下一 ▽ゴール 吉村(2G) 
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
川村 駿太 法4 北海道・函館ラサール
渡辺 駿斗 商3 東京・早実
平山 貴喜 スポ4 北海道・函館ラサール
池本 大喜 文構3 東京・早実
藤井 将吾 スポ3 大阪・早稲田摂陵
小池 航太郎 商3 東京・早実
粟飯原 謙 スポ1 神奈川・桐蔭学園
永井 新之助 スポ2 東京・早実
島本 陽太 スポ3 神奈川・桐蔭学園
10 ◎吉村 紘 スポ4 東福岡
11 三浦 哲 文構2 東京・早実
12 守屋 大誠 政経2 東京・早実
13 野中 健吾 スポ1 東海大大阪仰星
14 磯崎 錬太郎 商3 徳島・城東
15 小泉 怜史 文構4 東京・早実
リザーブ
16 西野 直樹 法4 東京・早大学院
17 山口 湧太郎 スポ1 神奈川・桐蔭学園
18 門脇 浩志 スポ2 神奈川・桐蔭学園
19 松下 慶伍 教3 東京・早実
19′ 細川 大斗 社3 東京・早実
20 鈴木 風詩 社2 国学院栃木
21 清水 翔大 文2 東京・早実
22 金井 奨 人4 群馬・太田
23 鈴木 陽結 政経3 東京・早大学院
24 山下 一吹 教1 東京・早実
25 京山 秀勇 人3 福岡・東筑
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)