シーズン開幕! 若手が躍動し、春シーズンに向けて収穫のある大会に

ラグビー男子

 春の日差しが心地よい東京・秩父宮ラグビー場で、3年ぶりとなる東日本大学セブンズ大会が行われた。この大会において、早大ラグビー蹴球部は春シーズン開幕となった。初戦の関東学院大戦は前半に4トライを奪われ苦しい展開に。追い上げも及ばず、敗戦を喫する。続くCONSOLATIONトーナメントでは、初戦から修正を見せ、八戸学院大戦、法政大戦ともに勝利し、トーナメントの決勝への進出を決める。しかし決勝では、終始東海大に圧倒され、敗北。春シーズン開幕をトーナメント優勝で飾ることはできなかった。

 初戦は関東学院大と対戦した。相手が放ったキックオフボールをマイボールにできずに始まった前半。相手の勢いそのままにフェーズを重ねられ、先制を許してしまう。3分、反撃に出たい早大は、22メートルライン付近でボールをもらった清透馬(商2=茨城・茗渓学園)が相手との競り合いに走り勝ち、そのままインゴールへ。同点に追いつく。しかしその後は立て続けにトライを献上し、5ー20で前半を折り返した。
 後半は早大のペースに。マイボールのキックオフボールを京山秀勇(人3=福岡・東筑)がキャッチ。そこからパスを受けた清が敵のタックルをかわしてトライ。続く4分、敵のペナルティを起点に守屋大誠(政経2=東京・早実)が右端にトライ。ゴールも成功し、3点差にまで追い上げる。しかし、残り時間を相手にうまく使われてしまい、そのままノーサイド。初戦は17ー20で敗北となった。この結果、1回戦敗者同士が戦うCONSOLATIONトーナメントに進むことになった。


 

関東学院大戦でトライをする清

 CONSOLATION1回戦、早大は八戸学院大と対戦した。初戦からメンバーを入れ替えた早大は、計6トライをあげ快勝。課題だったディフェンス面でも改善が見られた。前半2分、西浦剛臣(社2=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)のジャッカルを起点に敵陣深くまで攻め込む。大外でボールをもらった清がトライし、7-0と幸先のいい出だしとなった。その後も順調に得点を重ね、清が前半だけでハットトリックを決めるなどの活躍を見せ、26ー0で前半を折り返した。
 後半も流れは早大に。吉松立志(スポ4=宮崎・高鍋)、細矢聖樹(スポ2=国学院栃木)、中谷波一土(人2=東京・本郷)がトライを奪い、試合を決定づけた。後半に1トライを許し、惜しくも完封勝利とはならなかったが、45ー5と初戦の鬱憤を晴らす勝利だった。

 

 準決勝の相手は法政大。先制をしたのは早大。くしくも隣の会場では野球の東京六大学春季リーグ、早大対法政大という偶然が起こっていた。試合は両校ともに点を取り合う展開になったが、相手の猛追を逃げ切るかたちで早大ラグビー蹴球部は勝利を飾った。前半1分、西浦がゴールライン目前で相手からタックルを受けるものの、強引にゴールラインに押し込みトライ。直後に逆転を許すが、早大はコンスタントに得点を重ね、前半終了時に10点のリードをもって後半を迎えた。後半は得点を取り合い両校2トライずつあげるが、前半のリードを生かして勝利。トーナメントの決勝に駒を進めた。

 

法政大戦でボールキャリーをする細矢

 迎えたトーナメント決勝、相手は東海大だ。試合は開始早々から動く。1分、4分と立て続けに失点し、立ち上がりから14点のビハインドを背負った。その後は、ボールを保持する時間はあったものの、両校攻めあぐね、点差は変わらず。0ー14で前半を折り返した。
 後半もペースは東海大に。岡本大輝(スポ3=東京・本郷)、吉松がトライを挙げたものの、東海大の猛攻は止められない。後半を通して3トライ3ゴールを許し、10ー35で終戦。トーナメント準優勝で大会を終えた。

 今大会は下学年の選手を積極的に起用し、「チャレンジをしてくれた」と話す大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)。結果はトーナメント優勝に一歩手が届かなかったが、今日出場した選手たちがチーム内の競争を活発化させてくれることは間違いないだろう。この経験を15人制に生かすことができるか。『荒ぶる』への道はまだ始まったばかりだ。

(記事 森田健介、写真 谷口花)

 

結果

1回戦

●早大17-20関東学院大〇

CONSOLATION 1回戦

〇早大45-5八戸学院大●

CONSOLATION 準決勝

〇早大27-19法政大●

CONSOLATION 決勝

●早大10-35東海大〇

 

早大登録メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
折戸 健介 法2 東京・早実
磯崎 錬太郎 商3 徳島・城東
西浦 剛臣 社2 ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール
吉松 立志 スポ4 宮崎・高鍋
岡本 大輝 スポ3 東京・本郷
京山 秀勇 人3 福岡・東筑
細矢 聖樹 スポ2 国学院栃木
守屋 大誠 政経2 東京・早実
田尻 遥也 文2 埼玉・早大本庄
10 清 透馬 商2 茨城・茗渓学園
11 中谷 波一土 人2 東京・本郷
◎12 米重 颯己 スポ4 北海道・函館ラサール
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)
コメント ※関東大学ラグビー協会より

大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)
――今大会の総評をお願いします
 今大会早稲田大学は若いメンバーで大会に臨みました。思い切りチャレンジして非常に頑張ってくれたなと思います。
――今後期待できる選手はいらっしゃいましたか
 ほとんどの選手が活躍してくれたのですが、その中でも細矢聖樹が今後どうなっていくかが楽しみです。

米重颯己ゲームキャプテン(スポ4=北海道・函館ラ・サール)
――出場した感想を教えてください
 他の大学との体格の差であったりとか、技術的な差を感じたので今後の改善につなげていきたいと思いました。
――今シーズンの15人制大会に向けてコメントをお願いします
 自分はまだAチームに関われていないのですが、ラストあと一年自分の強みであるランを生かして、Aチームに食い込んで対抗戦に出場できるように頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。

細矢聖樹(スポ2=国学院栃木)
――出場した感想を教えてください
 しんどい場面が多かったのですが、みんなで協力して楽しめたかなと思います。
――今シーズンの15人制大会に向けてコメントをお願いします
 このセブンズでの経験を15人制にしっかりと生かしていきたいと思います。