全国大学選手権(大学選手権)初戦の前日を迎え、早大は上井草のグラウンドで練習に臨んだ。部員全員が見守る中、白いジャージーを着た選手たちは最終調整を行い、最後は円になって一人一人が決意を表明した。
大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)とメンバーたち
明日の相手は明大。3週間前の関東大学対抗戦(対抗戦)最終節でも対戦したが、早大はコンタクトの局面で粘り強さを見せ、17―7で勝利を収めている。しかし、決して油断はできない。FB河瀬諒介(スポ4=大阪・東海大仰星)が「明治はFWにプライドもあるでしょうし、プレッシャーをかけてくると思う」と言うように、今回も接点を攻略できるかがカギを握るだろう。さらにここ数年、対抗戦と大学選手権で2度対戦するシーズンでは、対抗戦で負けたチームが大学選手権で勝利している。その流れも断ち切って、必ず勝ち進みたいところだ。
キックオフは11時30分。東京・秩父宮ラグビー場で、再び赤黒と紫紺の意地がぶつかる。『荒ぶる』のために、まずは初戦にして大一番となる明日を笑顔で終え、『年越し』を果たしたい。
(記事 大滝佐和、写真 塩塚梨子)
輪になり決意表明する選手たち
CTB長田智希主将(スポ4=大阪・東海大仰星)
――前回の早明戦はベンチから見守っていたと思いますが、率直にいかがでしたか
試合を通して接点だったりの細かいところで全員が戦えたところが明治を上回っていたと思います。そこはしっかり次の試合も引き継いで、まずは一対一のところで負けないというのを(今回の試合で)チーム全体でやっていきたいです。
――前回出た課題はどのようなところですか
ディフェンスは良かったのですが、アタックはいまいち自分たちの形が作れていなかったと思うので、そこはしっかり修正して、次はもうちょっと自分たちの攻めで得点が取れたらと思います。
――先週末は静岡で練習したとお聞きしました。具体的にどのようなことを練習してどのようなことを学んだのですか
合宿を通して、よりメンバーが試合でやるべきこと、うまくいかなかったところに対して、自分たちがこれをやるというのを明確にする時間にできました。良い3日間を過ごせたと思います。
――この3週間、新しいことに取り組んだというよりは自分たちのやってきたことをより詰めるような期間だったということですか
そうですね。いつも通りのことをより明確に、迷いがないようにやったという感じですね。
――明日の早明戦勝利のカギはどこにあると思われますか
前回同様、接点のところで引かないということ。そこは今シーズン僕たちがずっとこだわってきたところなので。まずその一対一のところでしっかり戦うというのがカギになると思います。
――ご自身は約1カ月ぶりの実戦復帰となりますが、プレッシャーはありますか
プレッシャーは特になくて。自分が出て今まで通りの自分の役割をしっかり果たせたらと思います。
――最後に意気込みをお願いします
僕たちの目標はもちろん日本一ですが、選手権では一つ一つの試合ですべてを出し切ることが大事だと思うので、まずは明日の試合で自分たちの持っているものをすべて出して必ず勝ちたいと思います。
プロップ小林賢太(スポ4=東福岡)
――今の気持ちを教えてください
早く試合がしたいです。この試合を待っている時間が緊張するので、早く試合がしたい感じです。
――対抗戦と大学選手権で抱く気持ちは変わりますか
昨年まではあまり変わらなかったのですが、今年4年生になり負けたら終わりというところで、より緊張を感じます。また、勝ちたいという気持ちが今まで以上にあります。
――久しぶりに3番で試合に出場しますが、それについて思うことはありますか
今シーズンに入ってあまりやってはいませんでしたが、自分自身は高校3年間、大学も3年まで3番をやっていたので、そこまでやりにくさはありません。変わるとしたら、セットプレーのところなので、その部分で役割を果たせれば良いと考えています。
――3番での出場になった経緯についてお聞かせください
自分自身は将来に向けて(今年は)1番をやっていました。その中で早稲田のセットプレーでプレッシャーをかけられていることがあり、自分たちの一番強いパックを作ろうという中で、自分が3番にいきました。
――それは話し合う中で決まったことなのでしょうか
大田尾さん(大田尾竜彦監督、平16人卒=佐賀工)から「できるか?」と言われました。最初は久しぶりだったので「やってみなければわからない」と伝えていましたが、やってみる価値はありますし、それに対して自分自身もそこはうまくアジャストできたのかなと思います。
――スクラムのどこにこだわって練習してきましたか
ヒットのところに目がいきがちなのですが、組む前の準備、セットのところにこの3週間は注力してやってきました。
――最後に意気込みをお願いします
本当にここから負けたら終わりなので、80分間、キックオフから最後までやり切るだけだと思います。必ず勝ちます。
FB河瀬諒介(スポ4=大阪・東海大仰星)
――調子はいかがですか
まあまあですね。もっと緊張するのかなと思っていましたが、(明日は)長田がいますし、(明大とは)一度対戦していることもあって、緊張はしていないです。
――チームとしては、調子はいかがですか
コミュニケーションもよくとれていて、非常に良い状態だと思います。
――3週間空きましたが、どのような練習をしてきましたか
ディフェンスと、アタックのストラクチャーの部分を確認しました。手応えは感じています。
――明日の試合はどのようなところがポイントになりますか
コンタクトの部分です。前回はその部分で勝つことができましたが、明治はFWにプライドもあるでしょうし、プレッシャーをかけてくると思うので、僕たちがどれだけ前に出られるかがキーになると思います。
――河瀬選手ご自身ではどのようなところを意識したいですか
外側のスペースをどれだけ攻略できるか。それでチームに勢いを与えられるかが決まってくると思います。しっかりスペースを見て、ボールタッチの回数を増やしたいです。
―最後に意気込みをお願いします
負けたら終わりというプレッシャーはありますが、しっかり早稲田のラグビーをして、次につなげたいと思います。