東海大Cに無念の敗北を喫する

ラグビー男子

 爽やかな秋晴れの中、東海大Cとの一戦が行われた。直前に行われたB戦では早大が勝利を収め、Cチームも続きたいところ。しかし、ゲームキャプテンを務めたWTB宮下龍樹(人4= 茨城・茗渓学園 )が「継続して攻めていれば勝てた試合だったと思う」と語ったように、ここぞというところでチャンスを生かしきれず、無念の敗北となった。試合を通して、東海大の激しいディフェンスに苦しめられる場面が多く見られ、終盤には執念のトライを決めたものの、17-31というスコアで黒星をつけられた。

 試合は早大ボールで幕を開けた。前半5分、自陣ゴールライン前でラインアウトモールを押し込まれ、先制点を許す。続いて、早大も敵陣ゴールライン前でラインアウトのチャンスを得るが、ミスでトライにつながらない。しかし、前半15分、再び敵陣5メートルでラインアウトのチャンスを得ると、今度はモールを押しきってトライ。試合を振り出しに戻した。ここから試合は一進一退の展開となるが、前半中盤、自陣10メートル付近で東海大のラインアウトから一気に右に展開され、間を抜かれてしまう。そのままトライ、キックも決められ7点ビハインド。追いつきたい早大だが、流れを引き寄せることができない。その後敵陣で3回ラインアウトの機会を得るが、ミスやペナルティでトライにつなげることができなかった。そして前半終盤、ミスからボールを失い、相手に速攻を許す。しかし、これをSO守屋大誠(政経1=東京・早実)、プロップ長谷川太(スポ4=群馬・太田)の鋭いタックルで間一髪切り抜ける。5-12のまま前半を折り返した。

 

ゲームキャプテンを務めた宮下

 後半が始まると、CTB岡本大輝(スポ2=東京・本郷)がハーフラインでこぼれ球を拾う。そこから一気に敵陣22メートルラインまで駆け上がり、CTB三浦称児(人2=大分舞鶴)のパスからフランカー永瀬功太郎(文構4=東京・早実)がトライ。10-12と点差を縮めた。しかしその直後、ディフェンスの間を素早く抜かれ、あっという間にトライを許し、再び点差は7点に。その後も東海大の猛攻は止まらない。後半15分には、モールを作りながらじわじわと攻め込まれる。堅守で必死に対応する早大だったが、あと一歩こらえきれず、失点。後半30分にも、再びラインアウトを与えると、フェーズを重ねられ被トライ。10-31と点差が開く。このまま試合が終わるかと思われたが、終了間際、全員でボールを運び、SH桝谷連太郎(スポ1=東京・本郷)がトライ。最後に早大の意地を見せたものの、17-31でノーサイドとなった。

トライを決めた永瀬

 岡本が「先週に比べて戦う姿勢は見せられた」と振り返った今試合。実際、粘り強いディフェンスや得点の契機は試合中多く見られた。チャンスを生かしきれなかったものの、勝機は確実にそこにあったはずだ。残り少ないチャンスをつかむために、選手たちはこれからも上を目指していく。

 (記事 宮島真白、写真 塩塚梨子、内海日和)

コメント

WTB宮下龍樹(人4= 茨城・茗渓学園 )

――試合を振り返っていかがですか

 まずは勝ち切るということを目標にしていたので、勝てなかったというところが一番悔しいところです。その敗因としては、ペナルティを自分からしてしまって、そこで自滅してしまった感じがあります。継続して攻めていれば勝てた試合だったと思うのですが、ペナルティから自滅してしまったのがいけなかったと思います。

――ゲームキャプテンでしたが、試合の前にはどのようなお話をされましたか

 Bチームの試合からそうだったのですが、相手は疲れてくるとセットスピードが遅くなると感じていました。そこを自分たちから早くセットして、こちらからしかけて勝ち切ろうという声をかけました。

――ハーフタイムではどのような声かけをしましたか

 前半から均衡した点差になっていたので、まずここは勝ちきろうというような声かけをしました。

――外側から多く声を出されていましたが、ご自身として何か意識はしていましたか

  ディフェンスが寄っていて、一番最後のディフェンスだけふわふわしているというような、外側にチャンスがある相手でした。そこを外で回せばビックゲインが取れてチャンスだったのかなと思い、外から声を出していました。

――タックルが良かったという印象を受けたのですが、ご自身ではいかがですか

  タックルについてはそこまで意識はしていなかったのですが、一番外側のディフェンスなので、僕が抜かれたらビックゲインが取られるというところで、絶対に裏に出られないようにという意識はしていました。

――他のプレーで何か意識していたことはあるのでしょうか

 やはり声かけの部分なのですが、外側というところで、一番状態が見えやすいですし、キャプテンということもあり、チームに状況を伝えるだけでなく、オプションを伝えるというのを意識していました。

――最後に、残りのシーズンに向けて一言お願いします

  シーズンも残り少なくなってきて、チャンスもどんどん少なくなってくると思います。その少ないチャンスを生かしきれるように、日々準備というところからやっていきたいなと考えています。

プロップ長谷川太(スポ4=群馬・太田)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 東海大学さんはセットプレーに強みを持っていて、自分はFWなので、そこで勝負しようと臨みました。最初から最後まで帝京にやられたところを取り返そうと意気込んでプレーしたのですが、セットプレーに関しては要所要所でやられてしまって、それが原因で相手のペースになってしまったと思います。ペナルティを取られてラインアウトになり、モールを組まれるような場面が多かったです。そこが課題だったと思います。

――前節の反省は具体的にどのようなところだったのですか

 スクラムの面では、自分たちのセットアップではなく相手に合わせて組んでしまったので、自分たちの形で組もうということ、ラインアウトは、相手より早くセットして、シンプルなサインでいこうと今回意識しました。あとはディフェンスの部分で、先週は一人一人が食い込まれてしまうことが多かったので、C戦では4レッグス、2人で4本の脚でディフェンスしようというのを課題として取り組んできました。

――ご自身のトライシーンを振り返っていかがですか

 前半最初の方はセットプレーで戦えていて、良い流れで自分たちのモールを組めました。ただぐちゃぐちゃな形になった中でのトライでした。相手の反則で気を抜かずに、自分たちの形で固まって押し続けることができないと、その後モールを組んでも押せなかった原因になってしまったので、最初うまく組めても最後まで一貫性を持ってできなかったのは課題だと思います。

――残りのシーズンの意気込みをお願いします

 自分はスクラムが強みなので、上にいる選手に、日々の練習の中で負けないようにしたいです。それと自分はラインアウトのスローが課題でもあるので、そこに取り組んでいって、必ず赤黒を着て日本一に貢献したいと思います。

フランカー永瀬功太郎(文構4=東京・早実)

――今日はピッチに入る前はどのようなことを考えていましたか

 前半は良い試合をしていたのですが、点数的には負けていたので、チームに対して勢いを与えられるようにということは考えていました。また、4年としてもジュニアの試合としてもここからのシーズンでやれる試合は少なくなっていくと思うので、上に上がるための大事な試合として捉えてピッチに入りました。

――実際に今日の試合を振り返っていかがですか

 良い部分も悪い部分も出てしまったと思っています。特に自分が持ち込んだボールをジャカルされてターンオーバーされてしまうシーンが多かったと個人的には思います。声は出せたと思いますが、まだまだ足りないと思っています。

――声を出すことは意識しているのでしょうか

 プレー自体で勢いを与えるということも大事だと思いますが、声を出すことは誰でもできる中で、自分が絶対に出すということは意識しています。

――タックルで前に出るシーンが多いですが、それも意識していますか

 帝京さんや東海さんなど体の大きな相手に対して、待って引いてしまうと流れに乗られて、どんどん食い込まれてしまいます。大田尾さんやコーチ陣からも「ジュニアは下手くそでも良いから、戦う気持ちを出せ」という話をよくされているので、少なくとも前に出るプレーはできることなのかなと思ってやっています。

――トライシーンを振り返っていただけますか

 味方がターンオーバーしてくれて、本当は外に放ろうかと思ったのですが、WTBが上がってくるのも遅くて、スペースもあったので自分でいきました。トライできて良かったです。

――4年生としてこれからどんなことを意識して戦っていきますか

 声など誰でもできることを徹底してやっていきたいです。自分はここからラスト2カ月を『熱』というものをテーマにしてやっていきたいです。チームに対してできることはそういう部分なのかなと思います。

――今後の意気込みを教えてください

 チーム全体に対して熱量を与えて、チームを勢いづけるということをやっていきたいです。個人としては現状ジュニアのチームでやっていることもありますが、目標としているのは最後に赤黒を着て、『荒ぶる』を歌うということです。ここから試合数はどんどん減っていってしまうかもしれませんが、一個一個の出場時間などを大切にして、上のチームに上がっていけるように頑張っていきます。

CTB岡本大輝(スポ2=東京・本郷)

――今日の試合はどのような気持ちで臨まれましたか

 先週は帝京大Cとの戦いで負けてしまいました。一個一個の部分で戦うという意識をチーム全体として持っていました。

――では、実際に試合はいかがでしたか

 先週に比べて戦う姿勢は見せられたのかなとは思います。しかし、やはり細かいミス等は見られました。自分たちのミスは自分たちのプレーでしっかり修正しなくてはいけないと思いました。

――試合中に収穫、手応えはありましたか

 手応えとしては、やはりアタックで継続できればトライが取れることは分かったのですが、ディフェンスを受けたり簡単なミスをしてしまったりすると苦しい結果になってしまうということは思いました。

――大きくゲインされている場面が多々ありましたが何か意識されていましたか

ディフェンスで我慢して相手のエラーボールを取るということだったり、相手が抜けたところに対してしっかりサポートについたりしてトライに近づくということはすごく意識しました。

――今後の意気込みをお願いします

 シーズンは終わっていないので赤黒目指すチャンスはあると思います。毎日赤黒を目指して頑張っていきたいと思います。

Cチームオープン戦
早大C スコア 東海大C
前半 後半 得点 前半 後半
0 0 0 0
0 0 0 0
12 12 19
17 合計 31
【得点】▽トライ 長谷川、永瀬、桝谷
※得点者は早大のみ記載
早大Cメンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
井元 正大 文3 東京・早実
長谷川 太 スポ4 群馬・太田
千葉 洋介 スポ2 東京・国学院久我山
池本 大喜 文構2 東京・早実
藤井 将吾 スポ2 大阪・早稲田摂陵
永井 新之助 スポ1 東京・早実
小池 航太郎 商2 東京・早実
宮本 大生 文構2 埼玉・早大本庄
桝谷 連太郎 スポ1 東京・本郷
10 守屋 大誠 政経1 東京・早実
11 鈴木 陽結 政経2 東京・早大学院
12 三浦 称児 人2 大分舞鶴
13 金井 奨 人3 群馬・太田
14 宮下 龍樹 人4 茨城・茗渓学園
15 西浦 剛臣 社1 Hamilton Boys’ High School
リザーブ
16 佐々木 柊 スポ1 東京・本郷
17 川村 駿太 法3 北海道・函館ラ・サール
18 千葉 洋介 スポ2 東京・国学院久我山
19 松下 慶伍 教2 東京・早実
19’ 若松 泰佑 文構1 東京・早実
20 永瀬 功太郎 文構4 東京・早実
21 井上 泰志 スポ1 福岡・東筑
22 吉岡 麟太朗 スポ1 東京・本郷
22’ 岡本 大輝 スポ2 東京・本郷
23 杉野 駿太 政経1 東京・早大学院
23’ 京山 秀勇 人2 福岡・東筑
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒)