有終の美を飾る ジュニア選手権で東海大Bに勝利!!

ラグビー男子

 太陽の日差しが眩しい中、早大Bは関東大学ジュニア選手権の最終戦に臨んだ。明大戦、慶大戦は敗北し、理想通りのスタートとはならなかった今大会。しかし、1週間前に行われた帝京大戦でついに勝利を手にした。その勢いのまま迎えた今節の東海大戦。前半は入りから勢いのあるアタックと固いディフェンスで東海大Bを圧倒し、トライを量産した。続く後半は開始直後に相手にトライを奪われたものの、粘り強く戦い勝利。結果は55ー40で有終の美を飾った。

 前半開始早々、早大Bは積極的な攻撃を見せる。前半8分、SO吉村紘(スポ3=東福岡)がステップで相手を抜き、ゴール中央へ走り込んでトライ。コンバージョンゴールも決め快調なスタートとなる。続いて前半13分にはCTB中西亮太郎(商4=東京・早実)が空いているスペースへ絶妙なパスを出し、そこに走り込んだWTB遠山拓(教4=東京・国学院久我山)がグラウンディング。相手も反撃を見せるも早大Bの固いディフェンスを崩せずなかなかトライを奪えない。その後もSH清水翔大(文1=東京・早実)が2試合連続となるトライ。前半32分にはロック大崎哲徳(文構4=東京・国学院久我山)が追加点を挙げる。相手に2トライを許すが、早大優位の流れは変わらず。24ー14で前半を折り返した。

トライするSO吉村紘(スポ3=東福岡)

 後半開始直後、相手に一気に攻められトライを献上。流れを変えられてしまう。後半9分にWTB今駒有喜(文3=東京・早実)が敵陣10メートルライン付近から独走し、そのままトライ。しかし、相手の勢いに押され29ー33と逆転を許してしまう。流れを変えたい早大は少しずつ前進し続け、後半25分にSO久富連太郎(政経2=島根・石見智翠館)が追加点を挙げたことで一気に流れが一転。連続3トライを奪い、50ー33と点差を広げていく。後半39分には何度もフェーズを重ね少しずつ前進し、遠山が再びトライ。試合終了間近、相手にトライを奪われたものの、55ー40でノーサイドとなった。

インゴール目がけて走るWTB遠山拓(教4=東京・国学院久我山)

 今試合は、後半に相手に逆転される場面があったものの、攻撃、守備共に前節に比べ完成度は高まり、『勝つ』ということにこだわって挑んだことで見事白星を獲得した。「明大、慶大の対戦はうまく行きませんでした。そこから自分たちのマインドが変わりました。」と遠山が語るように、ジュニア選手権では終盤になるにつれ、チームの調子が向上。早大Bの成長が見られた大会となった。しかし、選手たちの戦いはまだ終わらない。チームは早慶戦、早明戦と伝統の2戦を控えている。帝京大戦、東海大戦での勝利がチームの追い風となり、残りの対抗戦を勝利で飾れるか、そして、ジュニア選手権を戦い抜いた選手たちがその舞台に立てるか注目だ。選手たちの戦いは続く。

 (記事 水島梨花、写真 宮島真白)

コメント

WTB遠山拓(教4=東京・国学院久我山)

――今日の試合に臨んだ気持ちを教えてください

 前回、帝京大相手に良い試合ができました。昨日は主に課題になったディフェンスとブレイクダウンのところをもう一度こだわってやろうとチームで話していました。

――試合を振り返ってください

 全体的に帝京大戦と同じくチーム全体で戦えていたという点ではすごくよかったと思います。個人としてはトライを何本か取ることはできたのですが、もう少し前を見て判断できればと思いました。そこを改善していきたいです。

――ご自身のトライを振り返ってください

 1本目は相手のディフェンスが寄っていました。空いているスペースに中西亮太朗(商4=東京・早実)ボールを運んでくれて自分もトライを目指していたのでそのままトライできました。2本目はディフェンスで粘って粘って十何フェーズを重ねてのトライでした。トライを取るのが自分の責任だと思ったので走り切りました。

――ジュニア選手権の総括をお願いします

 明大、慶大との対戦はあまりうまくいきませんでした。そこから自分たちのマインドが変わりましたね。その結果を受けて最後まで戦ってやるという意志をこの2試合は示せたのかなと思います。後半につれてチームが良くなっていきました。

――今日の試合の結果を受けて、今後の練習にどう向き合っていきますか

 ジュニア選手権はこれで一区切りがつくのですが、Aチームの対抗戦は早慶戦、早明戦と佳境を迎えていてとても大事な試合が控えています。個人としてはそこのメンバーに入れるように練習をしていきたいと思います。

プロップ横山太一(スポ4=東京・国学院久我山)

――今日の試合にはどのような気持ちで臨まれましたか

次に慶應のA戦があることもあって、チームとしてもすごく重要な試合だったので、セットプレーあやディフェンスの接点の部分で戦うということを一番に考えていました。

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

戦うことはできたと思います。やられた時もあったのですが、その時に自分たちの気持ちが次へと前に向けたということが良かったと思います。

――ご自身のプレーは振り返っていかがですか

セットプレーで優位に立たなければいけないと思っていたので、そこは課題です。また、今日はあまりアタックに絡むシーンが少なかったので、そこでもっと積極的に自分からアタックに絡めれば良いと思います。

――スクラムに関して手応えは感じていますか

自分たちのスクラムは低くまとまるスクラムでしたが、1本目で少しフロントローのコネクトが緩くなったところがあってので、試合中に話し合いながら修正をしました。最終的にはそこの部分は修正できたのかなと思います。

――今日の試合で修正点を挙げるとするならばどこでしょうか

今日の試合はペナルティーが多くて、点を取られたのも全てそこからだったと思います。試合に勝つことはできましたが、40点取られてしまったということは自分たちがやってしまったペナルティのせいです。ほとんどのペナルティは自分たちの意識でなくせる部分だったので、そこの規律の部分をもう一度チームとして引き締めたいと思います。

――今後の意気込みを教えてください

早慶戦、早明戦は4年間このチームに在籍していて、とても大事な試合だと感じています。一人一人が最後までもがき続けることがチームに勢いを与えて、自分たちも相手もプラスアルファを出してくるような試合でも勝てると思っています。また来週からチーム一丸となってもがきたいと思います。

ロック鏡鈴之介(法3=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 接点の部分でFWが前に出れたことが勝利の一番の要因だと思います。ただ、スクラムとラインアウトのところがあまり安定していなかったので、そこがFWの課題です。個人的には点につながるようなシーンでペナルティを結構してしまったので、規律の部分をしっかり取り組んでいきたいです。

――ご自身のトライシーンを振り返っていただけますか

 目の前が空いていて、最近は接点に近いところでボールをもらう練習を結構していたので、そこが生かせたかなと思います。

――アタックについてはいかがですか

 アタックは、相手との一対一に勝つというところをテーマにして頑張りました。

――残りのシーズンに向けて意気込みをお願いします

 個人的な目標は、春にケガをして、またリスタートというところで自分がまたAチームに戻ってプレーするというのと、チームとしてはこの(ジュニア選手権での)2連勝を経て、このまま勢いに乗って早慶戦でも早明戦でも勝利できたらいいなと思います。

SO吉村紘(スポ3=東福岡)

――どのような心境で試合に臨まられましたか

結果にこだわって、勝つというところを大前提に取り組みました 。

――では、実際に試合はいかがでしたか

前半の入りは良かったのですが、そこか、自分たちのペナルティだったりミスだったりで、相手に流れを渡していた部分があったので、そこが今後の反省点かなと思います。けれど、80分を通して戦うことができていたのでそこは良かったと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

アタックコントロールの部分はある程度はできたかなと思うのですが、ゴールキックの成功率があまり良くなかったです。そこは次の試合に向けて改善していきたいなと思います。

――トライシーンを振り返ってください

相手の蹴り返してきたボールがあまり良いボールじゃなくて、前の見やすい状態でボールを持つことができたので、思いきり走ろうと思って走りました。

――10番として、ゲームメイクなど試合の意識はありましたか

スペースはつくれていたのでそこは良かったと思います。そこにもう少し的確にボールを運ぶことができていたらもっと楽な試合になったのではないかなと思います。

――後半の立ち上がりは少し苦しんでいた印象でしたが、どのような意識でしたか

あの時間帯は自分たちのペナルティが招いたことだと思います。その立ち上がり方をもう一度見直すというのを、僕だけでなくチーム全員が声をかけていました。また、ボールを継続すればスペースができるというのは前半から分かっていたので、そこはしっかりとボールをサイクルして良いアタックをしようというのを意識していました。

――これから早慶戦、早明戦が控えていますが、いかがでしょうか

まず、メンバー争いも激しくなっていますし、そこに向けてしっかりと僕もチャレンジしていきたいです。ジャージを着てチームに貢献できるように頑張ります。

関東大学ジュニア選手権
早大B スコア 東海大B
前半 後半 得点 前半 後半
4 5 2 4
2 3 2 3
0 0 0 0
0 0 0 0
24 31 14 26
55 合計 40
【得点】▽トライ トライ 吉村、遠山2、清水翔、大崎、今駒、久富、鏡、小泉 ▽ゴール 吉村(2G)、久富(3G)
※得点者は早大のみ記載
早大Bメンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
横山 太一 スポ4 東京・国学院久我山
川崎 太雅 スポ2 東福岡
木村 陽季 社4 東京・早実
◎大﨑 哲徳 文構4 東京・国学院久我山
鏡 鈴之介 法3 東京・早大学院
前田 知暉 社3 大阪・東海大仰星
田中 智幸 政経4 東京・早大学院
小川 瑞樹 文4 東京・早実
清水 翔大 文1 東京・早実
10 吉村 紘 スポ3 東福岡
11 遠山 拓 教4 東京・国学院久我山
12 中西 亮太郎 商4 東京・早実
13 平田 楓太 スポ3 福岡・東筑
14 今駒 有喜 文3 東京・早実
15 小泉 怜史 文構3 東京・早実
リザーブ
16 長谷川 太 スポ4 群馬・太田
17 井元 正太 文3 東京・早実
18 平山 貴喜 スポ3 北海道・函館ラ・サール
19 永嶋 仁 社2 東福岡
20 小柳 圭輝 社4 東京・国学院久我山
21 河村 謙尚 社4 大阪・常翔学園
22 久富 連太郎 政経2 島根・石見智翠館
23 堀尾 健太 スポ4 茨城・茗渓学園
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒)

関東大学ジュニア選手権カテゴリー1 (11月8日現在)
  帝京大 明大 東海大 早大 慶大
帝京大 11/21 〇40-17
6T5G
●45-49 〇36-14
6T3G
明大 11/21 〇57-35
9T6G
〇47-7
7T6G
◯48-20
8T4G
東海大 ●17-40
3T1G
●35-57
5T5G
●40-55
6T5G
○29-24
4T3G1PG
早大

◯49-45

3T1G

●7-47

1T1G

◯55-40

9T5G

●7-19

1T1G

慶大 ●14-36
2T2G
●20-48
4T0G
●24-29
3T3G1PG
〇19-7
3T2G

※試合会場、時間は非公開