帝京大Bを撃破 待望のジュニア選手権初勝利を手にする!

ラグビー男子

 Aチームが関東大学対抗戦(対抗戦)で帝京大に敗北してから、わずか4日後。早大Bは帝京大Bと対戦した。早大Bは試合開始直後に先制を許すが、前に出るディフェンスで相手にプレッシャーをかけ、徐々に自分たちのリズムをつくっていく。前半終了間際には立て続けにトライを決め、28―14で試合を折り返した。後半は順調にトライを重ね、一時は30点差に。残り10分となったところで4連続トライを奪われてしまったものの、なんとか逃げ切りに成功し、49―45と関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)初勝利を収めた。

 対抗戦の帝京大戦を受けて「自分たちが流れを断ち切って、チームにも良い流れをもたらそう」(ロック大﨑哲徳ゲームキャプテン、文構4=東京・国学院久我山)という意気込みで臨んだこの試合。帝京大Bに先制を許してしまったが、前半15分、早大Bは敵陣22メートルラインアウトからフェーズを重ねて前進し、最後はSO久富連太郎(政経2=島根・石見智翠館)が抜け出してトライ。そこからは両者譲らず、トライを奪い合う展開となる。帝京大Bには何度もトライラインまで迫られるが、15人全員が前に出るディフェンスで要所は押さえ、ピンチを切り抜けた。前半36分には、敵陣でのラインアウトから左に展開し、ラストパスを受けたフランカー田中智幸(政経4=東京・早大学院)が相手をかわしてグラウンディング。ラストプレーでは、またも久富がトライを奪取し、14点リードで前半を終えた。

 

ゲインするフランカー永嶋仁(社2=東福岡)

 後半開始直後、久富が敵陣に向けて蹴ったハイパントを、途中出場のWTB遠山拓(教4=東京・国学院久我山)がうまくキャッチし、そのままインゴールを駆け抜けた。幸先良く得点すると、その後も2トライを重ねる。さらに、FB小泉怜史(文構3=東京・早実)のキックがさえわたり、この日7本のコンバージョンキックを全て決め、一時は49−19と帝京大Bを突き放した。ところが、試合終了まで残り10分のところで、粘り切れずに帝京大Bに4連続トライを許してしまう。それでもなんとかリードを守り切った早大Bは、49−45とコンバージョンキック2本の差で帝京大Bに勝利した。

トライを取るSH清水翔大(文1=東京・早実)

 「接点のところで全員が戦い続けた」と大﨑が話すよう、15人で体を張り続けられたことが早大Bの勝利の要因だ。もちろん、後半30分から終了までの10分間で連続トライを決められてしまったという反省もある。しかし、Bチームがジュニア選手権で初めて勝利を収めたこと、そして帝京大Bに勝ち切れたことがチームに良い影響を与えたことは間違いない。ジュニア選手権も残すところあと1試合。チームとしては、対抗戦の早慶戦と早明戦も控えている。早大として日本一を目指すため、Bチームからチームを盛り上げるため、この試合で得たものを次戦に生かし勝利につなげたいところ。次戦の東海大戦でも、早大Bに必要なものは勝利のみだ。

 (記事 内海日和、写真 水島梨花)

コメント

ロック大﨑哲徳(文構4=東京・国学院久我山)

――今日の試合にはどのような気持ちで臨みましたか

 僕個人としては、Aの帝京戦で(メンバーから)外れてしまったので、ここで取り返そうという強い気持ちを持っていました。B全体としては、Aが(帝京戦で)今までこだわってきた接点、ブレイクダウンのところで食い込まれて負けたというところがあったので、そこの部分で早稲田の借りを返すという強い気持ちで臨みました。

――相手が帝京ということは意識するのでしょうか

 そうですね。接点、ブレイクダウンのところでFWに強みを持っているチームなので、そういったところで「自分達が今までこだわってきたところを発揮するには良い相手だ」と思っていました。Aチームが負けてしまったことでチームとして悪い流れが若干あった中で、自分たちが流れを断ち切って、チームにも良い流れをもたらそうという気持ちでした。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 最後にトライは取りましたが、アタックの部分では貢献できなかったのかなと思います。ディフェンスのところで体を張るということは決めていたので、その部分では戦うことができたと思います。

――ゲームキャプテンとして意識されていたことはありますか

 コンタクトやブレイクダウンのところでは「絶対引くな」ということを周りに声をかけていました。実際に後半の途中までできていたのですが、それが80分間通してできなかったというところで3本、4本連続でトライされてしまいました。80分やり続けられなかったというところが自分たちの甘さかなと思います。

――前半が好調だった1番の要因は何でしょうか

 そこはもう接点のところで全員が戦い続けたということだと思います。

――トライシーンを振り返ってください

 あれは(ボールを)呼んではいました。この前のAチームの帝京戦でも、外側にFWが同じポジションで立っていたのですが、そこのポジション取りが悪いという反省点が出ていたこともあって、そこを自分は意識していました。

――ラインアウトではスティールする場面が多かった印象です

 Aチームの試合の前に自分たちがBとして帝京のラインアウトをコピーしていたので、そういった意味では帝京さんのラインアウトは分析できていたので、そこは生きたのかなと思います。

――後半立て続けにトライされてしまった理由は何でしょうか

 いろいろあると思うのですが、一番は接点、ブレイクダウンの部分です。途中まで戦えていた部分ですが、相手にどんどん勢いが生まれてしまったところで連続トライされてしまったのかなと思います。そこの部分で80分間やり続けることが今後の課題かなと思います。

――かなり前に出るディフェンスをされていた印象ですが、それはこの試合に向けて練習されていたことですか

 Aチームの試合では抜かれないようにということで、相手の重たい圧力をかけられるというシーンが多かったので、その部分では少し変えて相手にプレッシャーをかけました。マイナーチェンジではあるのですが、その部分を意識していましたね。

――この試合での勝利はどんな意味を持つと思われますか

 筑波戦、青学戦と続けて早稲田として良い試合ができていない中で、帝京戦で負けてしまって、早稲田全体の流れとしてあまり良い流れができていませんでした。そこで最後は取られてしまいましたが、自分たちが勝つことができたことで負の流れというものが、断ち切れると良いと思います。早稲田の部員全員に自分たちが何をするべきかということを感じてもらえれば、すごく意味のある試合だったと思います。

――今後の意気込みを教えてください

 コンタクトプレーのところで戦うことが自分に与えられている、期待されていると思うので、そこで誰よりもファイトして、Aにまた戻って戦いたいと思います。

FB小泉怜史(文構3=東京・早実)

――今日の試合を振り返ってください

 今日は帝京と試合する上で、接点の部分で引かないということチーム全体として意識していました。それは前半からよくできていたと思いました。勝利した要因でもあります。しかし、最後疲れた時に接点で出られないところがあったという課題も残りました。BKとしては回せるところは回すということができた部分は良かった点ですね。

――キック勝ちだったと思うのですが、キックを振り返ってみてどうでしたか

 キックは自分の強みなので強みで勝てたというのは良かったかなと思います。

――FBとして、守りの最後尾として、ディフェンスでは何を意識しましたか

 前にしっかりと出るということを意識しました。そして、外側のディフェンスであったり、ハイボールのキャッチをしっかりするということを気をつけましたね。

――今日の試合の反省点と今後の意気込みをお願いします

 後半のラスト10分で点を取られてしまったのでそこはブレイクアウトの部分なのでしっかりしなくてはいけません。BKとしては詰められてきているディフェンスに対してキャリーするのかパスするのかという選択をもっと早く正確にできるようにしていけたらと思います。

プロップ平山貴喜(スポ3=北海道・函館ラ・サール)

――今日の試合を振り返ってください

 Aの試合が負けてしまい、いい結果で終われなかったということがありました。Bでしっかり早大チームの雰囲気を変えていこうという意気込みで臨んだ試合でした。それに関しては入りからブレイクダウンで負けずに戦い、後半までその状態を保てました。最後は失点してしまいましたが、チームとして最後まで戦い抜けたのでよかったです。チームの雰囲気をよくするという部分ではいい終わり方ができたのではないかなと思います。

――明治戦以来のスタメン起用でしたが、どんな気持ちで試合に臨まれましたか

 やはり接点で引かないという部分が3番の仕事だと思います。タックルで目の前の敵に対して引かないということを意識して試合に臨みました。

――少しスクラムが押され気味でしたが、スクラムを振り返ってみてどうでしたか

 いい姿勢で入れたという部分はありました。そこでキープしきれないという部分が課題です。自分たちの前姿勢をキープして、アタックマインドを持ち続ける強い姿勢を作り続けて80分間それを保ち続けることができるようにしていきたいです。

――今後の意気込みをお願いします

 チームとしてはジュニア選手権での勝利を次につなげられるように、個人的には赤黒を目指して頑張りたいと思います。

関東大学ジュニア選手権
早大B スコア 帝京大B
前半 後半 得点 前半 後半
4 3 1 5
4 3 1 3
0 0 0 0
0 0 0 0
28 21 14 31
49 合計 45
【得点】▽トライ 久富2、小泉、田中、遠山、清水翔、大﨑 ▽ゴール 小泉(7G)
※得点者は早大のみ記載
早大Bメンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
横山 太一 スポ4 東京・国学院久我山
原 朋輝 スポ4 神奈川・桐蔭学園
平山 貴喜 スポ3 北海道・函館ラ・サール
◎大﨑 哲徳 文構4 東京・国学院久我山
鏡 鈴之介 法3 東京・早大学院
永嶋 仁 社2 東福岡
田中 智幸 政経4 東京・早大学院
小川 瑞樹 文4 東京・早実
清水 翔大 文1 東京・早実
10 久富 連太郎 政経2 島根・石見智翠館
11 米田 圭佑 政経4 島根・石見智翠館
12 中西 亮太郎 商4 東京・早実
13 平田 楓太 スポ3 福岡・東筑
14 今駒 有喜 文3 東京・早実
15 小泉 怜史 文構3 東京・早実
リザーブ
16 西野 直樹 法3 東京・早大学院
17 長谷川 太 スポ4 群馬・太田
18 下村 勇貴 文1 東京・早実
19 藤井 将吾 スポ2 大阪・早稲田摂陵
20 小柳 圭輝 社4 東京・国学院久我山
21 岡本 大輝 スポ2 東京・本郷
22 堀尾 健太 スポ4 茨城・茗渓学園
23 遠山 拓 教4 東京・国学院久我山
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒)

関東大学ジュニア選手権カテゴリー1 (11月8日現在)
  帝京大 明大 東海大 早大 慶大
帝京大 11/21 〇40-17
6T5G
●45-49 〇36-14
6T3G
明大 11/21 〇57-35
9T6G
〇47-7
7T6G
◯48-20
8T4G
東海大 ●17-40
3T1G
●35-57
5T5G
11/14 ○29-24
4T3G1PG
早大

◯49-45

3T1G

●7-47 1T1G

11/14

●7-19 1T1G

慶大 ●14-36
2T2G
●20-48
4T0G

●24-29
3T3G1PG

〇19-7
3T2G

※試合会場、時間は非公開

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