早大B・Cは反撃を見せるものの東海大B・Cに敗北

ラグビー男子

 7日に行われた筑波大戦でも勝利を収め、依然関東大学対抗戦(対抗戦)首位を快走する早大。その翌日である8日には、東京・早大上井草グラウンドでB・Cチームによる東海大B・Cとの練習試合が行われた。40分を3本という変則的な形で行われた今試合。2本目までは留学生を擁する東海大に圧倒される展開となった。最大45点の差をつけられたが、3本目は意地を見せ反撃。点差を15点まで縮めたものの、あと一歩及ばず40-52でノーサイドとなった。

 試合は開始早々東海大のペースで進んだ。セットプレーやブレイクダウンで留学生を擁するFW陣の圧力を受け、早大は攻撃を継続できない。NO・8細川大斗(社1=東京・早実)の力強いタックルなどディフェンスで粘りを見せ攻め込ませずにいたが、迎えた20分。自陣深くでの相手ボールラインアウトから、そのままモールで押し込まれ被トライ。この先制点で流れをつかまれた早大。その3分後にはターンオーバーを許すと、ディフェンスのギャップを突かれ、またも失点。点差を12点に広げられた。その後はクイックスタートなどの工夫を見せたが、敵陣深くまでは踏み込めず。終了間際にもトライを許し、0-19で1本目を終えた。

チーム初トライをする安部

 数人を入れ替えて始まった2本目も、東海大のペースで進む。相手のミスから好機を作る場面こそあったが、自らのハンドリングミスなどにより点を取り切れない。セットプレーでもマイボールを維持できず、厳しい時間帯が続いた。11分に自陣深くのスクラムからトライを献上すると、疲れの見えたディフェンスを相次いで突破され続けざまにインゴールを明け渡す。この失点でスコアを0-38とすると早大はメンバーの大幅交代を行った。すると、フレッシュな選手たちが流れを変えた。27分に与えた相手ボールのスクラムで、この試合で初めて押し勝ち反則を奪う。この瞬間、応援席の部員たちからも大きな歓声が上がった。このチャンスを生かした早大はパスをつなぐと、最後はWTB安部勇佑(スポ4=東京・国学院久我山)が意地のトライ。キックも成功し、7点を返した。このまま点差を詰めたい早大だったが、攻撃時に単純なミスが重なり連続トライとはならず。37、39分にはランによる突破から2トライを追加され、7-52で2本目終了となった。

連続トライを上げた宮下

 大きく点差を離されて始まった3本目だったが、ここから早大が反撃を見せる。キックオフ直後の1分、WTB村岡隆貢(スポ4=東京・国学院久我山)がステップでディフェンスをかわしラインブレイクすると、そのままインゴールまで走り込みトライ。好調なゲームの入りを見せた。3分にはSO金井奨(人2=群馬・太田)の突破からサイドへ展開し、最後はフランカー植野智也がインゴールへ飛び込む。3本目の主導権を握った早大。相手ボールになった際も接点でプレッシャーを与えてすぐにボールを奪い返し、敵陣で試合を進めた。その後もテンポの良い攻撃を続けると、10、16分にはNO・8宮下龍樹(人3=茨城・茗溪学園)が連続トライ。16分までに4トライを挙げる猛反撃を見せた。スコアを35-52とし、逆転を目指して素早く攻め続けた早大だったが、焦りからかハンドリングミスが多発。33分に5点を返したものの反撃はここまで。40-52でノーサイドとなった。

 多くの選手が出場し、実戦経験を積んだ早大。試合に敗れはしたものの、各々が収穫、課題を得た。例年と異なった状況下で行われている対抗戦。選手層の確保のため、B・Cチームの重要性が高まっていることは間違いない。対抗戦は残り2試合を残すのみとなった。さらにその後に控える全国大学選手権へ向け、戦力の底上げは欠かせない。熾烈(しれつ)なメンバー争いが続く中で、B・Cチームでプレーする選手の存在感は今後も増してくるはずだ。

(記事 横澤輝、写真 内海日和、山口日奈子)

コメント

CTB高木樹キャプテン(法4=大阪・早稲田摂陵)

――今日の試合を振り返っていかがですか

最初のメンバーの話をすると、セットプレーが安定していなくて、あの時間帯に自分たちがどんどんボールを動かせられれば良かったです。それはしんどいですが、しんどい時にしんどい選択をしなくちゃいけなかったのに、楽な選択と言いますか、簡単に一発で取れるようなトライを取りにいこうとしてしまいました。結局オフロードのミスによって相手ボールになったり、タッチを割ってしまったりしてしまったと思います。しんどい時にしんどい選択をする姿勢がなかったことが一番ダメだったところです。

――試合前にはどのようなことを意識していましたか

もちろん分析はしていて、接点のところにこだわっていこうという話はしていました。そのような意味では、いいタックルもできていましたし、接点のところはうまくいったと思います。

――クイックスタートをたくさんされていましたが、試合前から早めにリスタートしようと話されていたのですか

あれをやりだしたのは試合中です。やはりセットプレーが安定しない点と相手がペナルティーの際にフォワードの選手が外に出たり、ゆっくりしていたりという部分があったので、コーチからの指示もあり、クイックでどんどん仕掛けていきました。

――トライを取りきれなかった要因は何でしょうか

それが最初に話した部分で、しんどい時にブレイクダウンを作ることはしんどい選択だと思います。しかし、そこで辛抱できずに一回でトライを取ろうとしたことにより、オフロードなどでミスしてしまったことが取りきれなかった要因でした。

――同じBチームで頑張っていたフランカー坪郷智輝(法4=埼玉・川越東)は先日の帝京大戦や筑波大戦で活躍されました

坪郷とは個人的にも仲が良くて、一緒に過ごす時間も長いです。それゆえに、僕はあの試合はウォーターとして入っていたのですが、彼がMOMに選ばれてとてもうれしかったです。うれしい反面、誰よりも悔しい思いをしたのは自分ではないかなと思っています。早く自分もあの舞台に立ちたいです。しかし、今日の出来だったら全然ダメで、けがをしている選手も帰ってきますし、どんどんどんどん下に落ちていってしまいそうので、また明後日の練習から気合を入れて圧倒できる選手にならないとここから上がれないと思います。今日の試合もいい意味で反省として使って、成長していきたいです。

ロック鏡鈴之介(法2=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

フォワードがセットプレーで負けてしまって、申し訳ない気持ちです。今週は『一人一殺』というテーマだったのですが、接点に拘って全員前に出ようとしていました。そのようなメンタルの部分は良かったと思います。

――個人的にはいかがでしょうか

かなりタックルは入れていたのですが、ラインアウトなどのセットプレーをロックとして安定させられない部分が課題だと思います。

――東海大には多くの留学生がいましたが、対策はされましたか

あまりどんなメンバーが出てくるかわからなかったのですが、留学生にも接点で負けないようにという話はしていました。

――セットプレーで修正すべきところはどのような点ですか

ラインアウトは、もちろん相手の方が高かったので、もっと早くセットしたりだとか、小さいなりにできることがあったのではないかと思っています。

――筑波大戦では初めての対抗戦メンバー入りでしたが発表された時はどのようなお気持ちでしたか

知らされていなかったので、びっくりしました。木曜日にメンバー発表があったのですが、僕は事前に言われてなかったので、ツイッターで知りました。

――ご自身の強みは何でしょうか

そんなに強みはないのですが、今年は愚直にタックルを頑張ろうと思います。

――最後に今後の意気込みをお聞かせください

故障者の関係で赤黒を着ることができたのですが、自分の力でも着ることができるように、もっとBATTLEしていきたいです。

 

秋季オープン戦
早大B・C スコア 東海大B・C
1本目 2本目 3本目 得点 1本目 2本目 3本目
33 19 33
40 合計 52
【得点】▽トライ 宮下2、安部、村岡、植野、池本  ▽ゴール 金井(4G)、久富(1G)
※得点者は早大のみ記載
   

<

<
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
小沼 宏太 スポ3 茨城・清真学園
大平 純造 文4 東京・早実
土田 彬洋 スポ4 茨城・茗溪学園
鏡 鈴之介 法2 東京・早大学院
前田 知暉 社2 大阪・東海大仰星
小川 瑞樹 文3 東京・早実
小柳 圭輝 社3 東京・国学院久我山
細川 大斗 社1 東京・早実
島本陽太 スポ1 神奈川・桐蔭学園
10 久富 連太郎 政経1 島根・石見智翠館
11 安部 勇佑 スポ4 東京・国学院久我山
12 岡崎 颯馬 スポ1 長崎北陽台
13 ◎高木 樹 法4 大阪・早稲田摂陵
14 佐々木 奎介 社3 東京・早大学院
15 堀尾 健太 スポ3 茨城・茗溪学園
リザーブ
16 木下 隆介 文4 東京・本郷
17 大木 祐太 法2 東京・早大学院
18 長谷川 太 スポ3 群馬・太田
19 武内 陸 法2 埼玉・早稲田本庄
20 木村 陽季 社3 東京・早実
21 黒田 瑛大 社4 埼玉・早稲田本庄
22 山野 浩暉 文講4 東京・早実
23 江島 航 法2 早稲田渋谷シンガポール
24 高吉 将也 教4 神奈川・桐蔭学園
25 永島 一光 スポ4 福岡・修猷館
26 小池 航太郎 商1 東京・早実
27 植野 智也 法2 東京・早実
28 永嶋 仁 社1 東福岡
29 宮下 龍樹 人3 茨城・茗溪学園
30 藤井 将吾 スポ1 大阪・早稲田摂陵
30 森谷 隆斗 商3 東京・早大学院
31 清水 一志 社2 東京・早実
32 金井 奨 人2 群馬・太田
33 島本 雄太 創理4 神奈川・桐蔭学園
34 千年原 倭 文講4 東京・早実
35 池本 暖 人3 愛知・千種
36 岡本 大輝 スポ1 東京・本郷
37 田所 賢汰 社4 埼玉・早稲田本庄
38 三浦 称児 人1 大分舞鶴
39 村岡 隆貢 人4 神奈川・國學院久我山
40 清水 竜成 教3 東京・早実
41 遠山 拓 教3 神奈川・國學院久我山
42 島田 雄大 商4 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)