スクラムで完敗。流れを引き寄せることが出来ず、敗戦/早明戦

ラグビー男子

 伝統の一戦である早明戦が愛知・豊田スタジアムで行われた。明大は今季王者・帝京大に関東大学春季大会で勝利を収めているため、試合前から厳しい試合になることが予想されていた。12分、21分と明大のセットプレーを軸とした攻撃に連続で失点。流れを変えたい早大は立ち直りを見せ、得意とするラインアウトモールから得点するが、前半終了間際にPGを決められて5―17で試合を折り返す。後半は攻め込む場面も増加したが、終始明大のディフェンスを崩せず。5-29と、力の差を痛感させられる敗北を喫した。

 序盤、早大は明大の強烈なスクラムとフィジカルに圧倒されなかなかボールを保持することが出来ない。すると、11分には明大にスクラムトライを献上。「一人一人が(ディフェンスで)前に出るということを、チームとして重きを置いた」(SO岸岡智樹、教3=大阪・東海大仰星)という思惑とは裏腹に、その後も明大の強靭なフィジカルに押され続ける。さらに、18分にはキックパスから追加点となるトライを決められ0-14とされてしまう。しかし、早大はここから反撃。ラインアウトから相手の反則を誘うと、敵陣ゴール前でのマイボールラインアウトのチャンスを獲得。モールで押し込んでフッカー宮里侑樹(スポ4=沖縄・名護商工)がインゴールにねじ込み5-14とする。その後は早大は粘りのディフェンスで明大の強力なアタックに耐える時間が続く。しかし、粘り強いディフェンスで踏ん張りを見せていたが、前半終了間際にPGを決められ、5-17で試合を折り返した。

強いプレッシャーを受けたスクラム

 迎えた後半、最初に好機を作ったの早大だった。8分、相手ボールラインアウトをスティールすると、堪らず明大がペナルティー。敵陣ゴール前でマイボールラインアウトを得る。しかし、ここでミスが出てしまい、このチャンスを生かすことが出来ない。するとその後、明大に裏の空いたスペースにキックされ、プレッシャーを掛けられると、このボール処理をミス。WTB山村和也(明大)に拾われ独走を許す。そのままインゴールを駆け抜けられ、不運な形で失点してしまう。追加点を許した早大だったが、「大分セットもできるようになってきたので、その分前に出られるようになっている」(相良南海夫監督、平4政経卒=東京・早大学院)と振り返る通り、改善したディフェンスで追加点を許さず。しかし、一方でアタックではNO・8丸尾崇真(文構2=東京・早実)らがディフェンスラインのギャップを突破しようと試みるが、明大の分厚いディフェンスを打ち崩すことが出来ない。すると、29分にはスクラムでたまらずコラプシングを繰り返してしまい、認定トライを献上。後半は無得点で5-29でノーサイドを迎えた。

ケガからの復帰戦となった丸尾崇

 今回の試合では規律の部分が徹底されていなかった。その証拠にペナルティーの数が13。決して少ない数字とは言えないだろう。ただ、「後半もずっと止めれた」(ロック三浦駿平、スポ3=秋田中央)と語るように、今週のテーマの一つとして挙げていたゴール前のディフェンスでは明大の猛攻を防ぐ好守備のシーンなどが見られた。それだけに単調なミスやペナルティーでボールを失ってしまう部分は反省点であろう。次戦の相手は日大。春シーズン最後の試合でどんな姿を見せてくれるのか、期待したい。

(記事 小田真史、写真 元田蒼)

愛知・豊田ラグビーフェスティバル
早大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
17 12
合計 29
3/3 3/4 スクラム成功率 3/3 4/5
3/3 4/5 ラインアウト成功率 9/9 5/6
【得点】▽トライ 宮里 
※得点者は早大のみ記載
早大登録メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
千野 健斗 人4 東京・成蹊
後半21分交代→16井上
宮里 侑樹 スポ4 沖縄・名護商工
後半36分交代→17鷲野
久保 優 スポ2 福岡・筑紫
三浦 駿平 スポ3 秋田中央
松井 丈典 スポ4 愛知・旭野
後半39分交代→19中山
◎佐藤 真吾 スポ4 東京・本郷
幸重 天 文構3 大分舞鶴
丸尾 崇真 文構2 東京・早実
貝塚 陸 スポ4 東京・本郷
後半36分交代→21堀越
10 岸岡 智樹 教3 大阪・東海大仰星
11 梅津 友喜 スポ3 岩手・黒沢尻北
12 平井 亮佑 スポ2 福岡・修猷館
後半31分交代→23伊藤
13 桑山 淳生 スポ3 鹿児島実
14 安部 勇佑 スポ2 東京・国学院久我山
15 南 徹哉 文2 福岡・修猷館
リザーブ
16 井上 大二郎 スポ4 愛知・千種
17 鷲野 孝成 基理4 神奈川・桐蔭学園
18 土田 彬洋 スポ2 茨城・茗渓学園
19 中山 匠 教3 東京・成城学園
20 沖野 玄 商3 北海道・函館ラサール
21 堀越 友太 社4 東京・早実
22 加藤 皓己 創理3 北海道・函館ラサール
23 伊藤 大貴 スポ4 愛知・春日丘
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)

――チームとして対策・方針はどのように立てましたか

対策は特には立てていないです。天理大のときにブレイクダウンの相手の寄りの早さであったり、ディフェンスの出足の良さだとかそういうところは我々にとって足りない部分だと思ったので、そういう意味ではチームのスタンダードにしていこうじゃないかとこの一週間取り組んで、その部分については練習した内容についてはゲームの中では出たかなと思います。

――『ゴール前でのディフェンス』を今週取り組んできたと伺いましたが、後半にゴール前で耐えしのぐ場面がありましたね

前半はトライを取られたんですけど、我慢できたのではないかなと思います。特に、後半はよく我慢できたのではないかなと思います。

――その一方でスクラム、ブレイクダウンで強いプレッシャーを受けました

ブレイクダウンもアタック有利なので、ディフェンスの局面が多いとどうしてもそういうふうに見えてしまう部分はありますね。ペナライズもされやすいので。どうやって自分たちがボールを保持できる時間を増やすかというのがこれからチームとして考えていかないといけないと思います。

――ペナルティーが多くなったのはディフェンスの時間が長くなったことも影響しているのですね

そうですね。一方で、ディフェンスで我慢できるマインドをつけさせたいんですが、我慢しきれずペナライズしているのでね。特に、ブレイクダウンのところはレフェリーの解釈もあるので難しいところはあるんですが、一方でオフサイドなどは直せるポイントなので、そこはもうちょっと選手たちに意識させたいですね。

――ディフェンスに関して、強豪校である明大相手に、取り組んでいる前に出るディフェスンスが出来ていなかったように見えました

もう少し出られると思っているんですよね。やっぱり失敗しないように、抜かれないようにというマインドがまだあると思います。もう少し上がってぶつかりたいと思っているので、そこをもう少し練習していくしかないかなと思います。

――一方で、シーズンの序盤よりはディフェンスで前に出ているように見えます

大分セットもできるようになってきたので、その分前に出られるようになっていると思うんですが、先週の天理大さんとかを見るとまだ出が甘いと思うので、もっと出られるんじゃないかと思います。

――強豪校との3連戦を3連敗という形で終えました。この現状をどのように受け止めていますか

逆に点差という形で差がはっきりしましたし、実際に試合をして肌感をつかめたので、天理大は取られすぎてますけど、今日の24点差にしかりそれをどう埋めていくかというのがわかりやすくなったので、負けから学びたいと思いますね。負けから学ばないといけないと思いますし。

――春シーズンは残り1試合となりました

天理大や明大を意識して練習もモチベーション高くできたのではないかと思います。相手がどうこうではなく、きょう学んだことを今週どのような練習をして日大戦に臨めるかだと思います。前に出られるかだとか、規律が保てるかだとか、そういうところを日大戦ではきょうよりいい形にしたいと思います。

フランカー佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)

――チームとしてはどのような方針を立てて臨まれましたか

テーマが3つありました。ゲインラインの攻防のところ、ゴール前のプライド、規律の部分ですね。

――規律という話がありましたが、ペナルティーの多い試合となりました

そこは全然ダメでしたね。

――スクラム、ブレイクダウンでも強いプレッシャーを受けました

自分たちなりには結構やっていたんですが、まだまだスタンダードが低いというか、明大さんに比べて練習中のスタンダードが低いのかなと思います。

――スクラムの新しい組み方が影響しているのでしょうか

いや、そういうことではないです。力負けしました。

――ブレイクダウンの部分はいかがですか

ブレイクダウンはプレッシャーをかけ方の規律であったり、精細を欠いたというか、細かいブレイクダウンのスキルが疎かになっていて、そこをレフェリーに見られてペナルティー取られたのかなと思います。

――一方で唯一のトライがモールからでした。通用すると感じた部分などはありましたか

そうですね。モールは1回目もコラプシング取れて、2回目でこれでいけるなという確信はありました。なので、かなり自信になりました。

――スクラムからNO・8が持ち出す戦術を多用していましたが、意図は何でしょうか

SHにボールが出ないので、NO・8から直接ボールを出しました。

――後半ゴール前のディフェンスの部分がありましたが、ここでは失点を許しませんでした

そこのディフェンスは思ったよりも止められたと思います。

――このときはどのようなことを意識していますか

1人目が足が寝ずに相手をバインドして足をかき続ける、2人目はしっかり体を当てる。で、頭を入れ続けるそういうところですね。

――また、いつもよりもディフェンスで前に出られなかったように見受けられましたが、ここの部分はどのように感じていますか

(前に)出る意識の問題だと思います。ですけど、相手がワンパスで来たりするプレーが多いというのは想定していたので、なかなか上がりすぎてしまうとワンパスが怖いなというところで、気持ち的に前に出られなかったのかなと思います。

――結果として強豪校との3連戦に3連敗を喫しました。この結果をどのように受け止めていますか

結果が全てというか、自分たちの力不足だとは思います。でも、ここから慶大、天理大、明大と強い相手と戦っていい課題も出てきているので、天理大戦からの課題でもきょうの試合で生かせたところが多くあったので、そこは明治さんにいい課題を教えてもらったと思って次に生かしたいなと思います。

――残り1試合となりましたが、次の試合へ向けて一言お願いします

結果にはこだわって、きょう出た課題を次の日大戦に反映させられるように頑張りたいと思います。

ロック三浦駿平(スポ3=秋田中央)

――試合に向けてどのような意気込みで挑みましたか

チーム全体で前を見てスペーシングしてディフェンスしようってことで臨みました。

―その部分を振り返って試合はいかがでしたか

前見てちゃんとスペーシング出来てたんですけど、その中の規律の部分でペナルティーが多くて。そこでゴール前、明大の得意な近場の部分に持っていかれました。そこがミスかなと思います。

――今週のFWの課題としてゴール前ディフェンスということでしたが、そこの部分振り返っていかがでしたか

近場のゴール前のピックの部分とか、後半もずっと止めれたりして。ちょっと最後スクラムでトライ取られてしまったんですけれども、その部分は先週よりもプライド持ってディフェンスできたと思います。

――ラインアウトは振り返っていかがでしたか

ラインアウトは自分たちのムーブやマックスジャンプ、マックスリフトに良いスローすればボール獲得できたので、収穫だと思います。

――スクラムはロックから見て明大はどれくらい強かったでしょうか

体は大きいし、重さが春やってきた相手の中で一番重くて。その部分は今の段階では勝ててないので、ヒットスピードであったり低く組むっていうのを意識して練習しようと思います。

――アタックのシェイプの形で前半ゲインする場面が多かったですがいかがですか

空いたスペースに走り込もうっていうのもテーマでやってきたので、それが達成できて良かったと思います。継続してやっていきます。

――試合を通してペナルティーが多く、そこから攻め込まれる場面が多かったですが、振り返っていかがですか

そこも規律の部分で、自分も2つほどペナルティーしてしまってるし、全体としても多いと思うんで。やっぱりそこを改善しないと強い相手だとそういうペナルティーから負けてしまうことが多いので。そこの規律の部分を一人一人が意識して練習からやってきたいと思います。

――チーム全体のボールキャリーの部分はいいかがでしたか

先週よりは走り込めていました。止まってボールもらってた場面は少なかったと思うんですけど、もっとできると思います。来週の日大戦あるんで、走り込んで圧倒できるように1週間やってきたいと思います。

――慶大、天理大、明大という山場を超えいかがですか

全部勝ち切れなかったんですけど、課題が色々見つかったので、そこを修正してラストの試合は春の総決算だと思うので、しっかりやってきたいと思います。

NO・8丸尾崇真(文構2=東京・早実)

――今回の試合で、ディフェンスは比較的安定していたと思うのですが、自分の中で意識したことなどはありますか

前半はペナルティーで前にこられてたんですけど、後半はそこを修正したら中盤でずっとディフェンスし切れました。ディフェンスはあまり怖くなかったですね。

――スクラムを振り返ってみていかがですか

やっぱり押されてたので。でもフッカーがフッキングしてくれるのでまあ出せましたし、マイボールスクラムは僕が出せたからいいですけど。相手ボールの自陣ゴール前スクラムもあったんですけど、あそこのスクラム、相手ボールスクラムをもっと押さえてかないといけないなって感じました。

――途中からスクラムのボールをピックしていく機会が増えていったように見られましたが、何か意識していましたか

マイボールのときはボール出すことを優先。ヒットした時点で押せるか押されるかはだいたいわかるので。それで判断して。まずはボール、マイボールセキュリティを優先しました。

――明大に押されるなかでもディフェンスの質が下がらなかったことは収穫として挙げられると思いますが、そこはどうでしたか

後半は良かったですね。守り切ったってとこもあるし、そこは収穫ですね。でもやっぱり前半の自陣に来られたときにペナルティートライ取られてしまって、ペナルティー取られて自陣に来られてもそこで止め切らないといけないと感じました。

――強豪校を相手に敗北が続いていますが、どう思われますか

やっぱり勝たなきゃ意味ないので、内容云々言われますがやっぱりワセダは勝たないといけないと思うし。勝つことに意味があると思うし。勝たないとファンの方々も喜ばせられないから、やっぱり悔しいですね。勝ちにこだわりたいなと。

――明大が相手ということで、特に意識したことはありますか

FWの部分で、1対1のところを絶対引かないってのを意識してプレーしました。

――次に控える日大戦へ向けて意気込みを教えてください

春の最後の試合なので、まずはやってきたことを個人としてもチームとしても出切るっていうこと。そいて、勝ちにこだわって圧倒的に勝ち切るってのを意識したいです。

SH貝塚陸(スポ4=東京・本郷)

――5-29で敗戦しましたこの結果についての心境をお聞かせください

もちろん勝つつもりで挑んだのですが、やりたいこともやらせてもらえずアタックも継続出来ませんでした。あとペナルティの多さ。試合前に規律というところを守ろうと話していましたが、守れず相手のテンポでいかれたというのが反省ですね。

――ブレイクダウンでプレッシャー掛けれる部分が多くありました

アタックのところで自分達がうまくゲインできず、SHにプレッシャーがきていたのかなと思います。

――以前『ゴール前のディフェンスにフォーカスしている』と伺いましたがその部分に関してはいかがでしたか

練習でゴール前のディフェンスのとろこを中心に練習をやってきました。スクラムトライを取られましたが守り切れたなと感じる場面もありました。あとはペナルティーがあった時、規律を守れない選手がいた時に(トライを)取られてしまいました。

――良かった点はどんなところですか

良かった点はゴール前で粘れたことですね。

――ご自身で抜け出すシーンがあったと思うのですが、そこを振り返ってみていかがですか

その前のラインアウトでSOにプレッシャーが来ているのは分かっていたので、その穴を突けば抜けると思い仕掛けました。

――天理大、慶大、明大の強豪校には勝てませんでした

相手が強くてもゲインラインの攻防という部分を一番意識しているポイントだったので、1対1で勝たなければいけませんでした。

――春シーズン最後の試合となる日大戦に向けて一言お願いします

スタメンに入れるか分かりませんが、自分としては新しいディフェンスの動きを徹底してゲインラインの攻防で一歩も引かず、勝つということを意識して臨みたいと思います。

SO岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)※囲み取材より抜粋

――敗れてしまいましたが、今の心境はいかがですか

悔しいの一言ですね。率直に言えば悔しいです。

――試合前はどのような点に意識を置いていましたか

今日のゲームテーマは、ゲインラインでの攻防でした。ゲインラインを越えて、一人一人が前に出るということを、チームとして重きを置いて試合に取り組みました。

――前半の20分は押される場面が多かったように思います

それは想定内のことではありました。中盤で1トライ返した時は、敵陣に入ることができて、自分たちのアタックからモールでトライができ、自分たちの形が出せました。そこでアタックが通用することがわかったので、より一層中盤でのペナルティーを減らし、自分たちのラグビーで攻めるのが理想でした。ただ、前半の最初の方には、ペナルティーが重なってしまって、タッチキックからモールで押されるなど、想定されることがそのまま出てしまいました。

――ハイパントでボールを競る展開に持ち込む場面が多かったように思いますが、意図はありますか

前半は少し風下だったので、ロングに蹴ってもあまり長く蹴れないだろうと考えていました。今日の相手のバックス陣のメンバーを考えても、蹴り返してくるより、走って攻め返してくるだろうと思っていたので、いいスペースを残して走られるよりは、ハイボールでフィフティーフィフティーの状況を作りたかったです。そこで再獲得できれば、中盤でもう一回アタックができるので、そうした意図でハイボールを選んでいました。

――後半についてはエリアを取るキックが多かったですが、振り返っていかがでしょうか

後半は、前半とは対照的に風上でした。自分たちがアタックする場面を増やすために、できるだけ下げて、相手に蹴り出してもらうような場面を作りたかったので、キックは前半と後半で使い分けていました。

――ここまでの春シーズンを振り返って、チームとしていかがでしょうか

現状は、前半にペナルティーを重ねてしまって、自陣に入られて、そのまま相手の得意な展開になってしまっています。天理大もFWが強かったですし、明大もきょうのようにスクラムトライがありました。FWで前に押し出されると、流れが作れなかったり、イライラが溜まってアタックでもミスが増えたりしています。ディフェンスでも、ボールの欲しさのあまりに、我慢しきれずオフサイドなどのペナルティーが多くなっているので、自分たちの反省として、すぐ改善しなければいけないところかなと思います。

――明大から「早大は昨年よりタフになっている」という印象が聞かれました。チームとして変わったところはどこですか

一番の変更点は、アタックの攻め方です。タフになったと思われたのは、おそらくディフェンスのところで、1対1で負けずに相手にプレッシャーを与えられているという点だと思います。明大もボールをつないではいたのですが、ところどころでミスがありました。そこの部分で、ディフェンスにおいて僕たちの我慢強さが芽生えてきているところを評価してもらえたのかなと思います。昨年はしっかり相手を止めて、自分たちのディフェンスを崩さないという形でしたが、今年はしっかり相手にプレッシャーをかけるというのが一番のモットーになっています。そこをきょう相手が感じてくれたのなら、自分たちの成長かなと思います。

――アタックについては

昨年は、アタックはポットというものを採用していて、夏の2週間、3週間だけで自分たちのものに取り入れていました。自分たちのアタックをすぐものにできたのですが、対抗戦を何試合も重ねていく上で、相手には研究されやすかったです。春からは、スペースをグラウンドいっぱい、裏も外も、全て攻められるように配置しようということで、春シーズンを通して形を作っていこうとしています。秋のシーズンには、相手に研究されたとしてもどこでも攻めていくことができるようなアタックの形を目指して、今は練習しています。

――そのために必要とされるのはどのような点ですか

判断の面ですね。きょうはディフェンスの場面が多かったのでアタックがしづらかったし、ディフェンスを頑張っている中でボールを持って、アタックに「行かなきゃ」というところがありました。ボールを取ってアタックしてトライを取るというのが、自分たちの最終ゴールです。今日は、アタックよりディフェンスの方が意識が強かったです。明大は、アタックになってからどんどんボールをもらいにいく選手が多かったですし、そこの違いがまだあると思います。アタックに参加したい、ボールを持って走るんだという選手が出てくれば、もっと面白いアタッキングラグビーができると思っています。

――手応えはありますか

明大のFWを相手にモールでトライを取ったり、FWサイドでも相手とのゲインラインの攻防に勝ったり、アタックができれば前に出られるという感触がきょうもありました。ディフェンスとアタックで、両方のスタンダードを上げられるように頑張っていきたいです。

――今後への抱負をお願いします

夏に向けて、アタックのタイプで、自分たちの選択肢を増やしていくことを目指したいです。ディフェンスはこのスタンダードを継続して、より相手にプレッシャーをかけるディフェンスを手に入れることですね。また、今日は5点しか取れなかったので、トライを取りきる力も、夏を通してものにしたいと思います。