関東大学対抗戦展望

　１７日、早大もついに関東大学対抗戦（対抗戦）の初戦を迎える。成蹊大、筑波大、日体大、青学大、帝京大、慶大、明大の順で対戦する早大。全国大学選手権への対抗戦からの出場枠が削減されたこともあり、これから一つも落とせない戦いが続いていく。悲願の日本一を奪還するためにも、対抗戦ではしっかりと結果を出していきたいところだ。

　今季から就任した山下大悟新監督（平１５人卒＝神奈川・桐蔭学園）のもと、スクラム、ディフェンス、ブレイクダウンの三点を柱にして春からチームをつくってきた早大。しかし特にディフェンスに関して、春季には苦しんだ。関東大学春季大会やその他の定期戦を含めたＡチーム全９試合の平均失点は約３５。勝敗で見ても２勝７敗と大きく負け越した。それでも、夏に行われた網走での合宿以降、失点の数は着実に減っている。菅平での試合では、前半だけのスコアだが帝京大に１０－１２、東海大に１９－１２と接戦を繰り広げた。対抗戦ではこのようなタイトなディフェンスを前後半通じて継続していきたい。

セットプレーの要である桑野主将

　アタックに関しても、夏以降の成長が著しい。春シーズンはチームの土台作りの期間に充てたため、アタックには着手していなかった。しかし、網走での合宿でアタックを整備し始めたことで、アタック力だけでなくディフェンス力の向上も見られる。そして、今季の早大の強みとして挙げられるのが強力なスクラム。アタックの起点としてＢＫにいい状態でボールを供給するだけでなく、ゴール前ではスクラムトライにも期待できる。ＢＫにはエースのＷＴＢ本田宗詩副将（スポ４＝福岡）を筆頭に走力のある選手がそろっており、得点力は十分。また、ラインアウトモールも夏以降好調で、他大学にとって大きな脅威になりそうだ。

エースとして期待される本田

　試練の春、鍛錬の夏を超えて確実に力を伸ばしてきている早大。しかし、桑野詠真主将（スポ４＝福岡・筑紫）は「シーズンを通してまだまだ成長していかなければいけない」と、決して満足していない。これから始まる対抗戦の中で、どれだけ成長を重ねられるかが８季ぶりの日本一奪還に向けてカギになってくる。まずは１７日の初戦で成蹊大を圧倒し、『荒ぶる』への第一歩を踏み出したい。

（記事　進藤翔太、写真　寺脇知佳、黒田菜々子）

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