意地のディフェンス見せるも、勝利には届かず

ラグビー男子

 夏合宿中に行われるBチーム最後の練習試合となったこの試合。夏合宿の練習の成果を発揮する好機であり、来月に開幕を控える関東大学ジュニア選手権に向けても重要な一戦である。早大Bは、粘りのタックルで前半を完封で終えるディフェンスを見せたが、アタックが振るわず。後半に3トライを奪われ、7-21で敗れた。

 前半は終始、一進一退の攻防だった。早大Bは6分にマイボールスクラムからチャンスを演出するが、東海大Bのディフェンスは固く、なかなか得点まではつながらない。その後もたびたび敵陣に果敢に攻め込みながらトライには至らず。逆に相手にも攻め込まれる場面もあったが、最後の最後のところで集中力を見せ、耐えるという展開に。両チームともにゴール前で意地のぶつかり合いが続くも、相手に得点を許さず0-0で折り返す。

春から重点的に取り組んできたディフェンスが光った

 後半開始直後から相手ボールの苦しい時間が続いた。それでも早大Bは、春から重点的に強化してきたディフェンスで東海大Bの強力な攻撃を正面から受け止め、簡単にはゲインさせない。しかし、後半7分にパスをインターセプトされると、敵陣から一気に走られ失トライ。その後も相手のモールを止め切ることができず、インゴールを明け渡した。しかし、早大Bも反撃に出る。後半34分に、敵陣深くでのラインアウトからフリン勝音(スポ2=福岡・筑紫丘)がタテに切り込み、峨家直也(商2=兵庫・報徳学園)へラストパスが渡った。さらにその直後に敵陣深くまで攻め込んだが、惜しくもここで試合終了。7-21で敗戦した。

アタックでは何度もトライのチャンスはあったが、決め手を欠いた

 春から強化してきたディフェンスは安定性が認められたが、夏から調整を始めたというアタックは東海大相手に封じ込められてしまった。「合わせはじめて間もない攻撃に関して、選手間で共通認識が確立できていなくてかみ合わなかった」とSH杉本頼亮(スポ3=京都・桂)は振り返る。ジュニアを筆頭として、下位チームの強化は秋から始まる関東大学対抗戦を勝ち抜いていくためにも必要不可欠な要素である。春シーズンに比べるとアタックの時間も増え、ゴール前まで攻め込むこともできている。これからの課題はトライを決めきる決定力だろう。

(記事 上野真望、写真 高橋団、萩原大勝)

ジュニア夏季オープン戦
早大B スコア 東海大B
前半 後半 得点 前半 後半
21
合計 48
【得点】▽トライ 峨家 ▽ゴール 船越(1G)
※得点者は早大のみ記載

         

 

         

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
◎佐田 涼祐 社4 東京・早実
  後半0分交代→16井上    
鷲野 孝成 基理2 神奈川・桐蔭学園
  後半0分交代→17鷲野    
柴田 雄基 文3 愛知・千種
  後半0分交代→18小笠原    
三浦 駿平 スポ1 秋田中央
  後半0分交代→19沢登    
吉満 慎吾 人3 東京・本郷
  後半0分交代→20樋口    
千野 健斗 人2 東京・成蹊
  後半0分交代→21西田    
柴田 徹 社1 神奈川・桐蔭学園
  後半0分交代→23堤    
中山 匠 教1 東京・成城学園
  前半21分交代→22増原    
吉岡 航太郎 スポ3 國學院栃木
  前半35分交代→24杉本頼    
10 横山 陽介 スポ3 神奈川・桐蔭学園
  後半0分交代→27中野厳    
11 桐ケ谷 稜介 スポ2 群馬・太田
  後半0分交代→25高橋駿    
12 野口 祐樹 人3 群馬・太田
  前半25分交代→25フリン    
13 船越 明義 社2 東京・早大学院
14 緒形 岳 スポ2 新潟・新発田
  後半0分交代→28小川    
15 水谷 彰裕 商2 埼玉・早大本庄
  後半0分交代→29作田    
リザーブ
16 井上 大二郎 スポ2 愛知・千種
17 峨家 直也 商2 兵庫・報徳学園
18 小澤 祐仁 法2 東京・早大学院
19 沢登 直也 法4 神奈川・鎌倉学園
20 樋口 悦久 商4 大阪・早稲田摂陵
21 西田 強平 スポ2 神奈川・桐蔭学園
22 増原 龍之介 教1 広島・崇徳
23 堤 悠 政経4 東京・攻玉社
24 杉本 頼亮 スポ3 京都・桂
25 高橋 駿 文構4 東京・早実
26 フリン 勝音 スポ2 福岡・筑紫丘
27 中野 厳 社3 東京・早大学院
28 小川 啓樹 社4 東京・早大学院
29 作田 蓮太郎 教3 東京・早実
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)
コメント

SO横山陽介(スポ3=神奈川・桐蔭学園)

――Aチームの試合では後半からの出場でした。試合を振り返っていかがですか

後半からメンバーをがらっと変えて相手のAとやって、どこまで体を張れるかというのが僕らの課題だったのですが、そこで受けてしまってあの点差になったのかなと思います。

――Bチーム試合ではディフェンスで粘りことができていたように感じました

BKで抜かれた後のバッキングを集中してやろうと話していて、抜かれた後にターンオーバーできたのも多かったので、そこはいい点だと思います。

――なかなか点が取れませんでした

そうですね。ゴール前に入ってから得点を決めきれなかったので、そこがこれからの課題です。

――菅平での夏合宿ではどのような収穫がありましたか

8ヶ月ぶりくらいに復帰してラグビーをしたのですが、ゲームに慣れることと戦術理解という部分で古庄さん(史和HC、平15教卒)とも話して、どういうプレーを求められているのかが分かったので良い合宿だったと思います。

――対抗戦に向けて意気込みをお願いします

岸岡(智樹、スポ1=東海大仰星)とたくさん話して、お互い高めあっていける関係になっていければいいと思います。そして、勝てるチーム作りをSOからしていければいいなと思うので、二人でがんばっていきたいと思います。

SH杉本頼亮(スポ3=京都・桂)

――きょうのゲームプランはどのようなものでしたか

後半から出場したので、どんどん攻めていくことを意識してプレーしました。

――試合を振り返っていかがでしたか

合宿の終盤で疲れがたまっていたこともあり、みんな思うようなプレーができませんでした。

――試合を通じて得られた収穫、見つけた課題はありますか

夏から始めた攻撃の陣形がうまくできなかったことが課題ですね。攻撃に関して組織力が弱いと判明したことが収穫です。

――ディフェンスでが粘った試合でした

春から強化してきたディフェンスはしっかりと機能したのでよかったと思います。しかし、やはり攻撃面に穴がある状態なのでそこを改善していきたいです。

――合宿全体を振り返っていかがでしたか

帝京大のCチームなどに勝てたことは励みになりました。

――対抗戦にむけての意気込みをお願いします

Aチームとして試合に出場できるように、自分に足りないところを強化していきます。