菅平での初試合、網走合宿の成果を見せる

ラグビー男子

 選抜メンバーの網走合宿を終え初めての試合となった中大戦。春の強化ポイントだったディフェンスが定着してきつつあるなか、オフェンスの成長が注目された。序盤、NO・8宮里侑樹(スポ2=沖縄・名護商工)の突破やWTB桑山聖生(スポ2=鹿児島実)のトライなど復帰陣の活躍も光り31ー14と良いペースで前半を終える。しかし、後半でメンバーのほとんどが交代するとセットプレーの安定性を欠き、攻め切れない展開が続いた。後半もなんとか勝ち越し43ー21で勝利したが、課題の残る結果となった。

 早大のキックオフで試合開始。SO岸岡智樹(教1=大阪・東海大仰星)のラインブレイクからSH齋藤直人(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が敵陣の空いたスペースに蹴り込むなど序盤から果敢に攻め、敵陣でのプレーが続く。前半8分、スクラムで押し込み優位に立つと、一気に大外までボールを回し最後はFB水谷彰裕(商2=埼玉・早大本庄)が右端にトライ。キックは外れ5-0と先制した。その後、中大のサイズのあるBK陣のタテを突く攻撃に、タックルミスからトライを奪われ逆転されてしまう。しかし、早大は慌てずにディフェンスを立て直し、春からさらに磨きのかかったタックルでターンオーバーを連発。相手に反撃の機会を与えずにすぐに逆転する。そして前半27分に桑山聖の復帰後初となるトライを挙げ、その勢いのままさらに2トライを追加し31-7と大差をつけた。ラストワンプレーで失点したがスコアは31-14。3トライ差で前半を折り返す。

復帰戦でいきなり2トライを奪った桑山聖

 後半も良い流れのままいきたいところだったが前半とは一転。ディフェンスでは反則が目立ち、オフェンスでも見せ場をつくれず苦しい展開が続く。タックルミスから突破を許し後半早々にトライを献上すると、その後も自陣でのディフェンスが続き思うように攻められない。後半20分にペナルティーキックで一気に敵陣深くへ進攻しチャンスを作るが、ハンドリングミスでボールを奪われてしまう。スクラムでも押されセットプレーが安定せず、プレー全体の精彩を欠いた。途中、相手ディフェンスのスペースを突いたキックにWTB緒形岳(スポ2=新潟・新発田)が追いつきトライを挙げる。後半終了間際にもスクラムでもう1本を追加。最後に追い上げを見せたが思うように得点は伸びず、後半のスコアは12-7と渋い試合となった。

本職ではないWTBでの活躍が目立つ緒形。この日もトライを挙げた

 網走合宿でアタックを強化して臨んだこの試合は、BKの新しいアタックや良いかたちでのトライが増え得点力の向上がうかがえる内容となった。しかし、前半と後半のメンバーではプレーの完成度に大きな差が出たのは改善点のひとつだろう。次の試合は学生王者・帝京大。日本一を目指す早大にとって絶対に負けられない相手なだけあり「決戦の場だと思っています」と山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)も気合が入る。試合まで残り日数は少ない。着実に成長している早大の力がどこまで通用するか、必ず熱い戦いを見せてくれるはずだ。

(記事 高橋団、写真 桝田大暉、寺脇知佳)

夏季オープン戦
早大 スコア 中大
前半 後半 得点 前半 後半
31 12 14
43 合計 21
早大登録メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
鶴川 達彦 文構3 神奈川・桐蔭学園中教校
貝塚 隼一郎 政経5 埼玉・早大本庄
千葉 太一 教4 東京・早実
山口 和慶 スポ4 福岡
◎桑野 詠真 スポ4 福岡・筑紫
加藤 広人 スポ3 秋田工
佐藤 真吾 スポ2 東京・本郷
宮里 侑樹 スポ2 沖縄・名護商工
齋藤 直人 スポ1 神奈川・桐蔭学園
10 岸岡 智樹 教1 大阪・東海大仰星
11 桑山 聖生 スポ2 鹿児島実
12 中野 将伍 スポ1 福岡・東筑
13 黒木 健人 教3 宮崎・高鍋
14 本田 宗詩 スポ4 福岡
15 水谷 彰裕 商2 東京・早大学院
リザーブ
16 佐田 涼祐 社4 東京・早実
17 鷲野 孝成 基理2 神奈川・桐蔭学園
18 武田 雄多 文1 東京・早実
19 三浦 駿平 スポ1 秋田中央
20 吉満 慎吾 人3 東京・本郷
21 西田 強平 スポ2 神奈川・桐蔭学園
22 柴田 徹 社1 神奈川・桐蔭学園
23 中山 匠 教1 東京・成城学園
24 吉岡 航太郎 スポ3 国学院栃木
25 横山 陽介 スポ3 神奈川・桐蔭学園
26 野口 祐樹 人3 群馬・太田
27 武田 誠太郎 社1 島根・石見智翠館
28 緒形 岳 スポ2 新潟・新発田
29 宇野 明彦 スポ1 神奈川・横須賀
※◎は主将、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)
コメント

山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)

――きょうの試合全体を振り返ってみていかがでしたか

きょうの試合は、7月の3週間でディフェンスを修正したところと、網走でみっちりやったアタックをアグレッシブに出そうとしていました。それはターゲットにしている8月21日の帝京大戦に向けて、自分たちのかたちを確認しましたね。帝京大戦に向けては、しっかりスカウティングもして対策してやっていこうと思っています。でも、それ以前に自分たちのやってきたことをしっかり出して、チームに勢いをつけたかったですね。そこに関しては、アタックでは出せた部分もありますし、やる機会がなかった部分もあります。それでも、Aチームの最初の40分は集中力もあって良い試合ができたんじゃないかと思います。まだまだ一人一人のレッグドライブだったりがアタックでもディフェンスでも気になったので、そこはまだまだ成長していかなければと思います。

――スクラム、ブレイクダウンは優勢だった印象です

そうですね。そこは最後に勝つためにやってることなので、やり続けていきたいですね。そこはこだわりとして持っている部分ですし、まだまだ成長過程なので、ここからさらに良いものをつくり上げていきたいですね。アップデートはしていますけど、やっていることは変わらないので。

――Aの試合では接点でのジャッカルが目立っていました。そこも意識されているのでしょうか

前半のあの場面は岸岡が意識してボールを取ったんだと思いますね。それに加えて、ファーストタックラーの中野が良いタックルをして、早く相手をテークダウンさせていたのがあると思います。ドミネートできたタックルから、岸岡が良い反応を見せてくれたということですね。良いタックルはターンオーバーの要件になると思いますし、良かったと思います。ホールディングを取られるんじゃないかとも思ったんですけど。

――7月から8月にかけて、ディフェンスとアタックで整備した点を具体的に教えてください

まずディフェンスは、春シーズンのディフェンスの歩みを一度見直しました。そこから、どこでターンオーバーしていくのか、そのためのそれぞれの役割をチームとして義務付けて、徹底して練習しました。目的はターンオーバーをすることなので、どこでターンオーバーするのかというフォーカスポイントを提示しましたね。春はそこについて何もやっていないったので。アタックについては、春はほとんど手をつけていなかったので、エリアごとのアタックを整備しました。このエリアでは何のためにどんなアタックをするのかという点ですね。ディフェンスと同じように、それに関してのフォーカスポイントを提示しました。春シーズンでは手段が目的になってしまっていたので。ディフェンスでいったら目的はターンオーバーすることですし、その目的に向けてフォーカスポイントを絞ってやっています。

――きょうの結果を踏まえて、帝京大戦に向けてどういった点を改善していきたいですか

帝京大戦に向けては、今までやってきた自分たちのアタックとディフェンスをしっかりと出すということは大前提ですね。それに加えて、帝京大をしっかりとスカウティングして、相手の強みを出させないというところが重要だと思います。帝京大に勝つための戦術を今までつくってきましたし、そこを自分たちの強みとして出して、相手の強みを出させないということが重要だと思います。

――21日の帝京大戦に向けて、意気込みをお願いします

チーム発足当初のロードマップとして、夏を機にワセダは登っていくという話をファーストミーティングの時点で選手に話をしていました。なので、8月21日の帝京大戦でしっかりと自分たちがやってきたことに対してポジティブなフィードバックができるような試合にしたいです。そこで、世間の人たちにも、ことしのワセダの可能性を感じてもらいたい、そういった風を吹かしたいです。自分たちは決戦の場だと思っていますし、選手たちにも言い続けてきました。ここでことしのワセダが決まるという意気込みで頑張りたいと思います。その分、春は本当にずっと我慢してきたので。徹底して、熱い戦いをします。

ロック桑野詠真主将(スポ4=福岡・筑紫)

――菅平に入ってからのチームの状態はいかがですか

まだ3日目なんですけど、網走でアタックに関して落とし込んだところと、7月にディフェンスを整備したところを再認識できていると思います。そこの強みを試合で出すために菅平に乗り込んできたので、良いかたちだと思います。

――網走での合宿ではどのような点にフォーカスしていたのでしょうか

アタックですね。基礎的な部分も含めて、どのエリアでどんなアタックをするのか、というところを整備しました。あとは走り込みですね。

――この試合での手応えはいかがでしたか

アタックの機会が少なかったので、まずはその機会を多くしていかないなと思いましたね。その中でも、キャリアーが弱くてすぐに倒れてしまったりしていました。そこはもっと強くやっていかないと、これから戦う帝京大のような強いチームに対しては良い球出しができないのかなと思いました。

――ディフェンスについてはいかがでしたか

ディフェンスに関しては、タックラーとその次の二人目がしっかり戦えていましたし、ブレイクダウンでファイトできる部分も少しずつ出てきているかなと思いますね。

――スクラムは優勢だったと思います。感触はいかがでしたか

スクラムに関しては、春シーズンからチームの強みとして意識して積み上げてきましたし、網走でも菅平でも時間をかけて取り組んでいるので、それが結果として出て良かったと思います。

――トライにつながるスクラムもありました

そうですね。でもあそこではもっと押し切りたかったです。その中でも、ああやってプレッシャーをかけることで相手のフランカーのブレイクも遅くなりますし、あのかたちを今後もつくっていきたいと思います。

――網走からの疲れは問題なさそうですか

全く問題ないですね。菅平には試合をしに来ているので、監督もコンディショニングを含めて良い環境をつくってくれています。

――春シーズンの終盤に比べて、体の大きさが戻ってきた印象です

そうですね。7月のテーマの一つとして、体重を戻すということがあったので。そこは良いかたちで過ごせたと思いますね。

――春はあまり結果にこだわらないとのことでした。夏の3試合はどのような位置付けで挑んでいくのでしょうか

結果にこだわっていきたいです。特に、8月21日の帝京大戦に関しては、自分たちの手応えをつかむという意味でもしっかりやっていきたいです。

――次戦に向けて、きょうの試合を踏まえて改善していきたい部分はありますか

アタックのボールキャリアーの強さ、ブレイクダウンのファイト、ディフェンスではファーストタックル、セカンドタックルのところですね。そこの精度です。アタックのキャリアーは強くドライブして、簡単には倒れないようにしていきたいです。そこは上手さとかではないと思いますし、戦い続けるというところですね。

――帝京大戦で出していきたい部分はありますか

自分たちが春夏でやってきたところをどれだけできるか、通用するのかという部分ですね。そこでしっかり結果を出して、今季のワセダに注目させるではないですけど、自信をつけていきたいと思います。

――今季のチームとしては初めて帝京大との対戦となります。どういった思いで戦っていきたいですか

いつもの試合と変わりませんね。僕たちはチャンピオンではないので、常にチャレンジャーとしての気持ちを持ってやっていきたいです。

WTB本田宗詩副将(スポ4=福岡)

――本日の試合を振り返っていかがですか

久々の試合ということで、ガラッとアタックが変わって自陣、中盤、敵陣という三つのアタックを試しました。中盤のアタックが少なくてそこはあまり試せなかったのですが、練習してきた自陣、敵陣でのアタックでトライ取り切れたりエリアを取れたりしたところが良かったのではないかと思います。

――久々の試合、とのことでしたが個人的にはご自身のプレーをどう評価されますか

個人的には、中盤のアタックでBKだったりCTBが多くボールを持つ形なんですけどそこの機会があまりなく、ボールタッチが少なく、不完全燃焼という感じですね。ディフェンスで一本綺麗にやられたところなどもあったので、BK全体でコミュニケーション取りながら修正していきたいと思います。

――スコアに関してはいかがですか

やっぱり失点が多いなというところがあって、春にディフェンスを中心に、夏はアタックを中心にやっているんですが、やはり重要なのはディフェンスです。そこは立ち戻って、帝京大戦ではディフェンスを強みにしてやっていくのを意識していきたいと思います。

――具体的に強化していきたい点は

メンバーもある程度固まってきたので、隣が誰だったらどの程度いけるとか、お互いの相性やコミュニケーションをもっと深くやっていければいいなと思います。

――網走での合宿では、どのような点に重点を置いて練習されたのですか

アタックをメインに、フォーメーションの確認などをしていました。

――今後の目標は

8月21日の帝京大戦をずっとターゲットにやってきました。もちろん目標は勝利ですが、去年は92失点して負けていて、ことしのワセダはあるぞというのを周りに思ってもらいたいので、しっかりと結果にこだわってやっていきたいです。

プロップ千葉太一(教4=東京・早実)

――合宿前に行われた網走合宿はいかがでしたか

フィットネスやトレーニングだったり、ユニットの部分に結構時間を割いたのできつかったです。でもアタックもやり始めたので、皆のびのびとラグビーをやっている感じですね。

――この試合で練習の成果は感じられましたか

少し感じられました。でも、スクラムの部分でもっと自分たちの色を出していけたらとは思いました。

――スクラムでどういった部分が重要になってくるでしょうか

8人のまとまりの部分ですかね。相手の方が断然重いので、低さとか固まりで勝てたらと思います。

――今回の合宿の意気込みは

帝京大相手に勝つという気持ちで挑んで、負けてしまっても自分たちが今どの立ち位置にいるかというのを把握できればと思います。

――4年生としてチームを引っ張っていきたいと仰っていましたが、千葉さんはどのような役割を担っていきたいと考えていますか

スクラムの核にはなってくると思います。でもスクラムに関してだけではなく、フィールドでの強さというのも求められていると思います。そういった部分でチームをもっと前に出せればと思います。

――帝京大戦に向けての意気込みをお願いします

まずセットプレーで勝って、BKに良い球を供給する。ボールキャリーなどでも、チームを前に出していければと思います。

SH齋藤直人(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

――網走の練習ではどこを強化しましたか

春はディフェンスを中心にやっていたんですけど、網走ではアタックをやり始めました。FWはモールとスクラムをやっていたと思います。

――きょうの試合もアタックを意識して臨まれたのですか

そうですね。

――この試合の収穫などはありますか

まだ試合をよく見ていないのでよくわかりませんが、監督のコメントだと中盤のアタックがよくなかったみたいなので次の帝京大戦までには直したいです。

――前半だけの出場でしたが、アタックのどのようの点を意識されましたか

アタックもそうですが、しっかりとエリアを取るということはできたと思います。監督に言われた通り中盤のアタックの形はまだまだでした。

――ディフェンスの裏へのキックでトライもありましたが、やはりそこはいつも見ているポイントの一つですか

プレーをする中で前を見たり裏を見るというのは常に意識しています。トライにつながったキックはターンオーバーのあとで裏がいないと思ったので蹴りました。

――ハイパントも何本かありましたがいかがでしたか

2回蹴ったんですけど本当は3回蹴る予定でした。1回ノックオンがあってできなかったので、キック以前の問題でした。キック自体は結構当たってたので良かったです。

――タックルミスから失点するのが目立ちましたが、ディフェンスはいかがでしたか

中大はタテに来るチームだと言われていたのにも関わらず抜かれました。自分はもう少し開いてSOを楽にしてあげたりできたと思うので、まずビデオを見て振り返って次はないようにしたいです。

――スクラムで8番から9番へのパスなど新しいオフェンスもありましたが、どのような狙いでしたか

網走で新しいアタックをやった中にそのプレーがあったので、うまく使っていきました。

――これからの菅平合宿で強化していくポイントはやはりオフェンスですか

どっちかというと難しいですけど、やってきたことをしっかりできるようにします。アタックだと中盤、ディフェンスは決まり事をしっかりこなせるようにしたいです。

SO岸岡智樹(教1=大阪・東海大仰星)

――本日の試合を振り返っていかがですか

次の帝京大戦にピークを持って行こうとしていました。この合宿の初戦ってこともあり、勝利をつかむことができて次の試合に向けて良い流れをつくれたということで、反省点もありますが良いスタートを切れたのではないかなと思います。

――反省点というのは

自分たちのやりたかったことができなかったところや、個人的にはキックとかディフェンスとか、トライを取られるシーンにおいて反省点がありますね。

――タックル後のボールへの絡みが早かったりゲームメイクの中心になっていたように感じましたが個人的にはいかがですか

まあたまたまという感じですね。トライにつながったようないい判断などもあったんですけど、チームでの勝利っていうのが一番大きいですね。自分たちの意図してやりたかったことは多く出たところがあったので、そういった部分では良かったかなと思ってます。

――チーム内の雰囲気はいかがですか

Bチームを見ていてもAチームがやりたいことは浸透してきていて、チーム全体としての雰囲気も良くなってきたかなと思います。

――先日の網走合宿についてお聞かせください

網走合宿では、新しいアタックのサインの確認や戦術を増やしました。それが今回の実践の場で通用する部分が多々あったので、やってきたことは間違いじゃなかったんだなと。みんなそういう認識なので、これを強みにしていけたらなと思います。

――今後の課題や意気込みをお願いします

きょうはディフェンスの部分で僕と隣の選手との間が一番ですね。チームとしては勝てれば一番文句ないんですけど、勝ち負けよりも内容ってところで冬に向けて何か一つでも多くつかめたらなって思いますね。

WTB桑山聖生(スポ2=鹿児島実)

――この夏の網走での合宿はいかがでしたか

ハードな合宿だったんですけれど、アタックの部分の戦術をしっかり整理して、この夏の菅平合宿に繋げられるような合宿になったと思います。

――今回の試合を振り返っていかがですか

全体的に網走でやったアタック、新しく戦術を入れたところをしっかりやって結果を出す、勝つというところだったんですけれど、しっかりできたところとできなかったところがあるのでいい風に課題点が見つかったかなと思います。

――前半は2回トライを決めていましたね

しっかり自分の前のスペースを見て、うちのプレーヤーを呼んでボールを運んでもらってトライ、というのが1本目はできました。2本目はスクラムハーフの直人(齋藤直人、スポ1=神奈川・桐蔭学園)がすごくいいキックをしてくれて、それを走ってトライしたという結果になりました。普段、練習からやっているところがしっかり出たなという印象はあります。

――今回の試合はケガからの復帰戦でしたがどんな気持ちで臨みましたか

結構久しぶりだったのですごく緊張していたんですけれど、トライも取れて、そこで緊張がほぐれたなと思います。

――相手が2人で自分が1人というような不利な状況が多い中、ディフェンス面での工夫や意識した点はありましたか

基本的に中大のブラインドWTBが順目に攻めてきていたので、1枚余るのはわかっていました。なので、そこはFBの水谷(水谷彰裕、商2=埼玉・早大本庄)としっかり話してコミュニケーションをとってちょっと外に運ばれても我慢して止めるというふうにしていました。内側は黒木さん(黒木健人、教3=宮崎・高鍋)と中野(中野将伍、スポ1=福岡・東筑)がすごい強いプレーヤーなので、そこは任せていました。

――今後の目標について教えてください

チームとして大学日本一をとることを掲げているので、一年を通しての目標はそこです。目先としては4日後の帝京大戦でしっかり結果を出して、秋に臨みたいと思います。

CTB中野将伍(スポ1=福岡・東筑)

――菅平合宿での初戦で勝利を収めましたが、試合を振り返っていかがですか

練習してきたことを試す機会は少なかったのですが、その中でも良いかたちで試合運びができたのでよかったです。

――中野選手のタテの突破からトライにつながる場面がありました。振り返っていかがですか

運よく抜けられたのですが、それをトライにつなげられてよかったと思います。

――ご自身のプレーをどのように評価していますか

アタックでもディフェンス面でも、コンタクトで良い部分が出せたと思います。コンタクト面では前に出る意識ができたのでよかったです。ディフェンスは隣との連携を修正していければ、今後もっとよくなっていくと思います。

――試合の中で、チームとして得た課題はありますか

今回は勝ちましたが、あくまでもターゲットとしているのは次の帝京大です。帝京大戦に向けて細かい部分をしっかりビデオでチェックして、帝京大戦はきょうのようにうまくいかないと思うので、帝京大戦に向けて修正点を直していきたいです。

――菅平合宿ではどのような目標を持って取り組んでいますか

網走合宿から継続してアタック面を中心にしています。きょうは試せる部分が少なかったですが、次の帝京大戦ではいままで練習してきたことをかたちとして示せるように頑張ります。

プロップ佐田涼祐(社4=東京・早実)

――前半試合を見ていて感じたことはありますか

セットプレーでも優位に立てていましたが、ラックサイドの攻防が物足りないなと思ったので、後半はセットプレーに加えてラックサイドで激しくいい攻防ができるようにしていこうと思いました。

――後半のスクラムについてはどのような印象でしょうか

後半のファーストスクラムで僕がペナルティーを取られてしまったのが相当痛かったなというのがあります。総じてしっかり組めた部分もあったのですが、最後の方に崩れてしまいまして、特に3番側から中の方に押されてしまったなという印象があります。そこは次戦に向けての修正点ですね。

――ペナルティーを取られてしまった要因はどこだと思われますか

初めから内に組んでいこうとした時に相手も内組みだったので、そうなると1番の方が悪い印象を与えることが多いので取られてしまったかなと思います。

――セットプレーの安定やラックサイドの攻防についてはいかがでしょうか

ラックサイドの攻防ですとセットが遅くなったり、ラックに人が寄ってしまってしっかりディフェンスしきれなかったりする部分がありました。あとはスクラムに関しても良くなかったかなと思います。ラインアウトも相手にミスして取られてしまったので徹底が足りなかったなと感じます。FW全体としては総じて良くない印象です。

――網走合宿を振り返っていかがですか

網走合宿では今までやってきたディフェンスに加えて、新しくアタックをたくさんやりました。アタックをやった割にはまだ詰められていないものが多いので、残りの菅平合宿で詰めていって、チームでまとまったアタックができればいいなと思います。

――菅平合宿の目標はなんですか

アタックと、あと帝京大戦に向けてもっと精度を高くできるようにというのが目標です。

――秋シーズンに向けての意気込みをお願いします

個人として、まずはAチームの試合に出るということを目標としていて、チームとしては帝京大や東海大など強い相手に対して良いプレーをして勝ちにいって、最後の決勝では1分の1の日本一を取れるために仕上げていくことです。

フランカー柴田徹(社1=神奈川・桐蔭学園)

――試合を振り返っていかがですか

相手のFWが出てくるところで自分たちが前に出ようと話していました。そういうところではできたと思います。

――ご自身の手応えはいかがですか

合宿入って初戦ということもあって、自分の中で固かったなと思います。

――北海道での合宿はいかがでしたか

アタックの新戦術の動き方の確認と、あとはディフェンスでの動きを合宿中にずっとやっていました。アタックよりも、ディフェンス部分で前に出るということが合宿を通して良くなってきていると思います。

――けがは順調に回復されているのでしょうか

ほぼ影響はないのですが、予防でテーピングしていますね。

――今後に向けての目標や意気込みをお願いします

まずはAチームでレギュラーとして出場できるように地道に頑張っていきたいと思います。