春シーズンも終盤に差しかかったきょう、保土ヶ谷公園ラグビー場にて法大Bとの試合が行われた。1試合を通してハンドリングエラーなどのミスが目立った両チーム。早大Bはアタックでたびたび敵陣深くまで攻め込むものの、要所でのミスでなかなかトライを決めきることができない。また、スクラムも押しつ押されつと不安定。落ち着かない試合運びとなり、互いにトライを取り合ったが14-26で敗北した。
安定感が欠けていた。試合開始直後のスクラムで相手を押し込んでペナルティーを誘い、法大Bを圧倒するかに思われた早大B。しかし、その次のスクラムでは球出しがもたつきターンオーバーされてしまう。開始10分、ペナルティーを犯してタッチキックで大きく陣地を取られると、自陣深くでの相手ボールのラインアウトに。モールで押し込まれ先制トライを許してしまう。すぐに取り返したい早大Bは相手のミスからゴール前まで攻め込み、得点するチャンスを演出するが、肝心なところでペナルティーを犯し相手ボールに。その後1トライを献上し、0-12と早大Bは無得点のまま折り返した。
大きくゲインし、敵陣深くに攻め込むWTB小川
後半開始早々、失点の危機が訪れる。キックオフのボールをキャッチした法大Bにパスをつながれ、大きくゲインされてしまう。ゴール前まで追い込まれたところでタックルで粘りを見せ、相手がたまらずペナルティー。なんとか失点を回避した。その直後、WTB小川啓樹(社4=東京・早大学院)が左端を駆け抜けて大きくゲイン。パスをつないで右大外に展開すると、なんとかトライを食い止めようとした相手が故意に反則を犯し、認定トライ。さらに1トライを奪い、14-12とリードする。波に乗るかに思われたが、ミスが足を引っ張る。アタックではたびたび突破を見せるが、ミスで攻撃が途切れなかなか前に進めない。一方のディフェンスではタックル自体はいいかたちで入ることができても、セットの戻りのもたつきからわずかに穴が開いたところを突破され、得点を許す。最終スコアは14ー26。リードを守り切ることができずノーサイドを迎えた。
タックル自体はよくなっている。戻りの遅さを改善したい
互いにミスが多く、相手のミスに助けられた部分も多々あった。今まで練習してきたタックルに良いものが見られるようになり始めてきただけに、自らのミスによって首を絞めるのはあまりにももったいない。また、この試合全体でスクラムの安定感を欠いていた。春シーズンの試合も残り1試合。徹底的に欠点を見つけ出し、夏、そして秋の飛躍へとつなげたいところだ。
(記事 本田理奈、写真 浅野純輝)
練習試合 | ||||
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早大B | スコア | 法大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
0 | 2 | T | 2 | 2 |
0 | 2 | G | 1 | 2 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
0 | 14 | 計 | 12 | 14 |
14 | 合計 | 26 | ||
【得点】▽トライ 佐藤健、認定トライ ▽ゴール 野口(2G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大登録メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 井上 大二郎 | スポ2 | 愛知・千種 |
2 | 佐田 涼祐 | 社4 | 東京・早実 |
3 | 小澤 祐仁 | 法2 | 東京・早大学院 |
4 | 水野 孟 | 基理3 | 東京・早実 |
5 | 三輪 達哉 | 文2 | 三重・桑名 |
6 | 佐藤 健 | 商2 | 東京・早大学院 |
7 | 堤 悠 | 政経4 | 東京・攻玉社 |
8 | 中山 匠 | 教1 | 東京・成城学園 |
9 | ◎杉本 峻 | 商4 | 東京・早実 |
10 | 野口 祐樹 | 人3 | 群馬・太田 |
11 | 小川 啓樹 | 社4 | 東京・早大学院 |
12 | 桐ケ谷 稜介 | スポ2 | 群馬・太田 |
13 | 千野 健斗 | 人2 | 東京・成蹊 |
14 | 緒形 岳 | スポ2 | 新潟・新発田 |
15 | 水谷 彰裕 | 商2 | 埼玉・早大本庄 |
リザーブ | |||
16 | 尾島 拓樹 | 商2 | 東京・早実 |
17 | 周藤 直也 | 社4 | 東京・早大学院 |
18 | 齋藤 大貴 | 法3 | 北海道・函館ラ・サール |
19 | 近田 和 | 法2 | 東京・早実 |
20 | 江副 希典 | 社4 | 佐賀工 |
21 | 杉本 頼亮 | スポ3 | 京都・桂 |
22 | 埜田 啓太 | 基理3 | 東京・早実 |
23 | 小谷 海知 | スポ3 | 東京・国学院久我山 |
24 | 中野 厳 | 社3 | 東京・早大学院 |
25 | 伊藤 大貴 | スポ2 | 愛知・春日丘 |
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
SH杉本峻ゲームキャプテン(商4=東京・早実)
――ゲームキャプテンとして意識したことはありますか
うまくまとめるというよりは、全員がAチームに上がるための気持ちの入ったプレーをしようと伝えました。
――アタックに関して、いい場面でのミスだったり、決めきれなかったりということがありましたが、振り返っていかがですか
前半敵陣いいところまでいっても取り切れないことが多くて、後半は山下監督に(山下大悟監督、平15人卒=神奈川・桐蔭学園)「きれいにうまく取らなくていいから、一人一人粘ってしっかり取って帰ってこい」と言われたのですが、それはできなかったです。
――きょうは風が強かったですが、その影響はありましたか
前半は風下だったので我慢しようということを伝えていました。後半の最初は風上をとれていいかたちでアタックができたと思うのですが、そのいいかたちを最後まで続けることができなかったのが敗因かなと思います。
――来週は東海大との一戦ですが、東海大に対してはどのような印象をお持ちですか
全員が帝京大レベルで体が大きくて、Aに関しては外国人選手や強いランナーがたくさんいるのという印象です。そこを今季の強みであるチームディフェンスでしっかり止められるかという部分で、春シーズンの成果を見せる機会だなと思います。
――Aチーム定着に向けて意気込みをお願いします
来週から齋藤直人(スポ1=神奈川・桐蔭学園)も帰ってきますし、4年生になって個人としてもっとひたむきにやらなくちゃなと改めて感じました。僕はうまくはできないので、しっかり地道に地道にフィットネス、パス、一個一個自分に厳しくやっていきたいと思います。
フッカー佐田涼祐(社4=東京・早実)
――この試合を振り返っていかがですか
勝てる試合に勝てなかったかなという感じです。
――スクラムが全体的に不安定でした。原因はどこにあると思いますか
前半は僕がフッカーのポジションに入っていたのが全てです。後半は周藤(直也、社4=東京・早大学院)がフッカーに入り、僕がプロップに入ることで安定はしました。僕のフッカーとしての力不足が全てだと思います。
――ディフェンスでは内からのブレイクが増え、後手に回るシーンが見受けられましたが、何か修正点はありますか
一回抜かれると、下がって、疲れた状態でディフェンスすることになってしまい、また抜かれるという連鎖になってしまいました。一回でも僕らが大事にしているライフラインを切って、二人で相手に対応できなくなると、どんどん後手に回る展開となってしまい、追いディフェンスとなってしまいました。FWが走ってくるランナーに対し、しっかりと詰めきれなかったからだと思います。
――ラインアウトではスローアーを務めていらっしゃいましたが、感触はいかがでしたか
0点です。後半からラインアウトが安定したのも周藤が入ったからで、スローアーとしての僕の実力が足りていないからだと思います。
――次戦に向けた意気込みをお願いします
プロップか、フッカーかどっちで出るかは分からないですが、両方で出れる準備をして、スローであったり、スクラムの修正点をきっちり洗い出して、次は良いプレーができるように頑張っていきたいと思います。
フランカー堤悠(政経4=東京・攻玉社)
――タックルでかなり前に出られている印象でしたが、いかがでしたか
バックローというポジションなので、タックルはいつも重点をおいて練習していて、先々週の明大戦でうまくいかなかったところを練習で修正しました。それが少しは出せたかなという感じです。
――スクラムは押し押されと不安定でしたが、原因をどう考えていますか
原因のひとつとしては、最初のヒットのところで相手に食い込まれている場面もあったことです。そういうときは押し込まれました。
――ゴール前で受け身になりタックルミスもありましたが、振り返ってみていかがですか
ゴール前はラグビーではきつい局面で、そこでFWがフィットネスが足りずに走り切れませんでした。でも、早いセットができないとどうしてもタックルも抜けてしまうので、ゴール前のFWのこだわりがなかったと思います。
――ポイント近くのSHとSOの間を抜かれ、ゲインを許しましたが原因はなんでしたか
SHとSOの間はFWが見るところなんですけど、一本行かれたのは相手のSHがノックオンしたんじゃないかと勘違いして足が止まってしまい抜かれました。セルフジャッジせずに笛が鳴るまでやり続けるというのをやらなければなと思いました。
――きょうの試合を振り返って、今後に向けての課題などはありますか
4トライ取られたので、慶大、明大に比べて格下の相手で絶対4トライも取られてはいけない相手でした。来週は東海大戦があるので、そこでチームディフェンスを個人としてもチームとしてもみんなで課題として認識して、練習で克服していい結果が出せるように頑張りたいと思います。