天理大戦展望

ラグビー男子

 いよいよ迎えた全国大学選手権(大学選手権)。関東大学対抗戦(対抗戦)を4位通過した早大が初戦で戦うのは、関西大学リーグ2位の天理大だ。プール戦とは言えども負けたら終わりも同然の戦い。まずは天理大にしっかり勝利を収め、27日に控える東海大戦へと弾みを付けたい。

 先週行われた早明戦では、明大のお株を奪うモールからトライを奪った早大。当然ながら大学選手権でも武器となるだろう。そのために必要なのはラインアウトの安定。サインを相手に読まれた早明戦の前半は苦戦を強いられていたことから、天理大戦では相手に対応しつつ確実にキープしたい。とはいえ、天理大バックローで最長身はNO・8ファウルア・マキシの185センチ。その他の選手は180センチ前後であることから、高さで制圧したいところだ。逆にセットプレーが安定しないと厳しい戦いになる。不安な点は対抗戦序盤から挙げられる精度の低さだ。安易なミスや反則で仕留めきれないシーンが何度も見られた。4トライ以上でボーナスポイントが入る大学選手権では、敵陣に入ったら確実にトライを重ねることが求められる。また、復帰後ノートライのWTB本田宗詩(スポ3=福岡)、FB藤田慶和副将(スポ4=東福岡)の両エースがトライを奪えば、早大の勢いが増してくる。

早明戦で不安定だったラインアウトの改善は急務

 一方の天理大の中心選手は、何と言ってもCTBジョシュア・ケレピだ。188センチ、105キロの大型CTBが破壊力満点のアタックを仕掛けるのは言うまでもない。早大はケレピを1人で止めるのではなく、2、3人で確実に止めたい。他にもFWにはマキシが、リザーブには104キロと重量CTBのモセセ・トンガと多数の外国人選手を擁する天理大。流通経大、大東大と外国人選手のアタックに苦しめられ続けた早大にとってディフェンス面の真価が問われる戦いになるだろう。

天理大のキーマン・ケレピの対面となるCTB盛田志(スポ4=広島・尾道)

 早大が勝つカギはミスなく自分たちのラグビーを遂行できるかどうか。逆に落球などでアンストラクチャーを作り出すと強力な外国人選手に自由に走られ、苦しくなるだろう。継続したアタック、安定したセットプレー、そしてSO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)を中心とした適切なエリアマネジメント。これらから早大ペースに持ち込めば、必然と勝利は近付いてくる。まずは2年ぶりの年越しのため、初戦で負けるわけにはいかない。

(記事 菅原拓人、写真 高柳龍太郎、八木瑛莉佳)

 

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
佐田 涼祐 社3 東京・早実
貝塚 隼一郎 政経4 埼玉・早大本庄
千葉 太一 教3 東京・早実
加藤 広人 スポ2 秋田工
桑野 詠真 スポ3 福岡・筑紫
宮里 侑樹 スポ1 沖縄・名護商工
仲元寺 宏行 社4 広島・尾道
佐藤 穣司 スポ4 山梨・日川
杉本 峻 商3 東京・早実
10 横山 陽介 スポ2 神奈川・桐蔭学園
11 山岡 篤樹 教4 東京・本郷
12 ◎岡田 一平 スポ4 大阪・常翔学園
13 盛田 志 スポ4 広島・尾道
14 本田 宗詩 スポ3 福岡
15 藤田 慶和 スポ4 東福岡
リザーブ
16 石川 敬人 スポ4 茨城・茗渓学園
17 峨家 直也 商1 兵庫・報徳学園
18 柴田 雄基 文2 愛知・千種
19 池本 翔一 スポ4 愛知・千種
20 山口 和慶 スポ3 福岡
21 浅見 晋吾 スポ4 神奈川・桐蔭学園
22 鈴木 亮 教4 神奈川・桐蔭学園
23 鈴木 伶輔 政経4 東京・早大学院
全国大学選手権セカンドステージ プールB星取表(12月11日現在)
  東海大 天理大 早大 朝日大 総勝ち点 得失点差
東海大 12/20 14:00
秩父宮
12/27 14:00
江戸川
12/13 14:00
瑞穂

0
天理大 12/20 14:00
秩父宮
12/13 14:00
花園
12/27 12:00
瑞穂
0
早大 12/27 14:00
江戸川
12/13 14:00
花園

12/20 11:40
秩父宮
0
朝日大 12/13 14:00
瑞穂
12/27 12:00
瑞穂
12/20 11:40
秩父宮
0
※秩父宮は秩父宮ラグビー場、花園は東大阪市花園ラグビー場、江戸川は江戸川ラグビー場、瑞穂はパロマ瑞穂ラグビー場
※順位決定は勝ち点制で、勝ち=5点、引き分け=2点、敗戦=0点、7点差以内の敗戦=1点、勝敗に関係なく4トライ以上を獲得したチーム=1点の勝ち点がつく。また、各所属リーグでの最終順位により、東海大(関東大学リーグ戦1部 1位)に3点、天理大(関西大学Aリーグ 2位)に2点のアドバンテージポイントが加算される。