明大1年に大差で敗れるも大きな収穫

ラグビー男子

 敵地・明大八幡山グラウンドで、早大は初めての1年生試合となる新人早明戦に臨んだ。「伝統の試合なので負けられない」とゲームキャプテンを務めたNО・8宮里侑樹(スポ1=沖縄・名護商工)が話すように、選手の意気込みは十分だった。しかし、前半は序盤から体格や技術で勝る明大に大量のトライを献上する。後半終盤で集中が切れて追加点を与え、19-78と大差で敗れた。

 前半、早大は明大の個の強さを見せつけられる結果となった。試合開始早々、自陣でのラインアウトから、早いパス回しに翻弄(ほんろう)され失トライ。続く前半10分にもFWのディフェンスミスから失点を許すと、さらに15分、ターンオーバーを起点として突破され、大外までボールを展開する完璧な形でのトライを決められて0-21と大きく差を広げられてしまう。その後も自陣でのスクラムからそのまま押し切られるなど失点を重ね、0-43という大差で前半を折り返す。

力強いプレーを見せた鷲野

 一転して後半すぐに、早大は反撃ののろしを上げる。キックオフ後敵陣で得たペナルティーを機に、相手ゴール近くでのラインアウトというチャンスをものにして、SH緒形岳(スポ1=新潟・新発田)がインゴールにボールをねじ込んだ。その後も明大のラインアウトのボールを奪い、最後はノックオンの反則になるも、左の大外に展開し、前に出ようとする姿勢をみせる。後半に入ってからは全員からよく声も出ており、チームの雰囲気は良くなってきていた。勢いそのままに、9分、またしても緒形がパスダミーを交えたステップで相手を翻弄(ほんろう)し裏に抜け出して、WTB板垣悠太(基理1=東京・玉川学園)にラストパスを出し得点。12-43と差を縮めていき、懸命なタックルで粘りを見せ、相手のターンオーバーを許さない。明大にも焦りや疲れが見えてきた13分には、WTB神山隆太(政経1=東京・早実)が鮮やかな突破からインゴールを駆け抜け、19-43とする。しかしこのまま明大に追いつけるか、というムードのなか、27分に明大のフィジカルの強さから後半初失点。そこから終盤の残り10分で早大は4トライを許し、19-78というスコアで試合を終えた。

体格で勝る明大にも果敢に挑んでいった

 スコアだけを見ると惨敗を喫したように思えるが、宮里が「後半のプレーを前半もできていたら勝機はあった」というように、試合中盤での戦いから得られた収穫は大きい。まだまだ技術面や体格面では及ばないところが多いと痛感させられた試合内容ではあったが、SO船越明義(社1=東京・早大学院)が「みんなでひとつになれる学年」と自分たちを分析するように、一体となって互いに高めあい、三年後の勝利を信じて注目していきたい。

(記事 吉澤奈生、写真 橋本望、高畑幸)



新人早明戦
早大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
19 43 35
19 合計 78
▽トライ 神山、緒方、板垣 ▽ゴール 船越(2G)
※得点者は早大のみ記載
コメント

NO・8宮里侑樹ゲームキャプテン(スポ1=沖縄・名護商工)

――この試合を振り返っていかがでしたか

結果的に差はつけられましたが、後半はいいプレーが出来たので、そのプレーを前半でもできたら勝機はあったと思います。

――どのような気持ちで試合に臨まれましたか

早明戦は伝統の試合なので、絶対に負けられないという思いでした。

――後半は声も出ていて雰囲気も良かったと思うのですが、盛り上げようという意識はありましたか

後半明大(の気持ち)が落ちると思っていたので、自分たちは気持ちを上げようという思いでした。

――この試合での課題や収穫はありましたか

後半前に出れたのは大きな収穫でしたし、マイボールにしたときの判断などを慶応戦に向けて頑張っていきたいと思います。

――自分たち一年生の印象はどうですか

体が小さいので、前に出ることを重視して頑張っていきたいです。

――新人戦が終わり、これから夏を経て秋の本格的シーズンに入っていきますが、何か意気込みはありますか

やはり一年生はまだ体が小さいので体を大きくして、皆で上に上がってAチームに入れるよう頑張っていきたいです。

――この試合ゲームキャプテンを務めていらっしゃいましたが、何を心がけてプレーしましたか

前に出ることと、自分から盛り上げることを心がけました。

プロップ鷲野孝成(基理1=神奈川・桐蔭学園)

――試合を振り返ってみていかがでしたか

後半の最初にはかなりみんなで前に出られていたんですけど最初からそれができなかったので、次への教訓は絶対に前に出ることですかね。

――試合にはどのような気持ちで臨まれましたか

新人早明戦は一生に一回しかないのでしっかり気持ちを入れてきました。

――後半は声をよく出されていましたが、意識してやられていたのですか

後半は落ちてきていて、ここで誰かが声をださなかったら試合のモチベーションが下がると思ったので。周りが声を出していればみんな声を出すかと思って、自分からいきました。

――今日の試合を通して課題や収穫などがありますか

後半の最初に前に出れたことですかね。それを最初からやるためにも今週一週間でしっかりみんなで作り上げていきたいと思います。

――スクラムで押し切られるシーンが多かったように思われますが、その原因はどのようにお考えですか

自分たち前3人の姿勢がうまく取れていなくて、後ろの5人の押しを前に伝えられなかったことですかね。

――ご自分の代の印象はいかがですか

みんな明るくてやる気なんですけど、流れに乗ったときはいけるけど落ちるときは落ちきってしまうところがありますね。

――これから本格的なシーズンに入りますが、一年間の意気込みをお聞かせください

赤黒を着るために全力で頑張ります。

SO船越明義(社1=東京・早大学院)

――この試合を振り返ってみていかがでしたか

きょうはディフェンスのセットとタックルというのをテーマにして試合に臨みました。その中で良いシーンもあったのですが、フェーズが重なってくるとディフェンスのセットが出来なくなっていって抜かれてしまうというシーンが特に前半は多かったかなと思います。ひとつひとつの接点で引いてしまって、次のアタックでも悪いセットになって、一発で仕留めきれないというシーンが多かったと思います。

――初の新人戦でしたが、どういう気持ちで臨みましたか

一年生全員でやる最初で最後の早明戦なので、絶対に勝とうという気持ちで臨みました。

――この試合で出た課題や収穫はありましたか

さっきも言ったのですが、ディフェンスのセットのところで、良いシーン、前に出て、良いタックルをして、ターンオーバーというところも何度かありましたし、そこは収穫だったと思います。悪かったのは、まだまだディフェンスのセットのところが詰めきれていなくて、中途半端だったのと、キックですかね。キックでエリアを取るのがあまりうまくいかなかったなと。

――試合を通して、声を出す場面が目立っていましたが、チームの雰囲気を上げようということを意識されていたのでしょうか

そうですね。前半は自陣でのディフェンスが多かったので、そこで自分たちのやってきたタックルとかをやれるように気持ちを上げるというのを意識してみんなで声を出していけたと思います。

――ことしの一年生の雰囲気はいかがですか

ことしは絶対的なリーダーというのがいないというか、別に悪いことではないと思うので、みんなで言い合って、みんなでひとつになれるような学年だと思っています。

――これからの早大での4年間に向けて、意気込みなどはありますか

まず今はまだ技術的にも足りていないことが多いので、そこをしっかり練習して、きょうの相手である明大の一年生に勝っていくというイメージで練習していきたいです。そして、少しでも上のチームに上がれるように、毎日を大切に過ごしていきたいと思っています。

――最後に、ご自身のアピールポイントを教えてください

ディフェンスですかね。タックルが自分のアピールポイントだと思っています。この試合ではだめなところが多かったと思うのですが。ディフェンス、タックルが自分のアピールポイントです。